【本の要約③】朝だけ断食で9割の不調が消える!酵素の節約・補い方

あなたは「朝だけ断食」の効果と「酵素」の仕組みをご存知ですか?

  • 「酵素」の節約方法とは?
  • 「酵素」の補い方とは?
  • 「活性酸素」と「酵素」の関係性とは

わたしは、食事アドバイスや断食のお手伝いをしてる栄養士です。断食(ファスティング)指導の資格も持っています。

わたし自身も趣味がファスティングで、もう8年以上の間、3~10日の断食を定期的に行ってます。

そんなわたしが「朝だけ断食で9割の不調が消える!」という本を要約しています。本記事は、4部作中の③記事です。

本書の①概要とメリットを以下の記事でまとめています。

《参考》【本の要約①】朝だけ断食で9割の不調が消える!メリット・効果

続いて、②朝だけ断食のやり方と「酵素」の働きや重要性について解説しています。

《参考》【本の要約②】朝だけ断食で9割の不調が消える!やり方・酵素の働き

これらをご覧いただいてから、本記事にて酵素の節約方法・補い方をご覧いただくと理解が深まります。では要約に入って行きましょう。

「酵素」で病気を遠ざける

本_朝だけ断食で9割の不調が消える!

わたしたちの日常には、酵素を浪費する要因があふれています。酵素は、活性酸素を除去し、体を守る役目があります。

ストレスの多い現代の生活の中で、体内では活性酸素が発生し、ストレスホルモンも増えるなど、様々な悪影響を及ぼしています。

この活性酸素は、体がエネルギーを作る際に、呼吸で得た酵素が燃やされた際の燃えかすです。

また、ストレスを受けた際や、防腐剤などの食品添加物を解毒する際、喫煙や過度の飲酒などにも活性酸素を発生させます。

他にも、夜ふかしや徹夜、昼夜逆転の生活、運動不足などの生活の乱れも酵素の浪費に拍車をかけます。

ファストフードやインスタント食品、スナック菓子といった食品添加物や体に悪い油、焼肉や揚げ物、ラーメンと言った加熱食も酵素を浪費させる原因となります。

《参考》【トランス脂肪酸とは】含む食品一覧・アメリカなど世界と日本の対応

《参考》【本の要約】食品の裏側(食品添加物の神様、ミートボール事件の内容)

悪い食事を摂ると必ずと言っていいほど、腸に腐敗菌が蔓延します。要は、細菌繁殖で、これが増えると感染が至るところで起きて、大変なことになります。

それを退治してくれるのが好中球です。好中球は、かなりの細菌を退治してわたしたちを守ってはいるのですが、好中球が武器としているのが「活性酸素」です。

活性酸素は、いわゆるバイ菌(細菌)を退治する力なのです。

しかし、活性酸素が出すぎると、恐ろしいことに自分自身の細胞を破壊してしまいます。

こうした食生活は、ただえさえ大仕事である消化作業をさらにやっかいになものにして、莫大な消化酵素を浪費します。

このような生活では、酵素がいくらあっても足りるはずがありません。今はまだ元気でいられても、こうした生活を長く続けていれば、病気になってしまうのは当然のことと言えるのです。

減っていく酵素を補う

生活習慣や年齢とともに、わたしたちの持つ「潜在酵素」の数は減っていきます。では、どうしたらいいのかと言うと、食物が持っている酵素を取り入れて、体の酵素を補っていくことが重要です。

わたしたちが持っている潜在酵素(消化酵素と代謝酵素)のことを「体内酵素」と呼んでいますが、それに対して外から摂る酵素のことを「体外酵素」と呼びます。

体外酵素には、食物の酵素のほかに「腸内細菌の酵素」もあります。腸に棲む乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は、わたしたちが摂取した食べ物の一部を栄養源として、体に役立つ様々な代謝物を作っています。

それを可能にしているのが、腸内の善玉菌が持つ酵素であり、彼らの酵素を作る能力は、人間の150倍以上と考えられています。

つまり、体内にある「潜在酵素」が不足しない生活習慣を心がけるとともに、外から生きた酵素を摂ることで、免疫力や自然治癒力が高まり、健康を維持することができるのです。

