【エコマークとは何か?】商品一覧と認定基準について簡単に解説

「エコマーク」は、誰もが1度は見たことがあるかと思いますが、どういうものか説明できますか。エコだから環境にいいもの?と、なんとなくイメージできてもパッと説明ができない方も多いのではないでしょうか。

  • 今更だけどエコマークって何?どういう意味だろう。
  • エコマークには、どんな認定基準があるんだろう。
  • エコマークがついている商品ってどんなものがあるの?

オーガニックや、エシカル、グリーン購入などに興味を持ってきたわたしが、このような疑問にお答えします。

「エコマーク」とは何か

エコマークは、様々な製品およびサービスといった商品の中で、「生産」から「廃棄」にわたるライフサイクル全体を通して環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品につけられる環境ラベルです。

このマークを活用して、消費者のみなさんが環境を意識した商品選択を行ったり、関係企業の環境改善努力を進めていくことにより、持続可能な社会の形成をはかっていくことを目的としています。

エコマークのデザイン

エコマークは、「私たちの手で地球を、環境を守ろう」という願いを込めて、「環境(Environment)」および「地球」(Earth)の頭文字「e」を表した人間の手が、地球をやさしくつつみ込んでいるすがたをデザインしたものです。

このマークは、(財)日本環境協会が1988年に一般公募したデザインの中から、環境庁長官賞として選ばれた作品をもとに制定されました。

エコマークの意味は説明できなくても、このデザインのマークがエコマークであるという認知度はかなり高いのではないでしょうか。

6つのライフサイクル

エコマークでは、「資源採取」「製造」「流通」「使用消費」「リサイクル」「廃棄」の商品のライフステージの各段階において、主に4つの環境評価項目を検討しています。

ライフサイクルは下記の通りです。⑥までいくと①に戻り、繰り返します。

  1. 資源採取:再生プラスチック等の原料を選ぶ。
  2. 製造:有害化物質の使用・排出をせずに製造される。
  3. 流通:簡易包装、リサイクル可能材料を使用する。
  4. 使用消費:長期使用などを考えた製品仕様である。
  5. リサイクル:リサイクルしやすいよう情報を記載する。
  6. 廃棄:廃棄時に害がないような材料で作られている。

つまり、リサイクルできるかどうかという部分的な判断ではなく、商品のライフサイクルを通して環境への影響を総合的に判断しているのです。

4つの環境評価項目

上記でご説明した6つのライフサイクルの各段階において評価する、4つの重点領域は下記の通りです。

  1. 省資源と資源循環
  2. 地球温暖化の防止
  3. 有害物質の制限とコントロール
  4. 背物多様性の保全

エコマークの対象分野

エコマークの認定商品は、ある特定の種類に限定されることなく、多岐に渡っています。たとえば、文房具や制服はおなじみですが、建築資材や土木製品、エンジンオイルなどの認定商品もあります。

また「モノ」だけではなく「サービス」におけるエコマークも拡大しています。エコマーク認定のスーパーマーケットやホテル、レストランなどがあり、生活のあらゆるシーンに密着した環境ラベルだといえます。

エコマークは、環境に配慮した商品を通じて持続可能な社会実現を目指す企業・団体と、環境に配慮した商品を選びたい消費者をつなぐコミュニケーションツールです。多くの企業・団体が、エコマークを通じて環境に対する姿勢を消費者に伝えています。

