皆さんは、衣服を購入する際、どのような基準で購入していますか?デザインや着心地、価格でしょうか?
- アパレルショップはSDGsと関係あるの?
- エシカル、環境問題との関りとは
- 実際にどんな取り組みをしているの?
わたしはオーガニックな食品やコスメが好きな栄養士です。SDGsやエシカルに興味を持ってきたわたしがアパレルショップ「ViS」でみつけたSDGs・エシカルな取り組みをご紹介していきます。
【ViS】SDGsの取り組み
偶然に通りがかったアパレルショップ「ViS」で、SDGsの取り組みを知りました。普段からViSで良く買い物をする訳ではないのですが、素敵な取り組みをされているんだなと知ったので、今回カーディガンを購入してみました。
ショップバッグ
ショップバッグの底面に次のように記されていました。
リサイクル原料を使用したフィルムと、植物由来のインキを使用しています。
また、この袋は厚さ50μm以上であり、繰り返し使用することが推奨されています。
塩化水素 (hydrogen chloride )は、塩素と水素から成るハロゲン化水素です。化学式は「HCl」です。常温常圧で無色透明、刺激臭のある 気体です。混ぜるな危険のように、有毒で塩酸ガスとも呼ばれます。
このショップバッグをゴミとして出して燃やしても、有害ガスの発生しない素材ということです。
1着買っても、2~3着買ってもショップバッグが1つで済むなら、まとめ買いした方がエシカルな購入方法と言えるかもしれませんね。
【EcoVero】のタグ
《EcoVeroタグの中身》
購入したカーディガンに「EcoVero」というタグがついていましたので、ご紹介します。
「レンチング™エコヴェロ™ファイバーによりサステナブルファッションの選択肢が広がります。」
・サステナブルな木材由来
・EUエコラベル認証取得
・生産における二酸化炭素排出量と水質汚染を最大50%軽減
・環境に配慮したビスコース繊維
カーディガンの素材を環境に配慮したもので作っているそうです。
お洋服を購入する際、デザインや値段で決めてしまうことが多いですが、環境配慮など自分のメリット以外のことも考慮したエシカル消費につながると気分がいいものです。
《参考記事》【簡単にエシカルの意味とは】消費・ファッション・スタバの取り組み
【EcoVero】とは
レンチング™エコヴェロ™ブランドのビスコース繊維を採用したファッションを選択することで、環境に配慮し環境への影響が少ない製品であると分かります。レンチング™エコヴェロ™ビスコース繊維は、認証され管理された森林から得られた持続可能な木材とパルプを原料とします。
レンチング™エコヴェロ™繊維は、原料の抽出から生産、流通、廃棄までの全ライフサイクルを通して高い環境基準に適合する繊維として、EUエコラベル認証を取得しています。
《公式サイト》EcoVero
【EcoVero】特徴
EcoVero繊維の特徴をご紹介していきます。
二酸化炭素排出量と水質汚染
レンチング™エコヴェロ™繊維の製造では、一般的なビスコース繊維と比較して、二酸化炭素排出量と水への影響を最大50%低減します。
持続可能な木材とパルプ
エコヴェロ™繊維は、再生可能資源である木材を原料としたパルプを用いて生産されます。レンチングは、責任を持って管理された森林から調達され、持続可能な森林資源を用いていることが認証された木材やパルプを購入しています。
サプライチェーンの透明性
特殊な製造システムにより、レンチング™エコヴェロ™ブランドのビスコース繊維は、バリューチェーンで長期にわたる加工や転換の段階を経た後でも、最終製品での使用を特定することができます。
環境意識の高い消費者は、小売店やブランドが自社製品に、環境に配慮した本物のレンチング™エコヴェロ™ビスコースを取り入れていることを確信できます。
認証を取得
環境に関する懸念に配慮したファッションを、自信をもって選択できます。認証を受け管理された木材だけを原料に製造され、一般的なビスコースよりも生産時の化石エネルギーの消費量と水の使用量が大幅に少ないレンチング™エコヴェロ™ブランドのビスコース繊維は、国際的に認められているEUエコラベル認証を取得しています。
環境エクセレンスの証明であるこのEUエコラベルは、原料の抽出から生産、流通、廃棄までの全ライフサイクルを通して環境への影響が大幅に少ない製品とサービスのみに与えられます。
【THERMO WALKER ECO】のタグ
購入したカーディガンに「THERMO WALKER ECO」というタグがついていました。タグの裏面に、次のように記載されています。
天然由来のセルロース繊維レーヨンを配合したあった素材「THERMO WALKER(サーモウォーカー)」を使用しています。
・静電気の発生を防ぎ、着脱時の静電気を軽減させます。
・着用時の汗を繊維が吸収し発熱する吸湿発熱素材を使用。
・洗濯機で選択可能でお手入れがラクチン。
なお、静電気軽減・吸湿発熱においては繰り返し洗濯する事で効果が軽減しますのでご了承ください。
着ている服によっても、静電気の発生が違ってきます。冬場は特に静電気が発生しやすいので、静電気軽減はうれしいですね。
なお、自宅で洗濯ができないと日常的に着用する服としては扱いづらいので助かります。毎日、服を着ることになりますので、せっかくなら利便性が高く、エシカルな商品を選択したいですね。
《参考記事》【簡単にエシカルの意味とは】消費・ファッション・スタバの取り組み
