あなたは、生クリームやホイップクリームが好きですか?
- 生クリームとホイップクリームの違いとは?
- カロリー、味は違うの?
- どのくらいの価格帯で販売されているの?
わたしは、オーガニック食品が好きな栄養士です。本日は「生クリーム」と「ホイップクリーム」の違いをご紹介します。
実際に販売されている商品も例に出しながら解説していきます。
「生クリーム」と「ホイップクリーム」の違い
パフェやクレープなど、スイーツに欠かせないクリームですが、お菓子作りなどでスーパーで購入しようとした際に、呼び方の違いではなく「種類が違う」のかも、と思われた方もいらっしゃるでしょう。
「生クリーム」と「ホイップクリーム」の2種類あるのです。
一般的に「生クリーム」は、「動物性脂肪(乳脂肪)=生乳」のみを原材料としたものです。生乳から乳脂肪分だけを遠心分離で取り出し、濃縮させて作られます。他のものが入っていると生クリームとは呼べません。
一方で「ホイップクリーム」は、動物性脂肪に「植物性脂肪を加えたもの」または「植物性脂肪のみ」のものです。動物性脂肪に添加物を加えたものもホイップクリームに含みます。
食品衛生法に基づく規格でいうと名称が異なり、大きく分けて2種類に分類できます。
- 「クリーム(生クリーム)」:無添加の動物性脂肪
- 「乳等を主要原料とする食品(ホイップクリーム)」:動物性脂肪+添加物または、動物性脂肪+植物性脂肪+添加物
では、詳しく解説していきます。
①「クリーム(生クリーム)」
生乳・牛乳または特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したクリームで、乳脂肪分18%以上と定められています。泡立てるには最低35%以上の乳脂肪分が必要です。
つまり、クレープやパフェ、シフォンケーキに添えられている泡立てられたクリームが「生乳の生クリーム」であれば、乳脂肪分35%以上の生乳を泡立てているということになります。
ちなみに、「生乳」と「牛乳」の違いは下記の通りです。
- 「生乳」は乳牛から搾ったままのもの
- 「牛乳」は生乳を殺菌したもの
純乳脂であり、食品添加物などが一切入っていないもので、パッケージには通称として「純生クリーム」と書かれていることもあります。
本来、「クリーム」や「生クリーム」で良いのですが、植物性脂肪を添加した「乳等を主要原料とする食品(ホイップクリーム)」という商品もあるので、違いを分かりやすくするためにそのような表現になっていったと思われます。
味わい・扱いやすさ
生クリーム本来の風味・なめらかな口溶け・コクが存分に味わえます。消費期限はとても短く、未開封で約10日前後と言われています。
生クリームの金額は高価で、200mlパックの商品で比較すると、ホイップクリームは150円前後なのに対して、生クリームは300~500円と高くなっています。
乳脂肪分の割合が高いほど、コクが強く風味が高い・かたさ・クリームは泡立ちやすさ、分離のしやすさなどが強くなります。
生クリーム本来のコクや風味を味わいたい方や、添加物が気になる方におすすめです。
②「乳等を主要原料とする食品(ホイップクリーム)」
大きく3種類に分類されます。
- ②ー1:「クリーム」に添加物を加えたもの
- ②ー2:一部を植物性脂肪に置き換えたもの
- ②ー3:純植物性脂肪のもの
②ー1:「クリーム」に添加物を加えたもの
①「クリーム(生クリーム)」に、安定剤や乳化剤などを添加したものです。パッケージには「純乳脂」「生クリーム100%使用」などと書かれています。
生クリームとの違いは、添加物によって安定性や保形性が良くなり、扱いやすくなっている点です。風味は、生クリームと変わりなく、金額はややお安めのものが多いです。
生クリーム本来の風味を感じつつも、分離しにくいなどの安定性を求めたり、保形性が欲しい際におすすめです。また、夏場など環境が悪いときも便利です。
②ー2:一部を植物性脂肪に置き換えたもの
生乳のみを原料とせず、ヤシ油、パーム油などの植物性脂肪も使用したクリームです。「コンパウンドクリーム」とも呼ばれています。
乳脂肪と植物性油脂のよい特徴を掛け合わせて配合しています。適度なコクと風味、軽さがあり、お好みによっては①の生クリームよりもお好きな方もいるでしょう。
なお、安定性もアップしているので生乳のみの①クリームよりも扱いやすいです。
②ー3:純植物性脂肪のもの
生乳は使用せずに、完全に植物性脂肪で作られたクリームです。パッケージには「〇〇フレッシュ」「〇〇ホイップ」などと書かれています。白く仕上がるのが特徴です。
風味や口どけは、生乳を使用した生クリームに劣りますが、扱いやすさ、ダレにくさ、さっぱり感により需要は多くあります。食品会社からすれば、保形のしやすさと維持力で便利なクリームといえます。
添加物が多く入っていて、消費期限がとても長く日持ちします。なお、金額も最も安価です。
「クリーム」の使い分け
それぞれのクリームに、メリット・デメリットがあるのがご理解いただけたかと思います。
料理やお菓子作りなどの際に、ミルク感やコクを活かしたいなら「生クリーム」、デコレーションをしたり形を維持したい場合は「ホイップクリーム」というようにご自身で使い分けてみてください。
悪く言いたい訳ではないですが、わたしは下記のことを大枠で捉えており「クリーム類」もこれに当てはまるのかなと感じました。
