【本の要約②】朝だけ断食で9割の不調が消える!やり方・酵素の働き

あなたは「朝だけ断食」の効果と「酵素」の働きをご存知ですか?

  • 「朝だけ断食」のやり方は?
  • 「朝だけ断食」の効果とは?
  • 「酵素」って何のこと?

わたしは、食事アドバイスや断食のお手伝いをしてる栄養士です。断食(ファスティング)指導の資格も持っています。

わたし自身も趣味がファスティングで、もう8年以上の間、3~10日の断食を定期的に行ってます。

そんなわたしが「朝だけ断食で9割の不調が消える!」という本を要約します。本記事は、4部作中の②記事目です。

①本書の概要とメリットを以下の記事でまとめています。こちらをご覧いただいてから本記事をご覧いただくと分かりやすいと思います。

《参考》【本の要約①】朝だけ断食で9割の不調が消える!メリット・効果

「朝だけ断食」の方法

本_朝だけ断食で9割の不調が消える!

朝だけ断食のやり方は、「朝起きたら、コップ1杯の水を飲む」だけです。

一気にゴクゴクと飲み干すのではなく、適量を口に含んで30回噛んでから飲みましょう。

噛むことでしっかり唾液が出ます。唾液中のペルオキシターゼの効果で、がんや生活習慣病の引き金となる活性酸素を抑制する効果も得られます。

冷えが気になる人は、湯飲み1杯の白湯にしましょう。味のない飲み物が苦手な人は、日本茶でも良いでしょう。

朝食を抜いてコップ1杯の水にする以外は、今まで通りの成果るで大丈夫です。

夕食は19時までに食べておくことがベストですが、難しい人は寝る3時間前までに食べ終えておくと良いでしょう。

質のいい「水」

朝だけ断食では、水分のみを摂取するので、せっかくなら良い水を選びたいものです。

水道水は、塩素消毒をした結果、トリハロメタンという発がん性のある物質が出てくるため、全面的には推薦できません。

浄水器をつけることをおすすめします。浄水器を選ぶ基準としては以下を目安にしてみてください。

《良い水の条件》

  1. 無色透明であり混濁がない
  2. 大腸菌、その他菌やウイルスが検出されない
  3. まったく匂いがしない
  4. 味がない
  5. 塩素をとトリハロメタンが検出されない
  6. pHが中性か弱アルカリ性であり、強アルカリ性や酸性でない
  7. 微量ミネラルは存在する
  8. 溶存酵素が多い
  9. クラスター(水の分子)が小さい

人のまったくいない高山に流れる水は、このような水です。浄水器となると、すべての条件を満たすのは難しいかもしれませんが、せめて上記条件の①~⑥項目は満たしてほしいと思います。

市販されている水であれば、天然水、自然水とうたったものがおすすめです。

「酵素」の重要性

「朝だけ断食」で健康になれる、鍵となるのが「酵素」です。

酵素とは人間の生命活動に欠かせない物質です。酵素がなければ、どんなに食べ物で栄養を摂っても、息をすることも、まばたきをすることも、話すことも、聞くことも、何もできません。