生きた酵素の摂り方

食物酵素は、果物や肉、魚など、あらゆるものに含まれていますが、48℃以上に加熱すると食物酵素の働きは失われてしまいます

生きた酵素は「生のもの」にしか含まれていません。酵素を摂るには「生」で食べる必要があります。

野菜の中には加熱調理した方が栄養価が増し、消化が良くなるものもありますが、それでは酵素が死んでしまいます。

また、老化を防ぐファイトケミカル(抗酸化成分)も大量に減ってしまいます

すべての野菜を生で食べるのは難しいですが、生野菜を使ったメニューを1品追加するなどして、できるだけ生野菜を摂るように心がけてください。

ついついおやつを食べてしまう人は、フルーツに置き換えてみたり、「朝だけ断食」がどうしてもツライという人は、生野菜やフルーツに置き換えてみるのも良いでしょう。

風邪に「すりおろしリンゴ」

生野菜やフルーツには、豊富な酵素はもちろんのこと、ビタミンやミネラル、ファイトケミカルなどが豊富に含まれています。

そのままカットして食べてもいいのですが、「すりおろして食べる」とさらにパワーアップします。

すりおろすことで、酵素が活性化され、その働きが2倍にも3倍にもなるということが分かっています。

すりおろして食べるのに適した野菜は、大根やかぶ、しょうが、にんじん、きゅうり、レンコン、やまいも、玉ねぎ、にんにくなどです。それ以外にも、じゃがいもやキャベツなどもおすすめです。

大根やかぶ、しょうが、にんじんなどは、すりおろすことで酵素だけでなく、抗酸化物質の働きもよくなると言われています。

昔から「風邪をひいたら、すりおろしリンゴ」「胃の調子が悪いときは大根おろし」「咳が出るときはレンコンおろし」と言われてきたのも、生活の知恵ですね。

生野菜や果物は、それぞれ持っている酵素が違うので、2~3種類を混ぜた方が、よりたくさんの酵素が摂れておすすめです。

「発酵食品」には良質の酵素

納豆や漬け物などの発酵食品は、健康を守るうえで欠かせない食品のひとつです。

発酵食品を摂ると、酵素の活性化が促進され、食べ物の消化や栄養分の吸収がしっかりできるようになります。また、腸内に善玉菌が増えるので、悪玉菌の退治につながります。

日本は発酵食品の宝庫です。味噌や醤油、みりん、酢、日本酒、納豆、干物、漬け物など多様多種な発酵食品があります。

マウスを使った実験では、味噌を入れたエサを食べさせることで、胃がんの発生が下がったというデータもあります。また、味噌は動脈硬化にも効果があると言われています。

醤油や味噌をはじめとした調味料を購入する際は、天然の昔ながらの製法で作られた「ホンモノの発酵食品」を選ぶようにしましょう。減塩で作るために化学物質が使用されているとそれを消化するために酵素を浪費してしまいます。

もどき調味料の見分け方は、以下の記事でご覧いただけます。

《参考》【本の要約②】食品の裏側2 実態編:「添加物なし」に作れない食品

生の味噌は、不思議なことに塩分が多くても血圧を下げる作用があります。メラノイジンやサポニンという物質が、血圧を下げる作用を持っているからです。

きゅうりやダイコンの生野菜スティックに味噌をつけて食べることは、酵素があいまって一石二鳥の食べ方です。

生味噌を多く食すと、乳がん、胃がん、大腸がん、前立腺がん、肝がん、子宮がんの予防になることが証明されています。

納豆の「ナットウキナーゼ」

発酵食品の中でも、納豆は血液をきれいに酵素(血栓溶解力)である「ナットウキナーゼ」が豊富に含まれています。ナットウキナーゼの血栓溶解力は、薬よりも強く、脳梗塞や心筋梗塞の予防にもなります。

