あなたは、どんな「プロテイン」を飲んでいますか?
- ホエイプロテインとは?
- ホエイプロテインの種類が知りたい
- おすすめ商品は?
わたしは、食事指導やファスティング指導をしている栄養士です。どんな栄養をとるかというプラスの健康と、悪いものを排出するマイナスの健康、どちらも大切だと考えています。
タンパク質は、マッチョで鍛えていている人以外は、ほぼ全員が足りていないと言われている栄養素です。
本記事では、「プロテイン」の中でも「ホエイプロテイン」とはどんなものなのか、さらにおすすめ商品をご紹介していきます。
「ホエイプロテイン」とは
「プロテイン」といえば、パウダー状のサプリメント的な補助食品を浮かべる方が多いと思いますが、直訳すると「タンパク質」のことです。
パウダー状の食品「プロテイン」は、大豆が原料の「ソイプロテイン」や、牛乳を原料にした「カゼインプロテイン」「ホエイプロテイン」などがあります。最近では昆虫食の開発が進み、「コオロギプロテイン」なども販売されているようです。
本日は「ホエイプロテイン」について細かく解説していきます。
ホエイプロテインは、その名の通り「乳清(ホエイ)」から作られるプロテインです。ホエイとは、ヨーグルトの上にある透明の液体です。
ホエイプロテインの「特徴」
ホエイプロテインの主な特徴は、以下の通りです。
- 消化吸収が早い
- 必須アミノ酸のバランスがいい
- 溶けやすい
① 消化吸収が早い
ホエイプロテインは、ソイプロテインやカゼインプロテインと比べると、水に溶けやすく消化吸収がスピーディーです。
速やかに消化吸収されるので、トレーニングでダメージを受けた体をサポートし、コンディションを整えるの目的で、アスリートやスポーツをしている人から支持されています。
② 必須アミノ酸のバランスがいい
牛乳のタンパク質には、必須アミノ酸がバランス良く含まれています。
「必須アミノ酸」とは、人の体の中で作られないアミノ酸のことです。そのため、食べ物から摂取する必要があります。
ホエイプロテインは、必須アミノ酸のバランスの指標となる「アミノ酸スコア」が優秀です。
③ 溶けやすい
ホエイプロテインは、水溶性なので、水に溶けやすい性質です。
商品にもよりますが、スプーンで攪拌する程度だと多少ダマが残りますので、シェイカーを数回振って混ぜるとダマになりにくいです。
また、プロテインを溶かす水分が少ないとダマになりやすいので規定量を目安に溶かすようにするが飲みやすくするコツです。
ホエイプロテインの「種類」
① WPC製法(濃縮乳清タンパク質)
- 価格が安い
- 乳糖が入っている(人によってはお腹を下さす)
- タンパク質含有量が少なめ(約70%程度)
「WPC」は、安価にホエイプロテインをとり入れたい方におすすめです。
② WPI製法(単離乳清タンパク質)
- 価格が比較的高め
- 乳糖なし(乳糖不耐症でも安心)
- タンパク質含有量が高い(約90%程度)
「WPI」は、価格と栄養価のバンスが良く日本人におすすめです。
③ WPH製法(加水分解乳清タンパク質)
- 価格が高め
- WPCをペプチド状態に分離したもの
- タンパク質含有量が高い(約95%程度)
「WPH」は、マッチョになりたい方におすすめです。
日本人は乳糖不耐症の方が多いので、①WPCタイプだとおなかの調子が悪くなる方には②WPIタイプが有効です。
ドラッグストアなど店頭で売られているホエイプロテインのほとんどは安価な①WPCタイプです。
また③WPHタイプ(ハイドロホエイプロテイン、加水分解乳清タンパク質)は、ホエイプロテインをさらに加水分解して小さくしたもので、タンパク質というよりは、それよりさらに小さいペプチドやアミノ酸の状態です。
②WPIタイプよりもさらに分子が小さくしたある分、吸収が早いという特徴があります。
③WPHタイプは、徹底的にたんぱく質にこだわった製法であるため、乳糖も除去され、消化吸収も非常に速いのですが、有益な成分も除去されてしまいます。
ホエイプロテインの3つのタイプがご理解いただけたと思います。ご予算や、ご自身の体質に合わせて選んでみてください。
