最近、テレビやSNSなどでも話題の「SDGs」ですが、皆様ご存知でしょうか。
- SDGsのロゴって自由に使えるの?
- SDGsバッジは購入できる?
- 企業はどんな取り組みをしているの?
もともとオーガニック製品の愛用者で、フェアトレード・エシカルなどにも興味をもってきたわたしがご紹介していきます。
「SDGs」とは何か
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。エス・ディー・ジーズと読みます。貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを目指す普遍的な行動を呼びかけています。
SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人として取り残さない」ことを誓っています。
「17のゴール」が設定された理由となる問題・現状については、下記の記事よりご確認ください。
《参考記事》【SDGsとは何か】17の目標一覧とその意味・課題を簡単に解説
SDGs:ロゴマーク
SDGsロゴおよびアイコンの使用に関する許諾申請や問い合わせは国連本部(ニューヨーク)が一括して対応しています。
現段階の最新としては、2019年8月付で、ポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドラインが改定され、2020年7月によくある質問(FAQ)に追加されています。
《公式サイト》国際連合広報センター
ロゴマークの使用
SDGsロゴマークを使用するにあたって、使用許可が必要なパターンと、許可が不要なパターンがあります。
- 使用許可が必要:資金調達目的/商業用利用(商品の販売など)
- 使用許可が不要:チラシやグッズの作成/自社の取り組みを伝えるため
チラシやグッズの作成というのは、SDGsを普及させる目的でイベントや勉強会などで配布するということはOKですが、販売したりする場合には「商用利用」に当たります。
もちろん、その他のガイドラインも違反していないことが基本です。詳しくは、公式サイトでご確認ください。
使用許可が必要な場合は、メールで申請することになります。
- 宛先:SDGpermissions@un.org
- 件名:SDG LOGO/ICON REQUEST
- 内容:使用用途や、ロゴ使用商品の説明、展開するビジネス、商品とSGDsの整合性などを詳しく記載する。
ロゴマーク使用の注意点
ロゴマークの色や形を勝手に変えてはいけません。具体的には下記のようなことです。
- 押しつぶしたり、拡張・歪めたりしない。要素の位置を変えない。
- 陰付けをしない。突き出したり、斜角を付けたりしない。
- トリミングしない。四角形以外の背景に収めない。
- アイコン間で色を交換しない。アイコンの色を変えない。
- 活字書体を変えない。
また、デザインを変えていなくても会社の横にSDGsロゴを入れる場合、ロゴの高さや、会社ロゴとSDGsロゴの間のスペースなど細かくルールが設定されています。SDGsロゴよりも、会社ロゴを目立させるようなルールになっています。
ルール改定により、SDGsロゴには「(主体名/私たち)は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています」という文言を添えることが義務付けられました。
基本的にアレンジを加えずにそのまま使いましょうということですね。詳しくは公式サイトで最新情報をご確認ください。
カラーホイールも上記と同様のルールになっています。カラーホイールとは、下記のカラフルなドーナツ型のマークのことです。
詳しいことは、こちらでご確認ください。
《参考》国際連合広報センター:ロゴ使用のためのガイドライン(日本語訳)
SDGs:バッジ
カラフルで目立つSDGsのバッジですが、使用するための許可・申請は必要ありません。購入する方法は2つあります。
① 国連本部や関係機関から購入
SDGsが世界目標として採択された会議が行われた国連関連機関で、SDGsバッジが販売されています。
しかし購入するためのサイトが英語なので、英語が苦手なわたしには少し不安が残ります。今なら質の高い翻訳サイトも多いので活用して購入してみるのも良いかもしれませんね。
② Amazonから購入
英語が苦手な方もご安心ください。SDGsバッジは、おなじみのAmazonからも販売されています。
Amazonで検索すると、かなり多くの企業からSDGsバッジが出されています。ぷくっとジェルネイルのように立体感のあるタイプや、すっきりとしたタイプ、色合いが妙にカラフルなタイプなど様々です。