また、倉敷芸術科大学の研究によれば、納豆には「リゾチーム」という病原体溶解酵素が含まれていることが明らかになりました。

リゾチームは、卵の殻の内膜にある酵素で、強い抗酸化作用を持っています。そのために、卵は腐りづらいのです。

納豆には、このリゾチームが卵よりも多く含まれています。その他にも病気予防に欠かせないコリン、ビタミンK、イソフラボンなどの栄養成分も豊富に含まれています。

納豆がもつネバネバも、酵素の量と比例する関係にあると言われています。よく混ぜて食べることで体内の潜在酵素も活性化され、ますます健康になれるのです。

発酵食品といえばヨーグルトもそのひとつですが、牛乳に含まれる動物性タンパク質には「カゼイン」という病気を引き起こす成分が入っています。

《参考》【リーキーガット症候群とは】症状と原因、悪化させる食品、治療方法

ヨーグルトは豆乳を原料にしたものもあるので、そちらを摂るのがおすすめです。

動物が病気にならない理由

数百万種類と言われる、地球上の生物の中で、病気になっても薬を飲むのは人間と、人間に飼われている動物だけです。

野生動物にも感染症などの病気はありますが、死因の大半は怪我か、天敵に食べられるか、老衰です。もちろん生活習慣病なんて存在しません。

では、なぜ現代の人が数万種類にも及ぶ病気にかかるのに対して、野菜動物はほとんど病気にかからないのでしょうか。

それは、動物たちが取っている食べ物は酵素がふんだんに含まれている生ものだからです。

アメリカの動物園

アメリカの動物園にいる動物たちは、戦前は病気になって知ることが多かったと言います。

その後、1950年代になって「ビタミンが不足しているのでは?」と考え、ビタミン入りのエサに変更したのですが、動物の不健康さや寿命の短さは変わらなかったのです。

さらに10年後に「ミネラルが不足してるのでは?」と、ビタミンに加えてミネラルもエサに加えてみたのですが、それでも動物は健康になりませんでした。

そして1970年代になって「野生に戻さなくてはいけないのでは?」と考える人が出てきました。

そこで、動物のエサをすべて生の食事にする動物園が出てきました。シカゴにあるリンカーンパーク動物園は、生食だけで動物を育てる第1号の動物園となりました。

ライオンやヒョウ、チーター、トラなどの肉食動物には生肉や生の骨を与え、猿やオラウータン、チンパンジーには生のフルーツや生野菜、木の実といった具合に、すべての動物に生の食べ物を与えたのです。

すると、すべての動物が病気をしなくなり、長生きしはじめました

それを見習って、全米の動物園でも生食を採用することになり、結果としてどの動物園の動物も長生きするようになったのです。

これにより、生の食べ物にあって、加熱で失われているものは何かという議論がなされて見つかったのが「酵素」なのです。

お伝えした通り、酵素は加熱すると働きが失われてしまうので、加熱したばかりの食品を食べていた動物たちは病気がちになり、生食に戻すと健康になったのです。

生野菜で「冷え性」対策

「生野菜や果物を食べると体が冷える」と、躊躇している人もいます。ですが、生野菜や果物を食べたからと言って冷え性になることはありません。

それだけしか食べないとなると話は別ですが、ほかにも熱を生む食べ物も食べますよね。それならばむしろ、生野菜や果物を積極的に食べた方が、微小循環が著しく改善され、冷え性も良くなります。

冷え性は、血液が抹消の毛細血管にまで行き渡らくなることで起きます。その原因は、酵素不足です。

生野菜や果物は、冷え性の治療効果がありますが、食べたときに一時的に体が冷えることはあるので、体を温める効果のある味噌や黒酢をつけたり、生姜などと一緒に食べると良いでしょう。

