皆さんは、お米といえば「白米」派ですか?「玄米」や「発芽玄米」を召し上がりますか?
- 玄米と発芽玄米は違うもの?
- 発芽玄米の作り方と炊き方は?
- おすすめの玄米を知りたい。
わたしはオーガニック食品やオーガニックコスメが好きな栄養士です。玄米を発芽玄米にする方法、炊き方、おすすめの玄米などについてご紹介していきます。皆さんの食べている玄米に「毒性」が含まれている可能性がありますので、ぜひ本記事でチェックしてみてください。
「発芽玄米」とは
発芽玄米とは、玄米をわずかに発芽させたものです。発芽の際に眠っていた酵素が活性化し、出芽のために必要な栄養を玄米の内部に増やしていくため、一部の栄養価が玄米よりも高くなります。さらに硬い糠もやわらかくなるため、食べやすい状態になり手軽に炊飯できます。
栄養価が高い順に並べると次のようになります。
発芽玄米 ≧【玄米】 > 五分づき玄米 > 胚芽米 > 白米
玄米を基準として、発芽させると栄養価アップ、それ以外は胚芽・胚乳・など玄米の外側の部分を落としていったものになるので、その部分に含まれる栄養分を失っているということです。
発芽玄米よりも、玄米のままの方が高い栄養素もあるのですが、吸収しやすい状態になることも考慮すると、発芽玄米が1番栄養価が高いと言えるでしょう。
《参考サイト》マイナビ:玄米
【発芽玄米】のメリット3つ
玄米は、栄養価が高い食品として知られていますが、その玄米を発芽させた「発芽玄米」の特徴をご紹介していきます。
① 栄養価が高く・吸収しやすくなる
発芽玄米の栄養価の高さは、白米や、その他の主食となる、そば、うどん、パスタなどに比べて群を抜いています。なかでも、ストレス軽減作用で知られるギャバは白米の約10倍も含まれています。
もとは同じ玄米でも、発芽させたものか、発芽させない玄米かで、栄養価が変わるなんて不思議ですね。お米が生きているんだなと感じます。
なお、玄米にもミネラルは含まれていますが、身体には吸収されにくい形であることがわかっています。発芽玄米はミネラルが吸収されやすい形になり、カルシウムやマグネシウムなどが有効利用できるのが特徴です。
② 旨みがアップ
発芽玄米は甘み・旨みが豊富です。これは、発芽により酵素が活性化されることで、糖質が分解されて甘みが増すとともに、たんぱく質が分解されて旨み成分であるアミノ酸が増えるためです。
なので、もとは同じ玄米でも、発芽前の玄米と発芽後の玄米では、少し味が違います。かなり微妙な変化ではありますが、皆さんはどちらがお好みか、ぜひ食べ比べてくださいね。
③ 食べやすさがアップ
玄米の糠(ぬか)がやわらかくなることで、玄米特有の「炊飯が面倒」「硬い」というデメリットが少し解消され、発芽前の玄米よりも食べやすくなります。
外皮が柔らかくなるのも特徴のひとつで、玄米特有の固さやボソボソした食感が気にならなくなるといわれています。過去に玄米を食べて苦手だなと思った方も、発芽玄米で再チャレンジしてみると新たな発見があるかもしれません。
【発芽玄米】栄養価
【150gあたり】 | 白米 | 玄米 | 発芽玄米 |
エネルギー(kcal) | 252 | 248 | 251 |
水分(g) | 90 | 90 | 90 |
たんぱく質(g) | 3.8 | 4.2 | 4.5 |
脂質(g) | 0.5 | 1.5 | 2.1 |
炭水化物(g) | 55.7 | 53.4 | 52.5 |
糖質(g) | 53.4 | 51.3 | 49.8 |
ナトリウム(mg) | 2 | 2 | 2 |
カリウム(mg) | 44 | 143 | 102 |
カルシウム(mg) | 5 | 11 | 9 |
マグネシウム(mg) | 11 | 74 | 80 |
リン(mg) | 51 | 195 | 195 |
鉄(mg) | 0.2 | 0.9 | 0.6 |
亜鉛(mg) | 0.9 | 1.2 | 1.4 |
銅(mg) | 0.15 | 0.18 | 0.17 |
ビタミンE(mg) | 0.0 | 0.8 | 0.5 |
ビタミンB1(mg) | 0.03 | 0.24 | 0.20 |
ビタミンB2(mg) | 0.02 | 0.03 | 0.02 |
ナイアシン(mg) | 0.3 | 4.4 | 3.0 |
ビタミンB6(mg) | 0.03 | 0.32 | 0.20 |
葉酸(μg) | 5 | 15 | 9 |
パントテン酸(mg) | 0.38 | 0.98 | 0.54 |
飽和脂肪酸(g) | 0.15 | 0.35 | 0.39 |
n-3系多価不飽和脂肪酸(g) | 0.00 | 0.02 | 0.02 |
n-6系多価不飽和脂肪酸(g) | 0.12 | 0.48 | 0.62 |
食物繊維(g) | 2.3 | 2.1 | 2.7 |
栄養計算は、こちらのサイトを使用しました。⇒グリコ栄養成分ナビゲーター
上記サイト上では、次のような項目名で調べました。
- 白米は「めし・精白米・うるち米(水稲)」
- 玄米は「めし・玄米(水稲)」
- 発芽玄米は「めし・発芽玄米(水稲)」
