【本の要約】専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす食事術

成人した日本人は、3人に1人が肝臓をむしばまれていると、ご存知ですか?

  • 肝臓ってそんなに重要なの?
  • ダイエットに肝臓が関係あるの?
  • 脂肪が落ちるの食事とは?

わたしは、ファスティング指導や食事指導をしている栄養士です。「太りたくないけど食べたい!」と日々格闘している一人でもあります。

ダイエットだからと言って、ただ単に食べないのでは栄養不足になってしまいます。体重が落ちたとしても体調を壊す恐れがありますし、無理がたたってリバウンドしやすくもなります。

本記事は、「専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす食事術」の要約です。

無理せずに健康的に続けることが可能な食事法をご紹介していきます。

目次

「肝臓」には代役がいない

専門医が教える肝臓から脂肪を落とす食事術_表紙

肝臓には代りがいません。医療を駆使してもまだ代役が見つかっていません。

たとえば、心臓の機能が一時的に低下しても「人工心臓」があります。腎臓の機能が失われても「人工透析」があります。

しかし、臨床現場で実用化されている「人工肝臓」はありません。

なぜなら、肝臓は機械で肩代わりできないほど多くの仕事を行っているからです。

肝臓はよく「沈黙の臓器」とも呼ばれます。よほど悪くない限りは症状がなにも現れません。

耐えて耐えて、何らかの症状ができるときには、かなり進行してしまっていることが多くなります。

肝臓の役割

肝臓は、とった栄養素を体の各部位で働く形に変換します。

そして、体に害がある物質を速やかに解毒し、ウイルスや細菌、カビなどの病原菌が全身に回らないように闘います。

一般的な肝臓のサイズは、左右に25cm、前後と上下に15cmほどで、体重の約2%、1~1.5kgの重さがあります。

肝臓は、脳よりも重く、人体最大の臓器です。そして、最も多くのエネルギーを使い、24時間365日、絶え間なく働き続けます。

まさに「肝心」かなめの役割を担っています。

「脂肪肝」の現状

2016年のデータによると、日本人の2266万人が「脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患)」という病気にかかっており、その数は年々増え続けています。

また、脂肪肝の患者のうち、1~2割の方が5~10年で肝硬変に陥る「脂肪肝炎(非アルコール性脂肪肝炎)」に罹患しています。

この病態を放置すれば、5年間で20%程度の割合で肝硬変に進行します。

肝細胞が壊れ続け、肝臓が硬く変化していきます。肝硬変は、最終的に、腹水、胸水、黄疸が出現し、肝不全で命を失う「死に至る病」です。

「脂肪肝」になる要因

フォアグラは、フォア(肝臓)+グラ(脂肪)という意味で、文字通り脂肪肝を意味します。

フランスの伝統的な生産方法では、ガチョウを飼育小屋に入れて、消化が良いように柔らかく蒸したトウモロコシを強制的に胃に詰め込みます。それを1日3回繰り返すそうです。

エサは、1回250gから初めて500gまで増やすそうです。すると、肝臓は1か月で脂肪肝になり、最終的には10倍という大きさになります。

フォアグラの作り方をわたしたちに置き換えると脂肪肝になる3つの要因が浮かび上がります。

  1. 運動しないこと
  2. 空腹感がなくても食べること
  3. 多量の穀物を食べること

この条件がそろうと、人間ももれなく脂肪肝になります。

「糖尿病」とは

「糖尿病」とは、簡単に言うと、血糖値が高くなる病気です。

ご飯やパン、ラーメンなどの糖質を食べると、そのほとんどが消化されてブドウ糖となり、小腸から吸収されて血液の中に入ります。

なので、食後は血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が、高くなります。

誰でも食事をすれば血糖値が上がりますが、健康な人は、すい臓から「インスリン」という血糖値を下げるホルモンが出て、正常値まで下げてくれます。

しかし、インスリンが十分に分泌されなかったり、分泌されてもうまく働かなかったりすると、血中にブドウ糖があふれて、血糖値が高い状態が続きます。これが「糖尿病」です。

「1型糖尿病」と「2型糖尿病」

1型糖尿病 インスリンを分泌する膵臓の細胞が壊されることでインスリンが作られなくなく糖尿病
2型糖尿病 インスリンの分泌が少なくなったり、働きが悪くなったりするために起こる糖尿病

