【マゴハヤサシイワとは】その意味と、献立の立て方・栄養

あなたは「マゴハヤサシイワ」という言葉をご存じですか?

  • 「マゴハヤサシイワ」の意味とは?
  • 「マゴワヤサシイ」との違いは?
  • 「マゴハヤサシイワ」献立の立て方

わたしは、健康志向な栄養士です。ファスティング指導や普段の食事のアドバイスを行っています。ファスティング前後の準備食・回復食では「マゴハヤサシイワ」を取り入れており、普段から活用している食事法です。

そんなわたしが、「マゴハヤサシイワ」の意味とメニューの決め方を紹介していきます。

「マゴハヤサシイワ」とは

普段の食生活はもちろんのこと、ファスティングの準備食・回復食の際に「マゴハヤサシイワ」を意識した食事をとることで、難しい栄養計算をせずに簡単に栄養バランスを良くする方法です。

「マゴハヤサシイワ」食事を意識することは、高脂肪・高タンパク質な食事が多くなった現代人に大切です。ダイエット中の方にもおすすめです。

現在「マゴワヤサシイ」が主流ではあるかもしれませんが、今回は「マゴハヤサシイワ」をご紹介していきます。

「マゴワヤサシイ」 「マゴハヤサシイワ」
【マ】豆類
【ゴ】ゴマなどの種子類
【ワ】ワカメなど海藻類
【ヤ】野菜類
【サ】魚類
【シ】シイタケなどキノコ類
【イ】イモ類
【マ】豆類
【ゴ】ゴマなどの種子類
【ハ】発酵食品
【ヤ】野菜類
【サ】魚類
【シ】シイタケなどキノコ類
【イ】イモ類
【ワ】ワカメなど海藻類

違いとしては、マゴワヤサシイの「ワ」が、最後にきて「ハ」の発酵食品が追加されてマゴハヤサシイワになります。

わたしは発酵食品も加えた新定番「マゴハヤサシイワ」を活用しています。

「マゴハヤサシイワ」の食材

【マ】豆類 大豆、味噌、豆腐、高野豆腐、おから、油あげ、きな粉、小豆、黒豆、そら豆、インゲンマメ、ひよこ豆、レンズ豆など
【ゴ】ゴマなどの種子類 ごま、ナッツ、くるみ、栗、ぎんなん、松の実、落花生、ピスタチオ、アーモンドなど
【ハ】発酵食品 納豆、味噌、醤油、ぬか漬けなど
【ヤ】野菜類 緑黄色野菜、淡色野菜、葉野菜、根菜などできれば赤・緑・白の野菜
【サ】魚類 切り身、小魚や貝類など丸ごと食べられる魚介類など
【シ】シイタケなどキノコ類 しいたけ、えのき、まいたけ、なめこ、まつたけ、エリンギ、きくらげ、マッシュルームなど
【イ】イモ類 じゃがいも、さつまいも、里芋、長芋、かぼちゃ、こんにゃく、春雨、くずきりなど
【ワ】ワカメなど海藻類 わかめ、ひじき、のり、もずく、昆布、あおさ、ところてんなど

「マゴハヤサシイワ」の食材を上手に食事に取り入れるには和食との相性が良いです。

メニューの中で「マゴハヤサシイワ」の多くのジャンルの食材がエントリーできるように工夫すると良いでしょう。

【マ】豆類

豆類は、筋肉や体の組織、細胞を作ったり、ホルモンの材料になる良質なタンパク質を豊富に含みます。ビタミンB群やマグネシウムなど代謝に必要な栄養素も含みます。

味噌、納豆、豆腐などの原料である大豆は豊富かつ多様なアミノ酸を含み、イソフラボンという活性酸素を除去する成分も含まれます。

【ゴ】ゴマなどの種子類

ゴマなどの種子類は、アンチエイジングにも効果的で、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛など体に重要な栄養素を含みます。食物繊維も多く含みます。

