【ベジタリアンとは】種類・世界の国トップ10・日本のベジタリアン率

あなたの身近な人に「ベジタリアン」は、いますか?

  • ベジタリアンとは?
  • 世界にベジタリアンはどのくらいいるの?
  • 日本でベジタリアンの人は何割くらい?

わたしは、健康志向でオーガニックが好きな栄養士です。マクロビやヴィーガンにも興味を持ってきたわたしが「ベジタリアン」についてご紹介していきます。

【ベジタリアン】とは

ベジタリアン (vegetarian) とは、野菜・果物・豆類・ナッツなど植物性の食材を主体とした食事法を実践する人々のことです。

ベジタリアンの語源は、ラテン語の 「vegetus(ベジタス)」に由来していると言われています。「活気のある、生命力にあふれた」という意味です。

ベジタリアンの歴史

ベジタリアンという言葉は1847年「英国ベジタリアン協会」が発足した際に初めて使われました。もっと昔からベジタリアンな食生活の人々はいますが「ベジタリアン」という言葉が使われるようになったのはこのタイミングです。つまり発祥地はイギリスです。

もともとは宗教的な背景があり、キリスト教の人たちが聖書にならって慎ましい生活をしていた所から始まります。

1944年に、乳製品や卵も食べないでおこうという人たちが「英国ヴィーガン協会」を立ち上げ、分派しました。ベジタリアンの種類についても後ほどご紹介していきます。

【19世紀】ベジタリアン

産業革命で有名なマンチェスターの聖書教会の会員によって、19世紀に肉や魚は食べずに卵や乳類の摂食は本人の選択により、穀物・野菜・豆類などの植物性食品を中心にした食生活を行なう運動が展開されました。これが、近代ベジタリアン運動の始まりです。

【21世紀】ベジタリアン

現在のベジタリアンの定義は流動的です。英国では畜肉を食べない人を広義なベジタリアンとする傾向があります。

宗教的教義、栄養や健康の保持、生命の尊厳を旨とするアニマルライツのほかに、環境問題や食料問題、すなわち地球環境保全や途上国援助のために菜食のライフスタイルを選択する新たな地球市民型ベジタリアンが増えつつあります。

このような志向が強い人は「ヴィーガン派」となっていきます。もともとのヴィーガンは、ベジタリアンの一部の人から派生してできたものなので、基本的な価値観は似ています。

ベジタリアンの種類

細かく分けると様々な分類がありますが、主な5種をご紹介します。

  1. ピュア・ベジタリアン(ヴィーガン):菜食
  2. ラクトベジタリアン:菜食+乳製品
  3. ラクト・オボ・ベジタリアン:菜食+乳製品+卵
  4. ペスコ・ベジタリアン:菜食+乳製品+卵+魚介類
  5. ポーヨー・ベジタリアン:菜食+乳製品+卵+魚介類+鶏肉

ベジタリアンというと、アメリカなど欧米では「ラクト・オボ・ベジタリアン」主流です。乳製品と卵は食べるタイプになります。

学術的には植物性食品・乳・卵と、魚を食べる「ペスコ・ベジタリアン」や、鶏肉を食べる「ポーヨー・ベジタリアン」などがあるが、日本ベジタリアン協会では、この2つのタイプをベジタリアンと認めていません。

この分類の他にも細かく分けると様々な区分けがあり、人それぞれに取り組んでいることが分かります。まずは、上記5つのベジタリアンの種類を知っていれば基礎情報として問題ないでしょう。

その他のベジタリアン

他には「ホールフード・ヴィーガン (plant-based whole food)」を取り入れる方も増えています。基本的には、野菜の葉や皮やなども一緒に食べて「その食べ物の持つ栄養を丸ごと摂る」方針です。小麦粉よりも全粒粉を使うなど、栄養素の豊富な無精製の植物性食品を摂る食事法になります。

なお「フルータリアン (Fruitarian)」 は、ヴィーガン と似ていますが、違いは植物を殺さず絶やさない食品のみを食べる方針です。たとえば、リンゴの実を収穫してもリンゴの木の本体は死なないが、ニンジンは収穫すると死んでしまうので食べないという考え方です。

