あなたは、食事から「酵素」を摂れていますか?
- 「酵素食」とは?
- 玄米や味噌、梅干しの食べ方
- どんなレシピがあるの?
わたしは、ファスティング(断食)指導や、食事アドバイスをしている栄養士です。何を食べるかも大切ですが、何を食べないかも重要と考え、プラスの健康とマイナスの健康を意識しています。
本記事では「朝だけ断食で9割の不調が消える!」の番外編として、酵素食レシピをご紹介していきます。
本の要約記事は以下の通りです。
《参考》【本の要約①】朝だけ断食で9割の不調が消える!メリット・効果
「酵素食」とは
これまで、健康でいるため酵素が欠かせないという話をしてきました。そこで、実際に酵素を摂るためのレシピをご紹介していていきます。
「朝だけ断食で9割の不調が消える!」の要約記事をご覧いただいていない方は以下よりご覧ください。
《参考》【本の要約①】朝だけ断食で9割の不調が消える!メリット・効果
朝だけ断食に加えて、昼食や夕食のメニューにも酵素を取り入れることで、さらに健康になれます。何度もご紹介してきた通り、ポイントは「生野菜」や「果物」です。酵素は高温になると死んでしまいます。
便秘の人、頭痛や肩こり、腰痛など、様々な不調に悩む人に、ぜひ実践してほしいメニューばかりです。
一生で使える「酵素」
人間が生きていくためには「酵素」が必要です。酵素は日々作りだされますが、一生で一定量しか作れません。
酵素を作る力は20歳でピークを迎え、40歳を超えると急激に減少してしまうことが分かっています。
その酵素を節約するために、食べ物から補ってあげることが健康への近道です。詳しくは以下の記事でご確認ください。
《参考》【本の要約②】朝だけ断食で9割の不調が消える!やり方・酵素の働き
では、さっそくレシピ・調理のコツを紹介していきます。
「玄米」の毒性を解除する
玄米は種なのでアブシシン酸(ABA)という毒を持っています。
また、圧力鍋で炊くと、玄米に圧力がかかることによって神経障害やがんのリスクを高めると言われるアクリルアミドが大量に発生してしまいます。
圧力鍋の大きな欠点は、調理の過程で高温になりすぎることにあります。糖化の発生は、120℃以上で起こるのですが、圧力鍋は約150℃以上なります。
最近は、糖化しないことを売りにする圧力鍋が出てきていて、これは117℃までしか上がらないそうなので、これなら良いかもしれません。
しかし、これはあくまで例外なので、一般的な圧力鍋の使用は避けた方がいいでしょう。
玄米は、白米よりも栄養価が高いことで知られていますが、太古の昔から日本人は玄米をついて白米にして食べていました。それは、玄米に毒があるということを知っていたからなのかもしれません。
健康志向の人ほど、白米より玄米の方がいいと積極的に食べているかもしれませんが、お腹を壊しやすくなったりしていないでしょうか?
玄米にしたのに、あまり調子が良くならないという場合は、これらの毒を取り込んでいる可能性があります。
玄米の毒を抜き、その栄養価を存分に吸収できるようにするためには、「発芽状態にする」ことがポイントです。
玄米を「発芽状態」にする
植物の種子は新しい生命を誕生させるための栄養貯蔵庫になっています。発芽の準備が始まると、種子の中で眠っていた酵素が目覚め、発芽のために蓄えられていた栄養成分は新しい芽をはぐくむ場所である発芽部分に送られます。
その際、酵素阻害剤であるアブシシン酸は、化学反応をして全く違う構造になり、酵素阻害剤としての役割を終えます。
また、発芽のときにはビタミンが急増します。特にビタミンB1とナイアシン、ミネラルやカルシウムも急増することが分かっています。
つまり、発芽状態に持っていくことで、毒を解除し、栄養価をさらに高めることができるのです。
その具体的な方法は、17時間水につけて発芽させ、そして水を捨て、新しい水で3回洗うことです。
ほかにも、小豆、大豆、小麦は12時間、小さな種なら3~4時間で発芽状態になります。こういったものを食べる際には、水に浸けてから調理する習慣を身に付けましょう。