日本人は糖尿病患者の95%が2型糖尿病です。

血液検査で分かる空腹時血糖は、空腹時の血中ブドウ糖濃度です。10時間以上食事をとらない状態で測定した血糖値のことで、一般的には朝食抜きで採決したものを指します。

基準値は99以下です。100を超えると異常値と判定され、126以上は糖尿病の疑いありです。

別日に検査をしても126以上なら、糖尿病と診断されます。

「境界型糖尿病」

「境界型」とは、糖尿病には至っていないけれど、血糖値が高い状態のことです。「糖尿病の一歩手前」や「糖尿病予備軍」などと呼ばれることもまります。

ブドウ糖負荷試験は、空腹時血糖を測定後に、75gのブドウ糖が溶けた液体を飲み、30分後、1時間後、2時間後の血糖値を測定します。

インスリンが十分に効いて、問題なく血糖値が下がるかを調べるために行われます。

空腹時の血糖値が126以上、または、2時間後の血糖値が200以上のいずれかで糖尿病です。

空腹時の血糖値が110未満、2時間後の血糖値が140未満の両者を満たせば正常です。

どちらにも属さないのが「境界型」となります。

「血糖値スパイク」

食後に血糖値が急激に上がると、インスリンが大量に分泌されます。すると、今度は血糖値が急激に下がります。

この血糖値の急上昇と急降下が「血糖値スパイク」です。

まず、高血糖というだけで、じわじわと血管はダメージを受けています。そこに、血糖値スパイクという刺激で、本来は体を守る働きの「活性酸素」が大量に発生します。

活性酸素が異常発生すると、正常な細胞や遺伝子も攻撃します。そして、血管をさらに深く傷つけます。

それに対して、血管の方は、せっせと修復作業を進めます。その修復過程で、血管の壁が厚く、硬くなるのです。

これが動脈硬化です。血糖値スパイクが繰り返されるたびに動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞に至ってしまうのです。

血糖値スパイクは、糖尿病発症の約10年前から起きていると言われています。

薬ではなく食事改善

実は、今回のメソッドは「生体肝移植ドナー」に対する術前食事指導がもとになっています。

ドナーに脂肪肝があると、移植した移植した肝臓が働かないことが判明し、世界中の医師や研究者が、「ドナー候補の脂肪肝を短期間で確実に改善させる方法」を研究しました。

それが、食事の改善でした。

肝移植を受ける患者さんの余命は6か月以内なので、短期で脂肪肝を治す必要があります。

脂肪肝・脂肪肝炎の研究が進んだ現在でも、単独で脂肪肝を改善させる薬は存在しないのです。

薬ではなく、食事で「肝臓から脂肪を落とす」ことが王道なのです。

肝臓の数値

AST、ALT、γ-GTPは、肝臓に多く存在する酵素で、肝臓などの細胞のダメージを示す指標となります。

肝臓がダメージを受けると、血液中に放出されるため、血液検査で高値を示すことがアラートになります。

皆さんも健康診断の結果で見たことのある単位ではないでしょうか?