「フレキシタリアン(flexitarian)」といい、時々菜食を取り入れる食習慣もあります。セミ・ベジタリアン(semi-vegetarian)と呼ばれることもあります。

その他の食事法

「ロー・ヴィーガン(raw vegan)」は、加熱しない食品か46度以下で調理することで酵素を壊さずに食べる食事法を実践する人もいます。ローフード(raw food)は、酵素が健康によいという考えのもとに行われています。

わたしは、お手軽に酵素を取り入れるための酵素ドリンクを活用しています。酵素ドリンクを購入される際は、酵素風ジュースではなくホンモノの酵素ドリンクを選ぶようにしてくださいね。

《参考》【酵素ドリンクとは】ファスティング・ダイエットの効果とおすすめ3選

次に、「マクロビオティック(Macrobiotic)」といい、古来の陰陽説などに基づく玄米主体の加熱した食事法もあります。食材などの選び方は、ヴィーガン仕様のことが多いです。

《参考》【マクロビオティックとは】マクロビ飲食店・マクロビ派クッキー紹介

「ブレッサリアン」と呼ばれる呼吸だけで生きる人もいます。基本的に食事はせず、光と水からエネルギーを吸収するそうです。

本当にそんなことが可能かと思いますが、インドのブラウド・ジャニさんは70年間、飲食せずに生きているといいます。

2003年、その真相を確かめるために、インドのスターリング病院でジャニさんを対象にした科学実験が行われました。実験は30人もの医療チームがいる中行われ、ジャニさんは24時間体制で厳重にモニターによって監視されましたが、 驚いたことに飲み食いしないばかりか、排泄行為も一切なかったのです。ジャニさんの健康状態は10日間安定していたそうです。

食べないし飲まないので、排出もせず、睡眠時間も少なくてすみます。「食べる」という固定概念から解放されているのです。

世界には、様々な食生活の人がいます。毎日3回の食事をすることが当たり前の方はとても驚いたのではないでしょうか。断食やファスティングなどの食べないことにより自然治癒力を最大限に引き出す方法についてははこちらの記事でご紹介しています。

《参考》【ファスティングとは】断食との違い・ダイエット&デトックス効果



【ベジタリアン】人口とレストラン

世界各国で広がっているベジタリアンの人口や、日本でベジタリアン料理を提供しているレストランをご紹介します。

世界のベジタリアン人口ランキング

Countries With The Highest Rates Of Vegetarianismによると、ベジタリアンの人口の割合は高い順に次のようなランキングになっています。

  1. 1位:インド(38%)
  2. 2位:イスラエル(13%)
  3. 3位:台湾(12%)
  4. 4位:イタリア(10%)
  5. 5位:オーストリア(9%)
  6. 6位:ドイツ(9%)
  7. 7位:イギリス(9%)
  8. 8位:ブラジル(8%)
  9. 9位:アイルランド(6%)
  10. 10位:オーストラリア(5%)

《参考》植物性料理研究家協会

上記の調査では、日本はランキング外となりました。

しかし、2021年12月の最新の調査によると、ベジタリアンが3.8%、ヴィーガンが2.2%という結果になりました。ベジタリアンとヴィーガンの合計6.0%から、両方に重複回答した割合0.9%を差し引き、2021年12月の日本のベジタリアン率は5.1%となりました。この結果であれば日本もトップ10に入りますね。

2021年12月現在の他国のベジタリアン率によっては、日本もトップ10に入るかもしれませんね。調査を行った時期や、調査機関、対象者、規模などによっても結果が変わってくるのでご理解いただければと思います。

《参考》日本のベジタリアン・ヴィーガン・フレキシタリアン人口調査

なお、世界各国のベジタリアン事情についてもご紹介します。

1位 インド(38%)

