あなたは「腸で頭が良くなる」と言ったら信じますか?
- 腸の炎症を抑えれば、頭が冴える?
- アルツハイマー病の原因は腸?
- オメガ3脂肪酸が脳を大きくする?
わたしは、ファスティング(断食)や食事指導をしている栄養士です。本記事では、「死ぬまで若々しく健康に生きる 老けない食事」という本を要約して紹介していきます。
アルツハイマー病や思考が鈍ることは、腸とは一見なんの関係もないように思いますが、密接な関係があります。
「腸は第二の脳」なんて言われますが、筆者は「腸は第一の脳」といっても過言ではないと主張しています。
興味深く重要な内容が多いので、数記事にわたってまとめています。ぜひ最後までお付き合いいただき、若々しく健康に生きる方法をマスターしていきましょう。
まずは①からご覧いただくと理解が深まります。
《参考》【本の要約①】死ぬまで若々しく健康に生きる 老けない食事:老化と腸内細菌
腸の炎症を抑えて頭が冴える
年をとると、上手くいかないことが増えます。カギをなくしたり、言葉に詰まったり、長年住んでいる隣人の名前を忘れたり、以前のように頭が働かなくなります。
これが人生と諦めていませんか?こうしたことは、加齢に伴う仕方のないの症状だと思われていますが違います。
一見すると無害な「年寄りの物忘れ」から、パーキーソン病、認知症、アルツハイマー病などの深刻な神経疾患に至るまで、認知機能の低下はすべて神経の炎症という同じ理由に起因しています。
その炎症がどこから始まるのでしょう?それは腸内です。腸の炎症を抑えられれば、残りの人生をてきぱき判断できる冴えた頭で過ごせるのです。
死ぬまで脳の機能を低下させない
最近の研究では、人生の終わりまで脳の機能が低下する必然性はないことが分かっています。人間はいつでも新しい神経細胞を生む能力があります。
2018年、コロンビア大学とニューヨーク州立精神医学研究所の研究者たちは、14歳から79歳までの健康な人々の脳スキャンを調べました。
その結果、最高齢の被験者は、最年少の被験者と同じ量の新しい神経細胞(ニューロン)を作るのに必要な材料を持っていることが分かりました。
つまり、何歳になっても10代の若者と同じように新しい神経細胞を作れるのです。
体力を高める
高齢者は、体力を高めることで新しい技術を学び、記憶を保持する能力、とくに言語能力を向上させられます。
つまり、健康であるほど、適切な言葉や名前を思い浮かべるのに苦労する「舌先現象」が減るのです。
これは、微生物叢が刺激を与えてくれれば、高齢になっても同じような鋭い思考でいれられるという大きな希望です。
腸は第1の脳?
腸内細菌と脳との直接的な関係を示す証拠が多く出てきたため、「腸は第2の脳」と言われるようになりました。
しかし、著者はそれに納得していません。その理由は、腸が脳をコントロールしているのだから、腸が1番で、脳が2番という考えです。
頭の中の脳から心臓や肺、腸につながる神経線維が1本なのに対して、心臓や肺、腸から脳につながる神経線維は9本もあります。つまり、腸から脳への通信量は、逆方向の通信量の9倍になるのです。
簡単に言うと、腸内微生物叢が重大な決断を下しているのです。あなたの行動や思考、そして感情さえもコントロールしているのです。
脳内炎症
脳内炎症(神経炎症)は、ひどく有害なものです。腸内細菌が引き起こす神経炎症は、脳の免疫系が守るべき神経細胞にも損傷を与え、認知機能の低下につながることが分かっています。
神経炎症は、パーキーソン病やアルツハイマー病、認知症などの深刻な変性疾患の原因であると認識されてるようになりました。
アルツハイマー病の原因は腸
アルツハイマー病患者の脳内には「アミロイドβ」が蓄積するという特徴があります。
製薬会社が数百億ドルを投じてアルツハイマー病の治療や予防に効果があるとされる「抗アミロイド薬」の開発をしていますが、まだ成功していません。
アミロイドは脳からではなく腸から発生しているからです。
腸内細菌のタンパク質が死んだり機能しなくなったりするたびに、アミロイドが生成されます。そのアミロイドがその他の分子は、傷つきやすい腸壁を突き抜けたり、迷走神経を通って脳に到達したりして移動します。
それが脳に達すると、脳を刺激してより多くのアミロイドを産生させます。