骨を丈夫に保ったり、肌の有効成分も含みますので、子どもや女性は特に意識して摂取したい食材です。

また、ごまやナッツ、木の実にはたんぱく質・ミネラル・脂質が多く含まれています。殻が固く消化しにくいので、刻んだり、すりつぶしたりして食べることで吸収がよくなります。

特にごまにはオレイン酸やリノール酸なども含まれています。

《参考》【オメガ3脂肪酸とは】多く含む食品・その効果・オメガ6との比較

【ハ】発酵食品

ビフィズス菌や乳酸菌、麹菌などは腸内が酸性になることで悪玉菌の繁殖を抑制し、腸内環境を整えます。腸内環境が整うことは便秘の予防だけでなく免疫力にも関わります。

発酵により、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養素が通常の食材よりも多く摂取できます。

さらに精神の安定や、睡眠を促すホルモンのセロトニン合成にも影響を与えます。

【ヤ】野菜類

抗酸化ビタミンが豊富な緑黄色野菜、免疫に関わる淡色野菜など、野菜にはそれぞれに多様な栄養素が含まれています。

色々な種類の種類の野菜をバランスよく摂取しましょう。特に、旬な野菜は栄養価が高く、おすすめです。

ポリフェノールやカロテノイドといった「フィトケミカル」と呼ばれる野菜独自の成分が抗酸化作用をもたらしてくれます。

加熱するとかさが減るのでたくさん食べやすいですが、なかには加熱によって栄養素が損なわれてしまうものもあるため注意しましょう。

野菜ジュースはお手軽ですが、加工によっては栄養素が損なわれていたり、砂糖が加えられている場合もあります。

サラダや生野菜などで野菜を摂れるといいですね。オーガニック栽培の野菜だとより体にやさしいです。

【サ】魚類

魚はたんぱく質の宝庫です。特におすすめなのが、天然物の青魚たちです。

イワシ、アジ、サバなどの青魚に含まれるオメガ3系脂肪酸「DHA」は脳の発育に欠かせない脂肪酸です。別のオメガ3系脂肪酸である「EPA」も同様に、動脈硬化など血管の病気を予防する効果があります。

また、貝類は多くのミネラルを含んでいます。

ただ、近年は水銀による害も注目されていますので、マグロなどの大きい魚の摂取は頻繁かつ大量に摂ることは控えた方が良さそうです。

《参考》【オメガ3脂肪酸とは】多く含む食品・その効果・オメガ6との比較

【シ】シイタケなどキノコ類

シイタケなどキノコ類は、低カロリーで食物繊維やミネラル、ビタミンが多く含まれています。カリウムやビタミンB群、免疫力にも関わりるβグルカンも含まれます。

低カロリーかつうま味成分が豊富です。干しシイタケなど、日に当てたキノコにはカルシウムの吸収率を上げるビタミンDが多く含まれています。

和食・洋食・中華・イタリアンなど様々なジャンルの料理にも取り入れやすく、積極的に摂取したい食材です。

【イ】イモ類

イモ類は、炭水化物と食物繊維が多く含まれます。食物繊維は、便秘の予防にもつながり、腸内環境を整えます。

また、ビタミンCも多く含まれ、熱に強い特性があるためビタミンCの摂取効率も良いです。

白米やパンなどの精製したものより、自然のままのイモ類のほうが良質です。特に、山芋や里芋のネバネバ成分であるムチンは、肝臓・腎臓にも良い栄養素です。

【ワ】ワカメなど海藻類

海藻類は、ビタミンやミネラル、鉄分、ヨウ素、マグネシウムなどが豊富で、抗酸化作用を持つフコキサンチンなども含みます。水溶性食物繊維も多く、整腸作用も高いです。

なかでも昆布はカルシウムや食物繊維を多く含む食材です。

海藻類は、お酢や油と一緒に調理すると、効率よく栄養を摂取できます。現在人に不足しがちな海藻類はぜひとも積極的に摂取していきたい食材です。



「献立」の立て方

簡単な献立の立て方をご紹介します。栄養計算も不要です。

《自炊の場合》

  1. 冷蔵庫にある食材や、旬なもの、今日食べたいものをメインとして決める。
  2. それをベースに「マゴハヤサシイワ」に当てはめてみて、たりない食材を副菜やスープとして足す。

