【無農薬とは】オーガニックとの違い。害虫・発がん性などの安全性

「無農薬」「オーガニック」「有機栽培」など似ている言葉が多くあります。

  • 無農薬とは?オーガニック違うの?
  • 発がん性があるとかないとか聞いたことがあるけど、安全性はどうなっているの?
  • 無農薬の野菜やお米って虫とかついてない?

普段よりオーガニック野菜やオーガニック玄米を食べているわたしが、このような疑問にお答えします。また、もともと健康志向で栄養士の資格も持っています。

「無農薬」とは

「無農薬」とは文字通り農薬を使用しないことです。野菜やフルーツ、穀物を無農薬で育てることを「無農薬栽培」といいます。

無農薬栽培とは、その名の通りで生産期間中に全く農薬を使用しない栽培方法のことです。そのように聞くと、「全く農薬を含まない農産物」と思ってしまうのですが、実は少し違います。

生産者さんの意としたことではないのですが、実情としては無農薬で育てた生産物から残留農薬が検出されてしまうことがあります。原因としては下記のようなことが考えられます。

  • 隣の畑でまいた農薬が風に乗って、運ばれてきてしまう。
  • 上流の田んぼの水に含まれる農薬が、流れてきてしまう。

「無農薬栽培」の規定

農産物に全く農薬を含まないことを示す厳格な基準や、それを認定する機関がないため、誤解を招くことがないように、2004年以降「無農薬」と表示することが禁止されています。

無農薬の他にも、「減農薬」「無化学肥料」「減化学肥料」などの表現は、消費者に誤認を招く可能性があるため、原則的に表示が禁止されています。それは農林水産省が定める「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」違反にあたります。

《参考》特別栽培農産物に係る表示ガイドライン

有機栽培で育てられたお米や野菜「有機農産物(オーガニック)」については基準が設けられており、「有機JAS」が認定の証となります。「無農薬農産物」についても、そのような定量的な基準が設定されると分かりやすいですね。

「無農薬栽培」の表示方法

原則的に「無農薬」という表現は禁止されているのですが、では無農薬で育てたことをどのようにわたしたち消費者は知ることができるのでしょうか。

生産者としては、次のような表現が可能です。
  • 「農薬:栽培期間中不使用」または「節減対象農薬:栽培期間中不使用」
  • 実質上の無農薬栽培の農作物は「特別栽培」というカテゴリーに分類され、消費者に伝えることも可能。

※「特別栽培」となっているお米や野菜が、すべて無農薬であるということではありません。

「無農薬」と「オーガニック」との違い

「無農薬栽培」という表現は原則的に禁止されており、主に「特別栽培」というカテゴリーになります。「オーガニック野菜」や「オーガニック米」というのは、有機栽培というもので、農林水産省のJAS規格という認証もあります。

  • 「特別栽培」:慣行栽培の50%以下の農薬・肥料が使用可能な栽培方法。
  • 「有機栽培」:有機農薬・有機肥料を使用が可能な栽培方法。

《参考ページ》オーガニックとは無農薬?簡単に意味を解説。世界の認証機関もご紹介。

無農薬の農作物にも危険性がある?

「農薬は身体に悪い」「無農薬は身体に良い」漠然とこのように思っている方も多いのではないでしょうか。しかし一部では全く反対の内容で「無農薬の農作物の発がん性や危険性」も語られています。色々と調べてみましたので、分かりやすくお話したいと思います。

農薬の危険性

1970年より以前は、農作物の病気や害虫駆除効果のみを重視し、安全性の検証がおろそかだったため、農薬を散布する農家の人たちに健康被害が出ました。

1970年ごろから、米国の環境保護庁が中心となり、特に発がん性・催奇形性について検証されました。日本でも1971年に農薬取締法が改正になり、多くの農薬の製造・販売・使用が中止されました。

現在は、ひとつの農薬について約100億円もの費用をかけ、あらゆる安全性が徹底的に確認されるシステムになっています。安易に農薬が認可されることはなく、日本で認可されている農薬で人体に危険なものはあり得ないとも言われています。