「AST」と「ALT」

AST 心臓や肝臓、骨格筋、赤血球中に多く存在し、アミノ酸の代謝に関わる酵素
ALT アミノ酸の代謝に重要な役割を果たす酵素

ASTもALTも基準値は30以下です。30以上のときは肝細胞が壊れて血中に酵素があふれています。

ALSは体のさまざまな場所に存在するするのですが、その多くが肝臓です。ALTがASTよりも高値の場合は、脂肪肝や炎症があるとの判断になります。

「γ-GTP」

γ-GTPは、肝臓の解毒作用に関係する酵素で、肝臓や胆管の細胞がダメージを受けると血液中に流れてきます。基準値は50以下です。

γ-GTPが高いときに疑われるのが「アルコール性肝障害」と「非アルコール性脂肪性肝疾患」です。

最近では、アルコールによるものより、「糖質の摂りすぎ」が脂肪肝の原因になっている場合が増えています。

「脂肪肝」は3か月で改善できる

実際に、著者が指導したドナー候補の脂肪肝改善の成功率は100%だったそうです。

メソッドの根幹は「肝臓をいたわってあげること」です。特別な薬や特殊な健康食品も必要ありません。

やるべきことは、肝臓を傷める食材を減らして、肝臓をいたわる食材を増やすこと、それだけです。

実践すると、おのずと健康的に痩せていきます。結果、肝機能が回復して、疲れにくくなり、病気にもなりにくくなります。

具体的には、糖尿病や脳卒中と言った生活習慣病の予防にもなります。

目標を立てる

それぞれの年齢や体型にもよりますが、とある女性の例では、まずは「3か月で5kg減らす」という目標にしました。5kg減らせば脂肪肝は改善します。

脂肪肝で肥満のある人の場合、体重の7%を目標に減量し、それから標準体重をめざしていきます。

7%以上の減量で肝細胞の脂肪化や細胞肝炎が軽減します。10%の減量で、肝臓が硬く変化していく組織の変化、肝線維化も改善することが知られています。

急激に体重を落とすと体への負担が大きくリバウンドの原因になりかねません。1か月の減量は体重の3%以内にとどめましょう

最初の1か月は2kgの減量を目指しましょう。この外来では、1か月目に2kg減量できた人はほぼ全員が3か月で5kg減を達成できたというデータがあります。

見た目の変化は焦らない

内臓脂肪が減ってきて、皮下脂肪が落ち始めるが体脂肪率37%以下になってから、というデータがあります。

その壁を越えたら、減量した分だけ顔や体のラインが変わっていきます。

人からも指摘されるようになりますし、自分自身の体もラクになる感覚が持てますよ。

女性の特徴

女性は、年齢とともに女性ホルモンのエストロゲンが低下し、自律神経が乱れやすくなります。すると、血圧も不安定になりがちです。

また、同時に基礎代謝も下がるため、脂肪をため込みやすくなります。筋肉量が低下するのも関係しています。

男性に比べて女性は皮下脂肪がつきやすいのですが、内臓脂肪はつきにくくメタボリック症候群のリスクは低いです。

内臓脂肪とは、胃腸に流れる血管を覆う膜にたまっていく脂肪のことです。

なぜ、女性は内臓脂肪がつきにくいかというと、女性ホルモンのエストロゲンが、内臓脂肪の増加を抑えてくれるからです。

女性は閉経が近づくにつれて、エストロゲンが減ってくるので、若いときに比べて、内臓脂肪がつきやすくなります。

それと同じ理由で、肝臓の細胞の中に脂肪がたまっていく「脂肪肝」になるリスクも40代後半から急激に高くなります。

ストレスを減らす

色々な心配事を抱えている人や、他人のために頑張りすぎている人は、痩せるのが難しいです。

「我慢の容量」を使い果たしてしまって、ダイエットが続けることができません。

肝臓に脂肪がたまり、肝機能が低下していることも、疲れやすい原因になっています。

まずは、肩の力を抜いて、自分のエネルギーをダイエットにまわせるような環境を作っていくことから始めましょう。

人は、困ったことが2つまでなら対応できるけど、それが3つになるとすべて上手くいかなくなります。心配事は2つまでに収めましょう。

何もかも自分で抱え込む必要はありません。必要なときは、助けてもらってもいいのです。いい人で居続けるのをやめましょう。

「アルコール」の負担

アルコールを飲むと、肝臓はアルコールを解毒することを優先して働きます。

なので、アルコールと一緒に摂った糖質や脂質はエネルギーとして使われないため、効率よく中性脂肪となって体にたまっていきます。

脂肪肝の正式名称である「非アルコール性脂肪性肝疾患」の、非アルコール性というのは「全くお酒を飲まない」という意味です。

女性なら、エタノール換算で1日平均20g以下、男性なら30g以下、4%ビールを1日500ml1本以下なら非アルコール性の範囲です。