本書には、17時間ということでかかれていますが、わたしは、夏場は12時間以上、冬場は24時間以上の浸水をすすめています。
実際に玄米を水に浸けてみると、つけている水が少しドロっとして、少しの泡が出てきます。呼吸しているんだなと感じるラタイミングが夏場の方が早く来ます。
また、機械乾燥で熱を加えられた玄米は種子として死んでいるので発芽しません。天日干しの自然乾燥の玄米を選びましょう。詳しくは以下の記事でご確認ください。
《参考》【玄米の選び方】玄米の毒・発芽玄米にする方法・炊き方・栄養と効果
「梅干し」の効果
梅干しは、抗炎・殺菌作用が強い食べ物です。
塩分が高いので、食べるときは1時間水に浸けてください。そうすると、酸っぱいけれども塩分がほとんど抜けた状態になります。この薬効効果が高い梅干しが腸に入ると、悪玉菌を駆逐し、善玉菌を繁殖させます。
その結果、免疫力が活性化してNK細胞も出現し、がんをやっつける力にもなりえます。1日3~4個を目安に食べるのがおすすめです。
断食後に行うスッキリ大根(梅流し)が効果的ということにもつながります。悪玉菌を駆逐させ、デトックスは完了しますね。
《参考》【スッキリ大根とは】レシピと食べ方、食べるタイミング、効果について
「味噌」の健康パワー
味噌は、色々ながん予防や、骨粗鬆症の改善、更年期障害の予防改善に有効だという多くのデータが発表されています。
特に、乳がん、子宮がん、前立線がん、肺がんといったホルモンがんの予防は、味噌に含まれるイソフラボンの力です。胃がんや、大腸がんも予防するというデータもあります。
塩分が多いわりに、血圧は下がるとされるのは、メラノイジンという物質の力です。メラノイジンは、大豆にはないのに味噌になると出てくる成分で、繊維的効果も強く、便通を良くしたり、血圧を整えたり、乳酸菌の繁殖を増やしたりする優れものです。
味噌は毎日ぜひ摂りたいものです。特に酵素が生きた生味噌は味噌の力をさらに発揮します。味噌汁や野菜スティックに味噌をつけて食べることを習慣にしましょう。
【レシピ】酵素が生きた味噌汁
味噌を選ぶ際には麹菌が生きているものを選びましょう。商品によっては殺菌などの段階で酵素が死んでしまっているものも少なくありません。
注意したいのは、添加物たっぷりの味噌も多くあることです。特に、減塩味噌や、出汁入り味噌は気を付けた方が良いです。詳しくは以下の記事でご覧ください。
《参考》【本の要約】食品の裏側(食品添加物の神様、ミートボール事件の内容)
味噌汁の具は、通常の味噌汁を作るときと同様にお好みのもので構いません。ポイントは、味噌の酵素を熱で殺さない作り方にあります。
「材料」
- お好みの具材
「作り方」
- お好みの野菜を切る。
- 生味噌を冷たい水(約400ml)に溶かす。
- 野菜を②と同量の水(約400ml)と共に鍋に入れて煮る。
- 粗熱が取れたら、②の生味噌を溶かしたものと混ぜる。
「お酢」で体調管理
酢は、日本だけでなく世界中で愛用されている発酵食品の代表格です。
多くは調味料として使われる酢の主成分である酢酸は、疲労回復効果や血圧を抑制したり、カルシウムの吸収を高めたり、血糖値をコントロールしたりなど様々な健康効果があります。
酢には、消化を良くする働きもあります。たとえば、酢飯が普通のご飯より消化がいいのは、酢の酵素活性化によってご飯が予備消化されるからです。
酢の中でも黒酢には、良質なアミノ酸やクエン酸が豊富に含まれています。独特の黒褐色の液は、麹菌や乳酸菌の作用で色がついたものです。体が疲れやすい、なんとなく調子が悪いという人におすすめです。
【レシピ】まいたけ酢
まいたけに含まれる多糖体(MD-フラクション)には免疫を活性化する働きがあることが分かっており、がんの治療にも使われるようになっています。
このMD-フラクションも酢漬けにすることで効率よく体内に摂取できます。
また、まいたけには豊富なタンパク質分解酵素が含まれています。1日に30mlを目安に毎日飲みましょう。
「材料」