わたしたちの体は酵素なしには成り立ちません。人が生きていく上で最も大切なものと言っても良いでしょう。

少し専門的な言い方をすると、人間を含めたあらゆる生物の体内で起こるすべての化学反応は、酵素なしに行うことができません。

エネルギーを作り出したり、細胞を入れ替えたり、組織の修復、有害な毒素や老廃物の排泄も、酵素の力あってこそです。

酵素不足になると、体に様々な不調が出ます。酵素不足を解消し、健康な体を手に入れるために簡単にできることが「朝だけ断食」なのです。

「酵素力」のチェック

あなたの体内には、いま十分な酵素があるでしょうか。

以下の症状から当てはまるものをチェックして数を数えてみてください。合計数で判定できます。

  1. 便秘である(毎日でない)
  2. 下痢しやすい
  3. 便やおならが臭い
  4. 疲労感がある/だるい
  5. 胸焼けする
  6. 食後すぐ眠くなる/日中眠気を感じる
  7. 肩こり、腰痛、関節痛がある
  8. 頭痛がある/頭が重い
  9. めまいがする/耳鳴りがする
  10. 不眠/夜中に目が覚める
  11. 目が充血する/クマがある
  12. むくみやすい
  13. 鼻水が出やすい/鼻づまりになりやすい
  14. 席がよく出る/喉が腫れやすい
  15. 舌、歯肉、唇が腫れやすい
  16. 蕁麻疹、ニキビ、肌のかゆみが出やすい
  17. 頻尿/尿の出が悪い
  18. 汗をかきやすい/汗をかきにくい
  19. 集中力がない/物忘れしやすい
  20. イライラしがち
  21. 動悸、胸の痛みがある
  22. 生理不順/生理が重い
チェックなし 酵素力バッチリの健康な状態です。現在の食生活を続けましょう。
チェックが1~3つ 酵素力は標準レベル。健康状態をキープするためにも”朝だけ断食”をスタートしましょう。
チェックが4~6つ 消化酵素が不足していて、酵素力がダウンしている状態です。”朝だけ断食”で不調を1つずつ改善しましょう。
チェックが7つ以上 消化酵素、代謝酵素ともに明らかな酵素力不足です。”朝だけ断食”に加えて1日断食、週末断食なども行うことをおすすめします。

よく聞く症状ですが、疲れやすい、肩こりや腰痛がある、体が冷える、便秘や下痢を繰り返す、眠りが浅いなどは、すべて酵素が不足している証拠です。

また、酵素が不足していると、なんとなく無気力になったり、脱力感を感じたりと、気持ちの上でも元気が失われてきます。

チェックリストで酵素不足という結果が出た人は、食生活をはじめとしたライフスタイルを見つめ直す必要があります。

《参考》【ファスティングとは】断食との違い・ダイエット&デトックス効果

「酵素」と「DNA」

地球上に存在するすべての生物は、酵素とDNAから成り立っています。

酵素は、アミノ酸を核とした生命力のある物質で、大きさはわずか5~20ナノメートルしかありません。あまりに小さいので顕微鏡で見ることもできず、長い間、酵素の存在や役割を知ることができていませんでした。

そんな酵素に注目し、世界で最初に「酵素が人の生命活動において何より重要である」と提唱され、それらをまとめた著書が発表されたのが1985年です。酵素がこの世で認知されてからまだ30年あまりしか経っていないのです。

それ以来「朝だけ断食で9割の不調が消える!」の著書は、酵素栄養学に基づいた酵素医療をクリニックで行ってきました。

末期がんや難治性疾患に悩む患者さんたちがみるみる回復していく姿を目の当たりにしたそうです。

すべての病気の元凶は、生命体に欠かすことのできない物質「酵素」の不足であると確信したそうです。

「体内の酵素」の役目

わたしたちの体の中で働いている酵素は2万種類を超えると言われています。それほど数多くの酵素が、それぞれの役目を持って体内で活躍しています。

酵素を大きく分類すると「消化酵素」と「代謝酵素」に分けられます。

《潜在酵素》

「消化酵素」 「代謝酵素」
三大栄養素である炭水化物、タンパク質、脂質を消化管から吸収できる分子レベルまで小さくすること。 生きるために体内で行われる様々な化学反応のこと。

「消化」とは、三大栄養素である炭水化物、タンパク質、脂質を消化管から吸収できる分子レベルまで小さくすることを指します。食べたものを体の中に取り込める形に変える重要な働きです。

きちんと消化が行われないと、どんなに栄養価が高いものを食べても、その栄養素が利用されることはありません。

「消化酵素」は、食物を消化し、体内に必要な栄養素を吸収するために欠かせない酵素です。

一方で「代謝」は、生きるために体内で行われる様々な化学反応を指します。

腸で吸収された栄養素からエネルギーを取り出したり、細胞や器官、骨や筋肉などを修復したり、古くなったものを交換するなど、免疫やホルモン、神経などの働きやバランスを整えています。

もっと具体的に言うと、手を動かす、まばたきをする、笑う、泣く、といった目に見える動作や、心臓が鼓動したり、血液が流れるというのも代謝です。

生きていく上で大切な、ありとあらゆる生体活動が、代謝酵素なしには成り立ちません。

「酵素」の振り分け

朝だけ断食で9割の不調が消える!_体内の「消化酵素」と「代謝酵素」のバランス

この2つの酵素は、必要に応じて消化酵素と代謝酵素とに振り分けられるという特徴があります。消化酵素が多く使われれば、代謝酵素に使える分が少なくなります。重要なのはバランスです。