健康な腸内細菌の集団であれば、そもそもアミロイドβタンパク質をつくりません。作られたとしても、アミロイドが腸から出てこない限り、血液脳関門を通過することはありません。
腸が傷つくと認知機能低下
マウスを使った研究では、マイクロバイオーム(微生物叢)のある種の変化が、神経炎症を引き起こし、それが認知機能の低下につながることが明らかになっています。
人間でも、特定の細菌集団がアルツハイマー病に関与していることが分かっています。
認知障害のある患者の腸内微生物叢を調べ、そういった障害のない患者の微生物叢をと比較したところ、認知障害のあるグループでは、炎症を起こす悪玉菌が多く、高炎症性の腸内細菌が減少していることが明らかになりました。
悪玉の細菌が体内に入ったレクチンと結びつき、リポ多糖(LPS)と一緒に腸壁から漏出すると、腸壁が破壊され、全身性の炎症を引き起こす免疫反応が起きます。
こうした侵入者は、神経炎症や神経疾患に直接関与しています。
「認知症」の原因
「グリア細胞」と呼ばれる、神経細胞のボディガード的な存在の特殊な細胞があります。
外壁や血液脳関門を突破してきた侵入者を見つけると、グリア細胞は侵入者から守るために神経細胞の樹状突起を切り離してしまいます。
このようなことが何度も繰り返されると、残るのは細胞本体だけになり、他の神経細胞と情報を伝え合う手段がなくなってしまいます。
神経細胞同士の情報伝達ができなくなると、もちろん記憶や認知の問題が出て、苦しむことになります。
さらに、グリア細胞が神経細胞の樹状突起を切り離し続けてしまうと、細胞体のみになってしまいます。すると、グリア細胞は、その細胞体のまわりに群がってしっかりと保護して、わずかな栄養さえも入り込むことができず、その神経細胞は最終的に死んでしまいます。
パーキーソン病と便秘の関係
パーキーソン病では、典型的な症状として、グリア細胞に囲まれた神経細胞の死骸が見られます。
パーキーソン病患者は便秘に悩まされていることが多いのですが、これは腸の運動性に影響を与える腸壁の神経細胞に問題があると考えられています。
動物実験とパーキーソン病患者の大腸生検により、腸壁が壊された状態だと、グリア細胞に囲まれた神経細胞の死骸として腸内に存在することが分かりました。
神経細胞を殺す「グルタミン酸」
グルタミン酸は、ドーパミンを産生する神経細胞を殺してしまいます。グルタミン酸は、多くの加工食品に含まれる「グルタミン酸ナトリウム」から摂取しています。
米国食品医薬品局(FDA)は、グルタミン酸ナトリウムに一般的に安全とみなされる「GRAS」という認可証を与えているため、製品に含まれていても、食品ラベルに記載する必要がありません。
成分表示に「甘味料」を見かけたら気をつけてください。人工甘味料の一種であるアスパルテームは、腸内でグルタミン酸に変換されます。
《参考》【人工甘味料とは】種類一覧と危険性、メリット・デメリットのご紹介
「クルクミン」で神経炎症を鎮める
カルフォルニア大学ロサンゼルス校医学部長寿センターの研究者たちは、40人の被験者を毎日クルクミンを摂取するグループと、毎日プラセボを摂取するグループの2つに分けて、年齢、性別、その他の生物学的要因を補正しました。
すると、クルクミンを摂取したグループでは18か月後に言語記憶、視覚記憶、注意力が有意に向上したことが分かりました。
クルクミンは、血液脳関門を通過して神経炎症を鎮めることができる数少ない化合物のひとつです。
《参考》クルクミン サプリ
葉物野菜で認知機能アップ
タフツ大学が58~99歳までの約1000人の被験者を対象に行った約5年間の大規模な研究によると、1日1皿分の葉物野菜を食べるだけで、脳の老化を遅らせることが分かりました。
年齢や性別、喫煙などその他の条件も考慮した結果、葉物野菜を定期的に食べている参加者は、認知機能の低下速度を11年も遅らせることができたそうです。
食後すぐに寝ると脳が休めない
体内のあらゆる場所で、細胞間のスペースを定期的に掃除して、ゴミを取り除かなければいけません。その重要な清掃作業を行っているのが、全身に張り巡らされたリンパ系です。
脳を洗浄する液体のスペースを確保するために、深い眠りについているとき、細胞は小さくなります。このとき、脳の洗浄プロセスは、覚醒時の20倍の速さで行われます。これが、良質な睡眠が有効である理由です。