2010年には、環境保全に関する活動に力を入れている企業や団体を表彰する「エコマークアワード」も創設され、優れた取り組みに対して毎年賞が贈られています。

エコマーク製品一覧と認定基準

この世に出ているすべてのエコマーク商品を紹介することは難しいですが、ごく一部の代表的なものを紹介いたします。併せて、各製品の認定ポイントも紹介していきます。

2021年10月13日現在の認定商品数は44,725点、うち認定施設数は3,993点です。

1,344の企業数、4,264のライセンス数が認定されています。多くの企業がエコマークを取得していることが分かります。

びん

着色剤や、有害な金属や化学物質が添加されていないもの、食品衛生法に基づく試験に適合しているものが該当します。

その他のエコマーク商品の認定ポイントは次の通りです。

リターナブルびん

リターナブル(returnable)は返却可能という意味です。すなわち繰り返し使用可能なびんを指します。身近な例としては、ビール瓶があります。

容器が実績として、平均5回以上繰り返し使用されているものです。5回以上使うと廃棄物は5分の1に、CO2は約3分の1になります。

ガラス製のびん

ガラスカレットが65%以上含まれているものが対象です。

ガラス製の軽量びん

びん自体を軽量化することにより輸送時の燃費改善がCO2排出削減につながります。軽量びんは飲料、ジャム、調味料と幅広く利用されるようになってきました。

ごみ袋

エコマーク認定のポイントは次の通りです。

再生プラスチック

複数の素材からできている場合、プラスチックの部分には再生プラスチックが40%以上使用されているものが対象です。

ごみ袋は工場の端材、家庭から出る様々な使用済みのプラスチック容器などプラスチック活用の受け皿となっています。たとえば、卵パック、お弁当や惣菜などを入れるプラスチック容器、シャンプー、菓子袋などがあります。

重金属等の有害化学物質

法令および業界自主基準等として定められている重金属等の有害化学物質などを含まないものが対象です。例えば、カドミウム、鉛、水銀などが挙げられます。
ごみ袋にこれらの有害化学物質などが含まれていると、ごみ袋を埋め立てた場合には土地(土壌)に溶出し、汚染する危険性があります。また焼却した場合には重金属は煙と共に煙突から出てしまう恐れがあります。
エコマークではこれらの有害化学物質などの使用を規制する法令に基づく試験結果の提出を求め、審査しています。
1人当たり年間70枚強のごみ袋を使っていたそうですが、レジ袋の有料化・エコバッグ持参により、どのくらい削減されたのか気になるところですね。


生ごみ処理機

生ごみ処理機はごみ減量で環境に貢献しています。エコマーク認定品ならさらに環境配慮設計にっているということです。たとえば、消費電力が、0.1kWh/kgでCO2は1時間あたり39g減らせるなどの効果があります。

※kWh(キロワットアワー)は、1時間あたりの電力量を表しています。100Wの電球を1時間使用したら100W×1時間=100Wh=0.1 kWh、消費電力は0.1 kWhとなります。

事業者が、容器や処理機のリサイクルに配慮した設計に努めているものや、取扱説明書に、生ごみ処理容器や家庭用生ごみ処理機の適正な使用方法等の情報が記載されている生ごみ処理機が対象です。

生ゴミ処理容器

容器を使用後に、容器使用者の依頼により製造者が引き取るなどの対応をしているものがエコマークのポイントです。

家庭用生ごみ処理機

処理機の消費電力は1.5kWh/kg以下で、断熱材部分の発泡プラスチックには、特定フロン、その他CFC、代替フロン(HCFC)を使用されていないものが対象です。
フロンや代替フロン(HCFC)は有害な紫外線の多くを吸収してくれるオゾン層を破壊しています。特にオゾン層破壊に関係が深いと考えられ、国際条約で規制されたものが特定フロンです。
家庭からの食品廃棄物は98%が焼却、埋め立てと言われているので、ほんの数%でも大きな変化になるでしょう。

石けん

「家庭用品品質表示法」および「家庭用合成洗剤及び家庭用石けんの表示に関する公正競争規約」を遵守しています。

家庭用品品質表示法

エコマークでは商品分野毎に環境に関する基準と共に品質に関する基準・確認項目を設けています。この法律は消費者が日常使用する家庭用品について品質の識別に必要な表示を定めています。

洗剤やせっけんについては用途や成分、使用量の目安、使用上の注意などを必ず表示することになっています。

廃食用油の活用

原料油脂に廃食用油が粉・固形石けんには70%以上、液体石けんには50%使用されていることがポイントです。水の汚染を防ぐ効果と、資源の有効活用ができます。
10万トンの食用油から15万トンの粉せっけんができます。日本の家庭から年間60万トン、業務用120万トン、合計で年間180万トンの使用済み食用油が出ています。これは270万トンの粉石けんにすることが可能ということです。
天ぷら油(500ml)をそのまま流すと魚の棲める水に戻すには、お風呂560杯分の水が必要といわれています。石けんとして使えると一石二鳥ですね。

