【本の要約④】朝だけ断食で9割の不調が消える!健康効果と腸内環境

あなたは「朝だけ断食」の健康効果をご存知ですか?

  • 「朝だけ断食」のメリットは?
  • 「腸内環境」を整えるには?
  • 肉食は腸に悪い?それともいい?

わたしは、食事アドバイスや断食指導をしてる栄養士です。断食(ファスティング)指導の資格も持っています。

わたし自身も趣味がファスティングで、もう8年以上の間、3~10日の断食を定期的に行ってます。

そんなわたしが「朝だけ断食で9割の不調が消える!」という本を要約しています。本記事は、4部作中の4記事目です。

①本書の概要とメリットを以下の記事でまとめています。

《参考》【本の要約①】朝だけ断食で9割の不調が消える!メリット・効果

続いて、②朝だけ断食のやり方と「酵素」の働きや重要性について解説しています。

《参考》【本の要約②】朝だけ断食で9割の不調が消える!やり方・酵素の働き

さらに、③酵素の節約方法・補い方をご紹介しています。

《参考》【本の要約③】朝だけ断食で9割の不調が消える!酵素の節約・補い方

これらをご覧いただいてから本記事の本文に入っていただけると理解が深まると思います。では早速、内容に入っていきます。

「朝だけ断食」健康の理由

本_朝だけ断食で9割の不調が消える!

著者自身も、朝だけ断食にしてみたところ、しっかり朝食を食べていた頃に比べて午後の眠気や疲れが減ってきたそうです。

たとえば、20時までに夕食を食べ終え、翌朝は水分のみにして、昼は12時まで食べないと、16時間は食べないことになります。

16時間断食は「空腹こそ最強のクスリ」という本で、話題になりましたよね。「朝だけ断食」も16時間断食の一種であると言えますね。

《参考》【要約】空腹こそ最強のクスリ:16時間断食の正しいやり方・ナッツの食べ方

この16時間断食の生活を続けると、人間は極めて健康になります。その理由は以下の通りです。

  1. 「インスリン抵抗性」が出ない
  2. 「オートファジー」が活性化する
  3. 「サーチュイン遺伝子」が活性化する
  4. 「腸内細菌」が正常化し、免疫力が高まる

①「インスリン抵抗性」が出ない

「インスリン」とは、すい臓ランゲルハンス島のβ細胞から出る血糖値を下げるホルモンです。人の体で血糖値を下げるホルモンはこれだけしかありません。

人間は、炭水化物を食べると血糖が上昇します。特に砂糖菓子のような単純炭水化物は血糖値が上昇しやすいです。

血糖が高いままだと体に様々な悪い現象が生じます。そこで、体はすい臓からインスリンホルモンを出し、血中にある糖を細胞の中に押し入れて、糖の量を調整します。

ところが「インスリン抵抗性」という現象が起きると大変です。インスリン抵抗性は、何らかの原因により、血中を流れるインスリンホルモンが作動しなくなることを言います。

こうなると、血中の糖は細胞内に入れなくなり、その結果、糖尿病になってしまいます。インスリン抵抗性で生じた糖尿病が2型糖尿病ですが、糖尿病はありとあらゆる病気の問屋です。

なかでも、血液と組織細胞との間の物質交換や体液循環の調整をしている「微小循環」が極めて悪くなると、次のような疾患につながります。

《微小循環が悪くなると起こりうる疾患》

  1. 眼疾患:網膜症、白内障、緑内障といった眼疾患。失明に至ることも。
  2. 腎臓障害:腎炎や腎不全になりやすくなる。
  3. 下肢の血流不全:時には下肢が壊疽になることも。
  4. 動脈硬化:動脈硬化が進むとあらゆる梗塞(脳梗塞、心筋梗塞、肺梗塞など)を引き起こす。解離性大動脈が列の危険性も。
  5. 高血圧:動脈硬化により高血圧が引き起こされる。
  6. がん:がんのエサはブドウ糖。血中に糖があふれた糖尿病は、ガンの危険度が増える。
  7. 脳の疾患:認知症、パーキンソン病、脳卒中(脳出血や脳梗塞)
  8. 肺疾患:肺炎や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺がん
  9. 感染体質:血流が悪化するため、十分な酸素や栄養が届けられず、細胞の働きが低下。細菌感染のリスクが高くなる。

