あなたは、「花粉症」を治したいと思いませんか?
- ゴボウで花粉症が治る?
- 子どもの健康にも影響する?
- 食べ物が病気をつくる
わたしは、健康志向な栄養士です。食事指導やファスティング指導をしています。
お悩みの方も多い「花粉症」に特化した本の要約を紹介していきます。著書「東大の微生物博士が教える 花粉症は1日で治る!」は、4記事にわたってご紹介しています。
「①酪酸菌」「②間違い対策」について要約してきましたが、本記事では花粉症を治すための最終兵器「③ゴボウで腸活」についてご紹介します。
《参考》【本の要約①】東大の微生物博士が教える 花粉症は1日で治る!酪酸菌
《参考》【本の要約②】東大の微生物博士が教える 花粉症は1日で治る!間違い対策
実は、わたし自身も花粉症なので、花粉症を治すべく取り組みを開始しました。皆さんも一緒に取り組んでみませんか?
「腸内細菌」の数と種類
正しい腸活で花粉症が改善します。腸内フローラを良い状態にすれば、便通が良くなりますので、腸活は腸内フローラを管理することになります。
大腸のうんちには、1gあたり1000億個の細菌か増殖していると言われています。これは、腸内細菌の専門家の見立てです。
著者は、実際にこの10倍くらいの細菌がいると言っています。
1gあたり10000億個とすると、体内にうんちは1kgほど溜まっています。全体では、100兆個の細菌がいるということです。
腸内細菌の種類は、およそ1000種類といわれ、最近の種類と構成割合が腸内フローラとなります。
腸内フローラの変化
《人の腸内フローラの変遷》
この図は、分かりやすくするため「ビフィズス菌」「酪酸菌」「大腸菌群」だけを示しています。
赤ちゃんは産道を通るとき、顔を肛門の方に向けて出てくることによって、お母さんの便と膣の細菌をもらいます。便には大腸菌も仲間も含まれますので、誕生したばかりの腸では「大腸菌群」が増えます。
赤ちゃんが母乳を飲み始めると、すぐに「ビフィズス菌」が増え始め、数日経つとビフィズス菌は90%以上を占めます。
ビフィズス菌が増えるのは、母乳にオリゴ糖が約2%含まれているからです。
ビフィズス菌は乳酸と酢酸を作り、赤ちゃんの腸を酸性にし、病原菌の侵入を防ぎます。
やがて赤ちゃんは離乳をして、野菜、穀類、肉、魚、卵などを食べるようになります。すると、ビフィズス菌はすぐに減ってしまいます。
その代わりに増えてくるのが「酪酸菌」です。酪酸菌の作る酪酸は、赤ちゃんの免疫を発達させ、全身に炎症が起きないようにコントロールします。
大事なのは、「ビフィズス菌」よりも「酪酸菌」であると、ご理解いただけたと思います。
正しい腸活は「酪酸菌」を増やすことです。酪酸菌を増やす腸活を行えば、5~6時間で花粉症は治ります。
と、著書には書いてあるのですが、実際どうなんでしょうか。わたし自身花粉症なので、試したいのですが、ちょうどわたしが花粉症にかかる時期が過ぎてしまいました。
次の春が来た際に、腸活の成果を試してみたいと思います。
病気は食べ物が作る
著者は糖質制限をしていますが、1年半の間、ご飯、麺類、パン、砂糖、スナック菓子、スイーツ類、シリアル、ハチミツ、サツマイモ、ジャガイモ、トウモロコシをまったく食べていません。
著者の経営するカフェで、糖質制限食の料理講習会を行い、様々な病気を治してきたそうです。
驚くことに、糖質制限で多くの病気が治るのです。
糖質制限をすると、次の日には血圧が30~40下がります。高血糖は糖質を摂ることが原因だからです。
また、糖質制限をすれば、2型糖尿病は数か月で治ります。糖尿病は、糖質を大量に摂ることが原因なので、当たり前です。
心筋梗塞や脳梗塞は、コレステロール値が高いと起こると思われていますが、これは間違いです。
動脈硬化は血管の炎症反応によって起こることが分かっています。