つまり、「消化酵素」の占める割合を節約するほど健康な状態になります。

「消化酵素」を節約する

とても単純な話で、あなたが朝ごはんを抜いたとすれば、体は何も消化する必要がないので「消化酵素」を使わずに済みます。

すると、潜在酵素のすべてが「代謝酵素」として働くことになるのです。

先ほど述べたように、「代謝酵素」はあらゆる生命活動の元となり、健康維持しているものです。

食べ過ぎなどで「消化酵素」を浪費し続けていると、「代謝酵素」として使うことのできる量が減ってしまいます。現代人のほとんどがこの状態です。

いつまでも元気で病気知らずに過ごす最大の秘訣は、「代謝酵素」を十分につくり、代謝を円滑にすることです。

食べ過ぎ、飲みすぎはもちろん良くないです。食事の量が適切でも、添加物や人工甘味料などの入った食べ物は「消化酵素」を大量に消費しますので要注意です。

《参考》【本の要約】食品の裏側(食品添加物の神様、ミートボール事件の内容)

《参考》【人工甘味料とは】種類一覧と危険性、メリット・デメリットのご紹介

コンビニ食やスーパーのお惣菜、ファストフードなどばかり食べていると、ビタミンやミネラル不足はもちろんのこと「酵素」も枯渇します。

また、薬も多くの消化酵素を必要とします。

「代謝酵素」の働き

健康を維持するのには「代謝酵素」が必要不可欠です。代謝とは、ひとことで言うと「ある物質を全く違った物質に作り変える化学反応」です。

具体的に、体内で行われている「代謝」は、次の4つです。

  1. 組織の入れ替えと再生(新陳代謝)
  2. 排泄と解毒
  3. エネルギー生産と運動
  4. 免疫力と修復

この4つの働きは、すべて同時に緊密なつながりを持って機能しています。

① 組織の入れ替えと再生(新陳代謝)

一般的に「新陳代謝」と呼ばれるものです。わたしたちの体内の組織や細胞は、1分1秒たりとも同じ状態ではなく、常に変化しています。

この新陳代謝が上手くいかないと、太りやすく、痩せにくい体になります。

また、肌も新陳代謝しており、代謝酵素の働きが悪いと、シミやくすみが消えなかったり、傷口がなかなか治らなかったりするのです。

② 排泄と解毒

「排泄と解毒」は、体内の余分なものを体外に排出する作用のことです。排泄物のほとんどは、汗や尿、便として体外に排出されます。

便は、胃と腸で消化され、栄養が吸収された後の食物の残りかすが大半ですが、断食をしても便が出ます。これは、細胞や組織の入れ替えによって不要になったものが腸に流れ込んだもので「宿便」ともよばれます。

宿便は、断食後のスッキリ大根で出すことができます。

《参考》【スッキリ大根とは】レシピと食べ方、食べるタイミング、効果について

これは本記事を書いているわたしも実感済みです。断食(ファスティング)中にも便は出ます。断食をした際の体重の変化や体の変化、便の調子を細かく記載した記事もあります。

《参考》【5日ファスティング】体重・体脂肪を公開!効果・やり方・スケジュール

また、解毒は主に肝臓で行われています。この解毒と排泄が上手くいっていれば、体内に余計な内臓脂肪がたまりにくくなります。

《参考》【本の要約:前編】医学的に内臓脂肪を落とす方法(1年で14キロ痩せた医師が教える)

③ エネルギー生産と運動

「エネルギー生産と運動」とは、わたしたちの生命活動に必要なエネルギーを体内で作り、有効利用するためのシステムを言います。

代謝が悪くなると、エネルギーの生産も上手くいかなくなり、体調不良を起こしやすくなります。

ですから、代謝酵素が不足すると、寝ても疲れがとれない、だるさが抜けないという状態になるのです。

④ 免疫力と修復

「免疫力と修復」は、健康維持に大きな影響を及ぼしています。慢性的に消化不良を起こして、代謝が滞ってしまうと、風邪からがんまであらゆる病気にかかりやすくなってしまうのです。