これらのことにより、インスリン抵抗性は絶対に避けなければなりません

②「オートファジー」が活性化する

オートファジーとは、16時間以上の断食をすると体の細胞が蘇る「修復機構」のことです。

いわば「60兆の細胞の新品化」と言っていいかもしれません。細胞のリサイクル・リフォームのような機能です。

オートファジーは、16時間で始まるという説、もう少し早いタイミングであるという説もあります。さらには、もっと時間を延ばさないと、オートファジーの恩恵は十分に受けられないという説も存在しています。

わたしは、その人の体の状態や、最後に食べたものの質や量など、様々な条件がか変わってくると考えています。

《参考》【オートファジーとは】ダイエット効果・16時間断食・ルビコンとは

③「サーチュイン遺伝子」が活性化する

サーチュイン遺伝子は、アメリカ・マサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ博士らが1999年に発見した、長寿になる遺伝子です。

細長い糸状の見た目の「線虫」にカロリー制限をすると寿命が2倍にも延びたため、その理由を調べると、寿命を延ばす遺伝子が極めて活性化していました。

博士は、その遺伝子を「サーチュイン遺伝子」と名付けて、論文を科学誌「セル」オンライン版に発表したのでした。

このサーチュイン遺伝子は、線虫のみならず、あらゆる生物や動物にも存在することが分かってきました。

そして、カロリー制限よりも、16時間以上の断食を行うと、さらに活性化することも判明しています。

人間は、活性酸素が出ると不調を起こします。ご説明した通り、活性酸素とは体を酸化・老化させ、病気を起こす元凶となります。

オートファジーやサーチュイン遺伝子が活性化されると、全身の代謝酵素がフル動員され、体の活性酸素を退治してくれるのです。

その退治する力を増やすには、生野菜のサラダやすりおろし、フルーツなど抗酸化作用のある食物をしっかり毎日食べることです。そして並行して「朝だけ断食」をすることです。

④「腸内細菌」が正常化し、免疫力が高まる

腸内細菌の働きは、病原菌の排除や有害・発がん物質の分解や排泄、腸のぜん動運動の活性化など多岐に渡ります。

腸内細菌も生きていて、小腸で消化しきれない食物繊維や、三大栄養素の残留物など周囲にある食物に分解酵素を分泌し、分解して利用しています。

これが、人間の消化活動の補助になってくれます。農薬などの有害物質の分解・解毒もするほどです。

この腸内細菌の酵素の力を借りた発酵活動は、人間がつくり出せない栄養素を産出するなど、人体の化学工場と言われる肝臓の働きに匹敵するほどの役割を持っています。

腸内細菌について詳しくは次の章でご紹介していきます。

「腸内環境」を整えて健康長寿

消化不良を起こした食べ物は、窒素残留物と呼ばれ、悪玉菌を多く発生させます。

悪玉菌は、窒素残留物を分解する役目を担っているので、窒素残留物が多ければ多いほど、悪玉菌も多く働かなくてはならず、必然的に量が増えてしまいます。

悪玉菌は、腐敗菌とも呼ばれ、腸を腐敗させていきます。腸が腐敗するとアンモニアが発生し、そのアンモニアが肝臓などの臓器だけでなく、血液まで流れ込み、その結果として病気を引き起こすのです。