- まいたけ:500g
- 酢:500ml
「作り方」
- まいたけをほぐし、保存容器に入れる。
- ①の容器に酢を注ぎ、そのまま1週間常温で保存する。
- その後は冷蔵庫で保存する。
【レシピ】スーパー黒酢
黒酢に梅干しや昆布、唐辛子、生姜を加えると、抗炎症効果のあるシンゲロール、カプサイシンという成分が出てきます。
スーパー黒酢10~15mlに熱湯を100~150ml注いだものを食後に飲みましょう。冷え性の改善にも役立ちます。
「材料」
- 黒酢:700ml
- 梅干し:3個(種ごと)
- 昆布:8g
- 唐辛子:3本
- 生姜:35g
「作り方」
- 生姜を適当なサイズに切っておく。
- 黒酢を入れた瓶の中に梅干し、昆布、唐辛子、生姜を入れる。
- 1~2日つけ置きする。
健康レシピ
酵素食のレシピ集をご紹介していきます。ぜひ実践してみてください。
【レシピ】健康ご飯の炊き方
白米に細切り寒天(糸寒天)と粉寒天、そのほか食物繊維が豊富な食材を入れて炊くだけの簡単ごはんです。
食物繊維には、水溶性と不溶性があり、寒天は水溶性食物繊維が豊富です。水に溶けるとジェル状になり、小腸や大腸の壁に張り付いて、糖質やコレステロールなどの吸収を遅らせたり、体外に排出する作用があります。
生活習慣病の予防におすすめです。
「材料」
- 白米:2~3合
- 細切り寒天:8~10g
- 粉寒天:8~10g
- 干し椎茸:~2個
- 昆布:1/2枚
- きくらげ:少々
- わかめ:少々
- ゴボウのささがき:少々
- ごま:少々
「作り方」
- 干し椎茸、昆布、きくらげ、わかめを細かく切る。
- 白米に材料と適量の水を加えて炊く。
【レシピ】ねばねばごちゃ混ぜ酵素食
滋養強壮作用の強い山芋に、納豆とネバネバする野菜や海藻類を混ぜた最強の酵素食です。栄養価が高いので、昼食か夕食に摂りましょう。
一緒に食べるおかずは大根おろしか、野菜の煮物がおすすめです。これにマグロのぶつ切りを入れれば山かけ風にもなります。
「材料」
- やまいも(自然薯がベスト。長芋・大和芋での可):10~15センチ
- 納豆:30g
- ニンニク:2~3片
- 生姜:3センチ程度
- オクラ、モロヘイヤ、めかぶ:少々
- 昆布:5~7センチ
- ねぎ:8~10センチ
- 玉ねぎ:1/4個
- 黒酢、生味噌や醤油:少々
「作り方」
- 山芋をすりおろす。納豆は包丁で叩き、ひきわりにする。
- オクラ、モロヘイヤ、ねぎ、玉ねぎ、昆布をみじん切りにする。
- ニンニクと生姜はすりおろす。
- おろした山芋の中にひきわりにした納豆、調味料以外の材料を入れて良くかき混ぜる。
- 味噌を黒酢に溶いたものをかけて食べる。醤油と黒酢でもOK。
【レシピ】長いもの梅肉和え
長いものようなネバネバした食感の野菜は、酵素を活性化するのに大変効果的です。疲労回復効果もある梅干しと一緒にあえることで、あっさりと食べることができます。
「材料」
- 長いも:100g
- 梅干し:2個(種を除く)
- のり:適量
《参考》有機JAS オーガニック 長いも
「作り方」
- 長芋を千切りにする。
- 梅干しを包丁で叩いて、たたき梅にする。
- 長いもに梅肉をあえ、のりを散らす。
【レシピ】究極のドレッシング
生野菜には多くの酵素やミネラル、ビタミンが豊富に含まれています。さらにその酵素を活性化させるための究極ドレッシングをかけて、たくさん野菜を摂りましょう。
「材料」
- フラックスオイル(亜麻仁油):大さじ1~2
- えごま油(または玄米油):小さじ2
- 醤油:少々
- 黒酢:たっぷり
- 梅干しの果肉:適量
「作り方」
- すべての材料をよく混ぜる。
- これに味噌や塩麹、醤油麹を入れてもOK。
大根おろし6センチ、ニンジンおろし4センチ、キュウリおろし1本、セロリおろし1本、芽をとったじゃがいものおろし1個などにドレッシングを加えて、混ぜ合わせて食べるのもおすすめです。
お弁当でも生野菜が食べたい場合は、生野菜を刻み、ジッパー付きの保存袋に入れ、このドレッシングをを加えてよく混ぜる。袋の空気をしっかり抜いてそのまま持って行けば昼頃にはおいしい生野菜サラダが完成します。