「果物」で手軽に酵素を摂取

酵素栄養学の観点からすると、果物ほど酵素がたっぷり含まれている素晴らしい食べ物は見当たりません。

《果物を食べるメリット》

① 酵素の宝庫 生野菜と並んで、果物は酵素を摂るのに欠かせない食べ物です。
② とても消化が良い パンやご飯、肉、魚、乳製品、といった食品は胃の中に1.5~4時間ほどたまりますが、果物は自らが持つ酵素が豊富なので20分ほどで消化されます。
③ 良質な糖分が多く含まれる 果物には果糖やブドウ糖といった良質な糖分が含まれています。これらの糖分は消化がよく、すぐにエネルギーになってくれます。果物に含まれる果糖はインスリンを全て分泌させないので糖尿病になる危険がありません。
④ 水分豊富、良質なミネラル・ビタミンたっぷり 果物はその7~9割が良質な水分でできています。その中にはあらゆるミネラルが入っているので、最良のミネラル補給になります。
⑤ 繊維質がたっぷり 果物を毎日食べていると、とても質のいい便が出るようになります。
⑥ ファイトケミカルが豊富 ファイトケミカルは、わたしたちの老化を防ぐために欠かせません。果物には、抗酸化作用のある物質がたくさん含まれいるので、あらゆる病気の予防に役立ちます。
⑦ 低カロリー 甘みがありますが、お菓子と比べると果物はかなり低カロリーです。

果物を食べるメリットはまだまだありますが、デメリットはほとんどありません

毎日、季節のフルーツを1~2種類とることをおすすめします。生のままカットフルーツにするのはもちろんのこと、ジュースやスムージーにすると消化もよくなります。

「生食」と「加熱食」のバランス

毎日の食事をすべて生の野菜や果物だけにすることは非常に難しく、日本人には向かないと考えられます。いつも同じメニューではストレスを感じるし、これまでの食習慣をがらりと変えることは容易ではありません。

しかし、加熱食だけでは酵素不足になるし、菜食だけにすると動物性の食べ物にしか存在しない栄養素を摂取できなくなってしまいます。

動物性の食べ物には、アミノ酸とビタミンB群という2つの重要な栄養素が含まれています。

アミノ酸は20種類ありますが、そのうち1つでも不足すると、あとの19種類をどれだけ多く摂ってもほとんど吸収されなくなります。また、ビタミンB12は野菜にはほとんど含まれていません。

動物性食品をまったく摂らないヴィーガンの人たちは、このビタミンB12が不足しやすく、動脈硬化や心臓病になりやすいと言われています。それは、ホモシステインという悪玉物質が増加するからです。

《参考》【ヴィーガンとは不健康?】環境問題・飢餓・動物保護など社会問題

また、野菜でも加熱調理をした方が栄養価がアップしたり消化が良くなる食品もあります。

たとえば、シイタケや大根は、生よりも干した方が繊維もミネラルも豊富です。だから干しシイタケや切り干し大根を煮たものは、生に比べて栄養素がアップします。

ニンジンも炒めたり茹でたりした方が栄養が吸収されやすくなります。

また、すべての野菜に共通して言えることですが、煮ることで普通に噛んだのでは壊れない野菜の細胞膜が破壊され、栄養成分がしっかり吸収できるようになります。

しかし、加熱すると酵素は死滅してしまうし、ファイトケミカルも大量に減ってしまうので、それぞれバランスよく摂ることが必要です。

ベストな食事バランスは、果物や野菜が全体の50~60%、加熱調理した料理が40~50%です。加熱料理は、野菜やキノコ、豆、いもを中心に、肉や魚、卵を少量というバランスが良いでしょう。

あとは朝食を抜いて、酵素を節約すればOKです。

「毛髪」で酵素不足がわかる

酵素は寿命のカギを握っているので生命保持に重要なところを中心に作業します。その必要性から、真っ先に見捨てられてしまうのが毛髪です。

メラニン色素を髪に固着させるのはチロシナーゼという酵素です。年齢を重ね、どんどん潜在酵素が減少したら、このチロシナーゼは活性されなくなり、他の重要な部分に回されます。

そのためにできるのは白髪です。白髪が多い分だけ酵素が不足していると言っても過言ではありません。

白髪になっても命に別状はありませんが、心臓を鼓動させたり、呼吸をさせる酵素がなくなると、わたしたちは死んでしまいます。



酵素を阻害する食べ物

生野菜や果物に酵素が多く含まれていると紹介してきましたが、一方で、酵素を阻害する働きを持つ「酵素阻害剤」が含まれているものも多数あります。

「生の種」

酵素を阻害させる働きを持つ食べ物の代表格が「加熱されていない生の種(タネ)」です。

たとえば、ぶどうやスイカを食べるときに種を、面倒だからと種もそのまま飲み込んでいませんか?種は、保存のために強力な「酵素阻害剤」を持っており、中のものを酸化させないようにできているのです。

