あなたは、どんな「たまご」を食べていますか?
- 毎日食べるたまごの品質が気になる
- ビオラルの「やさしい平飼いたまご」とは?
- 「平飼い」とは?
わたしは、オーガニック食品が好きな栄養士です。食事アドバイスやファスティング(断食)指導を行っています。
どんなものを食べるかも大切ですが、どんなものを食べないか、という選択も大切だと考えています。プラスの健康とマイナスの健康のバランスを大切にしています。
そんなわたしが、スーパーマーケットのライフが展開するブランド「ビオラル」のやさしい平飼いたまごをご紹介します。
「BIO-RAL」とは
BIO-RAL(ビオラル)とは、四葉のマークが目印のスーパーマーケットのライフコーポレーションが展開しているプライベートブランドです。
からだに優しい素材や製法、健康や自然志向にあわせた商品を展開しています。
スーパーのライフでビオラル製品の取り扱いがあり、ビオラルコーナーがある店舗もあります。また、ビオラルの店舗も出ていて首都圏や関西に数店舗展開しています。
ビオラルの商品シリーズは割とリーズナブルでご近所のスーパーでも手に入るお手軽さが魅力だなと思っています。
ビオラルは、自然の恵みをいかしたオーガニック食材を原料にした商品や、無添加、健康にこだわった体にやさしい商品を取り揃えています。
《参考》【BIO-RALとは】スーパーマーケット「ライフ」プライベートブランド
普段からお世話になっているビオラルシリーズですが、今回は「やさしい平飼いたまご」をご紹介します。
「やさしい平飼いたまご」
「やさしい平飼いたまご」は、舎内を自由に動き回れる多段式平飼い鶏舎(エイビアリー方式)で飼育された、元気な鶏が産んだたまごです。
「エイビアリー」とは、止まり木を設置した休息エリア、巣箱を設置した産卵エリア、砂浴びのできる運動エリアなどを備えた平飼い鶏舎のことです。
鶏の行動がより多様になるようアニマルウェルフェアに配慮して開発された飼養システムです。
《参考》【アニマルウェルフェア】AW認証:世界・山梨県の取り組みと現状飼育
光と風が入るセミウインドレス鶏舎を採用し、鶏にストレスがかかりにくい快適な環境を目指しています。
「飼料」
飼料の主原料となるとうもろこし、大豆粕は非遺伝子組み換え(NON-GMO)のものを与えています。
なお、飼料のとうもろこし、大豆粕は、遺伝子組み換えの混入を防ぐために「分別生産流通管理」を行っています。
「分別生産流通管理」とは、遺伝子組換えの製品の混入を防ぐために、生産から流通、製造加工の各段階で、遺伝子組換え製品と分けて管理されているという意味です。
《参考》【遺伝子組み換え食品とは】メリット・デメリット・任意表示制度の改正
ただし、とうもろこし副産物と菜種粕は、分別生産流通管理を行っていません。
菜種粕は、主にセイヨウアブラナから搾油した後に残った油粕で、飼料や肥料としての利用されるそうです。
「生産者の声」
「のびのびできる平飼い鶏舎で、愛情込めて飼育しています。」
この写真は「やさしい平飼いたまご」のウェブページに載っていました。素敵な写真ですね。
パッケージにも生産者の田中さんの似顔絵が載っています。
生産者さんの顔が分かる食材って信頼性が高いですよね。それはなぜでしょうか?