インドで生活する人の3~4割がベジタリアン(菜食主義者)です。インドの人口は、2021年現在 13.9億人です。つまりインドには約5億人をこえるベジタリアンがいます。日本の人口は現在約約1.2億人なので、日本の全人口の4倍以上のベジタリアンがインドに存在することになります。

インド独立の立役者ガンジーは、厳格な菜食主義者ベジタリアンでした。

彼の菜食主義は、「殺されるのを嫌がっているものは食べない」という信念に基いているのですが、これはヒンドゥー教、そしてジャイナ教の文化からも影響を受けています。菜食主義と宗教の関わりは深いです。

インドのベジタリアンは宗教とも深く関わっており、人口の約8割を占めるヒンドゥー教徒は、牛を神聖なものと捉えているので牛肉は食べません。なお、インドの人口の約14%はイスラム教徒ですが、イスラム教で豚肉を食べることは禁じられています。

このようにインドでは肉食を禁止する宗教が多く、ベジタリアンが多い理由の1つとなっています。

2位 イスラエル(13%)

イスラエルにベジタリアンが多い理由として、倫理的に食肉を忌避する傾向が挙げられます。なお健康意識の高さや、環境意識の高さも要因のひとつとなっています。

ユダヤ教の食規定「コシェル」は、規定の方法で屠殺した肉しか食べないというものです。さらに肉と乳製品を一緒に摂取できないなど、肉にまつわる厳しい規制があります。

インドと同様に宗教的な理由も影響もあり、結果ベジタリアンが多いということが分かります。

イスラエルのフードテック企業「Aleph Farms」は、培養技術と3Dプリンター技術を掛け合わせてステーキを作ります。このステーキは遺伝子組み換えの細胞は使用しません。環境負荷を与えずにお肉を生み出し培養する技術を研究です。

畜産業による温室効果ガスの排出は18%にものぼり、環境負荷が大きいことが分かります。畜産業が及ぼす環境負荷については、こちらの記事をご覧ください。

《参考》【ヴィーガンとは不健康?】環境問題・飢餓・動物保護など社会問題

3位 台湾(12%)

台湾では、何千元もかかる高級レストランからリーズナブルな屋台まで、ベジタリアンなメニューが食べられます。ベジタリアン専門店ではない、一般的なレストランでもベジタリアン料理が提供されていることもあり、台湾はベジタリアンに優しい国になっています。

台湾最大のベジタリアン人口をしめるのが、宗教的なベジタリアンです。 「命を殺さない」という宗教的概念から生まれ、一部の敬虔(けいけん)な信者は肉と魚だけでなく、卵や乳製品も食べません。最も厳格な信者は長ネギ、ニンニク、ニラ、薤、タマネギのような刺激的な食材も食べません。

「敬虔(けいけん)」とは、敬い慎むことです。特に、神仏に深く帰依して敬いつかえることを指します。

また台湾では、「台湾素食」が注目されています。素食(そしょく)は、スーシーと読みます。中国語の素食とは、菜食(ベジタリアン食)やヴィーガン食に近いものを意味します。

家族に1人でもベジタリアンやヴィーガンがいると、家族で外食する際に素食のレストランを選ぶことになります。そうすると、ベジタリアンではないその家族も素食を食べることになり、台湾素食のレストランの人気が出ています。

4位 イタリア(10%)

イタリアには、ホットドッグやバーガーが手軽に食べられるヴィーガン用ファストフード店もあれば、テーブルでスタッフのサービスを受けながら、ゆったりと食事を楽しめる高級なヴィーガンレストランもあります。

イタリアにある多くのピザ店ではヴィーガン用のクラスト(ピザの生地部分)があったり、豆乳の「チーズ」大豆の「ペパロニ」などのベジタリアン用トッピングが選べます。さらに、ヴィーガン向けのスペイン風チョリソー、メキシコ風チリビーンズスシまで提供している飲食店もあります。

ミラノにある「JOIA」というレストランは、ALTA CUCINA NATURALE(高級自然食料理)を提供しています。基本的に肉や魚介を使わず野菜だけのベジタリアン料理の店で、2013年にミシュラン1つ星を獲得しています。「創作・高級・自然・野菜」料理を提供する世界的にも珍しいと認知の高いレストランです。