商品を選ぶコツ
購入する際は、できる限り添加物が含まれるホエイプロテイン避けるのがおすすめです。原材料名をチェックしてみましょう。
店頭販売されているホエイプロテインの多くは、植物性油や乳化剤、増粘剤など各種の添加物が含まれています。特に、植物性油はトランス脂肪酸を含むため、かえった体にダメージが入ってしまいます。
《参考》【トランス脂肪酸とは】含む食品一覧・アメリカなど世界と日本の対応
毎日、定期的に摂取するものなので、添加物が山盛りものや、タンパク質濃度が低い商品は避けて、高品質なものを選ぶようにしてください。
《参考》【本の要約】食品の裏側(食品添加物の神様、ミートボール事件の内容)
おすすめの「ホエイプロテイン」
おすすめ商品を3つのタイプごとにご紹介していきます。
- WPCタイプ(濃縮乳清タンパク質)
- WPIタイプ(単離乳清タンパク質)
- WPHタイプ(加水分解乳清タンパク質)
① WPCタイプ おすすめ商品
WPC製法(濃縮乳清タンパク質)のおすすめ商品をご紹介します。
おいしくて人気な「ビーレジェンド」
全国のドン・キホーテでも販売されていて「おいしいプロテイン」として人気の高い商品です。プロテインがダマになりにくく溶けやすさにもこだわっています。
様々なフレーバーが販売されているので商品にもよりますが、添加物も割と少なめな印象です。
はじめての方がお気に入りの味を見つけるのに便利なお試しセットもあります。
《商品情報》ビーレジェンド お試し13種セット
② WPIタイプ おすすめ商品
WPI製法(単離乳清タンパク質)のおすすめ商品をご紹介します。
こだわりの高品質「ファインラボ」
ストレスのない牧草飼育された健康的な牛から採取したホエイを原料にしています。
エサとなる牧草の農薬使用や、アスリートが利用できるように、ドーピング禁止物質検査、品質検査を行っていたりと、とにかく高品質のホエイプロテインです。
添加物が最小限に抑えられているのも魅力のひとつです。
《商品情報》ピュアアイソレート バラエティーパック
わたしは最近ファインラボのプロテインを毎日飲んでいまして、別記事でも細かく解説しています。
《参考》【WPI ホエイプロテイン】ファインラボ ピュアアイソレート
世界で人気の「マイプロテイン」
112か国、1,000万人以上に愛されているグローバルブランドです。ホエイプロテイン以外にも、ソイプロテイン、カゼインプロテイン、ヴィーガンプロテインなどのシリーズがあります。
味、品質、価格とバランスが取れた商品で人気が高いです。まずは、お試しセットでお気に入りの味を探してみてはいかがでしょうか。
《商品情報》マイプロテイン お試し10種セット
マッチョになるなら「HMBプロテイン」
即効性のあるWPIホエイプロテインと、ゆっくりと効いてくるカゼインプロテインというWプロテインを配合していて体を常に筋肉がつきやすい状態に導きます。
筋肉の分解を抑制し、筋肉の合成を促進すると話題のHMBを1500mgも配合しています。
《商品情報》HMBプロテイン パーフェクトパンププロテイン
③ WPHタイプ おすすめ商品
WPH製法(加水分解乳清タンパク質)のおすすめ商品をご紹介します。
「ハイドロライズド」
特有の苦みが緩和された、たんぱく質含有量の多い、高タンパク・低脂質のWPHを厳選しています。
ストロベリー、キウイ、ブラッドオレンジ味が販売されています。
《商品情報》ハイドロライズド・ホエイアイソレート(ストロベリー風味)
プロテインを「飲むタイミング」
プロテインを飲むおすすめの時間帯をご紹介していきます。
筋トレの前だとか後だとか、朝だとか夜だとか、色々と言われていますが、飲む時間帯によって効果がものすごく変わるというデータもなさそうなので、それぞれの生活習慣や目的に合わせて選択するのが良いでしょう。
飲む時間にこだわるよりも、どの商品を購入するか、そして続けて飲めるかどうかの方が重要と考えています。
「筋トレ」をする方
筋力アップのトレーニング前にホエイプロテインを飲む場合は「運動の約1~2時間前」が良いとされています。
