【レジスタントスターチとは】効果と温度(バナナ・さつまいもなど)

あなたは、レジスタントスターチをご存知ですか?

  • レジスタントスターチとは?
  • どんな効果があるのか
  • どんな食品に含まれているのか

わたしは、ファスティング(断食)指導や食事アドバイスをしている栄養士です。何を食べるかも大切ですし、何を食べないかということも重要だと考えています。

そんなわたしが「レジスタントスターチ」についてご紹介していきます。ぜひ、腸活やダイエットにご活用いただければと思います。

「レジスタントスターチ」とは

レジスタントスターチとは、体内で消化されない(レジスタント)デンプン(スターチ)のことです。

従来、デンプンは小腸で完全に消化・吸収され、体のエネルギー源になると考えられてきました。

しかし、1980年頃にデンプンの一部が消化されずに大腸に運ばれることが明らかとなり、こうしたデンプンを「レジスタントスターチ」と呼ぶようになりました。「難消化性でんぷん」とも呼ばれています。

その名の通り消化されないことから、食物繊維と似ている機能を持つことで注目されています。

しかも、食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類がありますが、レジスタントスターチは両方の食物繊維の特徴を併せ持っています。

「デンプン」とは

「デンプン」とは、炭水化物の一種です。ブドウ糖がいくつか結合したものです。

代表的なデンプンには、カタクリを原料とする片栗粉やトウモロコシを原料とするコーンスターチなどがあります。

デンプンは、穀類やいも類にも多く含まれています。レジスタントスターチも、普段のご飯やパン、麺、いも類を使った料理から、自然に摂取できる成分です。

温度による変化

レジスタントスターチは構造が変化しやすい性質です。加熱すると消化されやすく、冷めると再び消化されにくい構造になります。

つまり、冷めているほうがレジスタントスターチが豊富になるのです。

たとえば、ほかほかご飯よりもお寿司、焼き立てパンよりもサンドイッチ、ラーメンよりも冷やし中華、熱々ジャガバターよりもポテトサラダ、スープパスタよりも冷製パスタの方がレジスタントスターチが豊富になるということです。

主な4種類

レジスタントスターチは、主に4種類に分けられます。では、紹介していきます。

RS1 全粒粉、ライ麦、精製度の低い穀物、デンプン密度の高い食品(パスタ)など
RS2 グリーンバナナ、生ジャガイモ、高アミロース米デンプン、高食物繊維小麦など
RS3 ポテトサラダや春雨、冷ご飯など
RS4 パンやスナック菓子、冷凍食品、麺類、タレ、ドレッシングなどの加工食品

RS1

粉砕が不十分な穀粒などに含まれるデンプンです。

細胞壁内に包み込まれていて、物理的に消化考査が作用できないものです。

RS2

デンプン自体が消化されにくい構造を持っている調理や糊化していない生デンプンやアミロース含有量が高いデンプンです。

RS3

糊化したデンプンが冷却後に放置されたときに形成されるデンプンです。

RS4

酵素的、物理的、化学的な処理を施した加工デンプンです。

「レジスタントスターチ」の効果

レジスタントスターチを摂取することでどんな効果が得られるのか紹介していきます。

「発酵性食物繊維」

レジスタントスターチは、ただの食物繊維ではなく「発酵性食物繊維」です。発酵性食物繊維は、善玉菌のエサとなって発酵し、増殖をサポートしてくれます。

さらに善玉菌に有用物質(短鎖脂肪酸)を作らせることで、腸内を悪玉菌が増えにくい弱酸性に保ってくれます。

つまり、腸内環境を整える食物繊維です。腸活に活用できます。

発酵性食物繊維は、種類によって腸内で発酵する場所が異なりますが、レジスタントスターチは腸の奥まで届くので、腸の奥にいる善玉菌であるビフィズス菌や酪酸菌等のエサになるといわれています。