おならが臭いときは、自分自身の中にアンモニアが多くある証拠です。健康を害しているサインでもあります。

病気にならない体を作りたければ、まずは腸を元気にすることから始めなくてはいけません。

「便」で健康チェック

便は、わたしたちに腸の健康状態を知らせてくれます。毎日の排便をチェックすることであなたの腸が元気かどうかはすぐに分かります。

排便の回数や、便の量、色、形、においは、あなたの腸内環境の良し悪しを如実に反映しています。

日本人の場合、健康な状態であれば、1日1回の排便が普通です。数日に1度しか排便しない、逆に1日に何度も下痢をしてトイレに駆け込む人も要注意です。

また、便の量は、日本人の平均はだいたい125~180グラムと言われています。食物繊維を多く摂っている人は200~300グラムくらいになります。

腸内環境がいい状態の人の便の色は、黄色っぽい色をしています。逆に肉類が中心で脂肪の多い食事をしていると便の色は黒や茶色っぽくなります。

普段より黒い便や、どす黒い便が続いたときは危険信号です。胃や腸のどこかで出血している可能性があります。

また、健康な人の便は適度な水分を含んでいます。うさぎのフンのような硬くてコロコロした便や、水のような下痢が続いている人は要注意です。胃腸などの消化・吸収機能が落ちているサインです。

コロコロ便は質の良い脂肪が不足しているときに出やすく、水っぽい便は脂肪過多で起こりやすいです。

便がどのくらいの水分を含んでいるかは、排便した際の便の沈み具合が参考になります。

トイレの底に沈む便は、水分不足です。腸の中に長い間とどまっていると、水分がなくなり、カチカチの便になります。

トイレの水にふわふわ浮くくらいの便が、しっかり消化がすんで、適度な水分を含んでいるいい便の目安です。

毎日の食事内容をメモしたり、写真に撮ったりしておくなど、食事日記をつけてみましょう。

どういうものを食べたときに便通があったのか、いい便や悪い便が出たときはどのような食生活だったのかを確かめることができます。自分に足りない栄養素や、必要な栄養素を知ることができます。

臭いオナラや便は病気の危険サイン

オナラや便のにおいが極端に臭い人は、腸内環境に問題がある証拠です。肉類をたくさん食べる食生活をしていると、便のにおいも強くなります。

便が臭いということは、タンパク質の摂りすぎで、腸内に消化しきれないタンパク質が溜まり、それが腐敗したからだと考えられます。

がん患者の人に話を聞くと、昔からおならのニオイに悩んでいたということが良くあります。なるべく排便のときに量や色だけでなく、ニオイもチェックする習慣をつけましょう。

腸内環境が良好な便は、バナナくらいの硬さで、色は黄褐色、量はだいたいバナナ2~3本分、いきまずに出るのがベストです。このような便はニオイもほとんどなく便器の水に浮きます。



「腸内フローラ」

朝だけ断食で9割の不調が消える!_善玉菌と悪玉菌のバランスが健康を左右する

腸内環境の良し悪しを決めるのは善玉菌や悪玉菌などの腸内細菌のバランスがカギとなります。

成人の大腸に棲んでいる腸内細菌は500~1000種類以上、菌の数は600~1000兆個、重さにして1.5kgほどもあると言われています。

この膨大な数の細菌は、腸壁にびっしりついていて顕微鏡で腸内を見ると花畑のように見えることから「腸内フローラ」とも呼ばれています。

腸内の理想的なバランスは善玉菌20%、悪玉菌10%、日和見菌70%と言われています。このバランスだと日和見菌は、善玉菌の味方をしてくれるので、腸内を健康に保つことができます。

悪玉菌が増えると、日和見菌も悪玉菌の味方となり、腸内環境は悪化していきます。

便の色が黒ずんでいたり、硬かったり、さらにはニオイがきついような場合は悪玉菌の多い証拠です。

「2日に1回の排便ですが、健康です」と言う人がいますが、絶対にそんなはずがありません。本来なら毎日出るべきものが2日に1回しか出ていないのですから、腸の中で腐敗を進み、加速度的にアンモニアが増えているはずです。