誰だか分からない人が生産したものよりも、まず親近感がわきますよね。それに、生産者さんが顔を出しているということは、責任と自信を持っている食材なんだと分かりますよね。
もちろん、生産者さんの顔が分からない食材がこだわっていないということではありません。
しかし、わたしたち消費者に「こだわりの商品だ」という気持ちが伝わりやすいのは「生産者さんが分かる商品」ですよね。
「中身」
たまごの殻をわってみると、このようになっています。
黄身が立体的で大きいです。たまごかけごはんにすると、黄身の味がしっかりしていて満足感があります。
白身は、液体っぽい部分と本体の部分?がありますよね。その白身の本体の部分が、従来の白身のように薄いような弱い感じではなく、グッと存在感のある厚みがあります。
ちなみに、たまごのサイズ感は、わりと大きいように感じます。
たまごの殻が硬い
「やさしい平飼いたまご」は、従来の卵よりも殻が硬いです。
では、どんな鶏のたまごの殻が硬くなるのでしょうか?一般的に、以下が理由と言われています。
- 若い鶏
- カルシウムの多い飼料を食べた鶏
- 気温管理された環境で育った鶏
①若い鶏と年齢を重ねた鶏では、若い鶏のほうがしっかりと硬い殻の卵を産みます。
②「カルシウム」の多い飼料を食べている鶏のたまごは、殻が硬くなるといわれています。人間も、人の骨の強度が人それぞれであるのと同じですよね。
③鶏は暑さに弱い生き物です。人間と同じで、暑い時期は水を飲む量が増えたり、夏バテ気味になってエサを食べる量がることがあります。
すると、必然的にカルシウムを摂る量が減り、殻が薄くなってしまう傾向があります。
「容器」
容器のフタをあけると、以下のように書かれています。
持続可能な社会を目指してリサイクルを推奨しています。 再生紙とたまごの殻を使用した環境にやさしい包装資材です。 プラスチックを使用せずに、リサイクル材でたまごのパックを作りました。 ※食品工場から出た卵殻を10%以上使用 |
SDGsですね。プラスチック容器のたまごを買うよりも少しでも環境にやさしいと思うと、なんだか少し良いことをした気分になりますね。
《参考》【SDGsとは何か】17の目標一覧とその意味・課題を簡単に解説
「平飼いたまご」とは
先ほども少し解説しましたが「平飼い」について、詳しくお話していきたいと思います。
「平飼い」とは、決められたエリアを自由に動き回れる状態で放し飼いにすることです。そのニワトリのたまごを「平飼いたまご」といいます。
一般的な養鶏場は、ケージで買うのが主流です。スーパーでたまご売り場を見てみると、たくさんの商品が並んでいますが、「平飼いたまご」と表示されている商品は、1つのスーパーで1商品程度かなという印象です。
ニワトリが動くスペースがないと運動不足になりやすく、ストレスも溜まりやすく、病気になりやすいです。
ゲージ飼いにすることで、個体ごとの管理ができたり、平飼いよりも施設のスペースが狭くてもすむので、飼育する側にとってはメリットがあります。
平飼いたまごの特徴
狭いゲージの中でなく、自由に動き回れる健康でストレスが低いニワトリのたまごは、品質が高くなります。
一般的なたまごと比較して「殻がかたい」「白身が水っぽくない」「黄身がぷっくりしている」などの特徴があります。味も、コクが出て濃厚だという意見をよく聞きます。
ちなみに、黄身の色はエサの色なので、味には関係がないのです。しかし、たまごの黄身の色が濃いとおいしそうにみえますので、目で楽しむという効果はありますよね。
エサの色が黄身に反映されるということは、ニワトリのエサがたまごに顕著な影響を及ぼしているということです。
たまごは、ニワトリの食べたもので作られていますし、わたしたちも自分が食べたもので作られています。もっと言うと、両親の食べたもので作られた両親の影響も受けてわたしたちは作られていますね。
価格帯について
平飼いたまごは、都内のスーパーマーケットで購入すると、6個入りで300~400円くらいの価格帯です。1個あたり50円~ですね。