これは簡易漬け物のように参加しないので、時間がたってもしっかり酵素が摂れます。
【レシピ】生じゃがいものサラダ
じゃがいもを生で食べたことがある人は少ないかもしれないですが、酵素も豊富でおいしく食べられます。
レモンの風味がさわやかなので、食欲があまりないときでもおすすめです。
「材料」
- じゃがいも:中1個
- フラックスオイル(またはえごま油):大さじ2
- レモン汁:大さじ1.5
- 塩:小さじ1/2
- コショウ:少々
《参考》有機じゃがいも 男爵 無農薬
「作り方」
- じゃがいもの皮をむき、芽をしっかり取って千切りにする。
- ①を5分ほど水にさらして、水気を切る。
- フラックスオイル、レモン汁、塩コショウで味を整える。
【レシピ】白菜漬け
日本の漬け物の代表選手ともいえるメニューです。白菜の食物繊維もたっぷり摂れるので、便通改善にも役立ちます。
加熱をしないので、白菜に含まれるビタミンCを生きたまま摂れます。
「材料」
- 白菜:1/4株
- 水:100ml
- 塩:大さじ2(白菜と水の重さの3~4%程度)
- 赤唐辛子:1本
- 昆布:3センチ角1枚
《参考》無農薬 有機白菜1玉
「作り方」
- 鍋に水と塩、赤唐辛子、昆布を入れ、沸騰直前まで火にかけて冷ます。
- 白菜は縦に4~6等分に切り、漬け物容器に平らになるように並べ、隙間のないようにきっちり詰める。
- ①を②にかけて、重石をして一晩置く。
- 上下を入れ替えて、重石をして3~4日置く。
- 酸味のある香りがしてきたら乳酸発酵が進んでいる証拠。冷蔵庫に移して保管する。
【レシピ】トマトのさっぱり生スープ
トマトの酸味にレモンのさわやかな味がアクセントの冷製スープです。加熱しないので酵素も豊富です。
舌触りも滑らかで、体調がすぐれないときの酵素補給に最適です。トマトの赤い色素であるリコピンには、ガン予防効果もあります。
「材料」
- トマト:中3個
- 玉ねぎ:1/4個
- フラックスオイル(亜麻仁油):大さじ2
- レモン汁:大さじ1
- 塩:小さじ1/2
「作り方」
- 玉ねぎをみじん切りにし、フラックスオイルとレモン汁、塩1/4を加えて冷蔵庫で30分ほど冷やしておく。
- トマトの皮をむき、塩1/4と一緒にペースト状になるまでミキサーにかける。
- 器に②を注ぎ、①を上から回しかける。
【レシピ】ザワークラウト
ザワークラウトは、ドイツの伝統的な塩漬けです。キャベツを塩で漬け込んで発酵させることで、植物性乳酸菌がたっぷりの漬け物になります。
キャベツに含まれるビタミンやミネラルが摂れるのはもちろん、食物繊維も豊富です。すぐれた整腸作用があるので便通も良くなります。
「材料」
- キャベツ:1/2個
- 塩:小さじ2(キャベツの重さの2%程度)
「作り方」
- キャベツは5ミリ幅くらいのざく切りにする。
- ①に塩を加え、軽くもむようにして混ぜ合わせる。
- 漬け物容器に②を入れ、重石をして室温で3~4日置く。
- 酸味のある香りがしてきたら乳酸菌発酵が始まった証拠。冷蔵庫で保存する。
お好みで、ディルやこしょう、キャラウェイシールドなどのスパイスを入れても香りよく楽しめます。
【まとめ】酵素食レシピ
酵素食レシピは、加熱せずに、混ぜ合わせたり発酵させたりして作ります。
生の野菜やフルーツなど生きた酵素を摂るには、日々の食事の中で意識して摂取していく必要があります。まずは、味噌や玄米など毎日の食事に取り入れやすいものがおすすめです。
ザワークラウトや白菜漬けなど、まとめて作っておいて、数日間に分けて食べていくのも良いでしょう。
毎日毎日、体にいい食事をするというのは難しいかもしれませんが、1日や1週間で調整しながら、無理しすぎずに取り組めるといいですね。積み重ねです。
今日食べたもので、未来の自分が作られます。毎日の食事は、自分への投資です。
「意味ない」と思わず、何かひとつでも取り入れてもらえたら嬉しいです。