タオル

製品への化学物質の使用についての基準を満たしてるものなどや、下記のいずれかに適合しているものがエコマークの対象になります。

  • 製品全体の総質量に占める未利用繊維またはリサイクル繊維の質量割合が基準配合率を満たしているもの。
  • 繊維部分が綿100%の製品で無漂白綿、過酸化水素漂白綿またはオゾン漂白綿であって蛍光増白剤を使用していないもの。
  • 繊維部分が綿などの天然繊維100%の製品で有機栽培のもの。
  • 使用後に引き取り、リサイクルされる仕組みが整っているもの。
※有機栽培綿とは、農薬や化学肥料を使わないで栽培された農地で、農薬や化学肥料を使わないで生産された綿花のこと。オーガニック・コットンともいう。
世界中の綿畑の面積は耕作に適した土地のうちのたった2.4%と言われています。しかし世界中で使われている農薬の約11%が綿畑に使われていて、しかも殺虫剤に限れば、その割合は24%にもなります。
綿畑で働く人の健康も考え、オーガニックなものが増えるといいなと思います。

トイレットペーパー

次のようなことがエコマークの該当になります。

  • 製品の包装は、省資源・リサイクルの容易さ・焼却処理時の負荷低減に配慮されている。
  • 有害な着色料の使用がない。
  • 回収された牛乳パックや雑誌、OA用紙などからの古紙パルプが100%使用されている。

牛乳パック

牛乳パック6本分でトイレットペーパーが1ロールできます。
また、日本人ひとりあたり1年に約55ロールを使っていると言われています。つまり、330本の牛乳パックが、日本人ひとりの1年分のトイレットペーパーになるということです。
牛乳パックをリサイクルすることで廃棄物が40%減らせます。これはぜひ取り組みたいですね。

蛍光増白剤

製品に蛍光増白剤が添加されていないことが認定ポイントです。蛍光増白剤は染料の一種で、ものを白くみせるための薬品です。

量や人により、皮膚刺激やアレルギー反応を起こすことも考えられるため、通産省(現経済産業省)通達により、家庭用品については蛍光増白加工を必要最小限にとどめ、過剰加工にならないこと、乳幼児用製品についてはできる限り加工を避けることになっています。

カーペット・敷物

製品への基準で規定された染料等の化学物質の使用について、基準値を満たしているもの、使い捨て製品ではないものがエコマークに該当します。

ペットボトルの原料は繊維製品と同じポリエステルです。ポリエステル製の敷物は、熱に強く太陽光や薬品にも強い・防カビ・防虫に優れる、という特徴があります。

未利用繊維

未利用繊維とは、綿の種子まわりのうぶ毛のようなコットンリンターや紡績時に発生する短い繊維など本来なら利用されないものを活かした繊維のことです。

製品全体に対して、未利用繊維またはリサイクル繊維の質量割合が35%以上のものがエコマークに該当します。

再生材料が50%以上使用されているものや、製品からの重金属等の有害物質の含有・溶出が基準値以下のものなどがあります。

その他には、次のようなものも該当します。

長期使用の工夫

畳表の交換ができるなどの長期使用を可能とする工夫がされています。ものの性質によっても異なりますが、長く使えることで廃棄物を出さないことも環境配慮のひとつです。

環境3R(リデュース、リユース、リサイクル)に加えて、覚えておきたい長期使用(ロングユース)というものがあります。

  • Reduce(リデュース):ごみの発生を減らすこと
  • Reuse(リユース):くり返し使うこと
  • Recycle(リサイクル):資源として再生利用すること

畳はミルフィーユ構造になっていて、表の部分を取り替えることで長く使用できます。

食器

製品からの重金属等の有害物質の溶出が土壌汚染に関する環境基準を満たしているものや、着色剤などが、有害な金属や化学物質が添加されていないものなどがエコマークの対象になります。
家庭で使用されなくなったお茶碗やお皿などの陶器類は再び食器に生まれ変わることが可能です。ずっと再利用され続ければ、サステナブルですね。
他には次のようなものがあります。

ガラスカレット

ガラスカレットとは、あきびんなどの廃ガラスを砕き、ガラス原料に再生処理したものです。このガラスカレットという再生材料は、ガラス原料製造にかかるエネルギーを節約する効果もあります