血管の炎症反応は酸化ストレスによって起きますので、カカオ、コーヒー、緑茶、緑黄色野菜などの抗酸化物質を多く含む食品を摂ることが予防になると考えられるようになりました。
ニキビや頭皮湿疹は、脂っこいものを食べすぎるとなると思われがちですが、これも間違いです。糖質を摂ることが原因です。
糖質をたくさん食べて血糖値を上げていると皮膚の毛細血管からブドウ糖が漏れます。ニキビのアクネ菌も、頭皮湿疹のマラセチア菌もブドウ糖を食べて増えています。
普段食べている食べ物に含まれる糖質量の目安や、段階別「糖質オフ」のやり方について記載している記事がありますので、良ければ参考にご覧ください。
《参考》【1日の食事に含まれる糖質量】レベル別の糖質制限方法、ご飯の目安
子どもの「発達障害」と「食物アレルギー」
子どもは、大人ほど免疫が発達していませんので、色々な薬を使っています。当然ながら、薬が子どもの成長に影響を与えます。
なかでも、「抗生物質」は脅威です。抗生物質を飲むと、腸内フローラは攪乱され、生息する細菌の種類が大きく減ります。
《抗生物質による腸内フローラの変化》
この変化は、酪酸菌とビフィズス菌を中心に書いたものです。
抗生物質を摂ると、腸活フローラの攪乱により、花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、うつ病、自律神経失調症、睡眠障害、発達障害などが起こります。
すべての人が病気になる訳ではありません。運が悪いと病気になります。
子どもの脳は3歳くらいまでに基本的な形が完成します。ところが3歳になるまでに抗生物質を頻繁に飲むと、発達障害を起こすことがあります。
腸内フローラが悪くなると、脳に炎症が起こります。炎症が起こると脳の発達の司令塔であるミクログリアが神経細胞を攻撃するようになり、脳の発達が邪魔されるのです。
「抗生物質」との付き合い方
抗生物質で攪拌された腸内フローラを持つお子さんには、食物アレルギーが発生します。
お子さんを育てている方は、抗生物質は細菌感染によって38度以上の熱が出たときだけ飲ますようにしてください。
インフルエンザや風邪、扁桃腺炎、中耳炎などでも熱が出なければ抗生物質は不要です。
最も注意していただきたいのは、高熱が出て、抗生物質を飲んだ後に、フラクトオリゴ糖を多く含む食べ物をたくさん食べさせることです。
フラクトオリゴ糖を多く含む食べ物は、ゴボウ、ニンニク、タマネギ、ネギ、キクイモなどです。
《参考》天然チコリ由来 フラクトオリゴ糖
子どもの体は強い
そもそも本当は「子どもの体は強い」のです。病気に負けない体を持っています。
野生の生き物たちが抗生物質を飲まなければならない病気に頻繁に感染していたら、トラやライオンなども滅びます。
原始時代の子どもは糖質制限食を食べていました。根菜類、木の実、野草、小動物、魚介類、海藻、昆虫などです。
血液の中のブドウ糖が少なければ、毛細血管からブドウ糖はも漏れません。すると、粘膜についた病原菌は増えることができません。
原始時代の子どもは非常に丈夫だったのです。
食事が成績にも影響する
子どもの成績も親が食べさせているもので決まります。子どもに糖質制限食を食べさせれば、血糖値の乱高下がなくなり、眠くなったり、お腹がすいてどうしようもなくなることがありません。
1日中、集中力が上がり、その結果として成績が上がります。
子どもを健康に育てるには、大腸の「酪酸菌」を増やすことが重要ですが、糖質制限をすることで、さらに健康に賢く育てることができます。
「ゴボウ」で花粉症が治る理由
これまで説明してきた通り、大腸の「酪酸菌」を増やせば、次の日に花粉症は治ります。
酪酸菌を最も効果的に増やす食べ物は「フラクトオリゴ糖」です。みなさん、もう覚えましたよね。
そのフラクトオリゴ糖をもっとも多く含んでいるのは、キク科植物の根です。キクイモ、ヤーコン、チコリなどの根を食べるのが1番効果的です。