人の体は一生の間に10億回もがん細胞の発生機会があると言われていますが、全員ががんになる訳ではありません。

それは、わたしたちの免疫システムが、がん細胞の増殖を防いでくれているからなのです。

ですが、普段から食べ過ぎていると、限りある「消化酵素」が浪費され、「代謝酵素」が少なくなります。

すると、代謝が悪くなり、健康維持に欠かせない①組織の入れ替えと再生(新陳代謝)、②排泄と解毒、③エネルギー生産と運動、④免疫力と修復、の作用が十分に行われなくなり、病気になる可能性を高めてしまいます。



「朝だけ断食」で代謝酵素アップ

「朝だけ断食」のメリットは、食べる量を減らすことで、消化酵素を節約し、内臓を休ませ、代謝酵素の働きをアップさせることです。

現代の日本人は、大量の消化酵素を使わなければ消化できないような料理を、毎日のように食べている人がたくさんいます。胃腸をはじめとした消化器官は悲鳴を上げていることでしょう。

また、お酒をよく飲む人は、肝臓がフル回転を強いられ、疲れ切っています。

そんな過酷な労働に耐えている内臓を休め、正常な状態に戻すには「朝だけ断食」です。

丸1日何も食べない断食なども良いのですが、まずは簡単にできる「朝だけ断食」から始めてみましょう。

ちなみに、わたし自身はファスティングトレーナーであり、自分自身の趣味もファスティングなので、定期的に3日~5日の断食を行っています。最大は10日断食を行ったこともあります。

《参考》【10日ファスティング体験談】-4.7kg!スケジュール・やり方

「朝だけ断食」で、あらゆる臓器の休息につながり、細胞の中に溜まっている脂肪やコレステロールなどの排泄をしっかり行うことができます。

さらに宿便も排泄されます。この宿便を排出するのに一役買ってくれるのが「モチリン」です。

《参考》【ファスティングとは】断食との違い・ダイエット&デトックス効果

「モチリン」は、消化管から分泌されるホルモンで、食事をとらない時間が8時間以上続くと分泌され、空腹が長ければ長いほど活発に分泌します。

下剤などを使って便秘を解消することは、やめましょう。大切な酵素を無駄にすることになり、体に有害です。便秘解消にこそ断食を行ってください。

「朝だけ断食」をすれば体調ががとても良くなるのを実感できると思います。慢性的な肩こりや頭痛、腰痛、ひどいいびきがなくなったという人もいます。

まれに、始めたばかりの頃に、頭痛や吐き気、倦怠感、下痢などの好転反応が起きる場合がありますが、じきに治まってくるでしょう。

1日以上の断食をした際には、より好転反応が出やすくなるので、事前にどのような好転反応があるのか知っておくと安心でしょう。

《参考》【ファスティング中・前後の疑問一覧】頭痛、筋トレ、酵素ドリンクなど

「消化酵素」を節約する

代謝をよくするには、消化不良を起こさないようにすることが大切です。

消化の目的は、食べ物に含まれてい栄養素を最小単位にして、スムーズに吸収できるようにすることです。

いわゆる3大栄養素と言われる炭水化物、タンパク質、脂質ですが、それに加えて体調を整えるのに欠かせないビタミン、ミネラル(5大栄養素)もあげられます。

さらに体内の老廃物を排出するのに欠かせない食物繊維、優れた抗酸化作用を持つファイトケミカル(7大栄養素)、体の維持に大きな役割を果たす水、そして健康でいるために必要不可欠なのが酵素です。

3大栄養素 炭水化物、タンパク質、脂質
5大栄養素 炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル
7大栄養素 炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、ファイトケミカル

このうち、ビタミンやミネラル、ファイトケミカルや酵素は、もともとの分子が小さいので消化の過程で小さくしなくても、そのまま体内に吸収されます。

食物繊維は吸収されずに腸内にとどまり、老廃物の排泄に役立ちます。

そこで問題となるのが、3大栄養素である炭水化物、タンパク質、脂質の消化です。

  • 炭水化物→ブドウ糖
  • タンパク質→アミノ酸
  • 脂質→脂肪酸

それぞれ、最小単位になるまで分解されなければ、しっかり吸収されず栄養素として取り込むことができません。

わたしたちの体の消化官は、13の器官からなり、それぞれが複雑な機能を持っています。

《消化13の器官》

口腔、咽頭、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S字結腸、直腸、肛門

口から入った食物は、各消化器官で消化され、最小単位になって小腸で吸収されます。そして、消化されない繊維などの残留物は便になるのです。

消化には「機能的消化」「化学的消化」「生物的消化」の3種類があります。

「機能的消化」とは、物理的な消化のことです。食べたものは、まず口の中で咀嚼され、小さくなって食道に移動し、蠕動運動という規則的な筋肉の流れに乗って運ばれます。胃の中で胃粘膜のひだの間ですり合わせされてさらに細かくなっていく消化のことです。

