【世界と逆行】除草剤グリホサートの危険性とは?基準値や人体の影響

最近、加藤美蜂園本舗のサクラ印ハチミツや、大手スーパー西友で輸入販売するGreat Valueベアハニーというハチミツに、基準値をこえる「グリホサート」が混入していたことが話題になっています。

  • グリホサートって発がん性があるの?
  • 人体への影響は?危険性について知りたい。
  • 世界の規制と、日本の規制は違うの?

栄養士の資格もあり、オーガニックや無農薬な食品に興味を持ってきたわたしが、このような疑問を解説していきます。

「絶対に買うな!」「絶対に食べるな!」ということではなく、「グリホサート」の残留する商品に対して、どのように向き合うのか選択すための、皆様の知識向上になれば幸いです。

「グリホサート」とは

グリホサートは、世界中で最も使われている除草剤の主成分です。グリホサートは農地のほか、公園や校庭、街路樹、駐車場などでも散布され、「ラウンドアップ」などの商品名でホームセンターなどでも販売されています。

世界の規制強化

2015年に、WHO(世界保健機関)の専門家機関がグリホサートを「発がんの恐れあり」と評価したことから、世界では使用禁止や規制強化に踏み切る動きが広がっています。

2015年

  • ドイツ:大手ホームセンターでグリホサートを含む製品の取り扱いを中止。
  • スリランカ:グリホサートの輸入を禁止。
  • コロンビア:グリホサートを主成分とする製品の散布禁止。

2016年

  • EU委員会:加盟国にグリホサートの規制強化を要求。
  • イタリア:公園や市街地、学校、医療施設周辺などでのグリホサート使用禁止。

2017年

  • スウェーデン、ベルギーなど:グリホサートの個人使用禁止。
  • アメリカ カルフォルニア州:グリホサートを発がん性物質リストに搭載する方針を発表。

2018年

  • チェコ:2019年よりグリホサート使用を全面禁止。

2019年

  • ベトナム:グリホサートを含む除草剤の輸入禁止。
  • インド:4州に続きケララ州でグリホサートの販売禁止。

日本の規制緩和

日本では2017年に規制緩和をしています。世界では、使用禁止や輸入禁止・販売禁止など規制強化の動きをしているのですが、なぜ日本は逆行しているのか、わたしも疑問です。

日常的に口にするパンやめん類の原料である小麦粉も残留基準値が緩められました。日本のグリホサート残留基準値の具体例をいくつかご紹介します。

  • 小麦:6倍の緩和(5ppm→30ppm)
  • てん菜:75倍の緩和(0.2ppm→15ppm)
  • ライ麦、そば:150倍の緩和(0.2ppm→30ppm)
  • ごまの種子:200倍の緩和(0.2ppm→40ppm)
  • ひまわりの種:400倍の緩和(0.1ppm→40ppm)

数字は小さいですが200倍や400倍と聞くと、とても恐ろしいですね。

発がん性の恐れあり

2015年に、WHO(世界保健機関)の専門家機関がグリホサートは「グループ2A おそらく発がん性がある」と評価しました。この頃から、特にグリホサートの危険性に注目されるようになりました。

  • グループ1:発がん性がある
  • グループ2A:恐らく発がん性がある
  • グループ2B:発がん性がある可能性がある
  • グループ3:発がん性について分類できない
  • グループ4:発がん性がない

フランス、ノルウェー、米国の3か国で、農薬に暴露する状況にある357万4815人の農民及び農業従事者の調査が行われ、グリホサートをよく使う人が非ホジキンリンパ腫にかかる確率が高いことが示されました。この研究は国際がん研究機関(IARC)のマリア・E・レオンらが行ったもので、「国際疫学ジャーナル」誌(2019年3月18日号)に掲載されています。

除草剤グリホサートへの曝露が、皮膚がんの一つである黒色腫を増やすという研究結果が、C・フォルテスなどイタリアとブラジルの研究者によって「職業環境医学ジャーナル」誌(2016年4月号)に発表されています。