それが糖質の摂りすぎによっても発症するのです。

「サプリメント・薬」の負担

サプリメントや薬は、肝臓で分解されます。

サプリメントや薬も摂取する数が増えると、副作用のリスクが増えるだけでなく、肝臓を傷めてしまいます。

薬の場合は、自己判断で減らしてしまっては、体調を崩す恐れがありますが、サプリメントはやめて問題ありません。

著者も、肝臓を必要以上の頑張らせないために、サプリメントはいったんやめてもらうようにアドバイスしているそうです。

便秘の解消

便秘をしているとダイエットの妨げになるのは、便が詰まっている分、体重が増えるからという理由だけではありません。

実は、小腸だけでなく、大腸でも栄養を吸収していることが分かってきました。

肥満の方ほど、糖質や脂肪から栄養を吸収する腸内細菌が多くなっていることも分かってきました。

ですから、同じものを食べても、太っているほど、より栄養を吸収できる、すなわち太っている人ほど太りやすいのです。

そして、便秘になると、食べ物を長く腸にとどめて、どんどん栄養を吸収していきます

悪玉菌が増えると、メタンやアンモニア、さらには発がん物質などの有害な物質を発生させてしまい、それらも腸壁から吸収してしまうことがあります。

それは、肌荒れや免疫力の低下につながります。

水分はたっぷり摂取

自分が思ったより体重が減らないと、水分の摂取量を控えてしまう人がいるのですが、これは間違いです。

水分によって体重が増えるのは一時的なものです。

水分を控えたり、お風呂やサウナで汗をかいても脂肪は落ちません。むしろ、体内の水分が少ないと肝臓への血流の量が落ちて、太りやすくなります。

減量中だからこそ、水やお茶は意識してたっぷり飲みましょう。



「砂糖水」を減らす

とにかくまず飲み物を見直すことから始めましょう。食べ物よりも圧倒的に影響が大きいからです。

「砂糖水」をやめましょう。空腹時に一気に砂糖入りの甘い飲み物を飲めば、血液中に一瞬で糖が増えます。これが続けば糖尿病にもなりかねません。

実際に、脂肪肝の人の約半数が、糖尿病予備軍があると言われています。

「砂糖水」とは、ただ単に砂糖を入れた水ではありません。野菜ジュースも、乳酸菌飲料も、エナジードリンクも「砂糖水」です。

自家製の果物スムージーは、ジュースにしないで食べ物としてデザートとして食べるようにしましょう。

そうすれば、果物に含まれる食物繊維を一緒に摂取することができます。

食物繊維は、果物に含まれる糖の吸収を遅らせてくれるので、取り除いたり、細かくしない方が良いのです。

「果糖」が肝臓の負担になる

砂糖は、果糖とブドウ糖からできていますが、このうち果糖には直接肝臓の細胞を傷害する作用があります。

果糖は、食物繊維と一緒にゆっくり吸収されれば、小腸の酵素でブドウ糖に変わります。

しかし、飲み物で果糖を摂ってしまうと、酵素の働きが間に合わなくて、果糖のまま肝臓に向かってしまいます。

体の55~60%は水分です。飲み物を買えるだけでも肝臓は喜びます。

「カロリーゼロ飲料」

砂糖は入っていなくても、甘いカロリーゼロ飲料は、人工甘味料が使われています。

人工甘味料で太る太らない、どちらを主張している研究者・医者がいます。また、がんになるなど悪影響がある・ない、それぞれ主張している方がいます。

正直なところ、わたしには審議が分かりかねますが、安全性が完全に証明されていない以上、避けた方がベターだと考えます。

本書は、食欲増進作用があるので避けた方が良いという論調で書かれています。

その他にも以前、人工甘味料についてまとめた記事がありますので、良ければ参考にご覧ください。

《参考》【人工甘味料とは】種類一覧と危険性、メリット・デメリットのご紹介

「スポーツドリンク」

スポーツドリンク500mlには糖質が30g以上含まれているものがあります。シュガースティックに換算すると10本分になります。

しかも、飲料だと一気飲みすることも多いので、血糖値にダイレクトに反映されやすいです。「血糖値スパイク」の温床と言えます。

スポーツドリンク500mlには塩分が0.6gほど含まれていて、たくあん2枚分に相当します。

血糖値を一定に保つためにも、こまめに水分補給をすることは大切です。ただし、スポーツドリンクではなく、水かお茶かブラックコーヒーにしましょう。

カルガリー大学の研究チームの報告によれば、カフェインを含むエナジードリンクとカフェインなしドリンクを比較すると、カフェインを含むエナジードリンクを飲んだ群は、飲料後の血糖値が24.6%高かったそうです。