寝る直前に食事をとると、多くの血液が消化を助けるために腸に流れてしまい、大事な脳の洗浄ができなくなります。
脳を効率よく洗浄できなければ、脳内にアミロイドやレクチン、リポ多糖(LPS)などの毒素が蓄積されます。
脳を洗浄する
簡単な解決策があります。1日の最後の食事から就寝までの時間をできる限り長くとることです。
具体的には、最後の食事を終えてから寝るまでに最低4時間は必要です。夜遅くにたくさんの夕食をとると、本来ならば脳の掃除をするべきときに、体が食べ物の消化に集中してしまうのです。
スケジュールによっては、食事から4時間を確保するのが難しい場合もあるでしょう。なので、「長寿パラドックスプログラム」では、脳の洗浄日を組み込んでいます。
週に1回、可能ならそれ以上、都合の良い日に夕食を抜き、眠ると同時に脳に血液が行き渡るようにします。忙しくて片付けができない時の大掃除のようなものです。
《参考》【本の要約:前編】心と身体のリセットに効く「気まぐれ断食」
肥満と脳
肥満は、全身の炎症に影響を及ぼすことから、認知症の主要なリスク要因になります。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンが発表した新しい研究では、欧米の100万人以上を対象に38年間にわたって調査を行いました。
その結果、BMIが高い人は低い人に比べて、認知症になる可能性が有意に高いことが分かっています。
BMIとは、体重(kg)÷身長(m)の2乗で算出される値のことです。
しかも、腸間膜などに脂肪が蓄積している内臓脂肪型肥満の人が最も影響を受けていました。
最高の食材「オリーブオイル」
これまで説明してきた障害のほとんどを打ち消し、認知症やその他の神経疾患の発症率を劇的に低下させる食品がエクストラバージンオリーブオイルです。
3つの長寿地域の食生活に欠かせないオリーブオイルは、健康と長寿の万能薬と言われてきました。オリーブオイルは認知症を予防したり発症を遅らせたりするために治療法としても使われるべきです。
低温圧搾法(コールドプレス法)で作られたオリーブオイルを購入しましょう。
《参考》有機JAS エクストラバージン オリーブオイル(コールドプレス製法 )
健康促進の効果
オリーブオイルにはポリフェノールが豊富に含まれいるので、抗炎症作用があることは前から知られていました。
微生物叢は、ポリフェノールを抗炎症物質に変換します。さらに、ポリフェノールは、血管を傷つける化合物を生成する腸内細菌の働きを抑制します。
さらに、オリーブオイルは細胞の再利用プロセスである「オートファジー」を促進することも分かっています。
《参考》【オートファジーとは】ダイエット効果・16時間断食・ルビコンとは
オリーブオイルはを多く含む食事を与えられたマウスは、通常のマウスよりもオートファジーのレベルが高いのです。しかも、記憶力や学習能力のテストでも良い結果を出しています。
また、先ほど解説した「グリア細胞」に食いちぎられた神経細胞の樹状突起の修復も助けてくれます。
つまり、オリーブオイルを摂取するだけで、炎症が抑えられ、オートファジーが促進され、新しい神経細胞の成長が促され、神経ネットワークを形成する樹状突起の再生が促進され、夜に洗浄されなかったアミロイドの悪影響から脳を守ることができます。
認知機能を上げる食べ物
スペインで最近発表された4年間にわたる研究をご紹介します。67歳の成人447人を以下の3つの食事グループに分けました。
- 週に1リットルのオリーブオイルを摂取(大さじ9~10/日)
- 1日に30gのクルミを食べる
- 同程度のカロリーを摂取しながら低脂肪の食事をする
研究開始と、4年後に実施した脳機能テストの結果、③オリーブオイルのグループは記憶力と認知機能が有意に低下しました。
②クルミのグループは記憶力が有意に改善しました。①低脂肪のグループでは総合的な認知機能が圧倒的に改善しました。
以上のことから、クルミもオリーブオイルも腸内環境を改善してくれることが分かりました。
《参考》有機JAS エクストラバージン オリーブオイル(コールドプレス製法 )
「地中海食」
穀類が多いにもかかわらず、地中海食が健康的・長寿と関連づけて語られるのは、オリーブオイルの効果によるものです。
オリーブオイルは、穀物に含まれるレクチンの悪影響を相殺し、高齢になっても脳を健康に保つのに役立ちます。