グリホサート発がん性に関する裁判

2018年8月に、末期がんの原告の男性が「がんになった原因は、主成分がグリホサートの除草剤『ラウンドアップ』によるものだ」と訴えました。

アメリカ・カリフォルニア州のサンフランシスコ地裁は、それを認め、農薬メーカーのモンサント社(現バイエル社)に2億8900万ドル(約320億円)支払うように命じました。その後に7800万ドル(約87億円)に減額されました。

学校の用務員だった男性は、校庭に「ラウンドアップ」のジェネリック製品を繰り返し散布していました。同様の訴訟がアメリカでは数万件に増えています。

グリホサートに加えて日光にさらされると、さらに発がんのリスクは高まるとも言われており、グリホサートが主成分の除草剤を晴れた日に外で撒いていれば、発がん性をさらに高めてしまったことでしょう。

グリホサートによる様々な危険性

発がん性以外にも危険性があると言われており、ご紹介していきます。

非アルコール性脂肪肝疾患

ロンドン大学キングスカレッジのマイケル・アントニオらが行った2年間の長期動物実験で、人が飲む飲料水の濃度に匹敵する、4μg/kg/日というごく微量のグリホサートを摂取し続けただけで、肝臓がんに至る可能性が高い非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)が起きていました。(『サイエンティック・リポート』 2017年1月9日)

妊娠期間を短縮と、低体重児出産

インディアナ州インディアナポリスのライリー子ども病院の臨床小児科医ポール・ウィンチェスターらの研究チームが行った研究で、尿中のグリホサート濃度の高い妊婦の場合、妊娠期間が短くなり、赤ちゃんの体重が少ない傾向がありました。

その赤ちゃんは将来的に、糖尿病、高血圧、心臓病、認知能力の低下、メタボリック・シンドロームになるリスクが高まる可能性がある、と同医師が指摘しました。(『環境健康』誌 2017年3月9日)

行動異常(動物実験)

アルゼンチンのC.J.バイエルらが行った動物実験で、マウスに微量のグリホサートを鼻腔内に投与したところ、歩行活動が減少、眼球の動きに顕著な変化が起き、認知能力も優位に損なわれていました。(『神経毒性と奇形学』誌2017年11-12号)

自閉症との関係

カリフォルニア大学のオンディーヌ・S・フォン・エーレンシュタインらの研究チームが調査したところ、出生前及び出生後1年目までにグリホサート系農薬に暴露した子どもが、暴露していない子どもに比べて、自閉症スペクトラム障害(ASD)になるリスクが高いことが示されました。(『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』2019年3月20日)

早期死亡率の増大

オランダのバーゲニン大学の研究者らが行った実験で、ラウンドアップを加えたGMトウモロコシ与えたラットの雄は、24か月後の早期死亡率が増大することが分かりました。(『毒性学アーカイブ』2019年2月12日)

《参考》デトックス・プロジェクト・ジャパン(グリホサート禁止を目指す任意団体)



グリホサートが検出された食品

グリホサートが残留しているとされる食品・商品について、いくつかご紹介していきます。

加藤美蜂園本舗:サクラ印ハチミツ

食品衛生法で定められたグリホサートの残留基準値は0.01ppmです。これに対し、週刊新潮が都内の大手スーパー数店舗で購入した加藤美蜂園本舗製のハチミツ5本のうち、「サクラ印ハチミツ」を含む3本から基準値超えの結果がでました。そのうち1本は、なんと基準値の5倍との分析結果となったそうです。

今回話題になったサクラ印ハチミツですが、グリホサートを基準値をこえる量が残留したいたという問題と、それを隠蔽していること、2つの視点で問題があると感じます。詳しくは、下記の記事もご覧ください。

《参考》【サクラ印ハチミツ】週刊新潮の記事:発がん性疑惑農薬が基準値超え

西友の輸入販売はちみつ:Great Value Clover Honey(GVベアハニー)

加藤美蜂園本舗のサクラ印ハチミツに併せて話題となっている、西友の輸入販売ハチミツについてです。

大手スーパー「西友」が輸入販売するブランドの「Great Value Clover Honey(GVベアハニー)」も基準値を超えていることが発覚しました。
基準値である0.01ppmの4倍にあたる、0.04ppmのグリホサートが検出されたそうです。