種は乾燥した場所に置いておけば、いつまでも腐りませんね。それは酵素の働きを抑えるABA(アブシジン酸)という物質が種の中に空気を入れないようにして、酵素をシャットアウトしているからです。

この酵素阻害剤のおかげで、種の中は酸化せずにいつまでも生きることができます。一方、人間にとっては非常に毒性が強いのです。

これがわたしたちの体に入ると、消化酵素や代謝酵素の働きをブロックし、酵素を浪費させ、免疫力を弱めてしまいます。

特に消化酵素を分泌する膵臓へのダメージが大きく、最悪の場合、膵臓がんを発症するリスクもあります。

著者のクリニックに来る膵臓がんの患者さんは、若いときから果物を種ごと食べる習慣があったという人が多いそうです。

ぶどうやスイカ、りんご、梨、みかん、レモンなどの種、ピーナッツ、アーモンド、大豆、小豆などは生で食べないようにしましょう。

例外は、イチゴやキウイ、トマト、きゅうり、なす、オクラです。これらの種は小さく柔らかいので、ほとんど影響はありません。

リスの習性

野生のリスはいつも種を食べていますが、面白い習性があります。リスは見つけた種をいったん土の中に埋めて、数日後に掘り起こして食べるのです。

これは土の湿気を利用し、酵素が働きだすのを待つことで、種の毒性を取り除いてから食べていると考えられます。

「玄米」

健康のために食べている人も多い玄米も、種の一種です。毒素が抜けないまま食べてしまえば栄養を摂るどころか、毒素を体に取り込んでしまうことになります。

こうした酵素阻害剤を無毒にするためには、17時間水につけておくことが大切です。

こから少しわたしからの追加情報です。

機械乾燥で加熱処理された「死んだ玄米」は、「発芽抑制因子のアブシジン酸(ABA)」をオフにすることができません。玄米のタネとしての機能が死んでいるからです。

なので、天日干しで自然乾燥された玄米を選ぶようにしましょう。

本書では「17時間水につけておく」となっていますが、わたしとしては、夏場と冬場で以下の時間を推奨しています。

  • 夏:12時間以上の浸水させる
  • 冬:24時間以上の浸水させる

生きた玄米は、発芽玄米にすることもできます。詳しくは以下の記事でご覧ください。

《参考》【玄米の選び方】玄米の毒・発芽玄米にする方法・炊き方・栄養と効果

生活習慣で対策しよう

普段の生活習慣で酵素を節約・活性化していく方法があります。

体を温めて「酵素を活性化」

「体温を上げると健康になる」と言われますが、体温が1℃下がると、酵素の働きは半分以下になってしまいます。

免疫細胞の要である「NK細胞」はだいたい36度5分~37度で活性化します。体温が1℃下がっただけで、免疫力は40%近くも落ちてしまいます。

また、体温が35℃台になると、がん細胞も増えやすくなると言われています。

足湯・半身浴

冷えを防ぐには、まず足下を温めることです。おすすめは、43~44℃の熱めのお湯で行う足湯です。

バスタブにお湯を張って、粗塩を大さじ2ほど入れて良くかき混ぜましょう。備長炭を入れると、なお良いです。

そしてバスタブのふちに腰掛け、ひざから下をお湯につけます。このとき、上半身は冷え防止と汗をかくかくために厚着をして、事前にコップ1~2杯の水を飲んでおきましょう。

このまま30~40分ほどお湯が冷めないようにしながらつかり、最後にひざから下に10秒ほど冷水をかければOKです。

最後に水をかけることで広がった血管を引き締めて、熱が失われるのを防ぐとともに、交感神経が刺激されるので、さらに代謝が良くなります。

冷えの解消はもちろんのこと、汗をかくことで体内の毒だしにもなり、肩こりや頭痛、腰痛、慢性病の改善にも効果があります。

本書では、粗塩を使う方法が書かれていますが、わたしはエプソムソルトがおすすめです。皮膚からのミネラル補給にもなり、塩ではないので浴槽がサビてしまう心配もありません。

