オーガニックとは無農薬?簡単に意味を解説。世界の認証機関もご紹介。

オーガニックとは

皆さんも耳にしたことのある「オーガニック」と言う言葉ですが、具体的にどういうものなのかご存知でしょうか。オーガニック=無農薬、と連想されましたか?そんなイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、それは少し違います。

オーガニックとは「有機栽培」のことです。英和翻訳をしてみると「有機」「有機体」などと出てきます。有機栽培された農作物、「有機農作物」の定義としては「化学的に合成された肥料および農薬の使用を避ける」とあります。

つまり、化学合成された農薬の使用は認められていないが、天然原料の肥料の使用はOKということになります。

農業における「有機」は、主に肥料に使われる「堆肥」(たいひ)を指します。「堆肥」とは微生物の力で有機物を完全に分解した物で、一番多い原料は家畜の糞を原料としたものです。

本来「オーガニック」は、そういった有機物を肥料として用いた栽培方法のことでした。現在では、有機肥料を用いた栽培方法という意味に加えて、化学肥料や殺虫剤などの農薬を使用しない栽培方法も合わせた意味で使われるようになっています。

栽培方法の種類

大きく分けてこの4種類になります。

  • 「自然栽培」:無肥料・無農薬の栽培方法。
  • 「有機栽培」:有機農薬・有機肥料を使用が可能な栽培方法。
  • 「特別栽培」:慣行栽培の50%以下の農薬・肥料が使用可能な栽培方法。
  • 「慣行栽培」:農薬・肥料が使用可能な栽培方法。

他にも「無農薬栽培」と呼ばれるものがありますが、農産物に全く農薬を含まないことを示す厳格な基準や、それを認定する機関がないため、誤解を招くことがないように2004年以降「無農薬」と表示することが禁止されています。

無農薬の他にも、「減農薬」「無化学肥料」「減化学肥料」などの表現は、消費者に誤認を招く可能性があるため、原則的に表示が禁止されています。

「無農薬栽培」や「減農薬栽培」「減化学肥料栽培」と呼ばれる栽培方法は、現在「特別栽培」にカテゴライズされています。「特別栽培」と聞いてもピンとこなかった方もこれからは、どんな特別栽培をされている農作物なのか、ぜひ興味を持ってみてほしいです。

オーガニック食品の認証

実際に育てている所を見守ることはできませんし「オーガニック食品」であると知る手段が必要ですね。そんな際に、各機関の認証を受けている製品かどうかは参考になります。

まずは、代表的なオーガニック食品の認定制度についてご紹介いたします。

日本の農林水産省「JAS規格」

農林水産省では有機食品のJASに適合した生産が行われていることを登録認証機関が検査し、その結果、認証された事業者のみが有機JASマークを貼ることができます。

この「有機JASマーク」がない農産物、畜産物及び加工食品に、「有機」「オーガニック」などの名称の表示や、これと紛らわしい表示を付すことは法律で禁止されています。

JASマークがついているから安心、ついていないからオーガニックとして信用できないということではありません。費用や手間の関係で、あえて取得していない場合もあるでしょうし、それぞれの事情があります。

《参考:有機食品の検査認証制度》https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html

ドイツ本部の国際基準「グローバルGAP認証」

「GLOBALG.A.P.」は、グローバルGAPとも呼ばれており、ドイツに本部を置く実質上で世界基準の農業認証のことです。「グローバルGAP」や「GGAP」などと表記されます。

グローバルGAPは、食品安全、労働環境、環境保全に配慮した「持続的な生産活動」を実践する優良企業に与えられる世界共通ブランドとなっており、対象となる農作物を欧州へ輸出する際には原則認証を取得する必要があります。

グローバルGAPは食の安全だけでなく労働安全や環境保全など生産工程における全般について適切な農業者に付与する認証です。

認証を行っている〇〇GAPというものが複数存在し、一般財団法人日本GAP協会が認証を行っているものが「JGAP」です。基本的な「GAP」の思想は統一されているが、JGAPはどちらかというと農作物の質に重きが置かれているとされています。

《参考:GAP普及推進機構》https://www.ggap.jp/

アメリカ合衆国の農務省「USDA」

USDAはアメリカ合衆国農務省(United States Department of Agriculture)によるオーガニック認証です。

有機原料が95%以上であるという基準の高さが特徴的です。USDAマークは基準が厳しいですね。また、有機原料の割合によって下記のように表記が分けられています。

  • 有機原料100%:100 percent organic
  • 有機原料95%:Organic
  • 有機原料70%:Made with Organic

ヨーロッパの「Euroleaf(ユーロリーフ)」

ユーロリーフ(EU産有機農産物マーク)は、EUの有機農業規則に従って生産された農産物であることを証明するマークです。加工製品の場合は、農業成分の95%以上が有機成分であることを意味しています。

2012年から有機ロゴの表示が義務となっています。ただし、非包装の食品や輸入品の場合はロゴの使用は任意です。

オーガニックコスメの認証

続いて、代表的なオーガニックコスメの認証機関をご紹介いたします。ぜひコスメ購入の参考していただければと思います。

フランスの「ECOCERT(エコサート)」

「ECOCERT(エコサート)」は、1991年にフランスで設立された世界最大の国際有機認証機関です。
5年以上化学農薬や化学肥料を使わないものだけが認められます。オーガニック化粧品を中心に、農産物、加工食品、畜産物、コットン等の様々な製品の認証を行っています。

世界最大級のオーガニック認証団体として世界80か国で認証サービスを展開食品だけでなくコスメや衣類など幅広い商品の認証を行っています。農作物における明確な基準は公開されていませんが、コスメに関しては植物原料が95%以上などの条件を課しています。

日本の「JOCA推奨品マーク」

JOCA推奨品マークには、日本オーガニックコスメ協会独自の基準が定められています。国内オーガニックコスメメーカー28社が取得し、普及を支援しています。

「認証」ではなく、「推奨」にした理由としては、メーカーに対して上目線で「認めてあげる」という意味合いを避けたいという趣旨があるそうです。素敵な考え方ですね。

「JOCA推奨品」基準は、基本原料が天然成分であることに加えて、その製造方法及び製造過程においても合成成分を使わないことを求めています。

まとめ:オーガニックとは

オーガニックとは、化学的に合成された肥料および農薬を使用せずに栽培された農作物です。認証機関によって基準も違い、それぞれの基準に基づいて認証マークの使用許可を得ることで「オーガニック製品」であることを証明することになります。

また、オーガニック食品、オーガニックコスメ、コットンなどの繊維などジャンルも様々で、わたしのたちの生活に密接な関わりのあるものばかりですね。

生産者の方が時間をかけて生産してくれたオーガニック製品は、通常の商品と比べて高価になります。つまりオーガニック製品を購入することは、フェアトレード(公正な取引価格で取引されること)にも貢献することになるといえるでしょう。

オーガニック製品を取り入れることは、環境にやさしく、生産者にもやさしく、自分にもやさしいと考えています。

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