【アメリカ】水道水から有害な医薬化学物質が検出。再生水の味が好まれる。

あなたは、そのままの水道水を飲んでいますか?

  • アメリカの水道水に有害な医薬化学物質が含まれていた
  • なぜそのようなことになるのか?
  • 日本の水の安全性はどうなのか?

わたしは、オーガニック食品やコスメが好きな栄養士です。本記事では、アメリカの水道水に有害な医薬化学物質が含まれていた件日本の水道水について、まとめました。

【アメリカの水道水】

AP通信が発表したレポートによると、4100万近くのアメリカ人が、有害な医薬化学物質を含んだ水を飲んでいるそうです。

カリフォルニア南部からニュージャージー北部までのさまざまな水道環境を調べた結果、抗うつ剤、鎮痛剤、ホルモン補充治療薬など、56 種類の医薬化学物質が見つかりました。

なぜ、このようなことが起きたのかというと、生活廃水(トイレ、キッチン、お風呂などで使った水)をいくら入念に処理しても、現状のシステムでは、最新の化学製品や摂取する薬のすべては完全には排除しきれないからです。

その廃水は処理されたのちに川や海に流され、巡り巡って給水システムに戻ってきます。

つまり、人々が薬を服用するようになり、その代謝の副産物(排泄物)が、給水源に戻ってくるようになったのです。

一部の水の専門家は、再生された廃水は安心して飲むことができると断言しています。とはいえ、このような事実を知ってしまうと水道水を飲みたいとは思えません。それに健康被害や環境破壊も気になるところです。

再生水の味が好まれる

さらに驚きの情報です。カリフォルニア大学リバーサイド校とサンタバーバラ・シティ・カレッジの研究者が目隠し味覚テストを実施したところ、従来の水道水より再生された廃水の味を好む人のほうが多いと判明しました。

この実験は科学ジャーナル『アペタイト』に掲載されていたもので、ボトルに入った水、蛇口から出した再生された廃水、蛇口から出した従来の地下水をどれがどれかわからない状態で143名に飲ませ、それぞれの味の評価を尋ねました。

すると、ほとんどの人が再生された廃水がいちばん美味しいと評価しました。その水は、「トイレから蛇口にきた水」と呼ばれるものだ。

その味にもう慣れてしまって、好んでしまっているのでしょうか。生活排水の痕跡を残した水道水を飲むというだけでも気分が悪いですが、化学物質の含まれた水道水を飲めば細胞やホルモン、代謝など体に影響が及ぶ可能性があります。

わずかな影響で、健康に害がない程度かもしれませんが、長期間になればどうでしょう?または体の小さい成長期の子どもだと影響はどうだろう?と心配は膨らみます。

《参照》DIAMODO online

【日本の水道水】

アメリカのカリフォルニア南部からニュージャージー北部までの水道環境を調査したところ有害な医薬化学物質が検出されましたが、日本ではどうなのでしょうか。

水質基準

水道法第4条に基づく水質基準は、水質基準に関する省令(平成15年5月30日厚生労働省令第101号)により、定められています。

水道水は、水質基準に適合するものでなければならず、水道法により、水道事業体等に検査の義務が課されています。水質基準以外にも、水質管理上留意すべき項目を水質管理目標設定項目、毒性評価が定まらない物質や、水道水中での検出実態が明らかでない項目を要検討項目と位置づけ、必要な情報・知見の収集に努めています。

水道事業者は、水質基準項目等の検査について、サイト内リンク 水質検査計画 を策定し、需要者に情報提供することとなっています。

なお、平成20年以降、最近だと令和3年までの間に何回も「水質基準」や「水質管理目標設定項目」が改定しています。

《参照》厚生労働省:水道水質基準

チェックされている項目名を見ても、素人には良く分からないのですが、その時代・環境に合わせて毎年のように基準を変更しているので、きちんとした管理がされているのかなと感じます。

日本人が開発途上国などの世界を旅した際に、水でおなかを壊すということも良くあります。これは、普段日本が衛生的で水も綺麗なものになれてしまっているので、おなかが菌になれていないのではと言われています。しかし、自然界にある菌と、有害な化学物質だとまた話が変わってきそうですね。