《参考》【エプソムソルトとは】効果・効能、おすすめ商品「Sea Crystals」

また、足湯でなく半身浴でも効果があります。さらに、サウナは、この足湯の方法の高温全身バージョンともいえるので、同様の効果が期待できるかもしれません。

体を温めることは、酵素の働きを活性化することにも役立ちます。

「ヒートショックプロテイン」(自己回復タンパク)は、ストレスで傷ついた細胞を修復してくれるタンパク質で、わたしたちの体の免疫力を高める働きを持っています。

熱などのストレスが細胞に加わった際に、細胞の中でヒートショックプロテインがつくられ、酵素の働きも活性化してくれます。

睡眠時に「酵素」が作られる

酵素は、わたしたちが眠っている間に大量に生産されます。そしてその酵素を使って体内では代謝活動が活発に行われています。

酵素栄養学では、午後8時~午前4時までは吸収と代謝の時間とされています。ここでの代謝は、全身すべての臓器を点検し、修理、入れ替え、補修作業を行うことです。

夜ふかしや徹夜をしていると、酵素の生産が進まず、代謝酵素が不足し、疲れが抜けにくくなってきます。さらには、老化が進み、病気になりやすい状態を作ってしまいます。

酵素の生産効率をアップさせるには質の高い睡眠をとること大切です。ぐっすり眠れるように体や精神をリラックスさせておくことも重要です。

お風呂に使ったり、マッサージをしたり、睡眠中の血流の滞りを防ぐために水を飲んでから寝るのも良いでしょう。

ストレスで「酵素」が減る

ストレスは、悪玉菌を増やして腸内環境を悪化させてしまいます。自律神経のリズムを狂わせ、活性酸素を発生させるので、その処理のために酵素も多く使います。

ストレスを受けると、わずか数分で免疫細胞の働きが弱まってしまうと言われていて、心臓病やがんなど、命に関わる病気になってしまうこともあります。

つまり、いかにストレスを解消するかは、食生活と並んで、健康を維持する上ではとても重要なのです。

趣味がないと言う人や、仕事が忙しくて時間がないと言う人でも、いつでもできて、効果絶大なとっておきのストレス解消法は「笑う」ことです。

笑うことで健康に

アメリカのジャーナリスト、ノーマン・カズンズ氏は、50歳のとき、強烈なストレスのせいで、首から下が全く動かなくなりました。

薬漬け、点滴漬けの入院生活では病状が回復しないことを悟ったカズンズ氏は、飲んでい大量の薬をすべて捨ててしまいました。そして、ホテルの一室を借り切って、コメディ映画やお笑い番組を見続けました。

すると、8日後には手の指が動くようになり、数か月後には完治してしまったのです。回復の見込みはゼロに近いと言われた症状を、笑うことで克服したのです。

NK細胞をはじめとする免疫細胞が、笑うことで活性化する、さらには笑いには血糖値の上昇を抑える効果があることも分かっています。

これは笑うフリでも充分に効果があると言われています。笑う門には、健康という最高の幸福がやってくることが科学的にも証明されているのです。

「お酒」は酵素を消費する

飲みすぎたり食べ過ぎたりすると、翌日に胃がもたれていることがありますよね。これは、体内酵素が不足しているサインです。

アルコールは、いくつもの酵素を使って代謝されます。お酒は、食べ物以上に酵素を無駄遣いさせるのです。

お酒を分解するときにアセトアルデヒドという物質になりますが、これはアルコールそのものよりも10倍以上も毒性が高く、活性酵素を多く発生させる原因になります。

特に、日本人はもともとアセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱いので、フルパワーで酵素が働いてくれていても、分解しきれずに二日酔いとなって体に残ってしまうのです。

