あなたは「健康長寿」になれる食生活を知りたくないですか?
- 「腸内細菌」がカギをにぎる?
- 「脳」もメンテナンスが必要?
- 「ファスティング」が健康の秘訣?
わたしは、ファスティング(断食)や食事指導をしている栄養士です。
本記事では、「死ぬまで若々しく健康に生きる 老けない食事」という本を要約して紹介していきます。
興味深く重要な内容が多いので、数記事にわたってまとめています。ぜひ最後までお付き合いいただき、若々しく健康に生きる方法をマスターしていきましょう。
今まで、老けてしまうメカニズムや、老ける食材・老けない食材などを紹介してきましたが、ついに本記事で「長寿パラドックスプログラム」をご紹介します。
まずは①からご覧いただくと理解が深まります。
《参考》【本の要約①】死ぬまで若々しく健康に生きる 老けない食事:老化と腸内細菌
「長寿パラドックスプログラム」
あなたが健康で若々しく年を重ねていくには、腸内細菌たちの力を借りるしかありません。
あなたは、腸内細菌が棲むマンションの管理人のようなものです。腸内細菌が喜ぶものを食べて、住み心地の良い住処を提供してあげましょう。
そんな願いをかなえるために、あなたができることが「長寿パラドックスプログラム」です。
今から紹介するプログラムで良いと言ったことは、すべてやらないといけない訳ではありません。できるところから取り入れたり、正しい知識を持つことで正しい選択をできるようになってもらえればと思います。
長寿パラドックスプログラムではカロリー制限の期間を設けるが、断続的に行うものなので、苦しいとは感じないでしょう。
「概要」
基本的に1か月ごとに行います。そして毎月、以下のような期間を設けます。
1週目 | ・疑似ファスティング5日+自由日2日 |
2~4週目 | ・自由日4日+カロリー制限日2日+脳洗浄日1日 ・自由日6日+脳洗浄日1日 ・自由日5日+脳洗浄日2日※お好きなプランを選択 |
①「疑似ファスティング期間」
月に5日連続で、動物性タンパク質を避け、1日の摂取カロリーを900kcalに抑える。1か月間完全なカロリー制限を行うのと似た効果を得る。
②「自由期間」
ほとんどの日は、善玉菌が喜ぶ長寿パラドックスプログラム食品を好きなだけ食べられる。
③「脳洗浄期間」
週に1~2回だけ夕食を抜いたり、早めに食べたりして、寝ている間に脳をきれいに洗えるようにする。
④「カロリー制限期間」
週に1~2回、1日の食事量を600kcalに抑えることで、長寿効果を得られる。脳洗浄期間に行えば、二重の効果が得られる。
⑤「集中ケア用クレンジング期間」
変性疾患の方や、よりいっそうのケアをしたい方は、断食や脳を洗う日を増やしたプログラムで、ミトコンドリアの機能をされに高める。
では、実際に何をどう食べるのかを詳しく解説していきます。
①疑似ファスティング期間
カロリー制限は、長寿と健康にとても重要です。なんと、1か月のうち5日間だけカロリー制限をすれば、1か月間毎日カロリー制限したのと同じ効果が得られるのです。
南カルフォルニア大学レオナルド・デービス校老年学部・長寿研究所のロンゴ所長によると、月に1度、5日間の改良ヴィーガン断食を行うと、従来のカロリー制限を1か月行った場合と同様の長寿効果が得られることを示しています。
1か月間カロリー制限したのと同じ効果が得られるだけでなく、この5日間で腸内細菌の構成が劇的に変化し、悪玉菌を追い出して善玉菌に栄養を与えられます。
ロンゴ博士とコロラド大学ボルダー校の研究者による研究では、疑似ファスティング食で腸内細菌の種類を改善させれることが確認されました。