また、酪酸菌が産生する短鎖脂肪酸の一つである酪酸は、腸の主要なエネルギー源で、腸の上皮細胞の増殖をサポートするといった作用があり、腸自体の健康に役立つ効果もあります。

さらに、レジスタントスターチの高アミロースでんぷんには、食後の血糖値の上昇をゆるやかにする、血中のコレステロールを低下させるといった作用もあります。

血糖値の上昇を抑える

レジスタントスターチを含む食品はGI値が低く、食後の血糖値の上昇を緩やかにします。

摂取後ほぼ消化されずに腸内を移動するので、血糖値の急激な上昇やインスリンの大量分泌も抑えてくれます。

空腹感を抑える

レジスタントスターチを多く含んだ食品を摂ると、小腸でゆるやかに消化され、大腸ではゆっくりと代謝されて短鎖脂肪酸になるため、摂取してから時間をかけて体に吸収されます。

このため、朝食に食べると昼食の空腹感や血糖上昇を抑えるセカンドミール効果が生じると言われています。

※セカンドミール効果とは、最初にとる食事(ファーストミール)が、次にとった食事(セカンドミール)の後の血糖値にも影響をおよぼすことです。

腹持ちが良く食事摂取量が減少するという報告もあります。満腹感が維持しやすく食べ過ぎ防止に繋がります。

摂取できる食品とは

お米や、麺類などの小麦製品、さつまいも・じゃがいもなどのイモ類、バナナなどから摂取することができます。

これらはレジスタントスターチを摂取できるというメリットはありますが、炭水化物が豊富な食材ですので、食べ方や食べる量には注意が必要です。

代表的なバナナとさつまいもについて紹介していきます。

グリーンバナナ

熟す前の先端と根本が緑色になっているグリーンチップバナナには、フルイエローのバナナより約1.25倍のレジスタントスターチを含んでいます。

黄色くて甘いフルイエローのバナナは、食物繊維が豊富ですが、糖質もたっぷりなので食べ過ぎに注意が必要です。

また、血糖値が上がりにくいオリゴ糖「フラクトオリゴ糖」も豊富で、善玉菌のエサになってくれます。

「腸がすべて」という腸活の本でも、バナナを使ったレジピが載っていました。まとめた記事があるのでよければ腸活の参考にご覧ください。

《参考》【本の要約Q&A】腸がすべて:アダムスキー式の腸活法レシピ具体例

さつまいも

山芋やじゃがいもなどのイモ類も同様なのですが、冷めている方がレジスタントスターチの効果を発揮します。

さつまいもはサラダとして食べたり、干し芋は常温のまま食べると良いでしょう。冬場に食べたくなる焼き芋の場合は、持ち帰って冷めてしまったときに温め直さずそのまま食べると良いでしょう。

じゃがいもはポテトサラダとして食べたり、山芋はすりおろして、とろろにして食べると良いでしょう。

野菜を生のまま摂ることは、酵素も摂れるのでおすすめです。以下の記事で酵素力チェックもできるので参考にご覧ください。

《参考》【本の要約②】朝だけ断食で9割の不調が消える!やり方・酵素の働き

【まとめ】レジスタントスターチ

ダイエット中の方や、腸活をしている方、健康志向な方は、レジスタントスターチを上手く取り入れていきましょう。

基本的には、レジスタントスターチを含む食材は炭水化物を多く含む食品になるので、基本的に食べ過ぎには注意です。

炭水化物を食べたいときには、できるだけレジスタントスターチを有効にして食べるようにしたり、工夫できるといいですね。

健康・ダイエット関連の著書をまとめた記事もあります。あまりこだわりすぎてストレスになってしまうのは良くないので、無理のない範囲で取り組んでみてください。

《参考》【本の要約①】朝だけ断食で9割の不調が消える!メリット・効果

《参考》【本の要約:前編】やせたい人はカロリー制限をやめなさい(実践方法)

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