2021年10月14日、西友では購入した店舗で返金対応することを発表しました。レシートを持参するか、商品(もしくは商品の空容器)を持参すれば返金対応を行うそうです。

また、楽天西友ネットスーパーで購入した方は、楽天西友ネットスーパー カスタマーセンターに連絡をすれば楽天ポイントでのご返還の対応をするそうです。

ポイント還元というは、どうなんでしょう。人によっては問題と思いますが、現金での返金も対応すべきとも感じます。

《参考》西友:お詫びとお知らせ

輸入された小麦粉

日本は小麦の自給率が低く、ほとんどをアメリカ・カナダからの輸入に頼っています。

アメリカやカナダなどでは、収穫直前の除草剤散布(プレハーベスト)が認められています。これは収穫をしやすくする目的で行われます。

プレハーベスト

「プレハーベスト」とは、収穫目前に農薬(除草剤)を散布する使い方です。このプレハーベストで最も使われている除草剤がグリホサートと言われています。

小麦の成熟期での穀粒の水分量は40〜50%ですが、それが12~13.5%以下になると収穫します。ただし、成熟後に雨が降っていたり、収穫の適期前後に降雨が予想される場合などには、水分量が十分下がらず収穫作業もできません。

しかし、水分量が高い時期に前倒しで収穫すると、小麦の品質が大幅に低下してしまいます。そこで、天候の都合を考慮しながら穀粒乾燥を促し、収穫できる水分量まで低下させる必要がある場合にのみ「プレハーベスト」を行います。

全米小麦協会によると「すべての小麦エーカーの3%未満で使用される、珍しい技術である。」とのことです。つまりアメリカ産の小麦のほとんどは、プレハーベストされていません。

《参考》全米小麦協会:グリホサート

国は残留農薬検査を行っており、輸入小麦・大麦の残留農薬検査結果も報告されています。下記は、国別の輸入米麦のかび毒、重金属及び残留農薬等の分析結果になります。

基準内ですが、各国の輸入小麦・大麦にグリホサートが残留していることが分かります。

《参考》農林水産省:国別【令和2年度】⼩⻨(⾷⽤)のかび毒、重⾦属及び残留農薬等の分析結果

《参考》農林水産省:国別【令和2年度】大⻨(⾷⽤)のかび毒、重⾦属及び残留農薬等の分析結果

国内産の小麦が全て安全、国外のものが全て危険という訳ではありませんが、参考にすべき情報ですね。

【まとめ】グリホサート

今回グリホサートについて調査してみて、わたしはグリホサートを危険性が高いと感じました。

どのくらいの量・どのくらいの期間に摂取すると、人体への影響があるのか?発がん性が影響するのか?などは、まだはっきりとしない部分だと思います。たとえば、市販のお薬でも「大人1回3錠」「子ども1回1錠」など分量が違いますよね。つまり、その人の体格や年齢・体質によってもかなり影響は違ってくると推測できます。

発がん性などが懸念されるので、基準値の範囲内でも摂取は避けたい所ですが、安くて美味しいものを提供してビジネスにするには、除草剤(グリホサート)が必要だったり、すばやく雑草を駆除するために必要とする人がいるもの事実でしょう。

それぞれの考えがあるので、どのように折り合いをつけていくかは課題だと感じます。

わたしたちに選択の自由があるべきだと思います。知っていて摂取したのか、知らずに摂取してしまったのかは、大きく違います。情報を隠蔽されると、知らずに摂取してしまう可能性があるので恐ろしいです。

また、世界の国々では輸入禁止や販売禁止など規制を強化しているのに、日本は2017年に規制を緩和していて、加藤美蜂園本舗でも規制を緩和するための動きをしているということで、これは正しいことなのか疑問が残ります。

安心して食べるには、やはりオーガニック認定されている商品が安心ですよね。

たとえばハチミツだと、オーストラリア政府登録認定機関で100%オーガニック認定されているハチミツなどもありますので、こういった商品を選ぶと安心かもしれませんね。

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