ガラスカレットが製品重量の70%以上使用されているものはエコマークの該当です。

廃陶磁器

使用済み陶磁器が製品重量の15%以上使用されているものがエコマークに該当します。

プラスチック製の食器

法令および業界自主基準等として定められている重金属等の有害化学物質などが添加されていないかどうかもエコマーク認定ポイントになります。

シャワーヘッド

シャワーヘッドの手もとのボタンを押すだけで簡単に吐水・止水が切り換えられ、無駄に水を使わずに済むタイプや、(製造中止後に10年以上保管しており)部品交換が可能なため長期使用ができるタイプなどがエコマーク製品にあたります。

節水

節水とは、水を節約することで、水道水の送水にはポンプを動かすのにたくさんの電気が、またお湯を沸かすにはガスや電気が必要です。
節水は省エネにもなるので CO2を削減でき、地球温暖化防止に寄与します。節水型シャワーヘッドを使うと、年間32%の節水になり、CO2も32%削減できると言われています。
一家族が1年間でつかう水の総量は、学校のプール一杯分の量と同じくらいと言われています。男女が各2名の4人家族の場合、節水型シャワーヘッドを使うことにより、年間約6,200円もお得になるとされています。
かなりの量の水を節約でき、お財布にも優しくて一石二鳥ですね。

消火器

消火薬剤に鉛、カドミウム、銅、ニッケル、水銀および亜鉛などの重金属が添加されていないものや、回収するシステムが確立されており、そのための情報提供がされているものが該当します。

消火薬剤の再生材料

エコマークの対象としているABC粉末消火器の消火薬剤には、主にリン酸アンモニウムや硫酸アンモニウムが使用されています。再生薬剤を使った消火器は日本消防検定協会の検定に合格しており品質の問題はありません。
消火薬剤に再生材料が重量比で40%以上使用されているものはエコマーク製品に該当します。
リサイクルにより再生原料を製造する場合のエネルギー消費量は、新たに資源を採取して消火器の原料を製造した場合の2~3割で済みます。とてもエコですね。

パソコン(PC)

省エネルギー設計がなされているものや、下記のようなものがエコマーク認定パソコンです。

健康被害への基準

VOCとは、頭痛やめまいなどの健康被害を発症するいわゆる「シックハウス症候群」を引き起こす原因の一つです。

製品からのVOC放散速度が、「パソコンに関するVOCガイドライン」((社)電子情報技術産業協会)の指針値以下のものがエコマークに該当します。

文部科学省「学校環境衛生の基準」では、教室の空気環境の検査項目にVOC対策を追加し、エコマークではエコラベルとして世界で初めて パソコンのVOC排出抑制対策を基準に選定しました。

静音性

静音性に関して音圧レベル(dB)は、アイドルモードで40dBを越えないもの、作動モードでは、45dBを越えないものが該当します。
エコマークに認定されたパソコンの音圧レベルは最大45㏈です。音圧については下記を参考にしてみてください。
  • 30dB:ささやき声音
  • 40dB:深夜の住宅地、図書館
  • 50dB:静かな事務所
  • 60dB:普通の会話、デパートの中
  • 70dB:テレビやラジオの音、電話のベル
  • 100dB: 電車が通るときのガード下

プリンター

3R(リデュース:廃棄物の発生抑制、リユース:再使用、リサイクル:再資源化)設計がされているものや、低電力モードの消費電力など省エネルギー関係の基準値を満たしているのものがエコマークに該当します。

規制化学物質の基準設定

エコマークの認定基準ではインクの安全性も厳しくチェックし、発がん性、発がん性の疑いのある物質の使用を禁止しています。

アゾ化合物の中には体内で発がん性のアミンを生成するものもあります。染料の約6、7割がアゾ染料で、その中の5%が特定アミン類を生成するアゾ染料とされています。

エコマーク認定のインクは、これらの規制化学物質が使用されていません。

インクカートリッジの回収のシステム

インクカートリッジに回収のシステムがあることもエコマークに該当するポイントです。

使用済インクカートリッジを回収拠点から収集し、分別・分解し、再資源化しています。カートリッジやプリンターの部品・部材の一部として再利用されるケースもあります。

また環境保護と教育支援活動の推進の観点から、カートリッジの回収を通じ、ベルマーク運動との連携をはかる事業者もあります。ベルマーク参加校で希望する学校には回収箱が配布されます。