「化学的消化」は、消化酵素によって行われます。口の中では唾液に含まれるアミラーゼによって炭水化物の分解が行われます。口の中でご飯をよく噛むと甘くなるのはアミラーゼによって炭水化物の分解が行われた証です。

「よく噛むこと」は、ダイエットやボケ防止に有効と言われますが、何より消化酵素が働きやすい状態を作るという意味で大切です。

食べ物は、口から小腸に至る過程で、消化・分解され、最小分子になった栄養素が小腸粘膜から吸収されます。

そして吸収されると、肝臓で代謝された後、全身に行き渡り、生命維持のために役立てられます。

その後、消化しきれなかった食物は大腸に入り、大腸菌などの細菌によって分解されます。これを「生物的消化」と言います。

「消化酵素」が活躍するのは化学的消化です。化学的消化は、機能的消化よりもはるかに強い消化力を持っています。

《主な消化酵素とその役割》

器官 酵素 役割
唾液腺 唾液アミラーゼ 炭水化物を大まかに分解する
下層胃 ペプシン タンパク質を大まかに分解する
小腸 アミノぺプチターゼ タンパク質をポリペプチドにする
ジペプチターゼ タンパク質をジペプチドにする
ラクターゼ 乳糖(ラクトース)をブドウ糖とガラクトースにする
ホスファターゼ 脂肪のリン酸塩をやわらかくする
マルターゼ 麦芽糖(マルトース)をブドウ糖にする
スクラーゼ ショ糖(スクロール)をブドウ糖と果糖にする
膵臓 アミラーゼ デンプンをブドウ糖にする
トリプシン ポリペプチドを分解し、アミノ酸にする
キモトリプシン ポリペプチドを分解し、アミノ酸にする
リパーゼ トリグリセリド(中性脂肪)を分解し、脂肪酸にする

炭水化物、タンパク質、脂質を消化するには酵素を大量に消費しますので、体の大きな負担となります。

連日して消化にばかり酵素が使われて代謝酵素が不足する日々が続けば、それが病気の引き金にもなりかねません。

一生分の「酵素の量」は決まっている

実は、体内にある潜在酵素の量が、年をとるごとに減少していきます。酵素は日々作りだされますが、一生で一定量しか作れません。

酵素を作る力は20歳でピークを迎え、40歳を超えると急激に減少してしまうことが分かっています。

たとえば、若いころは多少の無理をしても一晩眠れば体力が回復したのに、中年になってからは睡眠を十分にとっても疲れがとれないと感じる人が多いと思います。

これは、体内での酵素の潜在能力が落ちていることと、日々の生活の中で潜在酵素を使いすぎて、代謝酵素が十分に働いていないということです。

また、お酒に弱くなったり、脂っこいものが食べられなくなったりというと思い当たる人も多いでしょう。これは、体内の消化酵素の働きが弱まってきた証拠です。

それなのに同じように飲んだり食べたりしていると、ただでさえ少ない消化酵素が大量に使われ、それによって代謝酵素が不足して、体に影響します。

生まれたばかりの新生児には、高齢者の数百倍の酵素が存在すると言われています。

一生で一定量しか作れない酵素を毎日の生活で使って老化し、病気になり、そして死んでいくのがわたしたち人間なのです。

「酵素」の質

年齢とともに酵素の質が変化し、力が弱まってしまうことが分かっています。

米国・シカゴのマイケル・リース病院のメイヤー博士とそのグループの研究では、69歳以上の人の唾液中の酵素は、若い人に比べ、30倍も酵素活性が弱かったと報告されています。