- 賞味期限が長い食品は、添加物が多く含まれている可能性が高い
- 値段で食品を選ぶと太りやすい・不健康になりやすい
食材や食品を扱いやすくするために、添加物が使用されたり、加工食品となり販売されますが、とても安価かつ便利でありがたいですね。
しかし、自分の健康や状況を考えてうまく付き合っていきたいものです。
実際に販売されている商品5つ
最近は、どんな「生クリーム」と「ホイップクリーム」が販売されているのかスーパーとコンビニに調査に行ってきました。
今回わたしが訪問したコンビニでは、生クリームもホイップクリームも販売していませんでした。スーパーで5つの商品をみつけることができましたので紹介します。
「生クリーム」
まずは原材料が「純乳脂」の生クリーム商品です。名称は、「クリーム」です。
カロリー(100ml) | 原材料 | 価格(税抜き) | |
乳脂肪分47.0%(タカナシ) | 441kcal | クリーム(乳成分を含む、国内製造) | 408円 |
乳脂肪分35.0%(タカナシ) | 342lcal | クリーム(国内製造)、生乳 | 318円 |
乳脂肪分47.0%(タカナシ)
乳脂肪分35.0%(タカナシ)
「ホイップクリーム」
次に、原材料に植物性脂肪分が入っているホイップクリームです。名称は、「乳等を主要原料とする食品」です。
ご紹介する商品3つとも、先ほどのカテゴリーでいうと「②ー2:一部を植物性脂肪」に置き換えたものになります。これがホイップクリームの主流なのかもしれません。
今回は、下記のタイプは見つけられませんでした。
- ②ー1:「クリーム」に添加物を加えたもの
- ②ー3:純植物性脂肪のもの
カロリー(100ml) | 原材料 | 価格(税抜き) | |
無脂乳固形分4.0%、植物性脂肪分37.0%(スジャータ) | 359kcal | 植物油脂(国内製造)、乳製品/乳化剤、メタリン酸Na、安定剤(タマリンド)、香料、カロチン色素、(一部に乳成分・大豆を含む) | 100円 |
無脂乳固形分4.0%、植物性脂肪分37.0%(VALUE PLUS) | 359kcal | 植物油脂(国内製造)、乳製品/乳化剤(大豆由来)、メタリン酸Na、安定剤(タマリンド)、香料、カロチン色素 | 170円 |
無脂乳固形分3.5%、植物性脂肪分40.0%(雪印メグミルク) | 393kcal | 植物油脂(国内製造)、乳製品/乳化剤、メタリン酸Na、香料、安定剤(増粘多糖類)、カロチン色素、(一部に乳成分・大豆を含む) | 168円 |
無脂乳固形分4.0%、植物性脂肪分37.0%(スジャータ)
無脂乳固形分4.0%、植物性脂肪分37.0%(VALUE PLUS)
無脂乳固形分3.5%、植物性脂肪分40.0%(雪印メグミルク)
【まとめ】生クリーム・ホイップクリーム
ホイップクリームにも3つの分類があることは解説してきましたが、大きく分けて生クリームとホイップクリームの違いを比較表にしてみました。
生クリーム(クリーム) | ホイップクリーム(乳等を主要原料とする食品) | |
原材料 | 生乳(動物性) | 添加物や植物性脂肪も含む |
色 | やや黄色 | 真っ白 |
味 | コクがありリッチな味わい | クセがなくあっさりした味わい |
泡立てやすさ | 泡立ちやすい | 泡立ちにくい |
賞味期限 | 未開封で約10日前後 | 未開封で約一か月以上 |
分離 | しやすい | しにくい |
カロリー(100mlあたり) | 約300~450kcal | 約350~400kcal |
コレステロール | 高め | 低め |
添加物 | 入っていない(少ない) | 多い |
価格(200ml) | 約300~500円 | 約100~200円 |
カロリーは100mlあたりです。ホイップクリームより、生クリームの方がややカロリーが高く、コレステロールも高いといえます。しかし、砂糖を入れてどのくらい甘くするのかなど調理法によって、カロリーはかなり変わってくるでしょう。
なお、生クリームやホイップクリームという種別ではなく、商品によってもかなりカロリーは変わってきます。
どちらの方が健康的かという判断は、難しいですね。わたしがどちらを買おうか悩んだ場合は、オーガニック志向なので、添加物が入っていない自然な生クリームの方を選びますかね。もちろん用途にもよりますが。
ケーキのデコレーションには、主にホイップクリームが使われていることが多いようです。色も真っ白で、繊細なデコレーションも崩れにくいので用途にマッチしています。
さいごに
生クリームとホイップクリームには、それぞれの特徴があることが分かりましたので、用途に合わせて活用していただければと思います。
ちなみに、コーヒーについてくるクリームは、ほとんどのものが「ホイップクリーム」です。
ケーキを購入したり、カフェでスイーツを注文した際に使われている「クリーム」が、どちらのクリームなのかは分からないことの方が多いので、その情報も提供されたうえで選べれるようになると嬉しいなと思います。
色をよくみると白さが違ったり、味わった際の乳感で、恐らくこっちだなというのは分かるようになってきますので、皆さんもよく観察して味わってみてくださいね。
無添加やオーガニックな商品リストをまとめているので、もしよければ参考にご覧ください。
《楽天ROOM》オーガニックや無添加な商品リスト