つまり、便秘で1週間に1度しか出てないなどということは、体の中の腐敗がかなり進行している状態です。

「肉食」の弊害

欧米だけでなく日本までも動物性タンパク質を中心とした食事を摂るようになったのは、19世紀半ばにカール・フォン・フォイトという栄養学者が、動物性タンパク質を推奨したことが大きいと言われています。

フォイトは、1863年から45年間もの間、ミュンヘン大学で生理学の教授を務めた人物で「近代栄養学の父」とも言われています。徹底した肉食礼賛主義者で、動物性タンパク質を摂ることをすすめ、炭水化物は栄養が乏しいので摂取を控えるよう唱えました。

彼は「いいものは摂りすぎるということはない」とまで言い、肉に関しても摂りすぎて悪いことはないと言ったのです。

フォイトの影響力は大きく「動物性タンパク質は体にいい」という風潮は現在まで続いています。しかし、この説は、医学的にも科学的にも検証が全くされていないままに唱えられたものだったのです。

なぜ、フォイトが「肉はいくら食べてもいい」と言っていたのか、その理由は彼が肉食業界と深く癒着していからです。

欧米圏にいくと、とてつもない大きなステーキがレストランで出てくることがありますが、これはフォイトの理論が与えた影響とも言えます。

その結果として、アメリカではがんをはじめ、あらゆる生活習慣病が蔓延するようになってしまいました。

1983年から行われた「チャイナ・ヘルス・プロジェクト」では、アメリカ人に多いがんや生活習慣病が、中国の田舎ではなぜ少ないのか、10年間の追跡栄養調査が行われました。

その結果、これらの病気は肉食が関係していることが分かったのです。この調査で、アメリカ人男性の心臓麻痺の死亡率は中国人男性の約17倍、アメリカ人女性の乳がんの脂肪率は、中国人女性の約5倍もあることが分かりました。

中国人は、野菜を多く摂り、タンパク質の摂取量も少なく、さらにそのタンパク質も大豆などの植物から摂っていることが分かりました。その一方、アメリカ人の多くが肉などんお動物性タンパク質を多く摂っていることが分かったのです。

この調査を主導したコリン・キャンベル博士は、この結果を受けて「動物性食品を植物性に置き換えるほど健康になれる」という結論を出しました。

動物性タンパク質には、IGF-1(インスリン様成長因子-1)が多く存在します。このIGF-1は、体内で成長ホルモンを刺激し、成長ホルモンが過剰になることで、発がんが強く促されることが欧米の研究で明らかとなっています。

肉や、卵、ハム、ウインナー、チーズ、牛乳はもちろん、魚や煮干し、じゃこ、ヨーグルトなどにもこのIGF-1は多く含まれています。

さらに、ベーコンやウインナーなどの加工肉は、普通の肉に比べて、より酵素を阻害する作用があることも分かっています。

肉食で「腸に穴が開く」

タンパク質は、人間の体に必須の栄養素です。しかし、最近はタンパク質の過剰摂取が問題視され、肉や魚の摂取量を控えるような食事指導も行われています。

それは、肉や魚を食べても、含まれているタンパク質のがすべて消化・吸収されるわけではないということが分かってきたからです。

タンパク質は、消化されてアミノ酸になってから、始めて吸収されます。ところが、肉や魚を食べてもそれに含まれるタンパク質がすべてアミノ酸になるというわけではありません。

タンパク質の多くは消化や分解が不十分のまま腸に運ばれて行きます。そして、アミノ酸分子にならなかった消化不良のタンパク質の破片が血液中に入り込み、この残留物は血液を汚し、病気の原因を作るのです。

この消化不良は「リーキ・ガット症候群」を引き起こすことがあります。

小腸にある悪玉菌が出すアルカリ性の物質によって、腸の粘膜が溶かされ、腸壁がただれてしまいます。ただれた結果、腸繊毛がゆるんでしまい、本来吸収できるはずのない大きな分子を血液中に取り込んでしまいます。