2016年6月にトリノで、32歳のキアラ・アペンディーノさんという新しい女性市長が誕生しました。彼女の掲げているマニフェストが、イタリアで大きな話題になりました。そのマニフェストとは、トリノ市全体を「ベジタリアン・シティ」にするというものです。

イタリア料理といえば、地方の郷土料理が融合したもので、肉は欠かせません。トリノでは、仔羊の肉にツナソースがかかった、vitello tonnto(ヴィテッロ・トンナート)や、ピエモンテ風肉詰めラビオリのAgnolotti alla piemontese(アニョロッティ・アッラ・ピエモンテーゼ)などが名物料理です。

トリノ市のベジタリアン化を推進すれば、伝統ある食文化に危機を及ぼすと、多くの市民が心配しているそうです。もちろん彼女は、地元の伝統的なイタリア料理店や産業を潰そうとしている訳ではなく、環境問題への対策ということです。

肉食のよる環境負荷については、こちらの記事でご覧いただけます。

《参考》【ヴィーガンとは不健康?】環境問題・飢餓・動物保護など社会問題

5位 オーストリア(9%)

オーストリアの首都ウィーンは、ベジタリアンが暮らしやすい街です。伝統的なオーストリア料理は肉が使用されていますが、ヴィーガン向けのレストランも多く、スーパーでもたくさんのベジタリアン商品があります。

カジュアルに食べる軽食から、ゆっくり楽しむレストランまで様々な飲食店があります。

ベジタリアンのスーパー「MaranVEGAN」は、ベジタリアンの中でもヴィーガンのレベルでこだわったスーパーです。

野菜や果物から、パスタ類、調味料、飲み物、サプリメント、そしてお肉そっくりなヴィーガン肉も種類が豊富に販売されています。冷蔵食品の他に冷凍食品もあるので、買い置きに便利ですね。

6位 ドイツ(9%)

ドイツといえば、ソーセージやビールのイメージにより肉食な印象を持っている人も多いと思いますが、様々な食生活の人がいます。

ドイツベジタリアン連盟は、ベジタリアンの70~80%が女性、若い世代が中心で、さらに大都市で生活していることを特徴に挙げています。下記のようなデータも見つけました。

《ドイツでのヴィーガンの割合》

  • 女性:81%
  • 男性:19%
  • 20〜29歳:60%

《ドイツ国内におけるベジタリアンおよびヴィーガン製品の売上高》

  • 2017年:7億3600万ユーロ
  • 2018年:9億7800万ユーロ
  • 2019年:12億1900万ユーロ

《出展》ドイツニュースダイジェスト

ドイツでは、Fleischersatz(肉の代用)やFleischfrei(肉なし)と書かれた商品が充実しています。大豆から作られた大豆ミート挽き肉やソーセージ、植物性チーズなどが、菜食生活に多様性を生み出しています。

このような商品の充実に比例して、ドイツをはじめとするヨーロッパ内の菜食人が増加しています。今やライフスタイルの一つとして菜食が定着しているドイツですが、その背景には、「pflanzlich leben(植物性の生き方をする)」という思想が生まれたことがあります。

7位 イギリス(9%)

ヴィーガン・ベジタリアンという思想はイギリス発祥です。1847年イギリスベジタリアン協会が創設され、その当時は、会員数は130名ほどでしたが、年々会員数が増加していきました。

英国ビーガン協会(The Vegan Society)の公表によると、2014年時点で15万人だった英国内のビーガン人口は、2018年時点で60万人となり、4年間で4倍に増えています。これは英国全体の人口の約1.2%に相当します。

この調査は、食事内容を質問した調査実施者が客観的に「ヴィーガン」と判断した回答者の割合となります。信頼性の高い結果といえるでしょう。

また、価格比較サイトCompare The Marketの調査によると、英国内でヴィーガンと自認する人の数は2016年で350万人に上ると推計されており、人口の約7%に相当します。
この調査は、今後の意思も含めた自己申告に基づく数値となりますので、事実との差も多少あるかもしれません。