シンガポールでの対策

ちなみに、シンガポールでは、肥満・糖尿病対策の一環として、2019年から100mlあたり10g以上の砂糖を含む清涼飲料水や果汁100%ジュース、砂糖・ミルク入り飲料などの広告を全面禁止にしました。

2021年からは糖分を多く含む甘味料は栄養成分のラベル表示を義務付けています。

シンガポールでは、飲料の糖分の含有量に応じて4段階のグレードに分けていて、最も安全なグレードにあるのが水と無糖茶です。

「糖質」を減らす

糖質とは、炭水化物から食物繊維を抜いたものです。

「糖質」=「炭水化物」ー「食物繊維」

つまり、「炭水化物」=「糖質」+「食物繊維」ということです。

肝臓にたまる脂肪のうち、食事から摂った油や肉や魚などの脂が直接影響するのは、わずか14%に過ぎません。

残りの60%は、体についている皮下脂肪と内臓脂肪が溶け出した脂で、26%は糖質から肝臓で合成される脂肪です。

体の中で糖質が増えすぎると、肝臓はいざという時のために、それを「中性脂肪」という形でため込みます。

つまり、糖の摂取が多すぎると脂肪として蓄積されて肥満になります。糖質を減らすことが近道です。

主食を減らす

糖質というと、チョコレートやクッキー、ケーキ、プリンなどのスイーツを思い浮かべる方も多いでしょう。

しかし、米やパン、麺類はすべて脂肪になりやすい精製糖質で、砂糖と同じです。

1日3食を食べているなら、肝臓に与えるダメージは絶大です。

主食を半分にして、おかずを増やした定食スタイルが脂肪肝改善コースの定番です。

具体的には、ご飯は半膳で70g、食パンで6枚切り1枚で60g、うどんなら半玉で120g、パスタなら乾麺で35g、ラーメンなら茹でた麺で80gです。

この量で、主食の糖質量はだいたい25gになります。おかずと合わせて1食の合計糖質量を40gに収めるのが基本になります。

難しく考えず、とにかく主食を半分にしてください。そして野菜は多めにとることを心がけていけば大丈夫です。

注意すべき食材

おかずの量は増やして良いのですが、糖質が多めなので注意してほしい食材があります。

それは、ジャガイモやサツマイモなどのイモ類や、カボチャ、トウモロコシなどです。

食べてはいけない訳ではありませんが量は控えましょう。

その代わりに、食物繊維の多い、きのこやわかめなどの海藻類も積極的に食べると良いです。

他にも、ナッツ類や野菜スティック、ゆで卵を用意しておくと良いでしょう。血糖値を上げにくい間食になります。

また「ベジファースト」と言って、野菜を最初に食べることで、食物繊維が糖の吸収をゆるやかにしてくれます。

カロリーにとらわれない

「痩せよう」と思ったときに、唐揚げやドレッシングなどの脂身を控える人がいますが、これは間違いです。

糖質を控える食事に切り替えながら、脂・油・肉まで減らしてしまうと、筋肉量が低下してしまいます。

それはかえって太りやすい体になってしまいます。

糖質制限食

糖質制限食では、基本的にカロリーを気にすることなく、糖質量のみを控えます。

体重を見ながら、糖質を減らして野菜を増やしていきます。それでも体重が減らない場合は、肉や魚の量も見直すというのが、カロリー計算も不要で、続けやすいです。

食事のコツ

トロント大学のジェンキンス博士の研究で、1日のうちで最初の食事が、2回目の食後血糖値に影響を与えることを発表しています。

これを「セカンドミール効果」と呼びます。

たとえば、朝食を糖質が少なく、食物繊維が豊富なものにすると、朝食後だけでなく、昼食後の高血糖も抑えられるということです。

なので、朝ごはんを抜いて、空腹な状態でランチにラーメンを食べるなんてことがあると、とても太りやすいです。

具体的にはお味噌汁、納豆、目玉焼き、ご飯半膳70gだと「セカンドミール効果」を期待できるおすすめな朝食です。

1日の食事例

夜のうちに野菜を煮込んでスープにして作り置きします。それをコンソメ味やカレー味、和風味、トマト味などに変えながら、毎朝飲んでいくと便利です。

パンやご飯は少なめに合わせると、立派な朝食になります。

ランチは、炒飯やパスタ、うどんなどの糖質たっぷりになりがちなので特に注尾が必要です。ミニトマトとブロッコリーを先に食べてベジファーストを心がけたり、お弁当であれば、勇気をだして主食は半分残すようにしてみましょう。