それを体は異物として判断します。抗体で包み込んでしまうことでアレルギー反応を起こします

これによって引き起こされる疾患は、ぜんそく、鼻炎、花粉症、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状だけでなく、膠原病やクローン病、多くの神経疾患、潰瘍性大腸炎といった難病も、リーキ・ガット症候群が影響していると言われています。

さらに、糖尿病や心臓病、肝障害、脳卒中、肥満もこれと密接な関係にあるのではないかという報告もあります。

《参考》【リーキーガット症候群とは】症状と原因、悪化させる食品、治療方法

肉などの動物性タンパク質を摂ることは病気の原因を引き起こす最大の原因となってしまうのです。

人間にはタンパク質の貯蔵庫がなく、ほんの少しでもタンパク質を食べ過ぎると、すぐに血中アンモニアが増え、腸が腐敗し、あらゆる病気になるのです。

と、言うように本書には書かれていますが、別の医者の方が書かれた書籍では、タンパク質不足を補うには動物性タンパク質は欠かせないという風に書かれているものもあります。

わたしの見解では、テーマが腸活や断食などデトックスや細胞の若返りなどの場合は、動物性タンパク質の摂りすぎは良くないと言う論調が多く、糖質制限やタンパク質不足、栄養不足を主軸にした書籍では動物性タンパク質を上手に活用すべきという論調が多いように感じます。

《参考》【本の要約:後編】医学的に内臓脂肪を落とす方法(1年で14キロ痩せた医師が教える)

それぞれに体質に合うかどうかや、現在の食生活にどのあたりに問題があるかで、答えは変わってくることでしょう。

わたしの方でも栄養士・ファスティング指導の資格を活かして、相談に乗ることが可能なので、興味があればお問い合わせください。

草食動物も筋肉隆々

牛は、体重600~700kgにもなり筋肉質です。草しか食べないにも関わらず強靭な肉体を持っているのは、なぜでしょうか。そのカギは、微生物が持つ「酵素」にあります。

牛は、牧草だけを食べて、タンパク質をほとんど摂らなくても筋肉を作り出すことができます。というのも、牛は4つの胃の中で消化されにくい草を分解しながら、草に含まれている、ほんの少しのタンパク質からはるかに栄養価の高いタンパク質をつくり出しているのです。