コロラド大学のチームが行った研究によると、3日間のクレンズを行っただけで、被験者のマイクロバイオーム(微生物叢)の劇的な変化が見られ、その中にはアッカーマンシア菌の増加も含まれていました。
「アッカーマンシア菌」は、腸壁を覆う粘液を食べて、粘液の生成を助けます。この菌が多いほど、年を重ねても若々しくいられます。
腸内細菌のバランスが良い状態になれば、残りのプログラムも楽にこなせるようになります。
人間は、水さえあれば2か月以上は食事をとらずに過ごせます。数日間のカロリー制限くらいで餓死する心配はありませんよ。
おなかが空いて何か食べたくなったら、大さじ1杯のMCTオイルを1日3回まで摂取して、低炭水化物食で引きやすくなる風邪を予防しましょう。
インスリン感受性が高まり、腸内環境が改善されてくると、空腹が気にならなくなり、この5日間を過ごせるようになります。
では、この5日間で何を食べるのか紹介していきます。実は食べないことのほうがはるかに重要です。
避けたい食品
- すべての乳製品
- すべての穀物と擬穀類
- すべての果物(実の中に種がある野菜も果物と定義される)
- すべての糖質源
- 卵
- 大豆、大豆製品
- ナス科の植物(ナス、ピーマン、トマト、ジャガイモ)
- トウモロコシ
- 植物油(キャノーラなど)
- 動物性食品(肉類)
これらの他に、以下の記事に書かれている「腸をダメにする食材」も避けてください。
《参考》【本の要約】死ぬまで若々しく健康に生きる 老けない食事:駄目な食材
リストアップして、一覧表にしておきますね。
単純糖質とデンプン | ブドウ、マンゴー、完熟バナナ、ライチ、リンゴ、パイナップル、洋梨 |
砂糖の代用品 | スクラロース、サッカリン、アスパルテームなどの甘味料 |
一般的な乳製品 | 牛の乳で作ったミルクやチーズ、アイスクリームなど |
悪い脂質 | ピーナッツオイル、グレープシードオイル、コーン油、綿実油、サンフラワー油(ベニバナ油)、ヒマワリ油、部分水素添加油脂、キャノーラ油 |
食べて良い食品
腸内環境を整える食品で、食べても良いものは以下の通りです。
「野菜」
以下の野菜は、加熱しても生でも好きなだけ食べられます。
過敏性腸症候群、小腸内細菌異常増殖症(SIBO)、下痢など、腸に問題を抱えている方は、生野菜の摂取を控えめにして、調理して食べましょう。
野菜は、すべて有機栽培のもので、生か冷凍のものを購入します。生の場合は、できるだけ旬のもので、持続可能な農業を実践している地元産のものを選びましょう。
- アブラナ科の野菜(チンゲン菜、ブロッコリー、芽キャベツ、スイスチャード、キャベツ、カリフラワー、ケール、マスタードグリーン、コラードグリーン、ラピニ、コールラビ、クレソン、水菜、ルッコラ)
- 青野菜(エンダイブ、レタス各種、ほうれん草、タンポポ菜、チコリ)
- ラディッキオ・ロッソ・ディ・トレヴィーゾ
- アーティーチョーク
- アスパラガス
- セロリ
- フェンネル
- ラディッシュやその他の根菜類(ヤマイモ類、タロイモ類、ヒカマ、ユッカ、キャッサバ、カブ、ルタバガ、ホースラディッシュなど)
- フレッシュハーブ(ミント、パセリ、セージ、バジル、コリアンダー、ニンニク、リーキやチャイブなどのネギ類全般)
- 海藻類(昆布、海苔など)
「タンパク質」
この「①疑似ファスティング期間」の5日間は、あなたはヴィーガンになります。つまり、卵や肉、鶏肉、乳製品を一切摂りません。
《参考》【ヴィーガンとは不健康?】環境問題・飢餓・動物保護など社会問題
タンパク質が不足するのではと心配する必要はありません。今のあなたはタンパク質を摂りすぎているし、体はすでにあるタンパク質を再利用できるのです。
動物性食品を5日間摂らないことで、体はタンパク質の消化から解放され、腸内微生物叢にとって環境に優しい保養地となります。