また、お鍋もおすすめです。野菜やきのこをたっぷり入れて、豚肉や鶏肉と煮込めば食物繊維と水分のおかげで腹持ちも良いです。

夕食は、満足感を得られるように、糖質を減らす分おかずを増やすのも良いでしょう。

また、どうしてもお腹が空くときは、ナッツ類やゆで卵の間食を摂っても良いです。糖質が少なく、不足しがちな栄養素を補給できます。

量は、ナッツ類なら軽く片手に乗る程度(25g程度)、ゆで卵なら1個が目安いです。

他にもファスティングのときに使用する酵素ドリンクで栄養補給しつつ血糖値を安定させるのも良いでしょう。

《参考》【KALA酵素】ファスティングの口コミ・飲み方、価格・販売先ご紹介

ストレスをためない

少しでも体重が落ちてきて結果がでたら、頑張った自分をしっかり褒めてあげてください。

ストレスが重なると肝臓にも良くないですし、リバウンドもしやすくなってしまいます。

人はストレスが3つ以上になると潰れてしまいます。全て完璧にこなそうとせずに、たまにはスーパーのお惣菜コーナーに頼ったりしましょう。

頼ることが悪だと思わないでください。

「アルコール」

週1回、4%ビールなら1缶500ml程度ならOKです。

ですが、アルコールは肝臓での「脂肪を糖に変える働き」と「脂肪からエネルギーを作る働き」を抑えていまします。

さらに、「中性脂肪を作る働き」を上げてしまいます。

アルコールは、脂肪肝を改善する敵であることは忘れないでください。

空腹は痩せスイッチ

空腹になると、肝臓内のグリコーゲンが分解されてブドウ糖になり、低くなった血糖濃度が維持されるということになっています。

空腹でグリコーゲンを使い始めるときに、脂肪がエネルギーに変換されるスイッチが入ります。

グリコーゲンを使い始める前に食事をしてしまうと、体内の脂肪がエネルギーに変わることはなくなってしまいます。

お腹が空いたなと思ったら、脂肪が減ることをイメージしてみましょう。

この働きは肝臓で行いますので、肝機能がきちんと働いている必要があります。



糖質オフになれたらタンパク質をプラス

最初の1か月はまず糖質の摂取を控えて、余計な脂肪を減らすことに重きを置きます。

それだけでは、体が弱ってしまうばかりか、筋肉が落ちて痩せにくくなるのです。なので、筋肉量を維持するために重要なタンパク質を摂取していく必要があります。

筋肉量が十分なら、特別な運動をしていなくてもエネルギーが消費されます。

たんぱく質量

タンパク質は、多く摂取しすぎると生活習慣病のリスクが上がることが知られています。

また、1度にたくさん摂りすぎても消化吸収しきれません。

厳密に守る必要はありませんが、毎食タンパク質を20~30g摂れるとバランスの良い食事になります。

おすすめなタンパク質は、順に①大豆、②魚、③鶏肉、④赤身肉(牛・豚)です。

肉と魚は100食べることで、タンパク質約20gを摂取できます。

それから卵1個、納豆1パック、豆腐3分の1丁でそれぞれタンパク質7gです。この3つを摂ればタンパク質21gになりますね。

具体的な摂り方

野菜スープに卵をひとつ落としたり、豚こま肉やつくね、豆腐を入れたり、それからツナ缶やサバ缶などの魚介を加えるのも良いでしょう。

手間の少ない方法で何か一つタンパク源を足していきましょう。

タンパク質を摂取するために常備しておきたい「神セブン」は、納豆、豆腐、卵、サラダチキン、ツナ缶、サバ缶、チーズの7つです。

タンパク源を加えることで、お腹も満たされるので、空腹対策にもなります。

超加工食品で食欲アップ

加工食品には、とうもろこしから人工的に作られた「果糖ぶどう糖液糖」という糖質が入っていることが多いです。

果糖ブドウ糖液糖とは、果糖の割合が50%以上90%未満の、主にとうもろこしから人工的に作られた糖のことです。

「果糖ぶどう糖液糖」には以下の特徴があるので、食品メーカーにとっては好都合な添加物です。

  • 砂糖より安い
  • ブドウ糖よりも甘い
  • 冷凍焼けを防ぐ
  • 液体なので混ぜやすい
  • パンなどを柔らかくする
  • 焼き目を上手く付けられる