それを行っているのが、牛の胃の中にいる微生物が持つ酵素なのです。

人間も同じで、菜食にして食品からタンパク質のほとんどを摂取しなくても体内でアミノ酸が合成され、筋肉が作られることが分かっています。

しかも、肉食であるよりも柔軟性とスタミナに富む筋肉ができると言われています。

人間も、肉や魚からだけでなく、穀物や野菜、いも、豆、海藻、きのこ、フルーツなどから体に必要なタンパク質を合成できるのです。

動物性食品を一切摂らない生活を続けている人の血液を調べても、血液中のタンパク質は基準を満たしていることも確認されています。

ヴィーガンで健康に

「チャイナ・ヘルス・プロジェクト」を主導したキャンベル博士は「純菜食のヴィーガン食が病気のリスクを大幅に減らす」と語っています。

最近の様々な調査からも肉などを食べると病気が増える一方、野菜を多く食べるとがんなどの病気を予防できることが分かってきました。

《参考》【ヴィーガンとは不健康?】環境問題・飢餓・動物保護など社会問題

腸内フローラも「酵素」を持つ

人間にも、牛と同じように腸内には微生物が棲みつき、わたしたちの健康を維持してくれる働きがあります。それが腸内細菌と呼ばれるもので、人間と共生の関係にあります。

腸内細菌の働きは、病原菌の排除や有害・発がん物質の分解や排泄、ビタミン合成、ホルモンの産生、腸内のpHの調整、腸のぜん動運動の活性化など多岐に渡ります。

また、快楽物質であるドーパミンを脳へ送る働きや免疫力も活性化するなど、その活躍ははかりしれません。

腸内細菌も生きていて、人間と同じように食べ物を摂取することで酵素をつくり出しています

腸内細菌は、小腸で消化しきれない食物繊維や、三大栄養素の残留物など周囲にある食物に分解酵素を分泌し、分解することで利用しています。

これが、人間の消化活動の補助になってくれます。そのはたらきはめざましく、農薬などの有害物質の分解・解毒もするほどです。

この腸内細菌の酵素の力を借りた発酵活動は、人間がつくり出せない栄養素を産出するなど、人体の化学工場と言われる肝臓の働きに匹敵するほどの役割を持っています。

また、わたしたちが持つ体内酵素の働きも、この腸内細菌の酵素が活性化してくれることが分かっています。

腸内細菌を活性化させるには、食べ物で乳酸菌を取り入れたり、食物繊維やオリゴ糖などのエサを腸内に補給し、善玉菌を増やすのが簡単な方法です。

また、朝だけ断食ではなく、数日間の断食(ファスティング)をすることで、悪玉菌を含む腸内細菌を一気に退場させて、善玉菌が優位な腸内環境を整えることも可能です。

《参考》【ファスティングとは】断食との違い・ダイエット&デトックス効果



腸にある「免疫機能」

現代の食生活では食品添加物や農薬など様々な化学物質も毎日に食事から体内に入ってきてしまいます。

これらの刺激から体を守るために、小腸、大腸の腸管粘膜には、全身の80%ものリンパ管が集まっていることが分かってきました。体の中でも最強の防御力を持つのが、この「腸管粘膜免疫」です。

この「腸管粘膜免疫」の働きによって、わたしたちは病気にならず、いつまでも健康で若々しくいられるのです。

この免疫システムが機能するのにも、酵素は欠かせない存在です。酵素の無駄遣いを防ぎ、生野菜や果物で酵素をたっぷり摂ることが大切です。

善玉菌を増やす「低タンパク・低脂肪・高繊維」の食事を基本としましょう。

ビフィズス菌入りのヨーグルトを摂ることも悪くありませんが、牛乳のタンパク質の87%を占める「カゼイン」が発がん性が高いと言う調査があるなど、乳製品はときに体にとって毒となることもあります。

それよりもおすすめしたいのは、生野菜を使った漬け物、納豆などの発酵食品です。特に漬け物は、野菜の酵素も摂ることができるので、善玉菌を増やすと同時に酵素も摂ることができる優秀食品です。

わたしからの助言としては、減塩の漬け物などは、食品添加物が含まれており、栄養素も流出している場合があるので注意してほしいと思います。以下の「食品の裏側」要約に書かれています。

《参考》【本の要約】食品の裏側(食品添加物の神様、ミートボール事件の内容)

「白砂糖」が腰痛や頭痛の原因

ケーキやチョコレート、パンケーキなどの甘い食べ物は、主に白砂糖(ショ糖)が材料に使われています。

その白砂糖を摂りすぎると、様々な不調を起こしてしまいます。最近なんとなく背中が張っている、腰痛や肩こり、頭痛がある、そんな症状は、甘い物の食べすぎが原因かもしれません。

白砂糖の成分であるショ糖は、悪玉菌エサになるからです。

ショ糖は、「ブドウ糖」と「果糖」がくっついて出来たものです。単品では優れた栄養素ですが、この2つが組み合わさると、たちまち悪玉になってしまうのです。

この2つの分子は相思相愛で、消化酵素や胃酸が働きかけても、なかなか切り離すことができません。腸の中でも切り離すのに時間がかかり、結果的に消化不良のまま終わってしまうことが多いのです。そのため、ショ糖分解酵素のスクラーゼを大量に消費してしまいます。