この5日間に食べられる植物性タンパク質源(1日227g以下)を紹介しますが、必須ではありません。
- テンペ(穀類を使わない大豆発酵食品)
- ヘンプ豆腐とヘンプシード
- レンズ豆やインゲンなどの豆類を圧力調理したもの
- キビやアワを使った代替肉
- ナッツ、種子
ナッツ類については、注意が必要です。たとえば、「カシューナッツ」や「ピーナッツ」は、レクチンを多く含んでいるので、おすすめでません。
腸に良い細菌が好むナッツはクルミやマカダミアナッツ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオです。詳しくは以下の記事でご覧ください。
「油脂類」
この5日間に摂取できる植物性脂質源は以下の通りです。
- アボカド(1日1個を目安に)
- ファーストコールドプレスのエクストラバージンオイル
- オリーブ
- ナッツ類(クルミ、マカダミアナッツ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、松の実、マルコナ種のアーモンド、皮なしアーモンド粉)
- オイル(アボカドオイル、ココナッツオイル、マカダミアナッツオイル、MCTオイル、エゴマ油、ゴマ油、クルミ油、ヘンプシードオイル、亜麻仁油)
ご紹介してきた通り、オリーブオイルは健康長寿の万能薬です。
たとえば、認知症やその他の神経疾患の発症率を劇的に低下させ、オートファジーも促進してくれます。その他の健康効果については以下よりご確認ください。
《参考》最高の食材「オリーブオイル」
「香辛料・調味料」
市販のサラダドレッシングやソースは、糖分が多く含まれている可能性があります。代わりに以下のものは好きなだけ使って良いです。
- 生レモン果汁
- 酢
- マスタード
- 挽きたてのブラックペッパー
- ヨウ素化塩
- お好みのハーブ&スパイス(唐辛子を除く)
「飲み物」
ソーダ類、スポーツドリンク、レモネードなどの市販の飲料は全て避けましょう。
代わりに1日8杯以上の水道水またはろ過水を飲みましょう。
- スパークリングミネラルウォーター(ガスなしミネラルウォーター)
- 緑茶、紅茶、ハーブティーなどのお茶は好きなだけ
- レギュラーコーヒー及びカフェインレスコーヒー(無糖のアーモンドミルクやヘンプミルク、ココナッツミルクは入れても良い)
- 紅茶やコーヒーを甘くしたい場合は、ステビア、ラカンカなどをお好みに合わせて使って良い
ルイボスティーもおすすめです。マグネシウムなどのミネラルや抗酸化物質が含まれていて、健康・美容に嬉しい成分が豊富です。
わたしは毎日の水分補給として飲んでいますし、ファスティング時の水分補給にも必須アイテムです。
《参考》【口コミ】エルバランシアのルイボスティー定期購入~休止・解約まで
《参考》【10日ファスティング体験談】-4.7kg!スケジュール・やり方
②自由期間
5日間の「疑似ファスティング」が終わったら、自由期間として、善玉菌が喜ぶ食品を好きなだけ食べつつ、悪玉菌が好む食品は控えましょう。
5日間の「疑似ファスティング」からすぐに元の食生活、とくに「糖質の多い食事」に戻すと、悪玉菌がすぐに増え、せっかくの進歩が台無しになるので注意が必要です。
自由期間は、カロリー制限の必要はありませんが、タンパク質の摂取量には気をつけましょう。体重1kgあたり0.37gのタンパク質で十分です。
タンパク質量の目安としては、体重50kgの方で18.5g、体重70㎏の方で25.9gです。
ゆで卵1個に含まれるタンパク質は約6.5gなので、体重50kgの方で3個程度、体重70㎏の方で4個程度となります。