サルの研究
サルを、①地中海食と②西洋食を食べるグループに分けて2年間かけて研究しました。
①地中海食のグループは、マイクロバイオーム(微生物叢)の多様性がひときわ豊かで、善玉菌と悪玉菌の比率が改善されました。
人間の分析
スコットランドの研究者が73~76歳までの400人以上のグループを追跡調査しました。
彼らの食生活を分析し、3年間にわたって定期的に脳をスキャンして、与える影響を調べました。
その結果、オリーブオイルを多く摂り、揚げ物や赤身の肉を食べなかった人は、脳の萎縮率が同年代の半分程度でした。
研究者たちは、このような食生活は、長期的に脳を保護すると結論づけました。
オリーブオイルを多く含む食事は、炎症を引き起こす揚げ物や動物性タンパク質を多く含む食事に比べて、神経細胞の死滅を減らし、新しい脳細胞を成長させるのです。
脳を強く大きくする「オメガ3脂肪酸」
最近発表された研究では、約40万人の男女を16年間追跡調査した結果、魚と長鎖オメガ3脂肪酸の摂取量が多い人は、総死亡率が有意に低く、心血管や呼吸器系の疾患による死亡率も低いことが分かりました。
さらに、オメガ3脂肪酸の摂取量が多い女性はアルツハイマー病のよる死亡率が40%近くも低かったのです。
魚のフライでは同じ結果が得られませんでした。
人間の研究結果
ダニエル・エイメン博士による脳の検査を用いた研究結果を紹介します。
オメガ3指数の高い患者は、学習、記憶、抑うつ症状の回避に関連する脳の領域の血流が増加していました。
一方、オメガ3指数が最も低い患者は、同じ領域の血流が最も低下していました。
医師向けの神経学会誌「ニューロロジー」に掲載された「女性の健康イニシアチブ研究」の一環として、1000人以上の女性を8年間にわたって追跡調査し、オメガ3指数を調べた研究があります。
オメガ3の摂取量が最も多い女性は脳が最も大きく、記憶領域(海馬)が最も大きいことが報告されています。
摂取方法
サプリメントを使わずに最も高いオメガ3指数を達成しているのは、イワシやニシンを毎日食べている人たちです。
アッチャロリやキタバ島の百寿者には主にカタクチイワシを塩漬けにしたアンチョビやその他の小魚を食べています。
魚が苦手な人も安心してください。長鎖オメガ3脂肪酸を摂取する方法は色々あります。
《参考》【オメガ3脂肪酸とは】多く含む食品・その効果・オメガ6との比較
瞑想やヨガで腸内環境が整う
瞑想やヨガを行うと、微生物叢が喜んで、脳をより良い状態にしてくれます。
自分の脳をコントロールしているのは自分自身だと信じたい気持ちもあるでしょう。しかし、残念ながら、あなたは微生物叢の住む分譲マンションにすぎないのです。
「ストレス」で悪玉菌が増える
瞑想およびヨガと腸の関係は、ストレスの問題に行きつきます。人間が極度なストレスを受けると、悪玉菌が増え、リーキーガットが生じます。
《参考》【リーキーガット症候群とは】症状と原因、悪化させる食品、治療方法
マウスを使った実験では、ストレスを受けたマウスの善玉菌が減り、悪玉菌が増えました。その結果、腸内でつくり出される炎症性サイトカインが増加しました。
また、うつ病患者46人と、健康な対照群30人の糞便微生物叢の構成を調べた臨床試験では、両郡間に有意な差が見られました。
うつ病患者は炎症を引き起こす悪玉菌が増加し、善玉菌の数が減少していました。マイクロバイオーム(微生物叢)はあなたの健康を司っていますが、心の健康も例外ではありません。
認知機能の向上につながる
瞑想やヨガによってストレスが軽減され、マイクロバイオーム(微生物叢)に良い変化がもたらされ、認知機能の向上につながります。
マウスを使った研究では、ストレス状況に対処する能力を高めるのに、腸内細菌が不可欠であることが分かっています。
不安感に影響
不安を感じていないマウスに、不安を感じているマウスの糞便微生物叢を移植すると、不安を感じているマウスが増えました。
腸内細菌叢の構成は、不安レベルに大きく関係しています。それは人間も同じです。
腸内細菌の喜ぶ環境
ヨガや瞑想で腸内環境が整うことで、どんなことが起きるのか、研究結果を紹介します。
「テロメラーゼ」活性
カルフォルニア大学デービス校の研究者は、瞑想プログラムに参加した30人の参加者と、プログラムのキャンセル待ちをしていた人を比較しました。