そして、この消化されずに残ったショ糖が、胃や小腸、大腸でも悪玉菌やカビなどの真菌、ウイルスなどの栄養素となってしまうことです。

たとえば、胃に入ったものの、ほとんど消化されずに残ったショ糖は、胃の腐敗菌の代表格である「ピロリ菌」のエサになってしまいます。

消化されないままのショ糖は、小腸でも悪玉菌のエサになり、大腸では金のバランスを悪玉菌優勢にしてしまいます。

悪玉菌が増えると、全身の自衛組織である白血球が悪玉菌を退治してくれるのですが、悪玉菌を殺した後の白血球の死骸からは、人体に有害な「活性酸素」が生み出されてしまいます。

その活性酸素で臓器がダメージを受け、様々な病気を引き起こしてしまうのです。

さらに、ショ糖は、小さな分子のため、血中に速やかに吸収されやすく、血管内でもバイ菌や真菌、ウイルスなどのエサになってしまうことです。

そのため、甘い物の大好きな人ほど水虫や帯状疱疹、虫歯、扁桃腺炎、気管支炎などの感染症になりやすいのです。

低血糖を引き起こす

ショ糖は、血中に取り込まれやすいだけでなく、流れるのも早い物質です。そのため、ショ糖を摂取して、インスリンが出現したときには、もうすでにショ糖はいなくなっています。

それでもインスリンの作用は残るので、低血糖が起こってしまいます。低血糖の状態は、脳内の栄養不足を起こし、キレたり、イライラしたり、精神状態を悪化させてしまいます。

インスリン分泌の仕組みについて詳しく書かれた記事は以下です。

《参考》【本の要約:前編】医学的に内臓脂肪を落とす方法(1年で14キロ痩せた医師が教える)

ショ糖にはミネラルやビタミンがありません。しかし、エネルギー回路には、ビタミンB群が必要なので、ビタミンB群が不足し、痛みやむくみ、頭痛、湿疹、慢性疲労、心疾患などの症状を呼んでしまうのです。

ジャムトーストや甘いパンケーキを朝食に摂ることは、まさに病気を招き寄せる行為です。女性を悩ませるシミやシワも、ショ糖の摂りすぎによって発生した活性酸素が原因です。

甘みがほしいときには、羅漢果(らかんか)や、ココナッツシュガー、アガぺシロップなどを少量使うようにしましょう。これらの糖分であれば、ショ糖に比べて活性酸素の発生が少なくなります。

腸の腐敗

腸が腐敗することで様々な病気を引き起こします。

「リウマチ」

全身の関節が腫れて痛むリウマチは、多くの人が悩まされている難病です。その根本的な原因はまだはっきりと解明されていません。

治療方法も確立されておらず、西洋医学では痛みを抑えるなどの対症療法しか打つ手がない状態です。

しかし、リウマチは、免疫疾患の一種であることが分かってきました。1990年、愛知医科大学の青木教授は「リウマチは腸内の大腸菌O-14株とクロストリジウムの抗原抗体反応が原因である」と発表しました。