他の参考情報としては、コンビニに売っているサラダチキン1個に含まれるタンパク質は21~25g程度なので、体重50㎏くらいの方であれば摂りすぎレベルになります。
1食につき、ホエイプロテインパウダー大さじ1杯や、卵2~3個、あるいは平飼いの鶏肉や天然魚を85g程度食べれば、1日に必要なタンパク質を簡単に満たせます。
朝食には卵、昼食にはツナサラダ、夕食には天然の魚介類を少しだけ食べましょう。
お肉は毎日の主菜ではなく、たまに食べるご馳走だと考えましょう。
その他の食事では、野菜やナッツ、キノコ類、圧力調理したレンズ豆などからタンパク質を摂取しましょう。それ以外にも、以下のような食品を好きなだけ食べて良いです。
「油脂類」
オリーブオイル、藻類オイル、ココナッツオイル、マカダミアナッツオイル、MCTオイル、アボカドオイル、エゴマ油、クルミ油、レッドパームオイル、米ぬか油、ゴマ油、フレーバー付きのコッドリバーオイル(タラ肝油)
《参考》有機JAS オーガニック エキストラバージン オリーブオイル
「甘味料」
ステビア、イヌリン、ヤーコン、ラカンカ、エリスリトール、キシリトール
《参考》水にも溶けるイヌリンパウダー
「ナッツ・種子」
ナッツ・種子類は、1日に半カップまでにしましょう。
マカダミアナッツ、ピリナッツ、バルカナッツ、クルミ、ピスタチオ、ぺカン、ココナッツ(ココナッツウォーターは除く)、ココナッツミルク(無糖)、ココナッツクリーム(無糖)、ヘーゼルナッツ、栗、ブラジルナッツ(一定量まで)、松の実、亜麻、ヘンプシード、ヘンププロテインパウダー、サイリウムシードまたはパウダー
「粉末」
ココナッツ、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ゴマ、栗、キャッサバ、グリーンバナナ、サツマイモ、タイガーナッツ、グレープシード、アロールート
「アイスクリーム」
乳製品不使用のココナッツミルクを使ったフローズンデザート
《参考》有機JAS オーガニック豆乳アイス(牛乳・卵・食品添加物不使用)
「お酒」
赤ワインは1日170gまでにしましょう。
バーボンやスコッチ、ダークテキーラなどのダークスピリッツ、ダークラム、コニャック、ジンなどの蒸留酒は1日28gまでにしましょう。
《参考》オーガニックワイン
「果物」
アボカド、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、イチゴ、チェリー、硬い品種の洋梨(ダンジュー、ボスク、コミス)、ザクロ、キウイ、リンゴ、柑橘類、ネクタリン、桃、プラム、アプリコット、イチジク、デーツ
※アボカド以外は旬のものに限る
《参考》メキシコ産 アボカド
「野菜」
アブラナ科の野菜
ブロッコリー、芽キャベツ、カリフラワー、チンゲン菜、白菜、スイスチャード、ルッコラ、クレソン、コラード、コールラビ、ケール、緑キャベツ、赤キャベツ、生のザワークラフト、キムチ
その他の野菜
ラディッキオ・ロッソ・ディ・トレヴィーゾ、チコリ、カーリーエンダイブ、ノパレサボテンの葉、セロリ、タマネギ、リーキ、チャイブ、エシャロット、ニンジン(生)、ニンジンの葉、アーティーチョーク、ビーツ(生)、ラディッシュ、大根、エルサレムアーティーチョーク、パルミット(ヤシの芽)、コリアンダー、パセリ、オクラ、アスパラガス、ニンニク、キノコ類
葉物野菜
ロメインレタス、リーフレタス(赤、緑)、メスクラン(ベビーリーフ)、ほうれん草、エンダイブ、タンポポ菜、バターレタス、フェンネル、エスカロール、マスタードグリーン、水菜、パセリ、バジル、ミント、スベリヒユ、エゴマ、藻類、海藻
「その他」