《参考》国におけるベジタリアン・ビーガン市場調査

なお、イギリスのインディペンデント紙によると、2018年現在ヴィーガンは350万人を超えており、イギリス人の5%にもあたると言われています。色々な調査がされており、何を信じるべきかという問題はありますが、ベジタリアンの割合はどんどん増えています。

8位 ブラジル(8%)

ブラジルの食事と言えばシュラスコのように肉食を浮かべますが、実はベジタリアンも多い国です。

肉食用の放牧や飼料農地のためにアマゾンの森林伐採が進み、世界の気候変動・環境問題が身近に感じられることも原因のひとつかもしれません。

ブラジルで「ブッフェ」「ポル・キーロ」は、外食の定番スタイルです。ブッフェは、一定の金額で食べ放題で、ポル・キーロは重さに比例して金額が決まる形式です。食べたいものを食べたいだけ食べられるので、ベジタリアンにとっても外食しやすいです。

ちなみに、2018年よりブラジルのマクドナルドで、ベジタリアン向けメニューが発売されています。ハンバーガーの肉のかわりに豆腐を使っています。

9位 アイルランド(6%)

アイルランドには、ボランティアによって運営・登録された慈善団体(チャリティ番号CHY12238)のベジタリアン協会があります。雑誌を発行していて、アイルランドのベジタリアンに興味のあるニュースやイベントの特集が掲載されています。

レストランやスーパーなどの情報も豊富で、アイルランドでもベジタリアンが広がっていることが分かります。

《参考》Vegetarian Society of Ireland

アイルランドのラグビー選手アンソニー・ムラーリーは、ヴィーガンとして知られています。2017年以降、アンソニー・ムラーリーはヴィーガン食だけで身長195センチ、体重114キロの体を維持しているということで2019年頃に話題になりました。

ヴィーガンやベジタリアンは、タンパク質不足や栄養不足になるという指摘を受けることがありますが、きちんとした栄養学をもとに行えば健康には問題ありません。

10位 オーストラリア(5%)

オーストラリアの南に位置するメルボルンは、世界最大級のヴィーガンシティーとも言われています。

オーストラリアでは、日本に比べてベジタリアンが多くいます。そのため、レストランに行くと、必ずと言っても良いほどベジタリアン用の食事があり、メニューに(V)(Vg)とベジタリアンの記載がされています。また、(V)の記載がなくてもメニューには使われている食材の詳細が載っていますので選択が可能になっていることが多いです。

オーストラリアはアメリカと 1位、 2位を争うほどの肥満大国と言われています。その一方で、健康意識の高まりもあるそうです。町中の公園ではジョギング、ヨガ、体操、筋トレをしている人がいたり、ベジタリアン以外にも、グルテンフリーに取り組むなど、健康志向の人も増えています。

大手スーパーの「Coles(コールズ)」「Woolworth(ウールワース)」どちらのスーパーにも、大きなオーガニックコーナー・グルテンフリーコーナーがあります。チルドコーナーには、ベジタリアン・ビーガン用のパテや、豆腐・テンペ・チーズなどもあります。日常に浸透していることが分かります。

《参考》【グルテンフリーとは】意味ない?その効果とメリット・含む食べ物

日本のベジタリアン率:5.1%

2021年12月、フレンバシーは「第3回日本のベジタリアン・ヴィーガン・フレキシタリアン人口調査」を実施しました。

「ご自身が取り組んでいる食生活はありますか?」との質問に対し、今回2021年12月に行われた最新の調査結果によると、ベジタリアンが3.8%、ヴィーガンが2.2%、グルテンフリーが3.8%、無添加・オーガニックが8.7%、マクロビオティックが2.5%、ファスティングが2.6%、低糖質・糖質制限が13.3%、ローフードが2.7%となりました。(複数回答可)

