- 利用者は「エシカルな美容サロン」を選んでいるのか?
- どんな「エシカル」を求めているのか。
- 「エシカル消費」を知ったタイミングは?
【エシカルな美容サロン】利用に関するアンケート
アンケートの情報元
- 調査手法:インターネットリサーチ
- 調査時期:2021年10月12日(火)〜2021年10月26日(火)
- 調査対象:美容サロン(※)のいずれか過去1年以内利用者2,000人(女性:20〜59歳、各年代500人)
株式会社リクルートでは「一人ひとりが輝く豊かな世界の実現」を目指して、美容領域では「訪問美容」の啓発や支援活動などサステナビリティへの取り組みを行っています。
「エシカル消費」とは
エシカルな美容サロンへの利用意向とその理由
「美容サロンを利用する際、エシカルな美容サロンかどうか意識して選びたいと思いますか」(単一回答)2,000人に対するアンケートの結果です。
- 1.1%:エシカルな美容サロンでなければ利用しないと思う。
- 10.4%:できるだけエシカルな美容サロンを利用すると思う。
- 19.2%:どちらか迷ったらエシカルな美容サロンを選ぶと思う。
- 69.4%:あまり意識していないと思う。
「エシカルなサロンがあるなら利用していきたい」という意向の人が約3割という結果でした。美容サロン側としても「エシカルに取り組んでいるサロン」だということをもっとアピールすることが求められると思います。
10.4%「できるだけエシカルな美容サロンを利用する」、19.2%「どちらか迷ったらエシカルな美容サロンを選ぶ」を選択した29.6%の人たちは、「エシカルなサロン」があれば利用はしたいと思っているが、美容室やネイルサロン、エステサロンを予約しようとした際に「エシカルに取り組む店舗が視野に入られなければ、わざわざ探さない」という状況だと推察できます。
美容サロン側のアピールも必要ですし、わたしたち利用者も「エシカルなサロンがあれば活用しよう」という気持ちを常に持っておくことが大切だと感じます。無理をすることはないですが、持続可能なひとりひとりの選択が大きいものになるでしょう。
利用してみたいエシカルな美容サロン
「エシカル消費につながる美容サロンについて、あなたが利用してみたいと思う美容サロンの特徴をお選びください。」(複数回答)2,000人に対するアンケートの結果です。
1位 | 28.2% | オーガニックな薬剤やシャンプー等の使用 |
2位 | 27.3% | スタッフの手荒れ防止など、肌にやさしい薬剤の使用 |
3位 | 20.8% | ヘアドネーションを実施 |
4位 | 20.1% | リサイクル可能な容器の使用 |
5位 | 19.2% | スタッフが長時間労働にならないように配慮 |
1位の「オーガニックな薬剤やシャンプー等の使用」に関しては、美容師さんの手にもやさしく、カラーやシャンプーをしてもらう方としても髪・頭皮にもやさしいので、双方でメリットしかないですね。
ただ、オーガニックカラーは金額的に少しプラスになります。通常カラーとオーガニックカラーが選べる美容室だと、+1,000円程度はかかるイメージです。
美容室やエステサロン・ネイルサロンで働いている方は労働時間が長い印象があります。午前中から夜までやっているお店が多く、労働時間も長くなりやすいのでしょう。
特に美容師さんは手荒れもしやすく、長い時間働いていて体力的にも厳しいようです。美容師をしているわたしの友人は、とても痩せてしまって、どうしたのか聞くと「忙しすぎて、痩せてしまった」とのことで、とても心配でした。
最近では、コロナウィルスの影響で、飲食店やスーパーなども含めた接客を伴うお店でも「時短」が当たり前になりました。美容サロン界にも広がってほしいと思います。
利用者としては、朝早くから夜遅くまで対応してくれる方が選択肢が広がるので助かりますが、気持ちよくサービスを提供してもらい・サービスを受けるには、理解が必要だと感じます。
「ヘアドネーション」とは
ヘア(髪の毛)+ドネーション(寄付)を組み合わせた言葉です。「ヘアドネーション」とは、病気や事故などで頭髪に悩みを抱える子どもたちに、寄付された髪の毛で作った医療用ウィッグを無償で提供する活動のことです。
ヘアドネーションとして寄付するためにポイントが3つあります。
- 切った髪が31cm以上あること。
- 乾かした状態で切ること。
- 切り口をヘアゴム(輪ゴムも可)でしっかり束ね、同じ人の髪をまとめてあること。
白髪、カラーリングした髪、パーマした髪でも問題なく寄付できるそうです。せっかく髪を伸ばしたら一気に短くして気分をリフレッシュしつつ、寄付をするというのも選択肢のひとつとして良いかもしれませんね。
長さの目安としては、次のようになります。
- 31cm:ショートウィッグに
- 40cm:ボブウィッグに
- 50cm:ロングウィッグに
- 60cm:スーパーロングウィッグに
ヘアカットした際に、31cmというとかなり長いように思いますが、それでもショートカットサイズのウィッグにしかならないんですね。
ヘアドネーションを行うためにヘアカットする方法は2つあります。
- セルフカットで送る
- 美容室でカットを行う
基本的には、②のプロの美容師に切ってもらうことをおすすめします。理由は、寄付する髪の毛は正しい方法で束ねられている必要があり、もし不備があるとウィッグとしての利用が難しい場合もあるからです。せっかくの寄付用にカットするなら、正しく活用されて欲しいので美容室がおすすめです。
また、切った後には、切った場所を綺麗に整える必要があり、どちらにせよ美容室へ通うことになりますので、ヘアドネーションに賛同しているサロンで初めからお願いするのが良いでしょう。