オリーブ、ココナッツヨーグルト(プレーン)、ダークチョコレート(カカオ分72%以上、1日28g)、酢、ハーブ&シーズニング(唐辛子フレーク以外の製品)、味噌、グリーンプランテン、グリーンバナナ、バオバブフルーツ、キャッサバ(タピオカ)、サツマイモ、ヤマイモ類、紫サツマイモ、ルタバガ、パースニップ、ユッカ、根セロリ、こんにゃく、柿、ヒカマ、タロイモ類、カブ、タイガーナッツ、グリーンマンゴー、雑穀、青パパイヤ
《参考》有機オリーブ粒(グリーン)
「植物性の代替肉」
この写真は、大豆ミートで作ったミートソースパスタです。大豆ミートについては以下の記事でご覧ください。
《参考》【発芽大豆ミートSOYCLEとは】レシピ・作り方・メリットとデメリット
代替肉、穀物不使用のテンペ
「圧力調理した豆類」
レンズ豆、黒大豆、ひよこ豆、あずき、その他豆類、エンドウ豆
「避けたい食品」
精製されたでんぷん質の食品
パスタ、ジャガイモ、ポテトチップス、牛乳、パン、トルティーヤ、ペストリー、小麦粉、ライ麦粉、大麦粉、米粉、キヌア粉、大豆粉、トウモロコシ粉、クラッカー、クッキー、シリアル、砂糖、アガベ、サネット(アセスルファムK)、スプレンダ(スクラロース)、ニュートラスイート(アスパルテーム)、スイートンロー(サッカリン)、ダイエット飲料、マルトデキストリン
精製された炭水化物を食べると「食物依存症」になるという説があります。中毒になりやすいため、食べても自然に満腹ホルモンが出なくなり、どうしても食べ過ぎてしまいます。
《参考》【本の要約:前編】トロント最高の医師が教える世界最新の太らないカラダ
野菜
エンドウ豆、スナップエンドウ、マメ科植物、サヤインゲン、ひよこ豆、大豆製品、豆腐、枝豆、大豆タンパク質、繊維状植物性タンパク質、ピープロテイン、すべての豆類(スプラウトを含む)、レンズ豆全種
ナッツ・種子
かぼちゃの種、ヒマワリの種、チアシード、ピーナッツ、カシューナッツ
果物(一部、野菜と呼ばれる)
キュウリ、ズッキーニ、ペポカボチャ、カボチャ(品種を問わず)、メロン(品種を問わず)、ナス、トマト、ピーマン、チリペッパー、ゴジベリー
非南欧系の牛乳製品(β-カゼインA1を含むもの)
ヨーグルト(ギリシャヨーグルトを含む)、アイスクリーム、フローズンヨーグルト
乳製品は腸内にダメージを与えリーキーガットを引き起こす原因になります。
リーキーガット症候群とは、腸の粘膜が損傷し、有害物質などが体内に「漏れる」状態を意味します。詳しくは以下の記事でご覧ください。
《参考》【リーキーガット症候群とは】症状と原因、悪化させる食品、治療方法
チーズ
リコッタ、カッテージチーズ、ケフィア
穀類、発芽穀類、疑似穀類、イネ科植物
エインコーン小麦、ファロ、カムット小麦、キヌア、ブルガー小麦、白米、玄米、ワイルドライス、大麦、そば、カシの実、スペルト小麦、コーン、コーン製品、コーンシロップ、ポップコーン、小麦若葉、大麦若葉
小麦、オーツ麦、ライ麦、これらは圧力をかけても「レクチン」は除去されません。
「レクチン」を食べれば食べるほど、腸内環境は悪化します。詳しくは以下の記事でご覧いただけます。
《参考》「レクチン」が腸内細菌を傷つける
油脂類
大豆油、グレープシードオイル、コーン油、ピーナッツオイル、綿実油、ベニバナ油、ヒマワリ油、植物油、キャノーラ油
「適量なら食べて良い食品」
適量なら食べても良い動物性タンパク質をご紹介します。
乳製品
1日あたりチーズ28gまたは、ヨーグルト113g程度にしましょう。
本物のパルメザンチーズ(パルミジャーノ・レッジャーノ)、フランス産またはイタリア産のバター、ギー、山羊乳ヨーグルト(プレーン)、山羊乳クリーマー、山羊チーズ、山羊バター、山羊または羊のケフィア、羊のチーズとヨーグルト(プレーン)、熟成したフランス、イタリア、スイス産のチーズ、バッファローモッツァレラ、β-カゼインA2ミルク(クリーマーとしてのみ)、有機ヘビークリーム、有機サワークリーム、有機クリームチーズ