その理由は、ホエイプロテインの消化吸収に1時間ほどかかるからです。約2~3時間かかるという説も見かけたことがありますので、このあたりは飲む量やその人の消化スピードなどによっても一概には言えない部分があります。
運動前に飲むホエイプロテインには、筋肉の分解を抑え、修復をスムーズにする役割もあります。これまでのトレーニングで増えた筋肉を壊さないためにも、筋トレをする約1時間前にホエイプロテインを摂取するのが良さそうです。
また、運動後45分間は傷つけられた筋肉の修復が盛んに行われるといわれていますので、運動後の摂取がいいという方もいます。
「筋トレ前にプロテイン派」と「筋トレ後にプロテイン派」は、どちらも存在ます。ご自身で、取り入れやすい方を選択していくのがいいのかなと思います。
「ダイエット中」の方
プロテインは、身体を鍛えているマッチョだけの必要な栄養素ではありません。
ダイエットをしている方は、食事の量も減りがちで、タンパク質が不足しやすいので、綺麗な肌や、ツメなどを維持するためにもホエイプロテインで栄養補給することはおすすめです。
飲むタイミングとしては、食事の置き換えや、食事の前後に一緒に飲んでしまうのがおすすめです。
ただ、食事以外の時間に、間食として飲む時間を設けてしまうと無駄に消化器官を動かしオートファジーを阻害することになりかねませんし、血糖値を上げることにもなりかねません。
厳密には、どんなホエイプロテインを、どのくらいの量、水・牛乳・投入など何で割って飲むのかなど、細かい条件によって変わってきます。
食事とあわせて飲む方が食べない時間を確保することにつながりますのでおすすめです。
《参考》【オートファジーとは】ダイエット効果・16時間断食・ルビコンとは
「食事」で摂取しきれない方
これは、実はほとんどの方に当てはまるのですが、食事から必要なタンパク質を摂取するのは、かなり意識をしていないと難しいです。
たとえば、体重50kgの人であれば、1日に50~150g程度のタンパク質が必要です。運動量が少ない人であれば50g程度、筋トレをする方や運動量が多い方、すでにタンパク質不足に陥っている方であれば150gを目指して摂取したいところです。
わたしが購入している納豆は、1パック約16.5gのタンパク質が含まれていました。もし、体重50kgの人が納豆だけでタンパク質を摂取しようとすると3~9パックです。
たまごMサイズ1個あたりは、6.2gのタンパク質が含まれていると言われています。もし、体重50kgの人がたまごだけでタンパク質を摂取しようとすると、たまご8~25個です。とんでもない量になりますね。
実際には、どんなに健康に良い食べ物でも、同じ食べ物を大量にとることはおすすめしませんので、あくまでたとえ話としてご理解ください。
タンパク質の重要性・必要摂取量については、「1年で14キロ痩せた医師が教える 医学的に内臓脂肪を落とす方法」という本にも書かれていました。以下の記事でまとめています。
《参考》【本の要約:後編】医学的に内臓脂肪を落とす方法(1年で14キロ痩せた医師が教える)
【まとめ】ホエイプロテイン
ホエイプロテインは、体に必要なタンパク質をお手軽に補える便利な食品です。
3つのタイプがありますが、わたしとしては、②WPIタイプがおすすめです。乳製品に含まれている成分でお腹を下すことも防げますし、価格と味のバランスもいいように思います。
筋肉増大を第一に考えている方であれば、③WPHタイプがいいかもしれません。安価に取り組みたいという方であれば、①WPCタイプがいいでしょう。
それぞれ自分に合うものを選んでみてください。
プロテインはまとめて一気に摂取すればいいものではなく、毎日摂取する必要があります。睡眠も寝だめできなと言われていますが、栄養分も摂りだめできないものがほとんどです。
今日食べたもので、未来の自分が作られますので、未来の自分への投資と思って何か少しでも健康習慣を増やしていけるといいですね。ただ、無理は禁物でストレスをためてまで無理をすることは決してやめましょう。