そのため、清涼飲料水をはじめ、ドレッシング、ソース、トマトケチャップ、麵つゆといった調味料、菓子パン、ハム、ソーセージなど、ありとあらゆる加工食品に幅広く使われています。

甘くないものにも入っているので、気づかずに摂取しがちです。完全オフは不可能と言えるほど、幅広い食品に添加されています。

「果糖」の特徴

「果糖」と「ブドウ糖」の2つの成分のうち、特に「果糖」が肝臓を傷めつけることが知られています。

砂糖は、果糖とブドウ糖が1対1で合わさってできたものです。

果糖は、ゆっくり摂ると小腸でブドウ糖に変わるのですが、多量に摂ると処理が間に合わず、果糖のまま直接肝臓に向かい、肝細胞が機能不全を起こしてしまうのです。

この3つは避けよう

なので以下の3つだけは避けるようにしましょう。

  1. 甘い飲み物
  2. スナック菓子
  3. カップ麺

「超加工品」を食べ過ぎると、2型糖尿病や、肥満リスクが上昇します。

果糖ぶどう糖液糖入り、高脂肪、塩分多め、低食物繊維、低タンパク質の超加工食品は、意図して食欲のブレーキがかからないように作られています

サプリメントにも注意

サプリメントや健康食品と言われる補助食品にも気をつけましょう。

添加物が含まれているため、それを解毒するのに肝臓に負担がかかってしまいます。

肝臓をいたわる5か条

  1. 体重を記録する
  2. 甘い飲み物はやめる
  3. 野菜を増やす
  4. 糖質を減らす
  5. 加工食品を減らす

各項目について詳細を解説していきます。

① 体重を記録する

1日1回、体重を量って記録するようにしましょう。

食事内容記録することで、セルフコントロールできるようになって、ダイエット効果が高まります。

なんとなく体重計に乗って、数字をを見なかったようにするのはやめましょう。

もし、行き詰まってしまったら、対策を考え直すためにも役立ちますし、順調に進んでいけば、自分への励ましになります。

② 甘い飲み物はやめる

砂糖入りの飲み物、炭酸飲料などは肝臓の脂肪を増やしやすいので、すべてやめてください。

飲み物は、水かお茶か、ブラックコーヒーにして肝臓のスリム化を目指しましょう。

③ 野菜を増やす

1日で両手にこんもり350gが、野菜摂取量の目安です。いつもの2倍とイメージしておくと良いでしょう。

生でなくても、温野菜やスープ、鍋料理にしてもOKです。

野菜に含まれる食物繊維を十分にとることで、食事の満足感アップと食欲の抑制につながります。

④ 糖質を減らす

糖質の多い主食のご飯やパン、うどんなどの麺類を減らすことは、肝臓にダメージを与えないために重要です。

糖質量は1日トータルで、70~130gを目標にします。1食あたり約40gです。

ご飯は、1食で半膳70gまでなので、最初はきちんと重さを量ってくださいね。雑穀ご飯や玄米にしても糖質量に大きな差はありません。

⑤ 加工食品を減らす

加工食品には食品添加物が多く、肝臓はせっせと解毒作業に励まなくてはいけません。

せっかく脂肪を減らすために糖質を控えても、加工食品をたくさん食べていたのでは、肝臓は休まりません。

加工された栄養よりも、元の素材がわかる食材を撮るのがおすすめです。

たとえば、プロテインスプーン3杯分より、サラダチキン1個に含まれるタンパク質の方が多いです。

停滞期の乗り越え方

糖質を減らすと、同時に水分が失われるので、最初の1~2か月は体重減少が急速に起こります。

この時期が過ぎると水分が戻ってきて、体重が落ちにくくなります。

もう1つの理由としては、少ないエネルギー量に体が慣れてきた可能性もあります。

人は、ガソリンが減ってくると、その少ないエネルギーで生きることができるように燃費が良くなるのです。

この停滞期の対策が、筋肉量の増加です。

体組成系の結果を見ると、筋肉量が増えていて、脂肪量が減っていることがあります。