一方で、有機栽培(オーガニック)のお米や野菜などの農作物は、裏を返せば、認可・登録されている農薬を使わない=安全性が確認されていない有機化合物を使っている可能性があるとも言えます。

実際のところ、農作物の栽培は、雑草、害虫、病気との壮絶な闘いなので、それらの駆除剤をまったく使わず、ある程度の量を生産することはかなり難しいそうです。そんな意味でも、有機や無農薬栽培のものがすべて、安全であるのか疑問の声もあります。

発がん性について

ややこしい話になりますが、発がん性はそう心配するものではないといえるでしょう。硝酸態窒素の過剰発生を考えると、理論上「無農薬」農作物は発がん性が低いといえます。できるだけ簡単で、概要も把握できる程度にまとめていきます。

硝酸態窒素とは

生物地球化学的な循環のひとつである窒素循環により、大気中の窒素は微生物などで無機化されて土壌に取り込まれてアンモニア態窒素、亜硝酸態窒素、そして「硝酸態窒素」と形を変えていきます。このように窒素が化学反応により酸化したものを硝酸態窒素といいます。

植物はこの「硝酸態窒素」をため込んで蓄えておくことができます。野生の草木が、栄養素が少ない環境でも枯れずにぐんぐん育っているのは、この硝酸態窒素を取り込み、そして蓄えているためです。

多くの場合、土の中の硝酸態窒素だけでは足りません。そこで過不足ないように栄養を補う方法として、肥料を農作物に与えるのが一般的です。

肥料を使用することで、土の中には「硝酸態窒素」が潤沢になり、植物は自分を守るため硝酸態窒素が土中にあればあるだけ根から吸収し蓄積します。使い切らない分の硝酸態窒素はそのままの形で蓄積していきます。

市場における農作物の中には「硝酸態窒素」を過剰に摂取した物が流通している場合があります。このような農作物を人間が食べると、人体の中に硝酸態窒素が取り込まれます。

硝酸態窒素が人体に与える影響

成長の過程で使い切らずに、硝酸態窒素が蓄積している農作物を食材として使用すれば、そのまま人が食べることになります。硝酸態窒素そのものは通常に摂取する程度では特に人体にとって害を及ぼすことはありません。

硝酸態窒素を摂取後、亜硝酸イオンへと変化することでメトヘモグロビン血症を発症させるなど体内へ良くない影響を与える恐れや、発ガン性物質となるニトロソ化合物を生成する恐れがあるともいわれています。

一方では、疫学的調査によれば関連性は確認できず、むしろ抗ガン性の可能性を示しているそうです。

硝酸態窒素の過剰吸収を抑えるには

どのような種類の肥料でも、最終的には硝酸態窒素となり植物の根から吸収されます。即効性の化学肥料よりも、有機肥料は土中で微生物分解などが行われながら根から吸収される硝酸態窒素に形をゆっくり変えていくので過剰な吸収を抑制することができます。

つまり、化学的な農薬や肥料を使用した農作物より、オーガニックな野菜の方が過剰摂取となる可能性が低いのです。さらには、無農薬の方がより硝酸態窒素が過剰に蓄積している農作物となる可能性が低いといえます。

無農薬野菜は虫がつきにくい

「おいしい野菜には虫がつきやすいはず」「農薬を使用しないと虫がつくはず」と思っている方も多いのではないでしょうか。実は、農薬を使わずに育った野菜は、健康かつ丈夫で虫がつきづらいです。

農薬というより、土の栄養不足・栄養過多のバランスによって虫を引き寄せてしまうかどうかが決まるようです。わたしも驚いたのですが、その理由を解説していきます。

害虫が好む野菜とは

害虫が好むのは、糖分を多く含んだ葉です。無農薬で育てた野菜にたくさんつくのではなく、虫は糖分を合成する力がない弱い野菜につくのです。

植物は、太陽の光を浴びて光合成をします。昼間は光合成をして、夜は糖分を使って養分を合成します。何らかの原因でこのサイクルがうまくいかなくなると、蓄えられた糖分は合成されずに残ります。