プログラムに参加した人は、3か月間、1日6時間の瞑想を行いました。3か月の時点で、瞑想した人たちは、していない人に比べて、テロメラーゼという酵素の活性が平均で30%も増加しました。
テロメラーゼの長さは、寿命の指標となる可能性があるものです。そのテロメラーゼの活性高まった理由は、微生物叢によって活性化された幹細胞です。
瞑想することで、微生物叢が喜び、テロメラーゼを増加させるように幹細胞に指示を出したのです。
そうして、腸内細菌も、ストレスのない快適な住居に長期的に滞在することができたということです。
「グルタチオン」活性
別の研究では、ヨガと瞑想を行うことで、6か月後にグルタチオンの活性が有意に増加しました。
グルタチオンは細胞内の主要な抗酸化物質で、老化から体を守ってくれます。
腸内環境が整えられ、腸内細菌が喜び、酪酸が多く生産されました。その酪酸が、グルタチオンを生成してくれます。
脳にも良い効果
ヨガと瞑想が脳由来神経栄養因子(BDNF)の数値を下げ、神経細胞を炎症の影響から守ることで、加齢に伴う神経の変性を防ぐことができるという研究結果があります。
また、他の研究では、ヨガの実践者は、前頭前皮質と海馬の両方で灰白質密度が有意に高く、認知機能の低下が少ないことが分かっています。
その結果、彼らは言語能力や視覚能力が向上し、包括的な視点による認識力や注意力が高まりました。
「玄米」はレクチンが多い
ヨガの達人である渡邊愛子さんが、著者の元へやってきたそうです。彼女は生涯治らず体を衰弱させつづける関節リウマチを患っており、食事療法と瞑想で治療しようとしていました。
彼女は努力しましたが、残念なことに効果がありませんでした。
彼女がすでに2回の膝関節置換術を受け、2種類の免疫抑制剤を服用していたため、痛みがひどく、ほとんど寝たきりの状態になっていました。
彼女はマクロビオティックやアーユルヴェーダを基にした食事をしていたので、玄米を大量に食べていました。
玄米にはレクチンが多く含まれいるため、これが彼女の腸内を荒し、炎症を引き起こしていたのです。
長寿パラドックスプログラムを開始したところ、彼女は薬も不要になり、痛みもなくなって数か月経ちました。
腸壁の崩壊を防ぐためにレクチンの摂取を減らしたり、腸内環境を整える食生活を過ごすことは、瞑想やヨガを行うより先に取り組むべきことなのかもしれません。
玄米の発芽抑制因子アブシジン酸の毒性をオフするためにも、必要時間の浸水して発芽玄米にするのが良いでしょう。ただし、生きた玄米でないと発芽しません。
《参考》【玄米の選び方】玄米の毒・発芽玄米にする方法・炊き方・栄養と効果
さいごに
腸が、脳に大きな影響を与えていることがご理解いただけかと思います。腸は第2の脳ではなく「腸は第1の脳」と言えるほどです。
お年寄りの物忘れから、パーキーソン病、認知症、アルツハイマー病などの深刻な神経疾患に至るまで、認知機能の低下はすべて神経の炎症によるものです。
腸内細菌が引き起こす神経炎症が、脳の免疫系が守るべき神経細胞にも損傷を与え、認知機能の低下につながるということなので、腸内環境を整えることが大切です。
また、人工甘味料のアスパルテームは、腸内でグルタミン酸に変換され、そのグルタミン酸はドーパミンを産生する神経細胞を殺してしまいます。
《参考》【人工甘味料とは】種類一覧と危険性、メリット・デメリットのご紹介
さらに食後すぐに寝ると、血液が消化を助けるために腸に流れてしまい、脳の洗浄ができなくなります。就寝から4時間前までに夕食を済ませるのがおすすめです。
食べるタイミングも重要ですが、食べ過ぎも良くないです。肥満であることも認知症になる要因です。
そんな中で救世主ともいえる食材は「エキストラバージン オリーブオイル」です。積極的に食卓に取り入れていきましょう。
《参考》有機JAS エクストラバージン オリーブオイル(コールドプレス製法 )
他にも、クルミやオメガ3脂肪酸も摂取したい食品です。
本記事では、「要約⑥ 腸で頭が良くなる」について紹介しましたが、つづき「要約⑦ 肌=腸の状態」は以下の通りです。
《参考》【本の要約⑦】死ぬまで若々しく健康に生きる 老けない食事:肌=腸の状態
また、以下の記事では、要約①~⑨までの概要をまとめています。もくじ代わりにご覧いただき、気になる項目から読んでいただくのもおすすめです。