二日酔い対策にウコンなどのドリンクを飲む人がいますが、あのようなドリンク剤にも酵素をが含まれていて、分解する力を補ってくれているのです。

しかし、それらのドリンクには添加物も多く含まれており、結局は酵素を無駄遣いする結果となります。

そういうときこそ「朝だけ断食」などで、酵素を節約して、生野菜や果物から酵素を補うことで、アルコールの代謝を促しましょう。

お酒は人間関係の潤滑油でもあるので、たまには仲間と飲みすぎてしまうこともあるでしょう。そういう場合は、1週間で帳尻を合わせましょう。

薬で「酵素」の働きが低下

風邪のウイルスが体に入ってくると、熱が高くなったり、鼻水や席も出ますね。これは、体がウイルスを排除しようと必死に戦ってくれているからです。

しかし、ここで薬を飲んでしまうと戦おうとしていた力が弱まり、自力でウイルスを排除することができなくなってしまいます。

つまり、熱が出たときは、熱を出し切って、体が本来持っている免疫力で体内の病原菌を退治するのが最良の方法なのです。

西洋医療で使われている薬のほとんどは、化学物質でできています。長期間にわたって飲み続けていると腐敗菌やウイルスがさらに増大し、体の状態が悪くなっていきます

人間の体は、自然界に存在しないものは受け付けないようにできています。

強力な抗生物質や抗がん剤などは腸内にある善玉菌までも殺してしまいます。そのため、継続して服用していると腸内環境のバランスが崩れ、腸管の透過性が上がってしまい、腸の壁から大きな物質が取り込まれてしまうようになり、新たな病気を引き起こす可能性がもあるのです。

《参考》【リーキーガット症候群とは】症状と原因、悪化させる食品、治療方法

薬のほかに、添加物や農薬、人工甘味料なども体にとっては異物です。

《参考》【本の要約】食品の裏側(食品添加物の神様、ミートボール事件の内容)

《参考》【人工甘味料とは】種類一覧と危険性、メリット・デメリットのご紹介

糖化で「AGE」が大量発生

体が「酸化」すると活性酸素を発生させる原因になり、酵素を大量に消費し、病気を引き起こすという話をしてきました。

しかし、この「酸化」よりも恐ろしい「糖化」も問題です。

糖化とは、タンパク質と糖が結びつく反応で、タンパク質が劣化することを言います。酸化が体のサビなら、糖化は体のコゲとも言えます。

パンをトーストしたときにできるコゲや、砂糖を煮詰めてできるカラメルなどがいい例です。

食べ物では、風味が増しおいしくなる変化ですが、体の中で糖化が行われるととても恐ろしいことになります。最終的には、必ず酸化物質が出現します。

体の中で糖化が起こると「AGE」という物質を大量に発生させます。AGEは。終末糖化産物の意味で、アドヴァンス グリケーション エンドプロダクツの略です。

これが体の中に蓄積されると血管やコラーゲン繊維を老化させたり動脈硬化、骨の老化、アルツハイマー病、パーキーソン病、心臓病や糖尿病などの多くの病気を引き起こします。

糖化物質の入っている代表的な食べ物は、ポテトチップスやフライドポテト、かりんとう、クッキー、ビスケット、チョコレート、コーヒー、チーズなどがあります。

調理法

高温加熱したときにAGEが大量発生することが分かっており、焼く、炒める、揚げるといった高温調理はもちろん、圧力鍋の調理もAGEを発生させる要因となります。

一方で、ゆでる、煮る、蒸すことは糖化しにくい調理方法です。

また、みりんや砂糖を入れると煮るとAGEは急増してしまいます。すき焼きや焼肉、佃煮、うなぎの蒲焼き、タコ焼き、甘辛い中華料理もAGEを多く発生させています。

要は、甘辛くておいしいと思われる調理法ほど体に悪い糖化物質が急増してしまうと言えるのです。

さらに、小麦の調理も糖化が非常に進行します。パンやパスタ、ラーメン、うどんも糖化物質です。

とはいえ、こうした料理を一切食べないと言うのはストレスがたまると思いますので、生野菜を一緒に摂るなどして対策をしましょう。

「国産野菜は安心」は間違い

「農薬は体に悪い」という認識は誰もが持っている認識だと思います。オーガニックや無農薬の野菜を選んでいる家庭も少なくないでしょう。

そこまで神経質でない人でも「同じ野菜なら外国産より国産の方が安心」と、選んでいる方もいるのではないでしょうか?