【JUN】グループの取り組み
今回ご紹介してきた「ViS」というアパレルショップは、「JUN」グループのブランドです。「JUN」グループのSDGsな取り組みもご紹介していきます。
ジュングループは、「YOU ARE CULTURE.」を合言葉に企業活動をしています。YOUはあなたであり、この地球に住む全員のことです。
文化は人が生きていくために必要な活力です。ジュングループのつくるモノやコトが誰かのインスピレーションとなり、共鳴し合い、拡がり、多様で心豊かな未来へとつながることを希望に発信し続けています。
アパレル業界は、地球環境にとても大きな影響を与えています。ジュングループでは、温室効果ガスの排出を減らすため、全活動において、限りある資源やエネルギーの消費を抑え、必要なものを必要な数しかつくらないこと、クリーンな再生可能エネルギーへの切り替え、里山の再生など、持続可能な未来の実現へ向けて、今できることから取り組んでいます。
遅くとも、2030年までには商品の100%がトレーサビリティを徹底した、地球とそこに生息する生きものにやさしいリサイクル素材、もしくは、天然素材の起用と製造方法を実現し、消費者のみなさんの心ときめくモノとコト、永く愛されるものとは何かを常に考え、ひとつひとつ大切に創出します。
資源を有効活用
ジュングループでは、資源を有効活用する取り組みに力を入れています。
広大な土地を活かした森づくり
ジュングループは2つのゴルフ場を運営しており、その敷地内には原生林が生息する広大な土地があります。
2018年より、「くまの木里山応援団」さんのご協力のもと、「ロペ倶楽部」の敷地内で里山の再生がスタートしました。適切な間伐、草刈りにより、美しい景観がよみがえり、森が息を吹き返しました。森林面積が1191haあるロペ倶楽部の里山では、年間1191トンの二酸化炭素(CO2)が吸収されています。
再生可能エネルギーの選択
ジュングループでは電力を、有限でいずれは枯渇してしまう化石燃料ではなく、太陽光や風力といった自然の活動などで絶えず再生、供給される再生可能エネルギーを届けてくれる、エコロジーでエシカルな電力会社に順次切り替えています。
「Green People’s Power」さん、「みんな電力」さんのご協力を得て、まずは路面店からパワーシフトを進めています。
リサイクル活動
ジュングループは、積極的なリサイクル素材の利用と並行して、製品の回収にも取り組んでまいります。
2020年より、「羽毛循環サイクル社会」の実現を推進している『Green Down Project』に賛同し、羽毛製品の回収と、リサイクルされた羽毛を使った商品企画への取り組みをスタートしました。 今後は、各店舗において自社製品の回収の実現も目指します。
環境に配慮したショッピングバッグ
ジュングループでお買い物いただいた際にお渡ししているショッピングバッグは、全てFSC森林認証紙など環境に配慮した素材を使用しています。
今後は、ショッピングバッグ以外の、商品のお持ち帰りへ向けての選択肢を広げるべく検討しています。
今回わたしが購入した「ViS」のカーディガンを受け取った際のショップバッグも、環境に配慮したものでした。
永く愛用される取り組み
環境や資源に配慮した取り組みの他にも、製品を永く愛されるために工夫をしています。
売上金の寄付
ジュングループで働くスタッフが、服のみならず、ファッションを通じて知ったさまざまな文化を出品するのが「JUN FLEA MARKET.」です。
売上金の一部が出品したスタッフに還元され、また一部が、その時々に必要と感じるところへ寄付されるという試みです。初回は「NPO法人 市民電力連絡会」さんへ寄付させていただきました。今後もさまざまな場所での開催を検討しています。
リサイクル
ジュングループでは、ファッションの循環型システムへ向けての取り組みの一環として、在庫や残布の再生プロジェクトを各ブランドでおこなっています。
JUNRedでは、倉庫に眠っていた在庫アイテムが豊かな発想でリメイクされ、唯一無二な商品へ、そのカッコよさでも若者に支持されています。
その他、生産過程で出た残布を使ってデザインから裁断、縫製、ラッピングまでのすべての工程を社内スタッフの手作業で行なったコロナ禍初期の「FROM LEFTOVER FABRICS OUR UPCYCLE PROJECT」など、さまざまな活動をスタッフも楽しみながら実行しています。
《公式サイト》JUN:GO CLEAN GO FUTURE
【まとめ】ViSのSDGsな取り組み
普段、何気なく来ている服にも、色々な思いや環境配慮がされて作られた衣類だと思うと見え方が変わってきます。
自分自身でSDGsやエシカルな取り組みを行うことはハードルが高いことに感じるかもしれません。しかし下記のようなことも、SDGsやエシカル消費・エシカルファッションに取り組んだことになると思います。
- 環境に配慮されたショップバックのお店で購入
- リサイクルなどエコに取り組むショップから購入
自分が何か購入することも、社会への小さな影響のひとつになります。もしデザインや価格で迷った際には、自分以外の誰かや地球のためになる商品を候補にしてあげてはいかがでしょうか。
今回ご紹介したJUNグループの他にも、SDGsに取り組む企業はたくさんあります。もし良ければ、こちらの記事も参考にご覧ください。
《参考記事》【SDGs】ユニクロの取り組み:難民支援/資材調達/環境問題/雇用