《参考》無添加 ヤギチーズ
魚(天然物)
最大でも1日113gまでにしましょう。
白身魚(タラ、スズキ、サケ、タイ、ピンクスナッパーを含む)、オオクチバス、カワマス、オヒョウ、ツナの缶詰、アラスカサーモン、ハワイアンフィッシュ(シイラ、ヒメダイ、カマスサワラなど)、イワシ、アンチョビ(カタクチイワシ)、ワカサギ
魚介類(天然物)
エビ、カニ、ロブスター、ホタテ、イカ、二枚貝、牡蠣、ウニ
ムール貝、アワビは養殖でもOKです。
《参考》オーガニック 高品質 ムール貝
平飼いの鶏肉
放し飼いにした鶏肉は1日113gまでにしましょう。
鶏肉、七面鳥、ガチョウ、鴨肉、キジ、ウズラ、ダチョウ、平飼い卵で、大豆やコーンを餌に使用していないもの、またはオメガ3強化卵(1日4個まで)、ただし白身は制限しましょう。
たとえば、卵黄4個と白身1つでオムレツを作るなどです。
《参考》蓮ヶ峯農場 平飼いたまご 24個入 非遺伝子組み換え
《参考》発送日当日の朝どり 平飼いたまご 国産鶏 手作りの餌
肉類(牧草飼育)
牧草で飼育されたフィニッシュドビーフを1日113gまで、1週間に1回までにしましょう。
著書にはフィニッシュドビーフと書かれていますが、馴染みにある言葉で言うと、グラスフェッドビーフのことなのかなと思います。
《参考》グラスフェッドビーフ 赤身肉
バイソン、野生の肉(ウサギやキジなど)、鹿肉、猪肉、ヘラジカ、豚肉(人の手で育てられたものか放し飼い)、ラム、牛肉、生ハム、ブレザオラ、レバーなどの内臓肉
③脳洗浄期間
続いて、③脳洗浄期間について解説していきます。
夜の間に「脳細胞の老廃物除去システム」にしっかりと働いてもらうには、寝る4時間前までに食事を終えている必要があります。脳内にアミロイド斑が蓄積されて変性疾患になるのを防ぐために大切なことです。
この「脳洗浄」を徹底的に行うため、健康な人は週に1回は夕食を抜きましょう。変性疾患を患っている人は、もっと頻繁に行うことをすすめます。
脳洗浄日には、他の自由な日と同じように食事をして、昼食後に食べるのをやめるだけです。1日の食事を1日の前半に凝縮し、最後の食事を16時までに済ませても良いです。
これにより、疑似ファスティングの利点を最大限に生かすことができます。
米国国立衛生研究所で行われたマウスの実験では、何を食べたかに関わらず、食事の間隔が最も長かったマウスが最も長寿であったという結果が出ています。
夕食を抜くだけでなく、次の食事までに18時間は空けることが望ましいです。
毎日の食事時間を6時間にまとめて、残り18時間は絶食すると、細胞のリサイクルプログラムであるオートファジーが促進されます。
《参考》【オートファジーとは】ダイエット効果・16時間断食・ルビコンとは
腸粘膜でオートファジーが起こると、より強く健康な細胞が腸壁バリアを強化します。
つまり、夕食を抜いて朝食を遅らせるだけで、脳がきれいになり、細胞が若返って、腸のバリアが再生されるのです。週に1回、食事を抜くことはそれだけの価値があります。
《参考》【本の要約①】朝だけ断食で9割の不調が消える!メリット・効果
④カロリー制限期間
カロリー制限を徹底するなら、「5:2ダイエット」がおすすめです。このプランでは、1週間を5日間の自由日と2日間のカロリー制限日(1日600kcalまで)に分けます。
計算してみると、1週間、毎日540kcalずつカットすることになります。これで、フルタイムのカロリー制限の効果が得られ、1週間で1キロの減量が可能になります。