残念ながら、国産だから安心というのは間違いです。現在、日本は世界一の農薬大国になっています。

アメリカでは、2007年から農薬の規制が始まり、その使用量はピーク時の半分になっています。日本で主に使われているネオニコチノイド系の農薬もほとんど使用しなくなっていると言います。

以下の記事では、日本の農薬と環境汚染の実態について書かれています。

《参考》【本の要約 番外編】食品の裏側2 実態編:添加物の具体的な例

りんごや梨などの果物は皮ごと食べるのが理想的ですが、農薬が残留していたり、ダイオキシンなどが付着している場合には、かえって酵素を阻害する恐れがあります。

体のことを考えるのであれば、口に入れるものの安全性をしっかりと知る必要があります。

さらに、農薬のせいで日本の野菜の栄養価はは著しく減少していることも分かっています。

たとえば、ほうれん草の鉄分は、1950年頃と比べると13分の1、ニラの鉄分に至っては30分の1近くまで減っています。カボチャにふくまれるカルシウムも3分の1になど、栄養価の減少は深刻です。

また、農薬だけでなく肥料も安心できません。野菜は、無農薬低肥料で栽培することで、ビタミンやミネラルが増えることが分かっています。

たとえば、水や肥料を与えすぎない「永田農法」で作られた野菜には、一般的な野菜の10倍以上ものビタミンCが含まれます。

しかし、国内ではそうした野菜や果物を栽培している農場は限られており、これらの野菜を買うことはなかなか難しいのが現状です。

以下の記事では、食品添加物(乳化剤)を使用することで、食材が持つ抗酸化力は低下するとう実験結果や、有機栽培(オーガニック)の人参と、慣行栽培(一般的な栽培)の人参の抗酸化力を比較について紹介しています。

《参考》【FIT FOOD HOME】無添加、化学調味料・遺伝子組み換え不使用

他にも、オーガニックや無添加にできるだけ近づけてこだわっている野菜や果物を購入できるお店もあります。

《参考》100%有機の野菜の「ビオ・マルシェ」

《参考》有機野菜「大地宅配」お試しセット1,980円(送料無料)

農薬除去の方法

重曹を使った農薬除去の方法をご紹介します。栄養価は上がりませんが、ある程度の農薬を除去することが可能です。

重曹は、炭酸水素ナトリウムという物質で、塩の30倍以上の毒素吸着効果があると言われています。掃除や料理に使われている家庭ではお馴染みのものでしょう。

ボウルに重曹を小さじ2杯ほど入れて水で溶かします。これに野菜や果物をつけて20~30秒たったら引き上げ、流水でよく洗います。

ただし農薬は化学生成物で非常に複雑な構造をしているので、すべての農薬が完全に取れている訳ではありません。

体調が悪い、不調を改善したいという場合は、以下のことが欠かせません。

  1. 体に入れるもの量を変える
  2. 体に入れるものの質をよくする

食べ過ぎをやめて、食べるものの質をよくすることです。

健康のためにと、医者から出されたお薬を飲み続けるくらいであれば、その代わりに無農薬低肥料の野菜や果物を選んで丸ごと食べる方が健康への近道です。

昔から「一物全体」といって、ひとつのものを丸ごと食べようという考えがあります。命あるものは、すべてそのひとつで調和が保たれているので、皮や根、芯も含めてすべて食べることでバランスよく栄養が摂れるという考え方です。

菜食主義かつ、一物全体を実践する「ホールフード・ヴィーガン」というジャンルの食生活も存在します。またマクロビでも一物全体の概念が取り入れられています。

《参考》【ヴィーガン、ベジタリアン、マクロビの違い】食事方法や思想・種類

さいごに

一生に使える「酵素」の量は決まっているので節約しつつ、生野菜や果物で補っていくことが大切です。

「酵素」を無駄遣いしないためには、果物の種を食べないことや、玄米の無毒化、お酒やストレス、農薬、食品添加物、人工甘味料などに気を付けることも大切です。

今日食べたもので、未来の自分が作られます。ほんの少しでも未来の自分への投資と思って健康習慣を取り入れていただければと思います。

まずは、簡単できる「朝だけ断食」や「気まぐれ断食」はおすすめです。

《参考》【本の要約:前編】心と身体のリセットに効く「気まぐれ断食」

要約している「朝だけ断食で9割の不調が消える!」は、次が最後の記事になりますので、ぜひご覧ください。

《参考》

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