【無添加住宅とは】メリット・デメリット:評判・後悔しないためには

「無添加住宅」という言葉を聞いたことがありますか?オーガニック好きには、とても気になる言葉です。
  • 無添加住宅とは何のこと?
  • 価格や評判は?後悔したくない。
  • 漆喰と無垢材ってなんのこと?
オーガニックなものや、無添加な食品・コスメが好きなわたしが、ご紹介していきます。

「無添加住宅」とは何か

無添加住宅とは、化学建材や合成接着剤など、体に有害な素材を使わずに、自然素材にこだわって建てられた家です。化学物質を含まない漆喰や無垢材など厳選した素材で健康的な家づくりをしています。
「”加えない”という価値」をコンセプトに、自然素材に徹底的にこだわった「超自然素材の家」を展開する「無添加住宅」というハウスメーカーがあります。
わたしも調べていて少し混乱したのですが、「無添加住宅」という言葉が話題に出た場合、ハウスメーカーの無添加住宅を指す場合と、無添加な住宅という作りを指す場合がありそうです。

漆喰(しっくい)

漆喰(しっくい)とは、消石灰(水酸化カルシウム)に、つなぎとなる糊・スサなどを加えて作った建築材料のことです。
サンゴの群生したサンゴ礁が長い年月の中で地殻変動などで隆起し、陸地になった石灰鉱脈から石灰石を採掘します。その石灰石を焼成して生石灰(きせっかい)をつくり、そこに水を加えて、消石灰を作ります。
  • 石灰石 → 生石灰 → 消石灰(水酸化カルシウム) 
主に、塗り壁材として使用されます。壁や天井などの内壁のほか、外壁にも使えます。もともとは、防火対策のために室内の壁に塗られるようになったとされています。
無添加住宅は、自然素材を使っているだけでなく、夏や冬という気温の変化があっても快適に生活できるように室内空気環境を整えている家です。自然素材と経年変化を楽しめるのが特徴です。

無垢材(むくざい)

無垢材とは1本の丸太から切り出して作った木材のことです。原木を必要な寸法に合わせて切り、継ぎ目が一切ない木材を指します。無垢材は、接着剤などの化学物質を使わない天然素材なのです。
日本にある歴史的な木造建築の多くは、無垢材でつくられているのが特徴です。耐久性・調湿性に優れているだけではなく、夏は涼しく冬は温かい空間をつくります。コンクリートの2倍もの断熱性を持っており、フローリングとしての機能性も十分備えています。
木材を使った家づくりでは当たり前のように集成材が登場するようになりましたが、集成材にはよく化学接着剤が使われているため、シックハウス症候群を引き起こす原因になりかねません。健康を考えるうえで、集成材でなく無垢材を選ぶ方もいます。

シックハウス症候群

安定した品質で大量生産するために化学建材を多用した家づくりが、シックハウス症候群を生んだ原因と言われています。
建材に使われている多くの揮発性有機化合物(トルエン、キシレンなど)の影響で、人によってはシックハウス症候群を引き起こしていまいます。シックハウス症候群とは、家に入った途端、頭痛・目がしみる・めまいなどの症状を感じることです。
このような、人にストレスを与える化学物質を避けた建材を使用して建てた家が無添加住宅です。シックハウス症候群だけでなく、アレルギーやアトピー体質、喘息の方にも選ばれています。

知っておくべき評判(メリットとデメリット)

メリットとデメリットを紹介していきたいと思います。メリットともデメリットとも判断しづらい内容は「特徴」ということでご紹介します。

特徴① 経過劣化による風情とメンテナンス

無垢材は時間の流れや暮らしによって、色合いが変化します。月日の流れによる味わいも魅力です。革製品の楽しみ方と似ているかもしれませんね。
ただ、これはメリットだけでなくデメリットの側面もあります。口コミや評判を調べたところ、床や壁に色あせや黒ずみが起きやすいようです。また傷にも弱いのが気になると言った声も上がっています。
ちょっとでも椅子やテーブルを引きずるとフローリングには傷がついてしまうようです。仕方がないことですが、気になる方は自然素材の家は向いていないかもしれません。
自然素材で家を建てる場合、壁がひび割れしたり、フローリングの隙間はできたり、引き戸が閉まらなくなることもあるそうです。つまり、メンテナンスに手間がかかるのは覚悟しないといけません。
なので、迅速かつ丁寧に対応してくれる工務店で家を建てるのが良いでしょう。

特徴② 漆喰による湿気調節

漆喰による湿気調節ができるという意見と出来ないという意見が両方あります。どちらの主張が正しいのか、皆さんも一緒に考えていただければと思います。

湿気調節ができる派の主張

一般的な住宅との最大の違いは「空気」にあります。漆喰を使った壁は「呼吸する」と言われています。化学物質を含まない純粋な漆喰を使うことで、室内の空気を清浄に保ち、調湿機能で湿気を吸収してくれます。
消石灰から石灰石に戻るまでには100年を超える長い時間がかかります。時間をかけてゆっくりと呼吸をしながら固まっていくことでお部屋を心地よくしてくれます。この呼吸がお部屋を快適にしてくれる理由の一つです。
昔からある「蔵」の内壁にも漆喰が使われており、収蔵品を湿気や乾燥から守ってきたといわれています。気密性に優れた現代住宅に最適な壁材とえるでしょう。
ご自宅で、エアコンなどをつけると結露の発生することもありますが、呼吸をする漆喰の壁であれば、湿気を吸い湿度を調節するため、お部屋の結露予防にも繋がります。