ホットルイボスティーの検索窓で「ヘアドネーション」と検索すると賛同しているサロンに予約をすることが可能です。
《公式サイト》ホットペッパービューティー
「サステナビリティ」に関連する言葉の認知
「あなたは以下の言葉を知っていますか。」(複数回答)2,000人に対するアンケートの結果です。
- 55.5%:SDGs
- 39.0%:ダイバーシティ
- 37.7%:サステナビリティ
- 37.2%:ロハス
- 30.4%:フェアトレード
- 26.8%:グリーンエネルギー
- 12.6%:エシカル消費
- 28.9%:知っているものはない
こららのサステナビリティに関連した言葉を全く知らないと答えた方が、28.9%もいたことには衝撃です。カタカナだから覚えずらい、または認識しずらいということもあるんでしょうか。
とはいえ、知らないと取り組むかどうかという話まで進めないので、まずはみんな知ってて当たり前という状況まで到達することが急がれると感じます。
下記の記事では、実際にSDGsに取り組む企業の例を紹介しているので、興味があればご覧ください。
《参考記事》【SDGsとは何か】ロゴ・バッジの使用、企業の取り組みを紹介
「エシカル消費」知ったタイミング
上記のアンケート結果で、エシカル消費認知していた252人に対して「エシカル消費に対して具体的に意識するようになったのはいつ頃からですか。」(単一回答)と質問した結果です。
- 17.9%:6年前以上
- 9.1%:3~5年前
- 25.4%:1~2年前
- 13.1%:1年未満
- 6.3%:半年以内
- 28.2%:意識したことがない
6年以上も前から認識している人もいれば、ここ半年以内に知った人もいるようです。もともと、そのような意識が高い層と、最近になって目に触れる機会があって知った人ということでしょうか。
知るタイミングは、人それぞれですね。知るタイミングとしては次のようなものがあると推察されます。
- ご家族や友人など身近な人の影響で知る
- 仕事で関りがあって知る
- テレビ・SNS・ネットニュースなどで知る
- 商品やサービスを購入する際に知る
今では、各媒体で様々な情報があって、正しいかどうかを判断する力も必要な世の中です。昔よりも「普通は知っている」という情報の定義が変わってきているように感じます。
自然と興味がある事柄には詳しくなり、興味がない情報からは遠ざかってしまって、知るチャンスも減るという現状があります。たとえば、スマホアプリのニュースでは「あなたが気になりそうなニュース」が出てきますし、Amazonなどのネットショッピングでは「あなたが欲しい可能性が高い商品」が表示されます。
新しいこと・知らないジャンルに、自ら興味を持っていくことが求められますね。
エシカル消費に関する購買意向
「エシカル消費につながる商品・サービスで、あなたが購入、または利用したいものをお選びください。」(複数回答)2,000人に対するアンケートの結果です。
購入経験ありが、「食品」で31.9%、「日用品」で17.3%、「衣料品」で15.3%で、それ以外は1割以下という結果です。少し残念ですね。と言っても、興味があるわたし自身も全項目の制覇は程遠いです。
「購入意思はあるけど、購入したことがない」という割合が、全項目で一定数いますね。その理由は下記が考えられます。
- エシカルな商品・サービスで、欲しいものに出会えなかった
- そもそもエシカルな商品・サービスがない
- 購入意思はあるが、忘れてしまって購入に至らない
日常で、「エシカルな商品・サービスがある!」と出会うことがあまりないので、自分でアンテナを張っていないとエシカル消費をするのが難しいという現状があるように思います。
また、お店側もアピールをしてないがゆえに、消費者側が「エシカル消費」になっていると気づいてないケースもあるかもしれません。まずは認知度を高める所から取り組んでいく必要がありそうです。
「エシカルな商品を買いに行こう」「エシカルなサービスを受けよう」という意思で何かにお金を払うことはないと思います。「欲しいものがある」「ネイルに行こう」「美容室に行こう」とう目的が先にあって、お店を選ぶ際に「どうせならエシカル消費につなげよう」となるはずです。
【まとめ】美容サロンのサステナビリティ
今回のアンケート結果を見て、とにかくまだまだ「エシカル消費」の認識が低いということが分かりました。ただ、既に認識をして取り組んでいる方もわずかにいますので、もっと広がってほしいと感じました。
わたしは、ちょうど最近、10cmほど髪を切ってしまったばかりなのですが、それでも短くなったし軽くなったなと感じています。今度は31cm切れるくらいまで伸ばして「ヘアドネーション」に挑戦してみたいなと思います。
この「サステナビリティに関するアンケート結果」にご興味を持っていただいた方であれば、気になりそうな記事をピックアップしておくので、ご興味があればご覧ください。
エシカルの意味や、スタバの「エシカルなコーヒーの日」についての紹介はこちらです。
《参考記事》【簡単にエシカルの意味とは】消費・ファッション・スタバの取り組み
SDGsで17の目標が立てられた背景には、どのような現状があるのかについて知っていただける記事はこちらです。
《参考記事》【SDGsとは何か】17の目標一覧とその意味・課題を簡単に解説
必要性をよく考え、環境への負荷ができるだけ少ない製品やサービスを選び、環境負荷の低減に努める事業者から優先して購入する「グリーン購入」についての記事はこちらです。