ゴボウもキク科植物ですが、キクイモなどに比べると含まれる量は少ないです。
しかし、キクイモ、ヤーコン、チコリの根は簡単に手に入れることができる野菜ではありませんので、ゴボウを食べるのが現実的です。量は1日1本(100g)です。
とは言え、ゴボウを1日1本食べるのも現実的ではないですよね。おなかがいっぱいになります。
キク科以外の植物のニンニク、タマネギ、ネギにも含まれます。
現実的な分量としては、毎日ゴボウを50g、タマネギを1/2個ほど食べるようにするのがおすすめです。
食物繊維の違い
「オリゴ糖」は、「整腸作用がある」「便通を改善する」として、色々な種類が販売されています。
市販の液体状で1kg500円ほどで売られているものは、「イソマルトオリゴ糖」です。これは、小腸で分解・吸収されますので、大腸の酪酸菌とビフィズス菌を増やしません。
市販の少し高価なものは、ビフィズス菌を少しは増やすものもあります。
オリゴ糖とは異なりますが、「難消化性デキストリン」がトクホ食品、機能性表示食品として最もよく使われています。これは、でんぷんを加熱分解したもので、酪酸菌を増やすという報告はありません。
レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)も話題となります。これはご飯や加熱したポテトを冷やすとできる分解しにくいでんぷんです。
《参考》【レジスタントスターチとは】効果と温度(バナナ・さつまいもなど)
様々な食品に含まれていますので、わたしたちは日常的に食べていますが、アレルギーは治りませんので、酪酸菌は増えません。
セルロースやペクチンも、日常的に摂取はしていますが、アレルギーは治りません。
以上のように、食物繊維として圧倒的に優れているのは「フラクトオリゴ糖」なのです。
《参考》天然チコリ由来 フラクトオリゴ糖
「おなら」と「うんち」は健康のバロメータ
おならとうんちは、健康のバロメータになります。皆さんチェックしていますか?
「おなら」
おならが多いということは、「酪酸菌」が多いということなので、良いことです。
食物繊維を食べると大腸でビフィズス菌や酪酸菌、プロピオン酸菌などが増えておならが出ます。
また、ビフィズス菌と酪酸菌が増えると、おならは悪臭を放ちません。臭くなければ、良いおならです。
「うんち」
うんちは、「バナナのような形のものが良い」という人がいますが、これは間違いです。
大腸細胞が元気であれば、ミネラル、ビタミンなどを吸収しますが、同時に水を吸いますので、うんちは硬くなります。
うんちが柔らかいのは、吸収が悪いということです。少し硬いうんちが理想です。
さいごに
花粉症を治したり、その他の病気も予防して、健康の基盤をつくるには「フラクトオリゴ糖」をたくさん摂って、「酪酸菌」を増やすことが大切だと分かりました。
フラクトオリゴ糖を多く含む野菜としては、キクイモ、ヤーコン、チコリの根などがありますが、日本では手に入りやすいものはありません。
キクイモなどに比べると含まれる量は少ないですが、日本人のわたしたちの救世主になるのが「ゴボウ」です。
目安量は、ゴボウを1日1本(100g)ほど食べるのが良いでしょう。
他にも、ニンニク、タマネギ、ネギなどにも含まれますので、毎日ゴボウを50g+タマネギを1/2個ほど食べるように組み合わせて「フラクトオリゴ糖」を摂取するのもおすすめです。
パウダータイプのフラクトオリゴ糖も販売されていますのでご参考にどうぞ。わたしはこれを飲み始めました!
《参考》天然チコリ由来 フラクトオリゴ糖
ここまで「③ゴボウで腸活」について要約してきました。つづいて、最後は「④フラクトオリゴ糖」についてです。
もう何度も出てきている単語で「フラクトオリゴ糖が良いのは分かったよ」と思っている方もいらっしゃると思いますが、次の章でフラクトオリゴ糖の全貌が明らかになっていきます。