また、アレルギーなども綺麗な環境で暮らしすぎると発症するものもあります。あまりに潔癖症のような生活スタイルをしていると、もう元には戻れなくなりそうです。あまりにいい環境でなれてしまうのも考えようかもしれません。

水道水中の農薬

農薬については、現在までのところ浄水から評価値の10%を超えて多く検出される項目に該当する農薬に該当するものがないため、水質基準が設定されている項目はないそうです。

上記に該当しない測定を行う農薬については、各水道事業者等がその地域の状況を勘案して適切に選定することを基本としていますが、多種多様な農薬を対象とした選定作業は困難と予想されます。

そこで、その選定作業に資するために、検出状況、使用量などを勘案し、水道水中で検出される可能性の高い農薬をリストアップしてるそうです。

水道水に生活排水の化学物質が含まれているのあれば、水道水に農薬の成分が含まれていることも大いに考えられますね。「自然な水」を手に入れるのは難しい世界になっているのかもしれません。

《参照》厚生労働省:農薬の考え方

水道水が危険という声

「日本の水道水は安全だ」という声もある一方で、危険性を訴える声もあります。その内容を3つご紹介します。

有機フッ素化合物「PFOA」の検出

有機フッ素化合物の1つ「PFOA」が、沖縄県民の半分の70万人に水道水が給水されていたという事実が発覚しました。

神奈川県の引地川や、千葉県の用水路でも基準を大きく上回る数値が確認され、全国的に汚染物質が含まれる可能性があることを示唆しています。(出典:東京・多摩の水道で高濃度有害物質 井戸のくみ上げ停止)

PFOAはこれまで防汚・撥水・ツヤだしなどを目的に様々な製品に幅広く使用されてきました。身近な用途では、フライパンのテフロン加工や衣類の撥水剤があります。PFOAは環境中での難分解性や生物体内への長期的な蓄積性が世界中で問題視されており、2019年5月ストックホルム条約(POPs条約)の付属書A(廃絶)に追加されました。

鉛の水道管への懸念

水道水の自体は継続的に摂取をしても健康に影響が生じない水準で管理されていますが、水道管が不衛生である懸念があります。

特に古い水道管に使われている「鉛」の多量の摂取は神経系や赤血球などに影響を及ぼす可能性があります。さらにこの鉛は一度体に入ると外に出にくい特徴をもっています。

平成27年度の水道普及率は97.9%となり、多くの給水管が使われています。そして1980年代後半まで鉛製の給水管が使用されていました。

貯水タンクへの懸念

10tを超える貯水タンクを備えた給水設備は簡易専用水道として、水道法で1年以内ごとに1回、水槽の清掃や厚生労働大臣の指定する検査機関等による定期検査などを行うことが義務づけられています。

しかし、有効容量が10t以下の貯水タンクの場合は、小規模受水槽として基本的には所有者任せとなります。

貯水タンクは全国に約110万箇所もあります。そのうち10tを超えるタンクは約21万施設あり、残り89万施設は10t以下のタンクです。小規模受水槽の点検清掃率は3%程度と言われており、残り97%(約86万施設)は野放し状態ということです。

水道管や貯水タンクを通らずに水道水を飲むことはできないので、その衛生面を考えると安全性にも少し疑問が残ります。

最終的にわたしたちの家の水道から出る水の水質検査をしてもらえればいいのですが、そうもいきませんね。

【まとめ】水道水

アメリカの水道水の調査と同じような検査を日本でもぜひ行ってほしいですね。それにしても生活排水を再生した有害な医薬化学物質を含んだ水の味が好まれるというのは、驚きでした。

水道水の安全性が気になる方は、沸騰させたり、ろ過したり、ご自身で対策をされたり、またはミネラルウォーターを購入するなどのご検討をされると良いのではないでしょうか。

とはいえ、開発途上国など世界の国々では、水道すらも通っていない、おトイレや手を洗うことすら気軽にできない状況下で生活している人たちもいます。そう考えると、現在の日本はとても恵まれた環境だなとも思います。

わたしが使用している浄水器はこちらです。よければ参考にご覧ください。

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