体重は同じでも体の中身は変わっていますので、焦らずに取り組みましょう。

肩の力を抜く

まじめな方ほど、頑張りすぎてしまうので、休息も必要です。ここまで頑張ってきた自分を認めて、ほめてあげましょう。

近所をお散歩したり、ゆっくり旅行に行ったり、リラックスして過ごす時間も大切です。

糖質を抑えた食事を提供している温泉宿もあったりしますよ。

体重が落ちてきたら筋トレ

食事改善で体重が3~5kg落ちてきたら、運動も開始するとよいです。もともと筋肉が少ない人はダイエットと並行して筋トレもスタートさせましょう。

筋トレをすると、筋肉に貯蓄されているグリコーゲンが消費されます。

すると、食事で糖が入ってきても速やかに筋肉に蓄えることができて、血糖値が上がりにくくなります。

加えて、筋トレによって筋肉量が増大すればグリコーゲンの貯蔵量も増えるので、肝臓に脂肪として蓄えられにくくなります

食事と筋トレで、減量効果も倍増しますよ。自分の好きな運動をはじめてみましょう。

スロースクワット

もし運動する習慣がない人には、スロースクワットというトレーニングがおすすめです。

まず足を肩幅程度に広げ、両手をまっすぐ前に伸ばした状態で、ゆっくり3~5秒の時間をかけて時間をかけて腰を落とし、しゃがんだ状態でそのまま5秒数えます。

再びゆっくり3~5秒かけて腰をあげます。これを10回×2セットで約5分ほど行います。

食事の前か後、30分以内に実践するとベストです。

筋肉はダイエットの強い味方です。食事で摂った糖が脂肪が変わるのを抑えられます。

体重が減らない理由とは

頑張っているのに体重が減らない場合には、いくつかの理由が考えられます。

減らしたつもりでも無自覚に食べていた場合や、もともとの食事量が多すぎな場合、あるいは慢性的な便秘や薬の副作用、そして過剰なストレスです。

特に、愚痴を言ったり、人に頼ることが苦手な方はストレスをため込まないようにしていきましょう。ダイエットにパワーを注げません。

【まとめ】肝臓から脂肪を落とす食事術

肝臓をいたわって、肝臓の基礎代謝を上げてあげると、痩せやすい体になります。

さらに、解毒力が上がり、疲れにくい体になり、免疫力もアップします。

脂肪肝と肝機能の改善には、以下の3つを減らすことが大切です。

  1. アルコール
  2. 薬・サプリ
  3. 砂糖・果糖ぶどう糖液糖

まずは簡単にこの3つから取り組んでみてはいかがでしょうか。

スポーツドリンクなどの甘い飲み物や、コーヒーや紅茶に入れていた砂糖をやめたり、スイーツなどの甘いものを控えたりすることも、もちろん大切です。

それに加えて、「果糖ぶどう糖液糖」を避けるには、加工食品を避ける必要があります。甘い飲み物やスイーツなどの甘い食べ物だけでなく、お惣菜やお弁当、冷凍食品などにも使用されているので、注意しましょう。

だからと言って、ゼロかイチかという二者択一にせずに、できる範囲から取り組んでいき、継続することが大切です。

普段の食生活としては、できるだけ自炊をするというのも対策になります。

野菜スープや鍋物は、特におすすめです。通常、ビタミンCは加熱すると壊れてしまいますが、野菜に含まれるビタミンCはスープを汁ごと飲めば摂れますよ。

また、自炊する際には調味料に含まれる添加物にも注意が必要です。激安の調味料ほど疑ってみてください。

以下の記事では「もどきマヨネーズ」や「もどき醤油」などについて紹介しています。

《参考》【本の要約②】食品の裏側2 実態編:「添加物なし」に作れない食品

定期的なファスティングで、体も心もリセットするというのもおすすめです。

味覚もリセットされますので、無理なく自然とダイエットモードに入れますよ。

《参考》ファスティング説明会日程

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