調査結果_取り組んでいる食生活_ベジタリアン_ヴィーガンなど

Vegewelでは、本調査でベジタリアンもしくはヴィーガンと回答した人の割合を「日本のベジタリアン率」と定義します。

ベジタリアン3.8%とヴィーガン2.2%の合計6.0%から、両方に重複回答した割合0.9%を差し引き、2021年12月の日本のベジタリアン率は5.1%となりました。前回調査(2019年12月)の5.7%から0.6%ポイント低下しました。

わたしは定期的にファスティングを行いますし、無添加・オーガニックを積極的に選択する生活をしていますが、こうしてみるとマイナーであることが分かりました。糖質制限ダイエットはかなり話題になっていましたが、それでも少数派ですね。割合が多い方が偉いとかすごい、ということではありませんが、大変興味深い結果となりました。

動物性食品を減らす頻度_調査結果

「意識して肉や魚など、動物性食品を減らすことはありますか?」との質問に対し、今回2021年12月の調査では19.0%が「ある」と回答しました。前回調査(2019年12月)の19.8%から0.8%ポイント低下しました。

さらに、「ある」と回答した人に対し、その頻度を伺いました。動物性食品を減らす頻度について、毎日が17.2%、3日に1日が38.3%、週に1日が27.7%、月に1日が10.2%、その他が6.5%となりました。

Vegewelでは、週に1日以上、意識的に動物性食品を減らす食生活を送る人を「フレキシタリアン」と定義します。フレキシタリアンは「セミベジタリアン」「ゆるベジ」とも呼ばれます。

このフレキシタリアンが全体に占める割合は、意識的に動物性食品を減らす人19.0%×(17.2%+38.3%+27.7%)=15.8%となります。

《出展》第3回日本のベジタリアン・ヴィーガン・フレキシタリアン人口調査 by Vegewel

前回調査(2019年12月)の16.8%から1.0%ポイント低下しました。日本のベジタリアン人口は減っているという意外な結果になりました。なぜでしょうか。

わたしのように、ベジタリアンやヴィーガンへの理解を深めようと考え、認知は広がっていても実際に取り組む人は、急激に増えてはいないのでしょう。わたしは、意識的に少しお肉を控えめにしたり、オーガニック食品を購入するようにしています。

なので、ヴィーガンでもベジタリアンでもないが、その思想を多少取り入れている層も含めると調査結果は変わってくるかもしれません。

【まとめ】ベジタリアン

世界各国でのベジタリアン事情を知っていくと、宗教との関りが深いことが分かりました。

現在の日本では、食べ物に困ることなく生活できる人が大半です。お肉も魚も卵もチーズも牛乳も、様々な食べ物がスーパーに売っていますし、飲食店に行けば数分でおいしい料理が提供しれますし、デリバリーフードで家にも届きます。

そんな豊かで便利な食生活を送る中で「ベジタリアン」という道を選ぶことは、すごく勇気がいるし、強い意志が必要になるでしょう。

わたしは「みんなベジタリアンになろう」ということが伝えたいのではありません。このような食生活の人がいて、ヴィーガンのように環境問題や動物搾取を少しでも減らしたいと取り組む人たちがいることを理解することが大切だと思います。

知識を得た上で、ご自身が何を思うのか、どんなことに取り組むのかは選択の自由です。わたし自身は普段の食生活で少しお肉の頻度を減らし、平飼いたまごを購入するようにしています。

家畜の育てられ方の現状や、「動物福祉」や「家畜福祉」と呼ばれるアニマルウェルフェアについて、こちらの記事で紹介しています。

《参考》【アニマルウェルフェア】AW認証:世界・山梨県の取り組みと現状飼育

ベジタリアンの中から環境問題や動物搾取に対しての意識を強くもった人々によって派生した「ヴィーガン」や、玄米食を基本とした「自然と調和をとりながら、健康な暮らしを実現する」マクロビについても知っていただけると、さらに理解が深まると思います。

《参考》【ヴィーガンとは不健康?】環境問題・飢餓・動物保護など社会問題

《参考》【マクロビオティックとは】マクロビ飲食店・マクロビ派クッキー紹介

最新情報をチェックしよう!