悪い生活習慣で酵素を浪費し、潜在酵素を使い果たしてしまうと、本来予定されていた時期より早く死が訪れることになってしまうのです。

断食の効果

断食は、全身の細胞の汚れを大掃除して、元気な細胞に生まれ変わらせてくれる唯一の方法です。

フランスでは断食を「メスのいらない手術」と呼んでいて、病気の治療としても高く評価されています。

酵素を用いた断食の効果はたくさんあります。

  • 潜在酵素が温存される
  • 腸をはじめ内臓を休ませることができる
  • 腸内がきれいになる
  • 血液がきれいになり、血流がよくなる
  • 免疫力が上がる
  • 体に溜まった毒素が排出される
  • 体のこりや痛みが取れる
  • 呼吸器、循環器の働きが良くなる
  • 眠りが深くなり、目覚めが良くなる

これらの効能により、病気の予防や改善に大きな効果があります。

具合が悪いときこそ「断食」

野生の動物は、体の調子が悪くなると、一切エサを食べなくなります。ペットとして飼われている犬や猫も、体調が悪いときは何も食べずに過ごします。食べたとしても、雑草をかじるくらいです。

一方、人間は体調が悪いときにでも食事をしっかりと摂るように言われたりします。医者ですら「栄養のあるものを食べて」なんてアドバイスをすることがあります。

思い出してみて下さい。普段は食いしん坊なあなたも風邪をひくと食欲がなくなりませんか?

それは、体が”今は代謝酵素を働かせて病原菌と戦わなくてはいけないから、消化酵素は節約して”とサインを出しているのです。

ですから、具合が悪くて食欲がないときに、栄養を摂ろうとして無理して食べるのは本末転倒です。体の本能に逆らっている行為なのです。

消化に費やされるエネルギーはフルマラソンを走るエネルギーに相当するほどです。病気で弱った体に、こんな過酷な労働をさせるのはおかしいですよね。

動物たちは本能で体調の悪いときは食べずに体の力を温存させ、免疫を上げることで体調を回復させているのです。野生動物に薬は不要です。

わたしたちが病気になるのは、すべて食べ過ぎが原因なのです。

「腹八分」でも食べ過ぎ

日本には「腹八分に医者いらず」ということわざがあります。昔の人は食べ過ぎの恐ろしさを十分に認識していたのでしょう。

年を重ねるごとに潜在酵素の数は減るので「いくつになっても腹八分まで食べていい」と言う訳ではありません。

現代の高カロリーの食事あれば、腹八分まで食べていいのは20代まで、30~40代になったら腹七分、50~60代なら腹六分、70代以上は腹五分が適量です。

最近では遺伝子の研究も進み、寿命を延ばす方法として「食事を減らす」ことが認められています。

平均寿命が約40年あるアカゲザルの実験では低カロリー食にした方が寿命が延び、毛並みもいいことが分かっています。マウスの実験でも低カロリー食の方が寿命が延びることが明らかになっています。

食事の量を減らすことで体の中の活性酸素が発生する量を抑えられ、腸が元気になることが大きな理由です。

難しいカロリー計算などをすることもなく、1回の食事量をコントロールすることなく、まずは「朝だけ断食」をはじめてみるのがおすすめです。

さいごに

人間が使える潜在酵素には限りがあります。しかも、食べ過ぎや、人工甘味料、農薬、お酒などで、消化酵素を使いすぎると、代謝酵素に使える分が減ってしまいます。

代謝酵素の働きは、以下の通り、健康に生きていくために重要なものです。

  1. 組織の入れ替えと再生(新陳代謝)
  2. 排泄と解毒
  3. エネルギー生産と運動
  4. 免疫力と修復

消化酵素を節約して、潜在酵素を代謝酵素に使えるようにして体を整えていきましょう。

「若々しいな」「肌がきれいだな」「生き生きとしているな」と思う方に食事の習慣を聞いてみると、1回の食事量が少なかったり、質に気を付けていたり、1日1~2食であると言う人も多いはずです。

毎日毎日、気を付けるのが難しい人は、一度がんばって一気にデトックスしてしまうのもおすすめです。

わたしの生徒さんが、はじめてのファスティングに取り組んだ事例がありますので良ければご覧ください。

《参考》【事例】-5.4kgダイエット!3日ファスティングの効果(男性41歳)

本記事で要約している「朝だけ断食で9割の不調が消える!」の続きは以下のURLからご覧いただけます。酵素の働きや重要性が分かった上で、実際にどのように酵素を節約して、酵素を補っていけば良いかを知ることができます。

《参考》【本の要約③】朝だけ断食で9割の不調が消える!酵素の節約・補い方

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