この結果をもとに、著者はリウマチを持つ患者さんに断食や酵素サプリメント、免疫機能強化サプリの投与など「腸内環境を整える治療」を行いました。

すると、20年以上リウマチに悩まされていた患者さんは、長年の苦しみが嘘のように、快方に向かっていったのです。

この患者さん(67歳・男性)は、3年前からステロイドを使っていたそうですが、痛みは一向に治まらず、赤く腫れあがるように悪化したそうです。

ところが、断食やサプリメントの投与を行ったところ、腫れは完全に消えて、ステロイドも徐々に減らすことができ、半年後には使用をやめることができました。

リウマチに限らず、アレルギー性のぜんそくや花粉症なども「自己免疫疾患」のひとつです。食事療法などで腸内環境を整えることで治すことできる可能性があります。

ちなみに、数日間の断食を何回かしていくうちに花粉症が治ったという事例があります。なので、著書に書かれていることは本当です。

食べない時間をつくることも大切ですが、何を食べるかも重要です。腸活をするには以下の記事が参考になります。

《参考》【本の要約】腸がすべて:アダムスキー式の腸活法、食べ合わせ

世の中には、原因不明の難病がまだまだありますが、多くの病気は腸内環境を良くすることで回復に向かっていくと確信している、と著者は断言しています。

日ごろから腸内の健康を促進する食生活を送ることが、病気の予防になります。

「インスリン抵抗性」が生じる

最近の有力な説として、「小腸の腐敗により、アンモニアが血中に入り、血中のインスリンの働きをなくす」と言われています。この説は、横浜市立大学大学院の中島先生が唱えています。

小腸が栄養を消化吸収して大便をつくり、免疫力の大半を作るすさまじい臓器です。その極めて大切な小腸は以下の要因で腐敗します。

《小腸が腐敗する因子》

  • 動物性タンパク質の過食(肉、魚、卵、魚卵、牛乳、チーズなど)
  • 単純炭水化物(砂糖菓子、砂糖飲料、小麦粉食品)
  • ライフスタイルの乱れ(夜食、間食、過食)
  • 過度のストレス
  • 長年にわたる朝食の食べ過ぎ

細胞をつくるおおもとは「食」なので、ここをクリアしないと病気や不調は改善しません。

「腸内洗浄」が腐敗を招く

腸内洗浄は、便だけでなく一生で一定量しかない体内の酵素までも著しく捨ててしまいます

他にも、酵素を助ける働きを持つミネラルやビタミン、善玉菌など、体に必要なものまで流してしまいます。

便は本来、自力で腸の働きを高めて排泄されるものです。外からの刺激で便を出すことは逆効果です。

便秘の人が「薬をのんでいると、どんどん薬が増えていき、なかなか便が出なくなる」というのを聞きますが、それは腸が自らぜん動運動を行わなくなってしまったからです。

自然な排便の機能が失われてしまうと、体の中に毒が溜まったままになり、腸の腐敗が進行します。消化官から出るホルモンなども分泌しにくい状態になります。

腸全体の機能が低下するので、栄養の吸収も悪くなるし、腸内にたくさんあるセロトニンやドーパミンといった幸せを感じる物質も作られなくなるので、精神的にも不安定になってしまいます。

これは浣腸でも同じことが言えます。

「週末断食」

「朝だけ断食」を行い、毎日の食事でも酵素を積極的に取り入れる生活を送っていても、現代の生活では酵素を浪費しがちです。そこでおすすめしたいのが「週末断食」です。

ファスティングを行えば、より一層、臓器を休ませることができ体内の潜在酵素も温存できるので、不調や病気の改善に役立ちます。

フランスでは、ファスティングを”メスがいらない手術”と言われています。それほどまでに、全身の汚れた細胞をよみがえらせられる効果があるのです。

《ファスティング行う注意点》

  1. 水分補給を十分に行う
  2. 前後の食事
  3. 好転反応に慌てない

詳しくは以下の記事でご覧ください。

《参考》【ファスティングとは】断食との違い・ダイエット&デトックス効果

《参考》【本の要約:前編】心と身体のリセットに効く「気まぐれ断食」

1食抜くような「朝だけ断食」でなく、週末断食など本格的な断食を行う場合は、専門家の指導のもとで行うようにしてください。

また、以下の方は断食をしないでください。

  • 15歳以下の人
  • ご高齢で体力が落ちている人
  • 痩せすぎている人
  • がんが進行している人

さいごに

わたしは、断食指導・食事指導をしていますので、気になる方はご相談ください。ファスティング指導と栄養士の資格を持っていて、プラスの健康とマイナスの健康のバランスが大切だと考えています。

また、わたしの生徒さんがファスティングに挑戦した事例記事もありますので、良ければ参考にご覧ください。

《参考》【事例】-5.4kgダイエット!3日ファスティングの効果(男性41歳)

最新情報をチェックしよう!