腸内微生物叢にとっては、カロリー制限日は何曜でも構わないのですが、月曜と金曜に行うことをおすすめします。その理由は、食べ過ぎた可能性の高い週末の前後だからです。
もちろん、これは週ごとに変えたりと、ご自身のスケジュールに合わせてくださいね。
「600kcal」
さて、600kcalとはどのくらいかというと、ゆで卵7~8個程度です。
「卵ダイエット」は、近年行われた臨床試験でも明らかになったように、本当に効果があります。著者の患者さんも何人かはこのやり方で成功しています。
カロリー制限の恩恵を受けながら最大限の栄養を摂取するには、カロリー制限日にはオリーブオイルを少量加えた生野菜や加熱調理した野菜をたくさん食べて、植物性タンパク質やナッツ類などのタンパク質を少量摂取することをすすめます。
⑤集中ケア用クレンジング期間
最後に、「⑤集中ケア用クレンジング期間」について解説していきます。
がんや自己免疫疾患、パーキーソン病、認知症などの患者は、集中ケアクレンズで、ミトコンドリアに必要な燃料を供給し、不調の原因となっている細胞を死滅させることができます。
このプログラムは、3日間のクレンズ期間として他のプログラムへのスタートに使うこともできますし、腸内微生物叢とミトコンドリアの健康に役立つと感じれば、生涯にわたって継続しても良いです。
このプログラムでは、②自由期間の章で紹介した腸内微生物叢が好む食品リストに従って、自由日に次のような変更を加えて食べていきます。
気を付けること
すべての果物と種のある野菜を食べないようにします。果糖はがん細胞にとって魅力的すぎるのです。
アボカドやグリーンバナナ、プランテイン、グリーンマンゴー、青パパイヤ以外の果物が一切摂取しないようにしましょう。
油脂源としては、MCTオイルやココナッツオイル、レッドパームオイルなどの中鎖脂肪酸や、バターやギーなどの短鎖脂肪酸を選びましょう。メインの油脂源としては、継続してオリーブオイルを使いましょう。
《参考》有機JAS オーガニック エキストラバージン オリーブオイル
マカダミアをお気に入りにナッツとして食べて、他のナッツは少量にします。
エクストラダークチョコレートは食べても構いませんが、少なくとも90%以上のカカオが含まれていることを確認しましょう。
動物性タンパク質は1日に56.6g以下で、できれば天然の魚、甲殻類、二枚貝、イカを食べましょう。
動物性タンパク質に含まれるある種のアミノ酸は、がん細胞を活性化させるため、がんの方は動物性タンパク質を完全に避けてください。
卵黄は、ほぼ純粋な脂肪で、脳が正常に機能するために必要な2つの脂肪のうちのひとつです。
卵黄4個と全卵1個をココナッツオイルやギーで焼いたオムレツに、アボカド、マッシュルーム、タマネギを具材としていれて、ターメリックと黒コショウを振りかけてみましょう。
そして、食べる前にギーやマカダミアオイル、エゴマ油、オリーブオイルなどを振りかけると尚良いです。
ヴィーガンであれば、ハス種のアボカドを半分に切って、ココナッツオイルやオリーブオイルをかけて食べると良いです。
ヘンプシードは、脂質と植物性タンパク質の良い供給源なので、サラダや野菜に振りかけて食べると良いでしょう。
クルミは植物性タンパク質の含有量が最も高いナッツです。
老けない食材
健全な腸内細菌の集団を再生するには、栄養を与える必要があります。腸内細菌が好むものを食べれば、数日のうちに腸内細菌の数を劇的に変えられます。
これから紹介する「長寿パラドックスプログラム」は、いくつかの期間を経て1か月間を1サイクルとして取り組むものです。
わたしの感想としては、正直、きちんと取り組むのは大変だと思います。なので、まずは「良い食品」と「避けた方がいい食品」を覚えておきましょう。