Tシャツ

ホルムアルデヒド、染料などの化学物質の使用が基準値を満たしている製品がエコマークに該当します。

PET繊維の使用

PET繊維とは、PETボトルをリサイクルしてできた合成繊維です。PETボトルの原料はポリエチレンテレフタレートと呼ばれる樹脂で、 清涼飲料容器や調味料容器などに使われています。
繊維部分質量とし、ボタンなどの小付属を除く製品全体に対して、PET繊維などのリサイクル繊維が50%以上使用されているものがエコマーク認定品のポイントです。
2019年度の指定PETボトルの回収が確認された量(キャップ・ラベル・異物を含まない)は、市町村系(推進協議会調べ)が28.4万トン、事業系(推進協議会調べ)が26.7万トンで、回収量の合計は55.2万トン(回収率93.0%)です。

ショッピングバッグ

リサイクル繊維が50%以上使用されているものや、無漂白綿であって蛍光増白剤が使用されていないものが該当します。

また、製品への化学物質(基準で規定された化学物質)の使用については、基準値を満たしているもの、使い捨て製品ではないものもエコマーク商品のポイントです。

レジ袋

レジ袋1枚を作るためには石油原料18.3mlが必要です。日本では国民1人あたり年間約300枚のレジ袋を使用しているといわれています。 レジ袋を使用しないと年間2リットルPETボトル2億7,900万本の石油の消費量を削減できます。
最近では、レジ袋が有料化してマイバッグを持ち歩く人が増えましたが、今までレジ袋をごみ袋へと活用していた方も多いと思います。
なので、結局ごみ袋を購入したり、ごみ袋用にレジ袋をもらうため、本当にレジ袋の消費は減ったのかどうかは気になるところです。そのような数値はまだ発表されていないようです。

過酸化水素の漂白綿

漂白剤には主なものに塩素系と酸素系があり、過酸化水素は酸素系の漂白剤に分類されます。

過酸化水素による漂白の特徴は、分解すると水と酸素になるので環境への負荷が少ないこと、色柄ものや毛・綿に使用可能なことです。

過酸化水素漂の白綿であって、蛍光増白剤が使用されていないものはエコマークに該当します。



園芸用品

原料に建築解体木材は使用されていないもの、木材保存剤(木材防蟻剤、木材防腐剤、木材防虫剤および木材防かび剤)が使用されていないものがエコマーク製品の該当です。
また、プランター製品に、再生材料が規定量以上使用されているものも該当します。
日本の国土の約2/3は森林で、世界の陸地の約1/4は森林と言われています。日本の森林は、年間1億トンのCO2を吸収し、森林が生み出すO2は7300トンにもなります。
ちなみに日本の自家用車 約4500万台のCO2排出量は1億350万トンと言われています。

再・未利用木材

再利用木材・未利用木材とは、間伐材、廃木材、建設発生木材、低位利用木材のことを指します。 各木材の意味は下記の通りです。
  • 間伐材:森林育成のため、木を間引く作業からでてきた木材。
  • 廃木材:主に端材や剪定した枝などの木材。
  • 建設発生材:主に建設工事等で廃棄物となった木材
  • 低位利用木材:主に低い木や災害などを受けた丸太から得られた木材。
園芸用品の木質部の原料として、再・未利用木材が100%使用されているのものはエコマークに該当します。

時計

次のような製品がエコマークのポイントです。
  • 製品の最終組み立て段階で、特定フロンなど有害物質の使用がなく、代替フロンの排出がないもの。
  • 製品、電池およびキャパシターに、水銀等の有害物質を添加されていないもの。
  • 修理、点検などの体制が、製品の製造中止後7年以上整っているもの。
  • 通常使用の場合、駆動システムの主要部品の保全寿命が7年間確保されているもの。
その他には、時計の電源に自然エネルギーが使われている、または長寿命の一次電池の使用や、時計自体の省エネルギー化により長く使えるよう工夫されているものがエコマークの対象です。

自然エネルギー

太陽から、1億5,000万km離れた地球に降り注がれている太陽エネルギーは、1時間分で世界が消費している1年間分のエネルギーに相当すると言われています。

ソーラーセルを使ったエコマーク認定の時計は自然エネルギーを有効活用し、環境負担が少ないです。

一次電池

マンガン乾電池、アルカリ乾電池、リチウム電池などの使い切りの電池は、充電ができないものです。

一次電池であっても長く使えるように工夫されたものもあり、この場合通常の一次電池タイプと比べてエコです。また、充電して繰り返し使用できる電池は二次電池といいます。

ノート

次のようなものがエコマークに該当します。
  • 古紙パルプを70%以上使用しているもの
  • パルプの漂白工程において、塩素ガスを使用していないもの。
  • リサイクル適性のある材料を使用しているもの。
他には次のような基準もあります。