健康で丈夫な野菜は糖分がきちんと合成されて、タンパク質やデンプン質に変わっています。タンパク質合成が苦手な害虫は、健康な野菜を食べません。それが無農薬で育てた野菜に虫がつかない本当の理由です。

無農薬野菜でも虫がついてしまう理由

先ほどより無農薬野菜は虫がつきにくいメカニズムについてお話しましたが、絶対に虫がつかないということではありません。いくつかの理由が考えられますのでご説明いたします。

  • 土壌の栄養不足:弱い野菜は害虫の格好の餌食に。
  • 肥料の与えすぎで栄養過多:害虫が好む糖分・アミノ酸がが増えすぎている。

その野菜にあった量の肥料を見極め、栽培方法を工夫する必要があるでしょう。そうすることで、丈夫で虫食いのない野菜が栽培でき、栄養価も高く味もおいい野菜ができでます。

オーガニック商品が購入できるショップ3選

続いて、オーガニックな野菜やお米、食品が購入できるオンラインショップをご紹介します。

宅配:ビオ・マルシェ

ビオ・マルシェの宅配は、関西で30年以上、有機農産物、有機加工品に特化した週一度の宅配サービスを行っています。

一番の特徴は、野菜は100%有機JAS認定を取得した「本物の有機野菜」という点です。加工品においても、取扱商品の60%以上が有機JAS認証取得しています。

お試しセット8品目:送料無料1,500円(税込)のキャンペーンでお試しが可能です。

《最新情報は公式サイトへ》有機野菜の宅配ビオ・マルシェ

宅配:無農薬野菜のミレー

1994年創業の企業で、千葉県の農村地域「地元密着」で農家さんと一緒に、野菜を中心とした食材の宅配をしています。農家さんから届いた野菜はその日に発送し、翌日にはお届けの新鮮さにこだわっています。

また、あえてキット化しないまるごと野菜で、皮や葉まで楽しめるようにしています。お米を買うと野菜をオマケに付けてくれる生産者もいたり、ネット販売とは思えないアットホームな雰囲気です。

基本的に定期購入の申し込みになりますが、1週お休みや定期購入の停止もマイページから簡単に手続き可能です。まずはお試しで購入してから継続を検討してみるのも良いかもしれません。

  • 季節の野菜12~14種類程度:3,000円~4,000円前後(税込み・送料別)
  • 季節の野菜と果物14~16種類程度:4,000円~5,000円前後(税込み・送料別)

《最新情報は公式サイトへ》無農薬野菜のミレー

宅配:Oisix(オイシックス)

有機野菜や特別栽培などを含む安心して食べられる食材や、20分で主菜と副菜が作れる時短食材セット(Kit Oisix)などの商品を購入できる食材サービスです。

利用者は270万人突破しており、ミールキットのKit Oisixは2400万食以上販売している人気ぶりです。

はじめての方は、割引により最安値1,980円(税込み)でお試しセットが購入できます。

《最新情報は公式サイトへ》Oisix(オイシックス)

【まとめ】無農薬の農作物

無農薬やオーガニックの野菜やお米を購入する際の参考になったでしょうか。基本的には、無農薬栽培や有機肥料を使ったオーガニック栽培がおすすめといえますが、規定の範囲内で農薬を使用した一般的な農作物も危険ということではありません。

硝酸態窒素についても解説をお読みいただくと分かります通り、健康的な野菜は虫食いがされにくいので、お買い物の際はきれいな野菜を選ぶと良いかもしれませんね。虫食いの野菜は、虫に好まれるほどおいしいというのは誤認です。

無農薬やオーガニックの野菜・フルーツ・お米などは、スーパーでは品数も少なかったり、その場で表示をチェックするのも大変なので、ネット購入でお試ししてみるのも便利かもしれませんね。

 

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