プログラムに取り組まなくても、普段の食事の選択をするのに役立ちます。正しい知識で、できることから始めてみましょう。
では、善玉菌が好む食品と悪玉菌が好む食品を紹介していきます。
善玉菌が好む食材
プロバイオティクス | 亜麻仁、アーティチョーク、セイヨウネギ(リーキ)、オクラ、ヒカマ、アブラナ科の野菜(ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツなど)、チコリとその近縁種(エンダイブ、ラディッキオなど)、ナッツ類(クルミ、マカダミアナッツ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオなど)、キノコ類(ポルチーニ、ホワイトマッシュルームなど) |
低糖質の食べ物 | アボカド、グリーンバナナ、ベリー類、イチジク、ココナッツ |
健康的な脂質 | オメガ3系脂肪酸(魚油など)、シソの実オイル(エゴマ油)、MCTオイル、オリーブオイル、マカダミアナッツオイル、クルミ油、アボカドオイル、藻オイル、タラ肝油、ココナッツオイル |
乳製品の代替品 | ヤギのチーズ、ココナッツミルク・ヨーグルト、ギー |
その他の食材と飲料 | キビ、コーヒーの実、エクストラ ダークチョコレート、緑茶、プーアール茶 |
詳しくは以下の記事でご覧ください。
《参考》【本の要約】死ぬまで若々しく健康に生きる 老けない食事:食材の例
悪玉菌が好む食材
単純糖質とデンプン | ブドウ、マンゴー、完熟バナナ、ライチ、リンゴ、パイナップル、洋梨 |
砂糖の代用品 | スクラロース、サッカリン、アスパルテームなどの甘味料 |
一般的な乳製品 | 牛の乳で作ったミルクやチーズ、アイスクリームなど |
悪い脂質 | ピーナッツオイル、グレープシードオイル、コーン油、綿実油、サンフラワー油(ベニバナ油)、ヒマワリ油、部分水素添加油脂、キャノーラ油 |
詳しくは以下の記事でご覧ください。
《参考》【本の要約】死ぬまで若々しく健康に生きる 老けない食事:駄目な食材
【まとめ】長寿パラドックスプログラム
では、改めて「長寿パラドックスプログラム」1か月の内容をまとめます。
1週目 | ・疑似ファスティング5日+自由日2日 |
2~4週目 | ・自由日4日+カロリー制限日2日+脳洗浄日1日 ・自由日6日+脳洗浄日1日 ・自由日5日+脳洗浄日2日※お好きなプランを選択 |
お好みで自分に合ったプログラムをカスタマイズして取り組みましょう。健康な方は気楽にゆっくり始めてみてください。
しかし、認知症や、2型糖尿病、自己免疫疾患、その他の疾患などを抱えていて悪玉菌に体を支配されている人は、プログラムに忠実に従って取り組んでいただければと思います。
どんな種類の腸内細菌があなたの体に住み着くか、どのくらい長生きできるかを決める1番の要因は食事です。
本記事で紹介したことを全て覚えて実行するのは難しいと思うので、まずは何か1つでも取り入れていただければ、うれしいです。
いきなり病気になることも、健康になることもありません。毎日の積み重ねなので、コツコツやっていきましょう。
他にもどんな運動をするか、シャワーの温度はどのくらいが良いかなど、日々の生活習慣も健康寿命を左右します。
本記事では、「要約⑧ 長寿パラドックスプログラム」について紹介しましたが、つづき「要約⑨ 生活習慣」は以下の通りです。
《参考》【本の要約⑨】死ぬまで若々しく健康に生きる 老けない食事:生活習慣
また、以下の記事では、要約①~⑨までの概要をまとめています。もくじ代わりにご覧いただき、気になる項目から読んでいただくのもおすすめです。