高級たまごだと1個あたり150円以上するものもあります。とびきりエサにこだわっていたり、飼育環境にこだわっていたり、オーガニックなたまごがあったりします。
一般的なたまごに比べて、平飼いたまごは高価です。ニワトリが快適な分、飼育に手間がかかるのでご理解いただけるでしょう。
いくつかの種類の平飼いたまごを食べてきましたが、どれも殻が硬く、白身も黄身をぷくっとしっかりしている商品でした。味もしっかりと濃厚でおいしいので、ぜひ一度試してみてください。
平飼いたまごを購入することは、アニマルウェルフェアを促進することもなります。
アニマルウェルフェア
アニマルウェルフェア(Animal Welfare)とは、感受性を持つ生き物としての家畜に心を寄り添わせる畜産の在り方です。
家畜が誕生から死を迎えるまでの間、ストレスが少なく快適な環境で飼育し、行動要求を満たし、健康的な生活を確保することです。
結果として、生産性の向上や安全な畜産物の生産にもつながることから、農林水産省としては、アニマルウェルフェアの考え方を踏まえた家畜の飼養管理の普及に努めています。
《参考》【アニマルウェルフェア】AW認証:世界・山梨県の取り組みと現状飼育
その他の「平飼いたまご」
ライフのプライベートブランド「やさしい平飼いたまご」が、ご近所で手に入らない方もご安心ください。
ネットも簡単に取り寄せることができます。
こだわりの平飼いたまごを3つほど紹介していきます。
- こく旨濃厚 平飼い卵
- 平飼い卵 なちゅら
- やさと 平飼いたまご
① こく旨濃厚 平飼い卵
岡山湯原温泉にほど近い、自然豊かな山でのびのびとストレスが少ない環境で飼育された元気で健康な鶏です。
元気で健康に育った鶏の卵はたまご本来の味が楽しめます。
《参考》こく旨濃厚 平飼い卵
② 平飼い卵 なちゅら
広々とした平飼いの鶏舎で飼養しています。羽数を多く飼わないことで、鶏が走り回れるよう配慮しています。
飼料にはエッセンシャ ルオイルやアスタキサンチンを配合しています。
屋内でスノコの上で飼育することにより、屋外の細菌や鶏糞と触れ合わない構造ですので衛生的です。
《参考》平飼い卵 なちゅら
③ やさと 平飼いたまご
群馬県の育成場で産まれ、遺伝子組み換えでない餌を食べ、抗生物質も使用せずに育てた鶏です。
鶏が自由に羽ばたき、遊び、砂遊びできる環境を与えて、快適な環境で育てています。
地元の副産物である米糖や大豆を使用した発酵飲料を与えています。飼料のベースとなるコーンなど、遺伝子組み換えの対象となる原料について、すべて「遺伝子組み換えでない」ものを使用しています。
《参考》やさと 平飼いたまご
【まとめ】平飼いたまご
平飼いされた鶏は、人にとっても鶏にとってもメリットがあるのがご理解いただけたでしょうか。
鶏は、快適な環境で健康的に生活できますし、その平飼い鶏のたまごは、栄養たっぷりで抗生物質などの薬などをあまり使用されていないナチュラルなたまごになります。
わたしたち消費者も、その品質の高いたまごを食べることができるのは、ありがたいことですね。
激安たまごを産む鶏たちは、狭いゲージに閉じ込められたまま一生を終えることになります。すると運動不足になり、病気にもなりやすくなり、結果、たくさんの薬や予防接種を受けさせられます。
以下の記事は「死ぬまで若々しく健康に生きる 老けない食事」という本の要約をした記事ですが、骨粗しょう症の鶏肉を食べると、それが人にも影響を及ぼすと言うことが書かれています。
《参考》鶏の骨粗しょう症が人間に
「平飼いたまご」のデメリットをしいて挙げるならば、一般的なたまごよりも高価なことです。
ただし、自分や家族の健康への投資だと思えば高いとは思いません。目先の節約を優先することを積み重ねた結果、将来的に不調が出てきたり、病気になったりして、病院代や薬代がかかる方がもったいないようにも思います。
口にするもの全てをこだわるのは難しいですが、お財布と相談しながらバランスをとっていきたいものですね。
《参考》オーガニックや無添加の商品一覧