《外食の場合》

  1. 注文したいメニューを決める。
  2. それをベースに、プラスして「マゴハヤサシイワ」に当てはまる食材を副菜やスープとして足す。

このように「マゴハヤサシイワ」をプラスアルファとして補うのがおすすめです。

毎食「マゴハヤサシイワ」がすべて入っていなくても構いませんので、次の食事、明日の食事は入れるようにしたり1週間単位くらいでみて調整しましょう。

1回の食事やお弁当などで完璧なバランスを保つ必要はありません。あまり細かく気にしすぎると続かないので、まずは大まかに取り組んでみましょう。

メニュー例 ①海鮮丼

たとえば、今日は海鮮丼にしようと決めたとします。その場合、まず「マゴハヤサシイワ」でいう【サ】魚類はクリアしていますね。

そこに、キノコと野菜の味噌汁を付けることで【ハ】発酵食品(味噌)、【ヤ】野菜類、【シ】シイタケなどキノコ類をプラスすることができます。

他には、わかめと油揚げの味噌汁であれば【ハ】発酵食品(味噌)、【マ】豆類(油揚げ)、【ワ】海藻類を追加することができます。

あとは、マグロにかけておいしい、とろろをかければ【イ】イモ類も追加できたりなど、様々な工夫ができます。

ゲームのような感覚でマゴハヤサシイワに当てはめてみると楽しく栄養バランスが整います。

メニュー例 ②ハンバーグ

たとえば、メインメニューをハンバーグに決めたとします。ハンバーグのメインであるお肉はマゴハヤサシイワに該当しないですが、玉ねぎ入りのハンバーグであれば、【ヤ】野菜類がクリアできますね。

にんじんのグラッセやブロッコリーなどが付け合わせにあれば、【ヤ】野菜類が強化されます。

和風ハンバーグであれば、恐らくお醤油味になるので、【ハ】発酵食品も含みますね。

他にも、マッシュポテトや、フレンチフライがついていれば、【イ】イモ類もクリアです。

キノコのソテーを合わせれば、【シ】シイタケなどキノコ類も追加できますし、海藻サラダを付ければ【ワ】ワカメなど海藻類も追加できますね。

ハンバーグにも相性がよく、マゴハヤサシイワに該当するメニューを見つけるのが楽しくなります。

メニュー例 ③ラーメン

中華屋さんのイメージで、メインメニューをラーメンにした場合を考えてみましょう。もやしなど野菜がたっぷり味噌ラーメンであれば、【マ】豆類と【ヤ】野菜類はクリアですね。

もし、のりがトッピングできれば、【ワ】ワカメなど海藻類も含まれますね。

ゴマ団子やカシューナッツ炒めを追加すれば、【ゴ】ゴマなどの種子類をクリアできます。

他には、きくらげの卵炒めを追加すれば【シ】シイタケなどキノコ類も加えられますね。

春雨サラダや春雨スープがあれば、【イ】イモ類になります。でもラーメンに追加でスープはちょっとかぶりますね。

このように、ちょっとした工夫次第で、マゴハヤサシイワを活用して栄養バランスを保つことができます。

「マゴハヤサシイワ」活用方法

覚えやすい「マゴハヤサシイワ」の食事方法は、ぜひ皆さんに活用してほしいものです。簡単に、健康的な食事にランクアップしますよ。

特に以下の方にはおすすめです。

  1. 「外食・ファストフード」が多い方
  2. 「ダイエット」をしている方
  3. 「ファスティング」の準備食・回復食

①「外食・ファストフード」が多い方

外食・ファストフードの食事が多い方は、高脂質・高炭水化物になりやすく、「マゴハヤサシイワ」の食材が不足しがちです。

恐らく、あなたが外食で食べているジャンルは、和食以外が多いのではないでしょうか?