白色度の基準

白色度とは、JISで決められたパルプおよび紙の白さの単位(%)のことです。

酸化マグネシウム標準白板の光の反射量を100として、光の反射量の割合の値を示したバージンパルプ100%のコピー用紙で白色度80%です。中紙(なかがみ)は白色度70%以下のものがエコマークの対象です。

シャープペン

次のようなものがエコマークに該当します。
  • 製品には法令および業界自主基準等で定められている重金属等の有害化学物質などが含まれていません。
  • 製品にはリサイクルし易いように材質表示がなされています。
  • 消耗部分(替芯と消しゴム)に含まれる重金属が規制量以下です。

再生プラスチック

プラスチック(合成樹脂)は、おもに石油などから作られています。日本では原油を精製してできるナフサを原料にしています。プラスチックを製品化するまでの消費エネルギーと資源は、鉄やガラスよりも少ないと言われています。
消耗部分を除く、製品全体の重量割合で70%以上再生プラスチックが使用されているものはエコマークの認定項目です。
廃プラスチックの有効利用率は、2015年の80%から上がっていて、2019年に85%となっています。

自動車保険

自動車保険にもエコマーク認定が適応されているとご存知でしたか。次のようなポイントがあります。
  • 保削減した保険約款の紙の量を公表している。
  • パンフレットや約款などにエコマーク認定の紙を使っている。
  • 申込書や保険証券をペーパーレスにしたり、紙資源を削減している。

保険の契約者に対して

  • ハイブリットカーなどのエコカーの場合、保険料がお得になるプランを提供。
  • 車を実際に使った距離が少ないほど、保険料がお得になるプランを提供。
  • 自動車保険を通じて地球環境保護活動に参加できる。
  • 安全運転が向上する講習などに参加ができる。
  • 事故再発防止のコンサルティングをおこなっていて、 どれくらい効果があったか検証し、公表している。

事故車に対して

  • 修理のための費用が、保険金額よりも多くなってしまう時に、修理代を保険で負担してくれる特約がある。
  • リサイクル部品をどれくらい使用して修理したか公表している。
  • 廃車する時には、再使用可能な部品を取り出して、積極的にリサイクル部品にしている。

保険代理店や自動車整備工場に対して

  • 保険代理店や自動車整備工場の環境負荷を削減する取り組みを、保険会社が評価や支援などしている。
  • 保険会社が、保険外の環境保護活動に参加や支援をしている。

BD/DVDレコーダ・プレーヤー

エコマークでは、省エネ性能だけでなく、総合的に地球環境への負荷低減できるような認定基準を作っています。

省資源と資源循環

  • 資源の節約:本体の軽量化
  • リサイクル設計:解体し易い設計、使用できる材料数などを細かく規定。希少金属類(レアメタル)の使用についても着目。
  • 包装材料の基準:省資源やリサイクルし易い包装材料を選択。

地球温暖化の防止

  • 使用時、待機時の消費電力:消費電力低減に関する厳しい基準値をクリア。
  • 消費者への情報提供:省エネに繋がる使い方を情報提供。

有害物質の制限とコントロール

  • 製品:重金属類については欧州のRoHS指令と同等の厳しい基準値をクリア。
  • 筐体部品:使用できる化学物質を制限(難燃剤など)など。
  • 製造工場:環境法規等の順守。

小売店舗

エコマーク認定の小売店舗は、この店頭・店内・裏方での環境活動・努力をエコマークの認定基準を満たすことで評価した「幅広い環境配慮商品の品揃え、環境に配慮した営業・サービスを消費者に提供し、消費者と一体となって環境に配慮した活動を推進するお店」です。
お店から出る様々なゴミは、できる限りリサイクルして、埋立てや焼却処分される量を減らすよう努力しています。
食料品を扱っているスーパーマーケットなど、店舗面積が1,000㎡以上の小売店舗を対象としています。このようなエコマークがついたお店で買い物をすれば、自然と環境活動に参加することに繋がります。

