オーガニックコットンとは?生地の特徴・お手入れ法・認定方法を解説

日頃よりオーガニック製品の愛用者のわたしが、このような疑問にお答えします。

  • オーガニックコットンって普通のコットンと何が違うの?
  • どんなメリット・デメリットがあるの?

オーガニックコットンとはどんな生地なのか

まず、オーガニックとは「有機栽培」のことで、化学的に合成された肥料および農薬の使用せずに栽培することです。

《参考:オーガニックとは》https://organic-information-centre.com/what-is-organic/

オーガニックコットンは、有機栽培の基準を守り生産された綿花を使用した素材です。この綿花は化学肥料ではなく、油粕、牛糞、鶏糞、魚粉、骨粉、米ぬか、草木灰など有機肥料を使って育てられます。

紡績、糸、織布、染色加工、縫製などの製造のすべての工程で、トレーサビリティ(追跡可能性)をしっかり確保し、化学薬品による健康や環境的負荷を最小限にして、労働者の安全や児童労働など社会規範を守って製造しています。

一般的なコットンとオーガニックコットンを見た目で区別することは難しく、認証機関の基準をクリアしたかどうかは重要なポイントになります。

オーガニックコットンの認定方法

「オーガニックコットン」は、基準に従って2 年以上のオーガニック農産物等の生産実践を経て、厳格な基準を守って育てられた綿花のことです。

《参考:日本オーガニックコットン協会》https://joca.gr.jp/main/what-organic-cotton/

日本ではオーガニックコットンを栽培していないので認証機関がありませんが、アメリカやヨーロッパなどには、多くのオーガニックコットン認証機関があります。

認証機関に認められた農地で栽培に使われる農薬・肥料の基準が設定されています。それぞれの国が定めた認証機関で、以下のような世界基準をクリアすると「オーガニックコットン」と認定されます。

  • 化学薬品の使用による健康負荷・環境負荷を最小限に抑えていること
  • 労働者の健康や安全を十分に配慮していること
  • 児童労働を禁止していること
  • 遺伝子組換えでない種を使用していること

オーガニックコットンの希少性

オーガニックを認定する機関では、原料である綿花を生産農地の管理や栽培方法を調べ、きちんと管理が行き届いているかをチェックします。一度認証を受けた後でも、基準が維持されているか専門知識を持つ検査委員が農場を毎年チェックします。

オーガニックコットンのお手入れ方法

オーガニックコットン素材の衣類をお手入れする際には、なるべく石けんを使用して洗濯するのが良いと言われています。洗濯機で洗う際には、毛羽立ちを防ぐためにネットに入れるようにしましょう。

生地へのダメージを考え、洗濯物を干す際は外での天日干しは避け、風通しの良い日陰で干すのが最適です。

遺伝子組み換えの問題

有機農産物のガイドラインを作ってきたIFOAMの規定で「オーガニック」の基本的な考え方は「自然の摂理を尊重することにあり、人工的な手立ては極力使わないというところにある」と、遺伝子組み換えを禁じています。

遺伝子組換え種子は高い生産性や品質を保つために作られ、世界中で一気に広がりました。それは、コットンだけではなく様々な農作物で「遺伝子組み換え(GMO)」が蔓延しています。

実は、世界中で生産されている「一般的な綿花」のほとんど、90%近くが「遺伝子組み換えコットン」です。

遺伝子組み換え(GMO)は人工的な技術で、その恐ろしさはまだすべてが解明されていません。例えば、遺伝子組み換え(GMO)の種の一つBTコットンは性を出す土壌中の微生物の遺伝子を綿花に組み込んで、害虫の被害を防ぐために作られました。 その毒性が人や家畜に悪影響を及ぼす可能性があります。

SDGsとフェアトレード

より安くコットンを提供するため、手間をかけずに大量生産する目的で、さまざまな化学薬品が開発され使用するようなっていきました。その農薬を買うために借金を背負うなどして苦しむ農民が多くいます。

また、コットンの生産国ではその安さ実現するため正当な対価が生産者に支払われないことがあります。

開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」をフェアトレードといいます。

これまでのような質より量を優先しないフェアトレード(公正取引)に取り組む企業も増えてきています。

コットン農場で働く人々は、農薬による健康被害もとても深刻です。オーガニックコットンの農法は、農薬を使用しないことで、農地の環境や生態系、そこで働く人たちの健康や労働環境を守る、理想的な栽培方法といえるかもしれません。

人間・社会・地球環境の持続可能な発展(サステナブルな社会)を目指して、フェアトレードで取引されるオーガニックコットンを応援したいですね。

《参考記事》【SDGsとは何か】17の目標一覧とその意味・課題を簡単に解説

オーガニックコットンのメリット・デメリット

メリット

  • 保温性・保湿性に優れている
  • 肌触りが良く、皮膚への刺激が少ない
  • 環境にも、労働者にもやさしい
  • 遺伝子組み換えでない

肌への刺激が少ないので、アトピー性皮膚炎や乾燥肌などのお肌が敏感な方や、化学繊維に抵抗がある方は、品質が良くて安心感のあるオーガニックコットン原料の肌着を身に着けて、一般的なコットンとの違いを確かめてみてはいかがでしょうか。

特に、オーガニックコットンの認定基準である「テキスタイル認証」を受けた原料が使われている場合は、収穫した綿花を糸や生地に加工する際にも、化学薬品を使わずに作られているので上質です。

デメリット

  • コットン100%素材は伸縮性があまりない
  • 厚めの生地では乾きにくいことがある
  • 塩素系の漂白剤を使用して洗濯すると変色することがある
  • 生産、加工の段階で手間がかかり価格が高い

コットン素材は丈夫で長持ちする反面、使用率100%のものは素材の伸縮性がなく、少し窮屈に感じることがあるかもしれません。

漂白剤によって風合いが変わってしまったり、吸湿性が良い反面で乾きにくいことがあったりするので、洗濯や乾かし方には少し工夫が必要かもしれません。

「オーガニックコットン」まとめ

わたしたちの肌にやさしいオーガニックコットンとは、地球環境、そして発展途上国などで働く人々にもやさしいことが分かりました。オーガニックコットンの商品を手に取ってみることは、サステナブルな、人間・社会・地球環境の持続可能な社会への第一歩かもしれません。

ひとりのちょっとした行動も、人数が増えれば、とても大きな影響になると思います。

一般的なコットン製品より少し価格が高いですが、発展途上国の方への寄付・募金だったり、フェアトレードへの応援消費と思うと、いい気分でお買い物ができそうですね。

たとえば、厳しい認証機関(NOC/日本オーガニックコットン流通機構)の基準をクリアしたオーガニックコットンを使用したベビー用品をお使うお店もあります。

《公式サイト》出産祝い人気NO.1【オーガニカリー】のオーガニックコットン★ベビーバスローブ

このようなショップをチェックしてみるものいいかもしれませんね。

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