なかでも、【ワ】ワカメなど海藻類、【ヤ】野菜、などが不足しやすいです。

自炊する際や、スーパーやコンビニで購入する際は、意識して摂取するようにすることで栄養バランスが整うでしょう。

また、ラーメンや丼もの、バーガー類などでなく、味噌汁とご飯とおかずといった定食が出てくるお店で食事をするのも選択肢のひとつです。

食事は、あれは駄目これは駄目と考えると嫌になってどうでもよくなってしまいがちです。

なので、できるだけ多くのジャンルの食事(和食、洋食、中華、イタリアン、韓国料理など)、たくさんの食材(マゴワヤサシイワ)を食べるように心がけることが、健康への第一歩になるでしょう。

②「ダイエット」をしている方

ダイエット中におなかが空いてしまう原因として、血糖血が急に下がっていることや、栄養バランスが偏っていることがあげられます。

まず、血糖値が急に上がりやすい食事というのは、丼ものやラーメンなどの炭水化物メインの食事を一気に食べることも該当します。

また栄養バランスが偏っていると、エネルギーは摂取できても栄養不足なので、おなかがいっぱいと感じにくくなります。特に高脂質で高カロリーな食事はそうなりやすいです。

そこで活用できるのが「マゴワヤサシイワ」です。

和食にすることで、炭水化物メインの食事や高脂質の食事を避けやすくなりますし、栄養バランスの良い食事にするために「マゴワヤサシイワ」の各項目に該当する食材をプラスで足すのがおすすめです。

③「ファスティング」の準備食・回復食

1日以上のファスティングをする際は、「準備期」「断食期」「回復期」の3部構成で取り組みます。

その際、「準備期」では、断食期にスムーズに入るために身体を徐々に慣らしていく飢期間、「回復期」では普通食に戻していく期間として「マゴハヤサシイワ」をベースに食事を摂っていくことになります。

ちなみにわたしは「マゴハヤサシイワ」のサ(魚類)抜きで献立を立てていただくように指導しています。その理由などはファスティングに関する記事でご覧ください。

《参考》【ファスティングとは】断食との違い・ダイエット&デトックス効果

身体に負担が少なく、栄養バランスを保ちやすい「マゴハヤサシイワ」の食事は日本人に合っています。

マクロビオティックの食事法を実践する方とも親和性が高く「マゴハヤサシイワ」が参考になると思います。

《参考》【ヴィーガン、ベジタリアン、マクロビの違い】食事方法や思想・種類

《参考》【マクロビオティックとは】マクロビ飲食店・マクロビ派クッキー紹介

【まとめ】マゴハヤサシイワ

「マゴハヤサシイワ」の食事法は、健康的な食事に近づけるためのキーワードになります。

毎日、毎食、全ての項目が揃う必要はありませんが、1日単位、1週間単位などで取り入れてみてください。

食事をする際に、ざっくりを気をつけたことがいいこととしては、同じものを毎日たくさん食べることです。

「身体に悪いもの」を毎日たくさん食べるのはもちろん悪影響ですが、「身体にいいもの」を毎日たくさん食べることも、量によっては健康にマイナスとなります。

それは、特定の成分の摂取しすぎによる弊害や、特定の成分によるアレルギーが発症するリスクなどが発生するからです。

色んな食材を色んな調理方法で食べて食事を楽しむことが、健康にもつながります。

今日食べたもので、未来の自分がつくられます。毎日のちょっとした気づかいが、明日への自分の健康貯金だと思って実践してみませんか。

《参考》【事例】-5.4kgダイエット!3日ファスティングの効果(男性41歳)

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