環境に配慮した買い物

  • 環境に配慮した商品が買える
  • 使用済み容器などの資源回収ステーションがある
  • 容器や包装を省略できる。
  • 店舗や地域の環境活動を行っている。

継続的な環境活動

環境方針や環境目標をもって継続的に環境活動を行っています。

お店の運営は、環境負荷を削減する観点から、環境管理責任者を置いて、環境方針や環境目標を達成するよう、進められています。

グリーン購入した備品の活用

環境に配慮した製品(グリーン購入)を使っています。お店の裏方で使用する事務用備品などには、環境に配慮した商品が使われています。

《参考》【グリーン購入法】グリーン購入とは?環境のため?何なのか簡単に解説

物流の効率化

物流の効率化を図っています。商品の運搬には、繰り返し使用が可能な通い箱を用いたり、一括配送によって運搬ルートを短縮するなど、物流の効率を実施しています。

省エネルギー化の推進

お店では、照明設備、空調設備、冷凍冷蔵設備などを運転するために、電気エネルギーやガスなどが使われています。

お店では、これらのエネルギーがどのくらい使用されているか原油に換算して、お店の床面積あたりのエネルギー使用量が基準値を超えないよう、努力しています。

まほうびん

断熱機能により電気やガスを使用せずに保温・保冷ができるまほうびん、弁当用ジャー、保温調理器などは、エネルギー消費抑制やCO2 排出削減につながります。
エコマークのまほうびんは、次のような特徴があります。
  • 保温と保冷の効果が高い:エネルギー消費の削減に寄与。
  • 消耗部品は生産終了後5年間提供が可能:長期使用によりごみの削減や資源の節約に配慮。
  • 金属材料を選択:使用後のリサイクルへの配慮。

プロジェクター

エコマーク認定のプロジェクターは、待機時や使用時の消費電力や水銀ランプの回収に関する基準などをクリアしていて、資源採取から廃棄、リサイクルにわたる製品のライフサイクル全体の環境負荷低減を進めています。
認定商品の中にはランプに水銀を含まないLEDなどの光源を使った商品もあります。
エコマークのプロジェクターは、次のような特徴があります。
  • 省エネ設計:消費電力が少ない。待機時の消費電力は1W以下。
  • 長寿命設計:ランプの長寿命化に配慮。
  • 化学物質の規制:環境に影響を与える化学物質の基準をクリア。
  • 省資源設定:製品重量の軽量化に配慮。

浄化槽

各家庭で出た排水は、浄化槽や下水処理場などできれいな水になって、川や海に流されています。特に浄化槽(合併処理浄化槽)は、小さいけれど大きな下水処理場と同じしくみで水をきれいにする、自然にやさしい仕組みです。
現在、家庭で設置されている浄化槽には「合併処理浄化槽」と「単独処理浄化槽」があります。このうち「単独処理浄化槽」は、し尿処理しかできないため、台所、お風呂、洗濯等の排水などの生活雑排水をたれ流しにして、川や海を汚してしまいます。生活雑排水も浄化できる「合併処理浄化槽」へのつけ替えが急がれています。
浄化槽(合併処理浄化槽)は、家庭から出る排水をきれいにするという本来の役割だけでなく、個別に処理された水がその場で放流されることで、河川の自然な状態の水量が保たれるという水循環の観点からも環境に優しい設備です。
そのため、浄化槽を設置していることが環境に優しいということをもっと広く知ってもらい、より環境配慮されている浄化槽を選んでもらうために、エコマークで浄化槽を認定することになったという背景があります。

【まとめ】エコマーク

情報が盛りだくさんになってしまいましたが、エコマークについての知識が深まったのではないかと思います。
普段から気にしていないと、出会った「エコマーク商品」を見逃してしまいます。どちらを買おうかなな悩んだ際は、せっかくなら環境に配慮した商品を手に取ってほしいものです。
自分のメリットだけでなく、環境や必要性をよく考え製品やサービスを購入することをグリーン購入と言いますが、その参考にエコマーク商品がなると思います。
他人の為に何かする、環境の為に配慮することは、自分自身も気分が良かったり、貢献化が得られると思います。たまには、自分以外のために選択するのもよいかもしれませんね。
エコマーク製品の一覧や、認定基準、該当商品などの最新情報・詳細は下記のサイトでご確認ください。
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