価格と色合い、デザインをみておすすめなものを添付しておきます。ご興味があればご覧ください。
《Amazon》SDGsバッジ 25mm マグネット:ゴールド
SDGs:企業の取り組み5つの事例
SDGsの17の目標を達成するために、企業はどのような取り組みをしているのか事例をいくつか紹介していきます。有名企業などは、下記サイトでも300以上の企業の取り組み事例が紹介されています。
《参考》外務省:企業の取り組み事例
本記事では、たくさんに企業が取り組みをしている中で、わたしが気になったもの5つをご紹介します。ジャンルも、電力会社や家事代行、賞味期限が迫っておつとめ品となって商品を販売する会社など様々な業界から選出してみました。
事例① 電力会社:サスティナブルエナジー
2019年3月に設立した電力会社です。全国どこでも基本料金は0円で、業界最安値圏での電気代を提供しています。※ごく稀にお客様の使用状況においては最安値にならない場合もあります。
電気代の安さだけではなく、みなさまの身近なインフラである電力供給を通し、「サステナブル=持続可能」な未来を実現するために電力小売事業をスタートしたそうです。
安心で安価な電力供給を通して社会課題を解決するための自社の取り組みとして、SDGs宣言「実質のCO2排出量ゼロ」および「省エネ比率の向上」を行っています。
これまでと同じ配送電力を使って電気を届けるので品質や安全性は保ったまま、安価に電気を提供しています。料金プランシュミレーションもあるので、ご興味があれば公式サイトでチェックしてみてください。
《公式サイト》サスティナブルエナジー株式会社:サステナブルでんき
事例② 冷凍宅配おかず・弁当:FIT FOOD HOME
可能な限り無添加にこだわった栄養バランの取れたお弁当やおかずを冷凍で宅配してくれるサービスを提供している企業です。
SDGs「17の目標」に対していくつも取り組んでいますのでご紹介していきます。
「②飢餓をゼロに」食材が持つ栄養価や、調理方法による栄養価の変化を研究し、最大限に栄養素を届けられる環境づくりを目指しています。その一つに、昔ながらの調理方法を行うことが高い抗酸化力に繋がる可能性を見出しています。
「⑤ジェンダー平等を実現しよう」子連れ出勤やフレキシブルな労働環境を提供しています。また、経営陣の女性参加も創業当初から実現しております。結果としてジェンダー平等を実現しようという開発目標に対しての取り組みを行っています。
「⑦エネルギーをみんなに そしてクリーンに」一般的な大量調理は大型機械を多数使うことで効率化を図りますが、弊社は手作りにこだわり調理を行っています。調理稼働時のCO2排出量削減への貢献を実現しています。
「⑧働きがいも経済成長も」従業員の働きがい改善を目指す上で、コミュニケーションの精度を重視しています。定期的なイベント開催や、少人数制の考話会(立場、部署の垣根を超えて少人数でディスカッションを行う会)を開催し親交を深めています。また多国籍な人材採用、海外とのリレーションを作りダイバーシティな環境作りを推進しています。
「⑨産業と技術革新の基盤をつくろう」これまでのイメージを覆す長い消費期限を持たせることに成功しました。製造日から最大4日間の消費期限を持つことで新しい産業、技術革新の基盤づくりという開発目標にチャレンジしています。新しい食サービスの可能性醸成基盤を構築しています。
「⑩人や国の不平等をなくそう」世界的な課題とされている、フードロス問題への解決策として、完全受注生産を採用しています。食材の廃棄を出来るだけ減らし、フードロスの改善だけでなく、過剰仕入れによる食材の無駄な殺生なども発生しないよう取り組んでいます。
「⑭海の豊かさを守ろう」敢えてマイ箸を推奨せず割り箸をご提供しています。マイ箸の推奨が進むことで、使用するたびに洗剤が使用され、最終的に海域へと流れ出る可能性が考えられます。これらを考慮し、割り箸のご提供を実施しています。
「⑮陸の豊かさも守ろう」TAVENALサービスでご提供する割り箸は、国産檜の間伐材を使用した特製の割り箸です。間伐材を使用することで森林伐採等の環境破壊を防止し、陸の豊かさも守ろうという開発目標に貢献しています。
《参考記事》【口コミ】冷凍弁当 FIT FOOD HOME(宅配)レビュー
《公式サイト》FIT FOOD HOME(フィット フード ホーム)
事例③ ニット素材:サワダマルシェ
SDGsにある「17個の目標」の中で、「⑫つくる責任 つかう責任」に取り組んでいる企業です。
《参考記事》【SDGsとは何か】17の目標一覧とその意味・課題を簡単に解説
現状では、原料開発から製造工程まで、100%サステナビリティを実現しているとは言い切れません。それを目標として、SAWADA MARCHEとしてもできる範囲を決めて取り組んでいるそうです。