こうして一覧表を見てみると、白米よりも、玄米と発芽玄米の方が栄養価が高いことは一目瞭然です。しかし、玄米と発芽玄米については、大きく栄養価は変わらない印象です。
「発芽玄米は栄養価が高い」と言われるほど、玄米と変わらないというのが率直な感想です。恐らく発芽でエネルギーを使って、栄養価が下がっている項目もいくつかあります。
なので、栄養価を基準に玄米か発芽玄米を選ぶというより、味のお好みで選択しても良いと思います。後ほどご紹介しますが、発芽させるには数日かかるので、お手軽に「玄米」でも充分に思います。ただ、先ほども解説した通り、発芽玄米の方が食べやすく・吸収しやすい状態になっているので、どちらか悩んでいるのであれば、発芽玄米の方が入りやすいです。
発芽玄米の特徴
γ-アミノ酪酸(ギャバ) | 血中コレステロール低下作用、抗肥満効果、血圧上昇抑制効果、アレルギーの予防、アトピー性皮膚炎改善効果、精神安定作用、ストレス軽減。 |
ガンマ-オリザノール | 皮膚の老化防止、皮膚の血液循環促進、自律神経失調症の緩和、更年期障害やそれに伴う不定愁訴の緩和。 |
IP6(フィチン酸) | 抗酸化作用、抗ガン作用。 |
食物繊維 | 腸内環境の調整、消化に関わる器官の運動の活発化、糖や脂質の消化吸収の抑制、便秘の予防、高コレステロール血症の予防。 |
ビタミンB群 | 糖質の代謝促進、中枢神経・末梢神経の働きの正常化、脚気の予防、記憶力低下の抑制。 |
※γ-アミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)を略して、GABA (ギャバ)と呼ばれています。
【発芽玄米】にする方法
まず、発芽前の玄米と、発芽させた玄米の写真をご覧ください。胚芽の部分が伸びているのが分かりますよね。
- 夏:72時間(3日)~5日
- 冬:96時間(4日)~6日
【発芽玄米】炊き方
基本的には、普通の白米と同じ炊き方です。ふっくらとして、やわらかく消化に優しい状態で炊き上げるには、約30分ほど浸水してから炊くのがおすすめです。なお、発芽玄米を炊くときは、解毒の為に浸水しているはずなので、美味しく炊くための浸水は事実上、不要ともいえます。
玄米の解毒については、もう少し後半で詳細をご説明します。
また、炊飯器で炊く方は「玄米炊きコース」があれば、その方法で炊き上げると良いでしょう。
「玄米」とは
発芽玄米のもとになる「玄米」の基礎情報もご紹介していきます。玄米は、栄養価の高い食材ですが、消化には悪い(腹持ちが良い)という特徴があります。また、適当に玄米を購入すると、アブシジン酸(ミトコンドリア毒)の影響を受けてしまうので注意してください。
【玄米】の特徴
玄米の知っておくべき特徴を紹介します。
- ビタミンやミネラルが豊富:玄米は、米ぬか(胚芽)がついており、ビタミンやミネラルが豊富。
- 食物繊維が豊富:食物繊維が豊富で、余分な脂肪分や塩分の排出を促したり、腸内内菌のエサになり腸内環境を整える。
- GI値が低い:血糖値を急激に上げないので、糖尿病や生活習慣病の対策になる。
「GI値」とはグリセミック指数のことで、ものを食べたときに血糖値の上り方を示す数値のことです。
【玄米】食べ方
【玄米】炊き方
「玄米」の毒性を消す方法
アブシジン酸の毒性
玄米は「種(たね)」です。籾殻(もみがら)がなくとも、種としての機能を失っていません。
毒性を不活性化する方法
発芽抑制因子であるアブシジン酸の働きをオフにしなければなりません。つまり、発芽状態をオンにするということです。
不活性化の方法 ①ロースト
不活性化の方法 ②浸水
- 夏:12時間以上の浸水させる
- 冬:24時間以上の浸水させる
【注意】解毒・発芽しない玄米
- 「自然乾燥」天日干しで乾燥させる。
- 「機械乾燥」熱を与えて乾燥させる。
【死んだ玄米】の見分け方
【発芽玄米】として販売される商品
「玄米」購入のポイント
ここまでの解説の中で、いくつかポイントを紹介してきましたが改めて重要なポイントを2つ紹介します。
① オーガニック玄米
② 天日干し玄米
【玄米・発芽玄米】に期待できる効果5つ
発芽玄米の特徴をもとに、期待できる効果をご紹介していきます。
① 肥満予防
② 高血圧対策・血糖値コントロール
③ 便秘予防
④ アトピー性皮膚炎の食事療法
⑤ リラックス効果
【まとめ】玄米の選び方、解毒・発芽方法
玄米と発芽玄米の良さや特徴をご紹介してきましたが、最後に絶対に知っておいて欲しい重要ポイントをまとめておきます。
「玄米」購入のポイント
- オーガニック(無農薬)玄米:農薬をダイレクトに食べることになるため。
- 天日干し(自然乾燥):発芽抑制因子をオフにするため生きた玄米を選ぶ。
わたしが購入している玄米については、こちらの記事でご覧いただけます。
《参考》【生きた玄米】選び方・毒性の不活性化・保存方法・おすすめ玄米を紹介
ミトコンドリア毒の対策
- 夏:12時間以上の浸水させる
- 冬:24時間以上の浸水させる
発芽玄米にする方法
- 夏:36時間(3日)~5日
- 冬:48時間(4日)~6日