湿気調節はない派の主張

そもそも漆喰は、防火対策のために室内の壁に塗られるようになったと言われています。昔の壁は下地が土でした。その土壁の上に、消石灰で出来た漆喰を、1~2mmの厚さで塗っていました。
土でできた15~20cmもの壁の厚さの下地を含めた壁全体で、湿気を吸ったり吐いたりしています。なので、下地が土壁であれば、たとえ仕上げが1~2mmの漆喰であっても、十分に調湿性能を発揮しました。
しかし、現代の壁下地は、ほぼ100%石膏ボード(プラスターボード)です。
石膏ボードは、調湿性能がありません。したがって、プラスターボードの上に、漆喰を1~2mm塗っても、調湿性能を発揮しないとも言われています。


3つのメリット(良い評判)

続いて、無添加住宅の良い評判をご紹介します。

① 漆喰による防火対策

漆喰は、古くからお城や武家屋敷の壁によく使われていました。高い明光性を持つ漆喰は、月の光に反射する白壁で防犯対策、燃えない壁材の為、防火対策にも使われてきたといわれています。
漆喰の主原料である消石灰(水酸化カルシウム)は無機質の不燃性、燃えません。現代住宅の台所にも安心して使用できる、漆喰の不燃性は、家を守るという点でも注目するべき魅力です。

② 漆喰によるシックハウス症候群対策

シックハウス症候群の原因は、壁紙に使用されている接着材料や家具などから揮発されるホルムアルデヒドという物質が関係していると言われています。

このホルムアルデヒドを体内に取り込むと、のどの痛みやアレルギー症状を発症する恐れがあります。シックハウス症候群は沈静化しつつあると言われている一方で、あまり知られていない細かい事例がたくさんあるという評判もあります。

漆喰はこのホルムアルデヒドを吸着し、再放出しない壁材です。漆喰は、お住まいになられる方に優しい住居空間を生み出してくれます。

③ 質の高い素材&匂いが強くない

気になる口コミ評判がありまして、いろんなハウスメーカーのモデルハウスを見学しているなかで、1歳のお子さんが無添加で建てた地元工務店のモデルハウスだけは泣かなかったそうです。
見学に行ったことがある方なら、すぐに思い浮かぶと思うのですが、新築住宅は匂いがきついなと感じませんか。大人は、そう思ってもリアクションは取らないことが多いと思いますが、子どもは素直に反応を示すんでしょうね。
また、無添加住宅の標準仕様は質の高い物で高級感が溢れて大満足だという評判もあるようです。

3つのデメリット(悪い評判)

続いて、悪い評判もご紹介していきます。

① 漆喰による炭酸ガス発生で環境に悪い?

空気中の炭酸ガス(二酸化炭素)を吸収して硬くなるという性質から「環境に優しい」「エコだ」と言う人もいますが、それは違います。

製造工程についてご説明していきます。消石灰の原料は、石灰石です。その石灰石を焼いて、生石灰(きせっかい)を作ります。そして、それに水を加えて消石灰(しょうせっかい)にするのです。その製造時に大量の燃料が消費され、炭酸ガスが発生します。

漆喰が固まる過程で、炭酸ガスを吸収するという事実はありますが、漆喰を作る工程で、炭酸ガスを発生させているのです。しかも発生させている炭酸ガスの方が多いくらいなので、環境に優しいとは言い難いでしょう。

② 漆喰は、カビの心配あり?

漆喰は化学反応で固まる訳ではなく、水分が揮発することで、一旦壁に付着した状態になります。何十年もたった漆喰は岩のように硬くなります。
漆喰を塗った表面の厚さ1~2mmで、硬くなるにしたがって調湿性能も落ちていきます。
なお「強アルカリ性なのでカビが生えない」「風邪のウイルス対策になる」などといった話も耳にしますが、少し言い過ぎかもしれません。たしかに施工直後は強アルカリですが、5年ほどで中性化するので、カビが生えてくる可能性もありえます。
漆喰の調湿性能は高くありません。JIS規格に基づくと、調湿建材とは言えないのです。JIS規格(JIS A 6909)で調湿建材の評価基準が決められていて、1㎡の壁が24時間で70g以上の水蒸気(水分)を調湿する能力がないとならないのです。ところが一般的な漆喰は、40g程度しか調湿しません。

③ メンテナンス対応・費用

当然ながら、通常住宅よりも無添加住宅の方が高いことが多いようです。オーガニック食品や無添加コスメなど、自然由来にこだわった製品は高価になりやすく、このあたりは納得される方が多いでしょう。
要注意なのは、メンテナンス費用も視野に入れておく必要がある点です。自然素材なので、時間の経過と共にメンテナンスが必要になります。自然素材で家を建てる場合、壁がひび割れしたり、フローリングの隙間はできたり、引き戸が閉まらなくなることもあるそうです。
また、実際に建てている人データを見ると、坪単価は70万円~80万円が多いようです。ハイコスト(ハイグレード)住宅といえますね。
間取りや機能、土地の面積によっても坪単価は変わりますので、目安としてご認識ください。

【まとめ】無添加住宅で後悔しないコツ

「そんなの知らなかった!」と後悔しないように、事前にしっかり無添加住宅の特徴・特性を勉強しておきましょう。
「初期費用に加えてメンテナンス費用がかかる」ということも知っていれば、自然と受け入れて対応できますが、知らないとなんだか余計な費用と対応が必要になったとショックに思うかもしれません。
オーガニックや無添加な食品・コスメが好きなわたしとしては、無添加住宅というのはとても気になっていました。
化学建材や合成接着剤など、体に有害な素材を使わない無添加であるメリットと、費用やメンテナンスの対応なども考えて検討する必要があるでしょう。
最新情報をチェックしよう!