たとえば、サステナブルニットウェアブランドの「NETENE.(ネテネ)」で使用している糸のキュプラは、廃棄されていた綿花の種にある産毛から繊維になります。
「もったいない糸」の取り組みとしては、シーズンに役目を終えた糸に、息を吹き返してもらうSAWADA MARCHEのサステナブルな取り組みです。
SAWADA MARCHEを運営する澤田株式会社は、原糸をアパレル様向けに販売する事業を行っており、季節の変わり目に糸を整理をすると役目を終えたあとの糸がたくさん出てきます。
役目を終えたあととはいえ、状態がキレイなものも多く、手芸好きの方々にはまだまだご家庭で使ってもらえるということです。これまでもそんな糸たちは服飾専門学校や手芸のワークショップなどに提供していましたが、よりたくさんの方々に手ごろにお届けする取り組みです。
もったいない糸の商品は公式サイトよりご覧ください。
《公式サイト》SAWADA MARCHE(サワダマルシェ)
事例④ アウトドアブランド:Qaou(カウ)
Qaouは、フランスマルセイユ発のアウトドアブランドです。高い耐久性や機能性はもちろんのこと、環境に優しい素材を使用しているのが特徴です。ペットボトルなど廃棄プラスチックから原料を使用し、かつ染料不使用と環境に配慮した素材にこだわって作られたアウトドアギアです。
たとえば、6つの機能を持つ多機能テント「Qaou Beluga」は、リサイクルプラスチックを使用した完全なエコデザインで、テントは染料の使用に関連する有害製品を避けるために、染色や漂白をしていません。アルミニウムには、より責任のある新しいプロセスでアルマイト処理が施されています。
キャンプ泊、ハンモック泊、ピクニックやデイキャンプ、運動会、お花見、屋外スポーツ観戦、野外コンサートやフェスでの利用など様々なシーンで活躍する多機能なサステイナブル商品です。
《公式サイト》多機能アウトドアギア:Qaou(カウ)
事例⑤ おつとめ品:atara(アタラ)
「まだ利用できる商品を、使いたい人の元へ」そんな想いを実現した通販サイトです。
賞味期限間近やパッケージ変更品などの「まだ食べられる」「まだ使える」にも関わらず、訳あって処分対象になってしまう商品や、ataraの取り組みに共感いただいた企業様からの特別提供商品を会員の皆様にお届けすることで、近年問題視されている廃棄の削減へ貢献することを目指しています。
SDGs「17の目標」である「⑫つくる責任 つかう責任」をはじめとし、「①貧困をなくそう」「④質の高い教育をみんなに」「⑰パートナーシップで目標を達成しよう」に取り組んでいます。
《参考記事》【SDGsとは何か】17の目標一覧とその意味・課題を簡単に解説
日本国内で廃棄されている食品ロス(まだ食べられるのに廃棄される食品)は、643万トンにのぼります。厳密には期限が過ぎてから食べても問題がないとされる「賞味期限」を過剰に意識するあまり、過剰な食品ロスが生まれているといえます。
- 「賞味期限」とは、確実においしく食べられる期限。
- 「消費期限」とは、安全に食べられる期限。
実は「賞味期限」が過ぎていても安全性を過剰に気にする必要はないです。むしろ期限が迫っているものを積極的に消費しようという考えです。
《公式サイト》食品ロス品をお得に購入:atara(アタラ)
【まとめ】SDGsの取り組み
既にご紹介しきれないほど多くの企業がSDGsに取り組んでいます。外務省のサイトにも300以上の企業の事例が掲載されています。
SDGsに取り組んでいる企業からモノやサービスを購入することは、わたしたちも簡単にSDGsに参加できる方法です。そのように考えると、遠い世界の話に感じていた「SDGs」も身近な存在になるのではないでしょうか。
欲しくもないのに購入する必要はなく、必要なモノ・サービスを選択する際の指標のひとつになればうれしいです。わたしたち消費者がそのような選択をすることで、SDGsに取り組む企業や力を入れる企業が増えることになります。
わたしたち日本人はとても恵まれた環境で生活していて、「わたしには関係ない」と思えば、それまでです。
しかし、世界の貧しい人々や、過酷な環境で生きている子どもたちのことなどを考えると、何か少しでも力になれたらと思います。「誰かのためになる」と思って行動することは、自分自身の幸福感にもつながりますよ。
わたしは、少額ながらユニセフへ毎月の定額寄付をしていますが、「少しでもきれいなお水が届けばいいな」「病気の子に薬が届けばいいな」とおもうことで自分自身の存在意義も感じ、自己肯定感が高まります。
わたしはこうして記事を書き、知らない人に多くの情報を届けていきたいなと思います。