あなたは、マイクロプラスチックが問題になっているのをご存知でしょうか。
- マイクロプラスチックとは?
- なぜ人間の血液に?
- これからどうなっていくの?
わたしは、オーガニックな食品やオーガニックなコスメが好きな栄養士です。本記事では、マイクロプラスチックが人間の血液から検出されたニュースについてご紹介します。
【マイクロプラスチック】人間の血液から発見
22人を対象とした研究で、マイクロプラスチックが初めて人間の血液中で発見されました。これは、人間がプラスチックを吸収し、血液を通じて循環していることを示します。
※「マイクロプラスチック」とは、直径が5 mm未満の小さなプラスチック片で、通常、適切な処理を行わずに廃棄された材料からの脱落または廃棄物として発生します。
この研究の対象はプラスチックへの添加物だったため、人体へのリスクはまだ明らかにはなっていません。
専門家によると、血液中のプラスチックの影響はまだ未知数で、健康リスクに関する研究には5~10年かかるとみられています。
爪よりも小さく、完全に分解することのないプラスチックの破片、マイクロプラスチックは色々な所から見つかっています。マリアナ海溝やエベレストの頂上、ほこりや食べ物や飲み水、サメやペンギンの胃、人間の胎盤や哺乳瓶からも発見されています。
2022年 オランダの研究
「マイクロプラスチック」がヒトの血液から初めて発見されました。2022年3月24日にEnvironment International誌に発表されたオランダの研究です。
科学者らは、健康な成人22人のドナーから血液サンプルを採取し、5種類のプラスチックについて検査したところ、17人の血液からプラスチック粒子検出されました。
対象は少人数であるが、約77%の血液からマイクロプラスチックが発見されたことになります。このような研究は初めてだそうです。
そのうち半数にペットボトルなどに使われるポリエチレンテレフタラート(PET)が、3分の1にプラモデルなどに使われるポリスチレンが、4分の1に食品包装などに使われるポリエチレンが含まれていたと、科学者らは報告しています。
研究を主導したアムステルダム大学のディック・べザーク教授によると、今回検出したのは0.0007mm以上、注射針の内径である0.514mm以下のマイクロプラスチックです。
ディック・べザーク教授は「粒子が血液脳関門を通過して特定の臓器に到達することがあるのか、病気を引き起こすことがあるのか、これらを追求するため、この研究にさらなる資金が提供される必要がある」と述べました。
ディック・べザーク教授は、見つかったマイクロプラスチックの種類や量がサンプル間で大きく異なっていたことを認め、この原因を「サンプルを採取する前に食べたものなど、短期間の行動が反映されているかもしれない」と考察しました。
また「私たちは微細なプラスチックを吸い込み、摂取している。血液の中にまで入り込むほど多くのプラスチックが周囲には存在するのだ」とも述べています。
マイクロプラスチック粒子は体内にあってはならないものです。しかし他にも多くの化学物質の危険にされされており、プラスチックに事例はほんの一部に過ぎないという可能性も示しています。
この研究に関与していない、アリゾナ州立大学環境健康工学バイオデザイン・センター所長のロルフ・ハルデン(Rolf Halden)は、「今回の研究は、プラスチックポリマーが血流に侵入しているという、まさに最初の証拠で、これが何を意味するのかは未だかなり不確かだが、不安なニュースではある」と述べています。
人間の血液に入った原因
マイクロプラスチックによる海洋汚染は、以前から問題になっていました。そのゴミ(マイクロプラスチック)を食べた海洋生物を、人間が食べることで、体内にマイクロプラスチックが取り込まれると懸念されています。
わたしたちも気づかぬうちに、海産物からプラスチックを摂取しているかもしれません。
2019年の分析によると、我々が食べるもの、飲む水、吸う空気にマイクロプラスチックが含まれているため、アメリカ人は平均で毎年約5万個のマイクロプラスチック粒子を摂取し、ほぼ同量を吸い込んでいるといいます。
空気中からも吸い込んでしまうのでは避けようがありませんね。食べ物や飲み水にも含まれており、完全にプラスチック摂取を避けるのは、ほぼ不可能な状態です。
2021年の別の調査では、人間は毎週平均して、クレジットカード1枚分のプラスチックを摂取していると推定されています。
毎週1枚ということは、1か月でクレジットカード4枚分、1年でクレジットカード48枚分の分のプラスチックを摂取しているということになります。全く知りませんでした。
もちろん住んでいる地域や、生活環境、生活習慣などにより変わるでしょうが、恐ろしいですね。
他の研究では、幼児や大人の大便からプラスチックが発見されているが、それは吸収されずに消化器官を通過した粒子に過ぎませんでした。つまり、マイクロプラスチックがヒトの胎盤に存在することは、それが血液を介して移動していることを示唆していたが、それは直接的な証拠ではありませんでした。
今回の研究成果は、プラスチックが人間の血流に吸収され、全身に行き渡ることを示す、最初の決定的な証拠である、とハルデンは述べています。
《参照》Gigazine
《参照》Yahoo!ニュース
人体への影響
アムステルダム自由大学に勤務しながら、今回の研究を主導した化学者で生態毒性学者のヘザー・レズリー(Heather Leslie)は、「これは、(マイクロプラスチックが)消化管を通過するだけではなく、長く体内に留まっているということだ」とInsiderに語りました。
それが人体にどのような影響を及ぼすかは、まだ不明です。しかし、レズリーたちは、人間の血液中にプラスチックが存在することを証明することで、健康への潜在的な影響に関する研究のための資金をより多く集めたいと考えています。
今回の論文を共同執筆した自由大学の化学者、マルジャ・ラモリー(Marja Lamoree)はInsiderに対し、「結局、我々全員が影響を受けているだろう」と語っています。
残念ながら、人体への影響については、これから研究されていくようです。どんな影響が指摘されるのか怖いですが、早く明らかになってほしいものです。
【まとめ】マイクロプラスチック
マイクロプラスチックを摂取する危険は今後高まるでしょう。また摂取量も増加することが懸念されます。
数年ですぐに解決できるような問題ではなく、数十年かけて世界各国で対処を進める必要がある問題だと感じます。サステナブルな社会を目指して、新たな環境問題・健康被害に取り組む必要がありそうです。
人間が出したごみを食べた海洋植物で食べた人間がプラスチックを摂取してしまうとうことは、食物連鎖であり、人間の行動が自分たちに返ってきているともいえますね。
注目したいのは、問題はプラスチックだけでなく様々な化学物質への懸念があるということです。農薬や肥料なども化学物質を使用して育てられた農作物は、そのままわたしたちが摂取してしまうことに繋がります。
わたしたちに出来ることから取り組む必要がありそうです。
地球環境を考えたエシカル消費や、エコな生活を心がけたり、健康維持のためファスティングでデトックスする、オーガニック食材を積極的に取り入れるなど選択肢のひとつです。
《参考》【口コミ】酵素ドリンク優光泉で5日間ファスティング:効果と飲み方
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